逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!

2021年1月2日放送。
2016年秋クールTBS「火曜ドラマ」枠で放送された「逃げるは恥だが役に立つ」の続編。原作の続きを元に現在の新コロ直下の情勢をそのまま導入した2019年~2020年の様子が描かれている。

レギュラー陣は全員続投、2018年にサッカーの柴崎岳と結婚してスペインに移住後は事実上芸能活動休止状態だった真野恵里菜も復帰出演している。

連ドラでは籍を入れずに夫婦となった2人だったが、みくり(新垣結衣)の妊娠をきっかけに結局みくりが津崎(星野源)の姓を名乗る形に落ち着く。夫婦別姓問題や産休・育休問題に切り込んで問題提起しまくるなど社会派なところもこのドラマらしい展開が続き、妊娠~出産に至るまでの男女の不安の違いやすれ違い、親になっていくという事を丁寧に描きつつも双方が気づきを得て成長していくというのも連ドラ時代の流れに沿っていて違和感はなく非常に良かった

津崎の職場は変わったが、結局元の職場に残っているのは風見(大谷亮平)1人だけで、沼田(古田新太)と日野(藤井隆)は独立して新たなIT会社を立ち上げていたが、今回津崎の会社の一大プロジェクトの提携・外部協力として風見も沼田・日野も参加することになったので横の繋がりは保ったまま。最終回でカップルになった梅原(成田凌)と沼田の男性同士カップルも引き続き順調、百合(石田ゆり子)がTV出演したことで連絡を取ってきた高校時代の同級生(西田尚美)も34年ぶりに再会、彼女もまた実は同性愛者で当時百合が好きだった(今は女性同士のカップルで幸せに暮らしている)とされ、男性同士のカップルだけでなく女性同士のカップルまで新たに描いた(ただし相手役の女性は出てこなくて台詞で西田尚美が言ってただけ)のに、年の差カップルとして結ばれた百合と風見は破局

キャリアアップの未来を語り、旅行でもあちこち回ろうとするまだ若くアクティブな風見に対して、百合は今後のキャリアより老後の事ばかり考える、旅行でも疲れるので早く帰りたいと考えてしまい、合わせるのが困難になったというやたら現実的な理由。何故同性カップルは幸せ継続で描くのに年の差カップルだけでこんな理由で破局設定になってしまったんだ…。

正直沼田と梅原なんて終盤で急にカップルになった感じで連ドラ時代に比較的丁寧にサブストーリーしていたのは百合と風見だっただけにこの2人の続きこそ見たかったのに最後にリモート飲み会で顔合わせただけって…。しかも百合には謎に子宮体がんになってしまい手術することになるという病気展開まで盛り込まれてしまう。何で百合だけこんなしんどい目に遭いまくるんだ今回。

そして冒頭から時系列を出していただけあって、出産直後の2020年2月から世界は一変。一気に原作に無いドラマオリジナルの新コロ展開となったがここからはまあドラマの世界観もキャラクターもぶち壊す滅茶苦茶な展開に。

出産のドタバタと育休していてニュースも見ていなかったので1~2月にかけての新コロ騒動の深刻化を職場緊急復帰の要請の電話を津崎が受けるまで知らなかったみくりと津崎。その後はパンデミックではなく最早インフォデミックの犠牲者となったかのように不安に押し潰されそうになり、お互いの接触まで回避しようとしたりと過剰な反応をし始めて様子がおかしくなっていく。

その後も現実のニュースに合わせた展開が続き、3月になると過剰対策生活に限界を感じた津崎はみくりと赤ちゃんを千葉のみくりの実家に疎開させることを提案。衝撃のコロナ疎開超展開となってしまい、津崎は不安の中で孤独を深めてしまう。

この辺りで既に色々展開がおかしくなっていて、そもそも世間の常識であっても合理性重視で真っ向からおかしいものはおかしいと主張するなど、夫婦そろって理屈っぽいこの2人が最初期はともかく少ししてもただ報道を鵜呑みにするだけで実際のリスクを自分で考えずにただ恐れるばかり。ことあるごとに「感染しているかもしれないから」と口にしてついに疎開までしてしまうなんてそんなはずがない。そんな2人は見たくなかった。感染爆発するかもしれない3月はともかく4月5月になってもそんな調子でグラフも読めなくなってしまうのはいくらなんでもないだろう。夫婦揃って急に情弱になってしまうとは…。

