電影少女-VIDEO GIRL AI 2018- 全12話

89~92年にジャンプで連載されていた桂正和の『電影少女』のドラマ化。当時もOVA化、実写映画化されたらしいが、25年後のリブートという扱いで、原作の25年後の世界が描かれているとのこと。

といっても原作は二部制で、一部と二部では主人公もビデオガールも異なる。一部が89年から92年まで連載されたのに対して二部は92年に始まって92年の間に10週ちょいで終わり、作品自体も終了したのと過去OVA、映画化、その他メディアミックスの全ては一部のみを対象としており、今回もその一部の続編という事になるらしい。ただし二部の世界観は一部の何年か先の未来の話で一部の主人公も出ていたようだが…。

1話

今作では原作でビデオガールあいとの日々を過ごした主人公弄内洋太の甥っ子である弄内翔(野村周平)を主人公とし、両親の離婚で中立を取り、どちらにもついていかずに一人暮らしを選択した翔が、絵本作家として海外と日本を転々としているため家を空けていた洋太の家を借りて住むことにしたところから話をスタート。この家は洋太とあいが25年前に暮らしていた家という設定で、押し入れに眠っていたVHSビデオデッキとVHSビデオを発見した翔が再生したところ、あい(西野七瀬)が登場した!という展開。

高校2年生になった01年4月、誰か知らないがその教室を使っていた1つ上の先輩が机の中に放置していった作者の次の作品『D・N・A² 』が発見され、友人と読み漁った。その流れで『電影少女』も後から立ち読みでさらっと流し読みした記憶があるが、どんな話だったかはあまり覚えていない。ただ最後はハッピーエンドというかビデオガールとして期限付きで消滅する運命だったはずのあいが実体化して終わり、二部では出てこなかったもののあいと洋太の仲は健在であることが示唆されていたような記憶があるが…。

今作ではビデオガールに戻ってるし、最後にやってきた原作主人公の洋太(戸次重幸)はあいを見るなり久々の再会に感動するもあい本人は記憶がリセットされていて覚えてなさげ…といったところで終了した。設定がどうなっているのか気になるところだが、いかんせん25年も前の作品で乃木坂西野七瀬や野村周平目当てな若い視聴者にとってはそんなん知らんがなというところだと思うし、初期設定だけざっと引き継いでいるのかもしれない。

野村周平が純情高校生をやるには少し年を重ねすぎた&普通にモテるだろお前といった感じで若干の無理が漂う気がするが、西野七瀬も難役…。ビデオから出てくるバーチャルと妄想が入り混じったような感じなので演技が云々といったところではなく、ひたすらかわいいならOKと考えればOKな気もする。そして10代の頃と違って、改めて見るとこのビデオガールの設定の少年の妄想極まる感じがけっこうキッツイな…。そしてその妄想の極みとしての西野七瀬ははまり役なのかもしれない。他のメンバーではこうはいかない。全然主人公に関心を示さないドSな飛鳥版あいとか別の意味で面白そうだがそして今期のテレ東、ジャンプづいているな…。

2話

洋太(戸次重幸)がやってきて翔(野村周平)とあい(西野七瀬)に25年前あいと一緒に暮らしていたと告げ、改めて3ヶ月であいは役目を終える事、25年間テープの中であいは眠っていたと説明。しかし何かどこか様子がおかしくとりあえず翔は大丈夫そうだとして足早に去っていった。

翔が好きな奈々美(飯豊まりえ)、奈々美は翔の親友の智章(清水尋也)が好きだが、智章は関心が無く翔にも遠慮して気づかないフリをしている、3人は共に映画を作る仲間だったが、奈々美がついに智章に告白してしまい3人の関係性の均衡が…という感じでメインのストーリーは進行。あいは感覚が90年代&バグにより言葉遣いや料理等にやや問題があったがイトコとして紹介され徐々に馴染んでいく。

という感じだが気になるのは冒頭の洋太の挙動。一通りの説明では25年前にアイはビデオテープの中に消えていって25年間眠っていたというものだったが、原作はその後人間になったアイと洋太でハッピーエンド。このドラマはあくまでビデオガールとしてアイが役割を全うして消えたと25年後という設定でボヤっとリブートしたものなのかと思ったがそれにしては洋太におかしな様子が。

