3年目のデビュー

2020年8月7日公開。
2021年1月20日Blu-ray/DVD発売。

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日向坂46のドキュメンタリー映画。
20年2月4,5日横浜アリーナで開催された『日向坂46×DASADA LIVE & FASHION SHOW』にて3月27日公開と告知されたが、新コロ延期となりしばし公開未定のままとなっていたが8月7日より公開された。公開劇場が少なく各劇場での公開期間はさほど長くなかったようだが、順次拡大していったため、なんだかんだで11月くらいまでは上映されている映画館があった模様。

なお相次いで2月27日には欅坂46もドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を4月3日公開と発表していたため当初は2グループが間を置かずに連続公開という予定だった。こちらも新コロ延期となり9月4日公開となり、結果的には1ヶ月近く開いた。Blu-ray/DVD化は21年2月3日だった。

Blu-ray/DVDはそれぞれ1種発売でコンプリート盤や通常盤は存在しない。
DISC-1が劇場公開版119分
DISC-2がディレクターズカット版173分
DISC-3が予告集/未公開PRコメント映像/『3年目のデビュー』大ヒット記念LINE LIVEで合計76分

三方背アウターケース仕様だがブックレットの類は存在せず、封入物はジャケットサイズポストカード集20枚のみとなっている。

自然な作り

2010年にAKB48のドキュメント映画から始まった秋元一派の裏側まで見せる系ドキュメント映画手法は基本的に苦労話で感動させにかかるのを基本にして始まって乃木坂46では1作目は親目線で特定のメンバーのみピックアップ、2作目は監督が無知なところからグループを知っていくという目線で制作されていた。

今作も大枠は裏側を見せてメンバーの姿に感動させる作りではあるんだけど、より自然な作りというか。その気になればけやき坂46時代からの不遇と苦労話でもっと派手に盛り上げて涙を誘う事も出来るのにそこに重点を置かずにさらっと作っていて、もちろん監督の変な主観も主張もない。今を生きているメンバーの団結感に重点を置いているのが好感触だった。けやき坂46時代はトピックも説明事項も多くなってしまうんだけど30分ちょいでまとめてしまっていて(なのでけやき坂46時代のセンターが誰だったとかいう話は一切触れず、日向坂46になってからのセンター小坂だけセンターとしてピックアップして尺を多く使っている)、映画の半分以上はデビュー後の1年間にスポットを当てていて特に直近ほど尺が長い。

全体通して色々あったけどグループの雰囲気がいいという一致団結感を感じられるので今までにない爽やかさがある。これは他グループは大体1クラスより多い人数だが、日向坂46は20名前後と1クラスより少なめでグループとしての団結と結束を感じられる程よい人数であることと、選抜が存在していない特異性によるものでもあるのかもしれない。この手のドキュメントであまり暗くないのは日向坂46らしいなと思った。

★★★★☆

ディレクターズカット版

1時間近く長くなっているが基本的に全くないトピックの新規追加は行われていないが、随所の場面を追加補強。そしてこれもやはり直近ほど丁寧に補強されている。さすがに3時間になってしまうと映画には適さないが、より1場面1場面の意味が増すのはこっちかなと思う。

ほぼ1年分をバッサリ

一方で残念だったのほぼ1年分を完全に飛ばしている事。これは2018年2月~2019年1月の期間が該当し、武道館3daysにて単独アルバム発売決定の報で歓喜になってから何故か次の場面ではシングルデビュー発表にすっ飛ばされてしまう。この飛ばされた期間の出来事は一切触れられない。これにより重要なトピックがかなり抜け落ちてしまっている。

・4月冠番組『ひらがな推し』開始
・舞台『あゆみ』
・佐々木久美が正式にキャプテン就任
・アルバム『走り出す瞬間』発売
・影山優佳休業
・欅共和国で4曲しか披露させてもらえないが盛り上がる
・上村ひなの加入
・「ひらがなくりすます2018」は最初から武道館3days

といったけやき坂46時代最後の1年の重要なトピックをすっ飛ばしてしまっている。佐々木久美は当初から引っ張っていたので今更ここでキャプテン就任の事実だけ挟んでも蛇足な感じはしてしまうし、舞台や番組も元からほとんどスルー、アルバム発売は決定したところだけ流したからもういいだろという事にしても、映画の流れではさっきまで普通に映っていた影山がしばらく映らなくなったと思ったら、次に出てくるときは関係者として楽屋に挨拶に来た時でいつの間にか「影山優佳(休業中)」扱いになっていて、上村ひなのも3rdSg発売時のライブで参加曲が増えて大変だったというエピソードでいつの間にか3期生として入っているという唐突っぷり。

柿崎・井口の卒業は裏側までしっかり見せて本人最後のコメントもしっかり出て、柿崎卒業と同時発表の濱岸の休業と復帰までしっかりフォローしているだけに、影山休業が飛ばされているのは残念だし、2期生加入はしっかりやっているのに3期生加入が飛ばされているのも残念。ひなの加入ドッキリ映像とか素材もある事は知られているだけになんで1年分思いっきりバッサリいってしまったのか。ディレクターズカットで期待していたけど前述のように新たなトピックの追加をせずに元からあるエピソードの素材を補充しただけなのでこの1年分は放置したままだった。

しかし実は映画の宣伝として制作されTBSチャンネルで放送された「日向坂46ドキュメンタリー映画 46分の予告編」(公開延期になってしまったため改めて予告編の完全版という最早ワケの分からないロングバージョンも放送され、ロングバージョンはタイトルが46分なのに70分くらいあった)では上記の省かれた要素を全て取り上げて構成していた。無いのはひなの加入時ドッキリくらいでひなの初お披露目の映像もちゃんとあった。しかも2期生のおもてなし会の映像まである。この「46分の予告編」ではけやき坂46までをロングバージョンで構成していて日向坂46以降は映画本編でという、そういう意味での「予告」だった。

今作のディレクターズカット版は「46分の予告編」で取り上げた部分の半分も追加されていない。しかもディレクターズカットで追加されたシーンでも実は「46分の予告編」ではさらにもう少し長い場面だったという箇所がほとんど。

飛ばされていた場面もほぼ補完されていた「46分の予告編」を特典映像でも収録しないというのは商品としてはかなり残念仕様だった。DISC-3のLINE LIVE(3人しか出てない)とか収録したのに何故こんなことに…。

制作は全部TBSなので権利的な問題も無く、てっきりコンプリート盤みたいなの出して「46分の予告編」、今作の素材でも一部使用された「セルフ Documentary of 日向坂46」も全部収録するのかと思っていたが、まさか1種発売で重複するだけのDISC-1,2、しょぼい特典DISC-3の構成とは思わなかった。映画本編としては好印象だがパッケージとしてはブックレットすらないしどうしてこうなったのか…。

Blu-ray/DVDとしては★★★☆☆

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