しかも当時の実際の報道では子供が帰省して実家の親と揃って感染というレアケースをさも一般的に起こりまくっている感染事例としての報道が相次いでいた時期だが、みくりは津崎との接触も最後までしなかったくせに両親に移すかもしれないとは考えない始末。迎えに来た父親が赤ちゃんに触れようとした際は帰って消毒してから!と意味不明な注意をしたが、これから君たち密閉空間の車中で2時間前後過ごすわけなんだけど…。

その後ついに緊急事態宣言となってしまったため、リモートワークになっても千葉に出向くことが出来なくなってしまった津崎。自粛警察とかネット上で見て社会の変化を嘆くといった社会派っぽい場面はあったが…まあTV(報道班)が煽って作り出した自粛警察をTV(ドラマ班)が社会派気取って批判するっていうのもマッチポンプが過ぎませんかね。

さらに奇妙な場面は続き、緊急事態宣言によりついに休業に追い込まれて経営がヤバいと嘆くマスター(古舘寛治)の元には百合と沼田がノーマスクで訪ねて3人で談話している始末。さすがに飲食してはいなかったが闇営業じゃねーか…。しかも半年前にガンの手術やってる百合がノコノコと足を運んでいるのはどういう事なのか。

みくりのスマホの調子が悪くなり、赤ちゃんの写真も遅れないが携帯ショップが自粛してしまっている緊急事態宣言真っただ中の5月、コンビニに出向いてデジカメのプリントアウトを行いそれを撮影してクラウドにアップするというややこしくまわりくどい方法で津崎に赤ちゃんの成長記録写真を送ったみくり。津崎は「妻のPCが壊れたので配達員としてリモート用のPCセット一式を届けに行くのは不要不急ではない」などと実に都合のいい言い訳を復唱しながら、風見の車で千葉へと出向く。

あくまで配達員だと復唱し続ける津崎は現地でみくりを見かけるが遠くから眺めるだけで会わず、みくりの両親にも合わずに軒先にPCセットを置いて(消毒済みですのメッセージ付という芸の細かさ)帰路へ。しかし何故か道に迷って彷徨っている間に追いかけてきたみくりが1本向こうの橋の上で遠距離でお互いの存在を確認し合う…ともうどこからツッコめばいいのか分からない超展開をなんか感動的にやり始めた。

満員電車で感染しているかもしれないと恐れ、妻にすら触れられなくなるほど感染を恐れていた津崎が赤の他人の風見を呼び出して運転してもらって推定2時間以上のドライブを共にするってもうリスク判断機能死んでるだろ。ていうか普通に宅配便を頼め連ドラ放映時に大谷亮平が車のCMに出ていてドラマともコラボしていたので、今回も風見が運転しているカットを入れなきゃいけないとか決まりがあったのか?

と、闇営業やら1人で移動するならまだしも都合のいい理由つけて緊急事態宣言中に知人と2人で堂々の県外移動をするなど、過剰に恐れまくりながら大胆な行動を平気で取る矛盾だらけの登場人物たち。コロナ展開になってから急にみんな変になってしまった。これは制作側がまともにメディアの煽った通りに恐れた前提でコロナ描写やるとこのような矛盾が生じると分かってて問題提起のためにやっているのか、矛盾に気づかずに天然でやっているのか。

オールキャストリモート集合を経て、最後は時間軸が曖昧にぼかされるも、ノーマスク姿で帰還したみくりと赤ちゃん、津崎もノーマスクで出迎えて触れ合う家族3人というハッピーエンディングな感じで終わらせた。…が、正直ここまで過剰な行動をとらせた後にどのような収束をイメージしてこうしたのか。あそこまで過剰に恐怖してしまえばもう簡単に元には戻れない。要するに双方ノーマスクでお出迎えなんて出来るはずがない

2人が緊急事態宣言後に改めてリスクを冷静に判断した結果当然ごとく正気に戻って過剰に恐れるのを止めにしたくらいじゃないととてもノーマスクにはなれないと思う。まさか1年以上疎開しっぱなしだった設定なんてことは無いと思うが…。いや本当にドラマの世界観ごとぶっ壊してくれたなぁこれ。子供生まれるまではとても良かったのに。

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