まず3ヶ月経てば消えると説明した後に「何の問題も起きなければ」と付け加えた上に「既に起きているんだよ、ありえない事が…」と言い放ったこと。そして「本当にあの頃のアイなんだなって」と感慨にふけったかと思えば「すげぇ重要な事忘れてた!」と2人を放置して外へ出ていってどこかへ電話をかけるも「ホントでねーなあいつは…」と全く繋がらないらしい様子が描かれた。そして「行くところがある」としてすぐに出ていこうとする(奈々美が訪ねてきたり、翔へ大丈夫だと言うためなし崩し的にもう少しいたもののすぐに出ていった)。結局何故このタイミングでこの家にやってきたのか良く分からない。これは25年前に人間になった現在のアイがこの世界に存在する設定が生きているのか?仮にそうなら洋太が今このタイミングでやってきた事、ありえない事が起きている、電話繋がらないなどの様子から現在のアイの行方が掴めなくなっている可能性が高くこっちの方が気になる。

3話

脚本の勉強の名目で奈々美(飯豊まりえ)を映画デートに誘うことに成功し、以降もデートを重ねて少しいい気になった翔(野村周平)だったが、あくまで練習と思われていることが判明し意気消沈。結局、智章(清水尋也)に任せた方がマシだとして智章に付き合うように促し、智章と奈々美が付き合うことになった。

3話まで何か3人で映画っぽい作品を作ろうしているのは分かっていたが、アニメ映画だったと今更把握。翔は絵コンテ担当だと思ってたら、キャラデザイン担当だったのね…。奈々美っぽいヒロインを描いていた翔だったが傷心の末に書き上げたヒロインはどうみてもアイ(西野七瀬)だった。うれしくなったアイは翔のほっぺにキス。熱狂西野ファンが発狂アイドルドラマにしてはイメージ保持の健全さキープのまま可能な範囲頑張っている感じ。

ということで3人の恋模様中心で今回はアイの謎に迫る要素は皆無。3人の関係性にしても均衡を保っていたのをその気が無い智章が奈々美の精神状態が向上して制作がはかどるからという事実上ほぼそんな理由で付き合いだすのは破綻の予感しか…。

4話

智章(清水尋也)はコンクールに出す脚本をアニメプロデューサーの清水(村上淳)に見てもらうが酷評されてしまう。脚本を書いたのは奈々美(飯豊まりえ)で、翔(野村周平)が書いたキャラデザに至っては見てすらもらえないところだったがなんとか後で見ておいてくれと渡すことにだけは成功。落ち込む一行だったがアイ(西野七瀬)がピクニックに連れ出すことで少しは気持ちもほぐれた模様。翔の優しさにアイが動揺し始める中、清水は持ち帰ったキャラデザを見て「天野あい…」とつぶやく。どうやらこいつもビデオガールを知る者らしいことが判明したところで次回へ続く。

あらすじにあった「動揺している智章は、奈々美や翔らと大喧嘩をしてしまう」というほどの大喧嘩は特にしていなかったような…。
ていうかこのアニメコンクール、3人だけで企画脚本デザインまではできても3人だけじゃアニメは作れないだろうにどうなってんの…。

5話

アニメプロデューサーの清水(村上淳)はアイ(西野七瀬)目当てで翔(野村周平)の家にやってきて適当なアドバイスを送る。心そこにあらず…といった感じで掌返しなコメント連発する清水。純粋に聞いている智章(清水尋也)、奈々美(飯豊まりえ)がかわいそうになってくるレベル。清水はアイに25年前にお世話になったっぽいが記憶が無い事を把握して去っていった。後からビデオデッキに異変が起きたので何か仕掛けたのか…?同時に大量のビデオテープを険しい顔で見つめる洋太(戸次重幸)という謎カットも…。

清水の適当アドバイスにより、映画の音楽担当を探すことになった3人は翔の後輩のリカ(大友花恋)経由でネット音楽で有名になっていたカオル(富田健太郎)に依頼しようとするが、カオルはリカを1日言いなりにさせる条件で引き受けた挙句についてきたアイと1日デートするのが条件だと乗り換え宣言を行うクズ野郎だった。アイは引き受けることにしたが翔は不機嫌になってしまい、なんとか立て直したところで次回へ続く。

なんでこの3人の前にはクズ野郎ばっかり近づいてくるのだろうか…。3人の関係性だけじゃもうネタが無いので外に広げるしかないと言えばそうなんだろうけど。清水の説明も良く聞けば「昔ヒットさせた」という過去の人っぽいし、逆に今の人であるカオルは早いうちにネットスキャンダル自滅しそうなクズだし…。

6話

劇中音楽を作曲するのと引き換えにアイ(西野七瀬)とのデートを要求したカオル(富田健太郎)。心配な翔(野村周平)は尾行するがリカ(大友花恋)もbこうしており合流。結局バレてしまい邪魔にされるが、リカの気持ちを利用したカオルは自宅へアイを連れ込むことに成功。しかしビデオデッキの故障によりアイは変調をきたしていた。

いざ襲いかかろうとしていたカオルは、あまりにぐったりしているアイを見て若干様子見しつつも襲い掛かろうとするが、満身創痍の状態のアイは振り切って逃走に成功。もっと力任せに押し切ってくるかと思ったら予想以上に非力なのかこの男…。

翔がカオルの元へ駆けつけるが既にアイは逃走後ですれ違いになってしまう。道中で倒れたアイを何者かが運び去ってしまい、帰宅した翔はビデオデッキが発熱している異変に気づいて次回へ続く。その頃、智章(清水尋也)を自宅へ連れ込むことに成功した奈々美(飯豊まりえ)はよろしくやっていた!

散々煽っていたカオルの暗黒面が炸裂するのかと思いきや、リカ相手に凄んでいる割にはフラフラのアイを取り逃がしてしまい結局ほとんど悪役らしい暗躍は何もしなかった。リカと違ってカオルはゲスト出演者扱いなのでさっさとカオルがアイ襲撃→翔助けて追い払う(カオル出番終了)→音楽の話も破綻→劇中音楽は自力でなんとかする…という流れかと思っていた。いつまでゲストしているんだ。

7話

カオル(富田健太郎)、目論見をことごとく外した挙句にアイ(西野七瀬)に逃げられてご立腹かと思いきや普通に曲はくれたらしい。使用禁止!とかごねるかと思ったのに。

あっさりコンテスト用のアニメは完成したが、アイが行方不明になってしまい翔(野村周平)はショックでヒッキーになってしまった。リカ(大友花恋)が献身するも一向に回復しない様子の翔に、リカもアイが特別な存在だと感じ始めているようだが…。

コンテストは清水(村上淳)がセコセコとマイナス評価をネットで仕掛けるなど破壊工作をしかけたらしくあっさり落選。さらに清水は智章(清水尋也)をたぶらかしてアニメーションを5万円で購入し(迫り方が尋常じゃなかった)、奪い取ったアイを使って実写アイとアイをモデルにしたアニメーションにアイの唄声を乗せたMVを制作してバズらせる。今回全く出番のなかったアイが最後MVとして登場して西野七瀬ファンが主題歌ソロ歌唱PVに歓喜翔が驚愕して次回へ続く!

オッサン(清水)一挙暗躍!といった感じでいたいけな高校生を騙してアイも奪い取るクズ大人っぷりを発揮。カオルがなんだかんだお子様に思えるほどの悪徳さ。純粋な人にしかビデオガールは見られないんじゃなかったのか。どう見てもこのオッサン汚れまくってるじゃないか。起動したのは翔だしオッサンではゼロから起動はできないが奪い取る事はできるのか。

けっこうクールに見えた智章が奈々美(飯豊まりえ)も後から聞いてちょっとその話怪しくない?というほど怪しい清水の謀略に気づけずに作品を5万で売ってしまう辺りは初めて普通の高校生っぽいなというか、この著作権意識の無さにやはりもっとネット社会に適応した確かな著作権教育を学校で行っていくべきだと実感。

ビデオデッキ発熱の件で翔が洋太(戸次重幸)に電話してとりあえずデッキを冷やせ!と指示を受けたが、電話を終えた洋太の傍には謎の女性がPCをカタカタと初めて姿を見せた。顔は不明だったが西野七瀬っぽいような声。これが原作の人間になったあいか。

8話

清水(村上淳)の元でネットアイドルになっていたアイ(西野七瀬)。駆けつけた翔(野村周平)の事を覚えていなかったアイだが清水が何かしたわけではなく、アイをスカウトしようと自宅周辺で待っていたら倒れているアイを発見して自宅へ連れ去り、目を覚ましたらアイが記憶喪失になっていたのですかさず自分のビデオガールだ!と名乗りをあげて自分のビデオガールにしたという。倒れているのを発見したところまではいいが、連れ去った時点でオッサン的に超アウトな気がしなくもないが、元々ビデオガールだと知っていた上での連れ去りな時点で分かっていてやっている。またさすがの清水でも最初から奪い去るつもりではなく、ラッキーチャンスをすかさず生かしたといった形。

洋太(戸次重幸)によれば、アイが人を好きになってしまったので異変が生じたのだという。しかしビデオガールを作った奴はもういないので対処方法も分からない…と原作展開を匂わせるお言葉も。

ますます引きこもりが加速した翔はほぼ放送時間30分中沈みっぱなしで、髪を切ってきたリカ(大友花恋)の献身もむなしく、実質振ってしまう。その上で取り戻す!としてアイ再奪還に向けて動き出して次回へ続く。

リカにはビデオガールだとは明かしていないので親戚では無い事、記憶喪失な事、そしてバレバレな好きである事を確信したリカは失恋して去ってしまったが、3ヶ月で消滅するバーチャルな存在に負けたとなると傷が深くなりそうな…。

奈々美(飯豊まりえ)、智章(清水尋也)に至ってはそれすら知らされていないのでアイが清水の元にいる時点でワケワカメ(死語)状態な上、映像を売ったり、女心鈍感な智章の態度は奈々美の反感を買いまくる…と男2人が揃いも揃ってナチュラルに相手の心を抉りまくるという。状況を整理するのも大変そうだ…。

9話

アイ(西野七瀬)を取り戻すため、献身してくれたリカ(大友花恋)(出番終了)を振って走り出した翔(野村周平)だったが、なんと本当に清水(村上淳)の元に乗り込んだだけ。当然追い返されてしまい、今度は事務所前でストーキングしながらアイの絵を手渡そうと画策。智章(清水尋也)は業界へのコネクション欲しさに清水の事務所スタッフとして採用され、奈々美(飯豊まりえ)と翔の反感を買うが逆に記憶喪失のアイについて重大な事を語らない翔へブチ切れる。

清水は翔に対して異様に強気に出るようになりついにはいきなりバケツで冷水をぶっかけて追い払おうとするなど、前回までよりも横暴な態度に出ているがこのオッサン、ビデオガール事情をどこまで把握しているのか。25年前にかかわりがあったのは示唆されたが、現状ではアイは翔の元にあるビデオデッキで再生されており、3ヶ月の再生時間も既に半分以上使用してしまっているはず(次回予告では残り1ヶ月とされている)。アイの存在できる残り時間が不明なのにアイを元手にした一大ビジネスを展開させたり、再生権を握っている翔に対して強気に出たり出来るのは何故なのだろうか。あんな思いつめた表情の高校生相手にここまでの態度取ったら逆上してデッキを破壊されるなんて事を考慮してないのか。

智章はついにアイから直接記憶喪失の話を聞いたり、清水とアイの会話からビデオガールなる単語を聞いて、翔に説明を求め、翔もついに真実を話した。これまで話せる時が来れば話すと引っ張り、今回もわざわざ「最後まで黙って聞けるか?」と念を押してビデオガールの説明をしたら嘘扱いし始める智章。翔が説明を異様に拒んでビデオガールなんて話は誰にも信用されないと恐れていたのは過剰な気がしていたけど、案外そうでもなかったらしい

しかし嘘つき呼ばわりしながらも智章はアイが記憶喪失に悩んでいることは確かだと判断し、ひとまず自分に出来ることはこれしかないとして翔の書いていたアイのイラストを渡した。アイは事務所を飛び出して喫茶店で談笑する翔と奈々美を見て記憶を取り戻すも翔と奈々美の関係がいい感じに見えすぎて居場所が無い事を勝手に悟って涙して次回へ続く。

延々暗いだけの主人公…という状態がついに3週連続。長すぎていい加減ちょっとしんどくなってきた。デッキを翔に握られたままでいつ再生終了なのかも把握していない清水が異様に強気なのも不自然だけど、翔にしてもビデオデッキというアイの生命線にして最強の切り札が手元にあるわけで、何故それを生かして清水と渡り合おうとしないのか。そして延々沈んでいて無表情だったくせに、いざアイが現れたタイミングに限って奈々美と穏やかに談笑してしまうという異様な間の悪さ(その前までは奈々美相手でも無気力状態だった)。そういう主人公なのか。ドラマ開始当初はちょっと主張が薄いけど心優しい少年みたいな感じだったのにこの3週間でなんかもうすっかり…。

10話

智章(清水尋也)のファインプレイ(完全に単独行動なので誰も彼が事態を変えるきっかけを作ってくれた立役者だと知らず、誰からも感謝されない)により、アイ(西野七瀬)の記憶が戻った。しかし翔(野村周平)と奈々美(飯豊まりえ)が仲良く談笑しているのを見たアイは記憶が戻ってないフリをして逃げ出してしまい、居場所がなくなったので残りの再生時間は清水(村上淳)の元で過ごすと決意する。さらに清水に頼み込んで奈々美とだけ面会して翔を託そうとする始末。奈々美は智章に失望して別れを切り出した直後&翔の良さを元から知っていた事もあって、別に自分と翔はそういう関係ではないと説得するどころか、アイが言うような翔の良さはとっくに知っていると怒りだしてしまう。さらに翔からビデオガールの事も聞いていたが、逆にアイはそこまで話しているくらいなら翔と奈々美は自分が思った以上に仲が進展していると勘違いしてしまうというズレまくりの構図。

奈々美と智章がこじれてきていたので、奈々美の言動行動はともかくとして(急にウザキャラになった感は否めないが)アイが謎思考すぎる。前提として元々片思いしていたとはいえ奈々美に全くその気が無かった事と奈々美と智章が付きあっていたのは知ってたのに、翔と奈々美がただ喫茶店で仲良く談笑しているだけ(この時点では智章と別れてないしそもそも別れた後も翔はその事知らない)で勘違いして居場所が無くなったと考えてしまうのは一体…。

ここまでの話の流れで翔を託すなら料理作ったりしてくれていたリカ(大友花恋)の方じゃないかと思うが、出番終了、完全に忘れ去られてしまっていてかわいそうすぎる。まあリカが翔に献身していた期間とアイがいなかった期間はほとんど一緒なので、アイにとっては翔に好意を持っている後輩の子程度で存在感が薄かったのかもしれないが。

洋太(戸次重幸)と清水は知り合いだったことが判明し、話し合うがアイが自ら清水の元でアイドル活動をすると言っている以上それ以上の説得ができない。仕方なく、洋太は翔の意思を確認後、直接乗り込んで翔に思いを伝えさせてアイを奪還。これを見た清水もあきらめて、自身の過去を語りだし、送り出してくれた。

この清水の過去というのが25年前に夢のために上京して夏美(織田梨沙)の事を忘れていた中で、夏美の死期が迫り、アイがの死の間際に再会させてくれたとかなんとかいうもの。概要だけで何が何だかさっぱり分からなかったが、どうやら清水、夏美、洋太の関係というのは原作エピソードの輸入だったらしい。原作も流し読みしただけで中間ごっそり抜け落ちているのでさっぱり覚えてなかった…。ドラマとしてこんな説明不足で大丈夫なのか。25年前に清水と夏美の間を取り持つ存在として何でアイがいたのかどころか、洋太と清水が何で知り合いだったのかすら全くドラマ内では説明が無かったぞ…。

この辺りの関係性が気になる人は

今すぐ原作をチェック!ババン!

という感じなのだろうか…。

翔への恋心で高熱ぐったりなアイを車へ連れ込む翔と洋太だったが、洋太は突如として翔を残して走り去ってしまい、翔呆然。次回へ続く。ようやく主人公が活力取り戻しそうだったのにこれまた次回の前半くらいは翔の陰気全開展開になりそう

11話

清水(村上淳)からアイ(西野七瀬)を取り戻すことに成功した直後、洋太(戸次重幸)がアイを連れ去ってしまった。アイが目覚めるとそこには原作で人間になって現在も洋太と暮らす「天野あい」(西野七瀬・二役)がいた。普通に夫婦っぽかったけど弄内あいという名前ではないのか。やはりいくら奇跡が起きて人間になろうと戸籍まで生じるわけじゃないだろうから「天野あい」のまま、世間的には洋太は独身という事なのか。

あいが人間になれている事にアイは希望を見出すものの、とにかく様々な奇跡が重なって起こった特別現象で、ビデオガール制作側の人たちがいない現状、ここまで姿を見せなかったのは自分たちなりに解決策を探していたためだったようだ。結局お互い恋心を抱いたままだと即消滅するので、いかにして再生期間を全うするかという恋心の自制をあいがアイに、洋太が翔に言い聞かせるという流れに。特に翔にはあいの事は知らせずに「施設に預けて調整中」という言い方をした洋太。あいにしてみても自分たちだけに特別に許されたハッピーエンドという状況だけにあいの表情が終始申し訳ない感じで暗いままになってしまうのは仕方ないとはいえ、このドラマ本当にみんな辛気臭い顔しまくってんな…

ようやく帰還したあい。翔は成長した姿を見せようとようやく成長の兆しを見せて家事に励み、智章(清水尋也)との和解を試みる。あいが消える前にもう1度アニメーションを制作したいとかなり自分本位な協力を要請したが、清水との一件以降申し訳なさを感じていた智章も快諾して2人は和解

しかしどういうわけか奈々美(飯豊まりえ)がダーク人間不信モードのままでアイの帰還をLINEで翔から知らされるとさらに不機嫌全開になり、あいには自分勝手だと辛辣な言葉を浴びせまくり、協力を呼び掛けてきた智章にも辛辣な言葉を浴びせまくる不機嫌暴言人間不信キャラになってしまった。一体何があったのか。

途中までは翔の話を信じであいの記憶が戻るように非常に親身になって協力してくれていたのに、あいが翔を託そうと話をしに行ってから急に奈々美がおかしくなってしまった。翔がなぜかアイ帰還の報告をLINEで済ませてしまったのにも問題はあるが(だいぶサボっていた学校にも復帰したんだから直接言えよという)、清水の一件で智章に失望していたところからあいのために絵を描き続ける翔を見ているうちに翔に心映りしていたのか、清水の一件に端を発してここのところ急激に変化したドタバタな人間関係に適応できなくなってしまい人間不信に陥ったのか…。アイへの辛辣な言葉の数々は普通に翔を好きな人の発言っぽいんだけど、智章に対しても自分勝手だ自分勝手だ言ってて正直どいつもこいつも自分本位だ自分勝手だと喚き散らす人間不信っぷりにも見える。翔に会っていたらどういう態度を取っていたのだろうか。ていうか翔と奈々美が今回の話の中で1度も対面しないのってかなりおかしくないか。3人それぞれが成長した上で和解して絆を深めるエンドに持っていきたいが故に生じている歪みなのか。

そんな奈々美がオチへ向けての都合上おかしくなっているなんてことは知らずに、智章とのアニメ急ピッチ制作を確約した翔は最後の日はデートしようとアイに持ち掛けてサプライズを用意しながら最終回へ続く。

12話

アイ(西野七瀬)が消える前に成長した自分を見せようと翔(野村周平)が智章(清水尋也)、奈々美(飯豊まりえ)の協力も得て新作アニメーションの準備を進め、最後のデートを楽しんで映像を見せ、アイは綺麗に消え去っていくという既定通りの展開に。

やたら不機嫌なままだった奈々美は結局今回も智章に不機嫌な態度を取ったままだったが、智章の粘り強い本音交渉とクールキャラから弱さを見せるキャラ変により何とか氷解し、結局ヨリを戻した。意味不明に当たり散らしていたアイに対しては手紙でメッセージを伝えるだけで終わってしまい、最後に会ったのが一方的なブチ切れ文句、その前に会った時もブチ切れ文句しか言ってないんだけどそれを「ケンカもしたけれど」の一文で済ませた奈々美のメンタル凄い。智章に対しての不機嫌も途中からエスカレートしすぎだったけど、アイに対しての突如の敵意、アイへの敵意以降翔と全く接点が無いままというのは最後まで良く分からなかった。

アニメーションは未完成で途中で終わってしまったが、成長を見せた翔。最後はアイとキス…をしようとするが触れたか触れないかの瞬間に画面が真っ白に光ってしまうというアイドル演出が入りゼロ距離までやらせておいて光で消すなんて逆にどうなん、そのまま1話冒頭でも描かれた粒子になって消失しておしまい。

洋太(戸次重幸)と天野あい(西野七瀬)は翔の前には登場しなかったが、何故アイが出現したのかについてビデオガールとしてやり残した思いがあったのではないかとあいが推測を述べる程度で終わった。結局ドラマにおいては原作主人公2人が特別扱いで得して自分達だけ幸せになったズルい大人に見えてしまいかねないような扱いの難しいポジションになってしまったな…。翔の前にあいが姿を見せず、洋太もあいの存在を一切伝えず、あいがアイにだけ消える運命を伝え、アイも翔にあいの事は伝えなかったのはホントに申し訳なさと優しさしかなかった。今後も洋太とあいは隠し通すしかなさそうだけど。

ラストではアニメーション完成に至るまでがダイジェストで描かれ、3人の関係性が復活したのに加えて、フラれて去って以降忘れられていたリカ(大友花恋)も一瞬だけ再登場して制作仲間に入っている事が明かされ、完成したアニメーションに満足げな翔で終了。

しんみりするけど前向きな終わり方としてゴールはキマった感じではあったけど…全体には思った以上に暗~いドラマだった。なんかそんなに明るくはない主人公がアイに振り回されてドタバタしながら徐々にひかれていくみたいなライトなノリのドラマかと思いきや、アイ失踪からの主人公無気力状態を何週にもかけてやったのがあまりに長すぎた。そこからの最後に奮起して成長を見せる展開は何だか『ドラえもん』だったけど、そもそも物語開始時点での翔がどんな奴だったのかはあまり描かれていなかったし、少なくとも3週も4週も延々見せられた無気力状態よりはちゃんとした奴だったのは確かだ。炊事も洗濯もできないし…とか翔が言うのも引っ越してきてすぐにアイが出現した&アイ不在で無気力状態の時に部屋が散らかり放題だったというだけなので、ノーマルな状態で1人で生活が出来ないのかは本当のところまだほとんどやってないので分からない。それに当時ほとんど翔の目にも耳にも入ってなかったけどリカがアイの代わりを全部やってくれようと献身してくれてただろ!っていう。去る前のリカのアウトオブ眼中っぷりはかわいそうだったし、この後、リカとの交流が復活したのであればちょっと報われてほしいなとは思った。

電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018- Blu-ray BOX
西野七瀬, 野村周平, 飯豊まりえ, 清水尋也, 大友花恋, 村上淳, 関和亮
Sony Music Marketing inc. (JDS) = DVD = (2018-10-03)
電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018- DVD BOX
西野七瀬, 野村周平, 飯豊まりえ, 清水尋也, 大友花恋, 村上淳, 関和亮
Sony Music Marketing inc. (JDS) = DVD = (2018-10-03)

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