SPECサーガ黎明篇「サトリの恋」

2010年に連続ドラマとして放送され、TVSP、2012~2013年に3度の映画化を経て完結した『SPEC』の7話とSP、映画に登場したサトリ(真野恵里菜)が能力に目覚めて7話で登場するに至るまでの過去を描いたスピンオフ作品。2010年の本編当時よりも1,2年前の話のため2008~2009年頃が描かれている。

インターネット配信「Paravi」で2018年9~11月に独占配信された後、TBSチャンネル(CS放送)でも放送、1年後の2019年9月にBlu-ray/DVD化もされた。全6話だがネット放送らしく、1話辺りの時間は20~30分程度と決まっていない。

『SPEC』の新シリーズとなる『SICK’S』と並行しての展開となり、『SPEC』だけでなく『SICK’S』の世界観へもつながるように構築されている…が、『SPEC』のラストで世界観がリセットされてパラレルワールドになった世界と『SICK’S』の世界がどう繋がっているのか、『SICK’S』が完結しておらず、世界観の謎が正式に明かされていないため、かなり時系列がゴチャゴチャしてややこしい事になっている…。

当時19歳だった真野恵里菜が演じたサトリはかなりカワイイ容姿とインパクトのあるキャラもあって存在感を示し、SPで殺されてしまったが、当麻のSPECにより映画でも冥界から呼び出されて再登場するなど人気だった。そのサトリのスピンオフは確かに興味深いが8年も経って27歳になってから高校時代のサトリを演じさせるのは…なんで今更…?

真野恵里菜まだまだ全然若いとはいえ、19歳当時のキャピっとした若さにはさすがに勝てず、シリアスな表情時に漂う大人っぽさにはやはり歳月を感じた。とはいえ当時はアイドルシンガーとして活動していて女優としては駆け出しだっただけに、女優に専念するようになってキャリアを積んで出せた雰囲気の良さは当時からすぐではまだ出せなかっただろうから難しいところではある。

まあでもやるのは本当にギリギリのタイミングだったか…。真野恵里菜は2018年7月にはサッカーの柴崎岳との結婚を発表、そのまま柴崎岳の住むスペインへ移住してしまい芸能活動の引退はしないとしているが新たな仕事は入れていないようで実質今作を最後に女優休業状態になっているので(スペインでの生活を綴ったりファンと交流するブログ・Twitter・インスタのSNS更新は絶えず積極的に行っている模様)、少しでも遅れていたら撮影自体不可能だったかもしれないくらいギリギリのラストチャンスだった…。

田舎の地味な女子高生だったサトリが人の心を読むSPECに目覚めて人生に絶望、自殺を図るもまっすぐな医師に救われ、さらにSPECホルダーを巡る利権争いに巻き込まれていき、『SPEC』に登場した何らかの暗部組織をバックに持つ占い師として登場するに至るまでを描いた物語としては普通に面白かった。それだけにもうこんな10年近くも前になってしまってからではなく早い時期に見たかったというのが正直なところでもある。

ただ堤監督独特のサムいギャグの入れ込み方は『RANMARU』でも感じたが年々悪化していて笑えるというより凍り付く部分が多くなってきたし、『ケイゾク』『SPEC』『SICK’S』と3作品に渡る謎や伏線がちりばめられているので複雑この上ない。柴田・真山・朝倉・当麻など最早演じていた役者が参加していない『ケイゾク』『SPEC』の主演級の登場人物の名前だけが飛び交うわ、出演可能な野々村(竜雷太)、近藤(徳井優)、地居(城田優)なんかは脇役でも登場、加えて『SICK’S』で新たに登場している人たちも登場。

ここで謎になるのが『SPEC』映画ラストで世界観がリセットされ、当麻(戸田恵梨香)が存在せず、瀬文(加瀬亮)は警官殺しの罪で投獄されたパラレルワールドとなり、既に戦いの中で死んでいた人たちも死ぬ前の世界に時間も巻き戻ったように描かれていたはずで、『SPEC』以前とそのパラレルの世界(当麻が存在しない世界)と思われる『SICK’S』は地続きの世界ではないはずなのに両方に繋がるようになっている事で…。

結局サトリがTVSPの時の結末(殺される)に至るのは確定のようにラストで示唆されていたのでパラレル世界でも結局末路は同じなのか…?一方で『SICK’S』になって登場したニノマエイト(黒島結菜)は当麻に言及して「冥界の支配者」と発言しているので、存在を認知している者がいないはずのこの世界でも当麻の存在を認知している超越者のような存在らしい…と。

『ケイゾク』も『SPEC』もちゃんと決着せずに複雑で植田Pの頭の中でしか完結していないような終わり方をしているだけに『SICK’S』もきちんと説明がついて終わるとも思えない。まあ真野ちゃんかわいいサトリがまた見れて良かった、で視聴者としては完結しておいて謎は無視しておいた方がいいのかも。

探偵が早すぎる スペシャル

2019年12月13、20日に2週連続放送。2018年夏ドラマの続編。2019年秋ドラマ『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』最終回翌週からそのまま2週連続(前編後編)で当時と同じ枠で放送された。

大陀羅一族は連ドラ最終回で全員逮捕され滅んだので、主演陣の滝藤賢一、広瀬アリス、水野美紀のみが続投。一華(広瀬アリス)が無事に父の遺産5億円を相続して完結していたが、今回は新たに東前門グループが登場。一華の父が実は行きつけのバーのママ(小林涼子)との間にこっそり隠し子(野澤しおり)を残していた(つまり一華に腹違いの年の離れた妹がいた)という遊び人設定が新たに組み込まれ、この親娘を東前門グループが誘拐。その上で一華を殺害することで遺産のを奪い取ろうとしているところから話がスタート。危機を感じた橋田(水野美紀)は再び千曲川を呼び戻す。

東前門グループは世界的奇術師の枡田圭介(田辺誠一)を雇う。奇術師であり暗殺者ではない枡田は当初断ったがトリック返しを行う早すぎる探偵千曲川(滝藤賢一)の話を聞いて奇術師としての闘争心に火が付き(殺人はオマケで)無報酬で引き受けると宣言。前編では迫りくるトリックを前に相変わらずの早すぎる仕事っぷりでトリック返しを行った千曲川。姿を見せた枡田にこれはまだ自分を試すテストだろうと本気ではない事までは見抜いていたが、そのまま本気を出した枡田は一瞬で一華を誘拐、千曲川は放り出されてしまい終了となり、後編は本気を出した枡田に追い詰められていくシリアス展開となったが最後にはどんでん返しでトリック返しとなりおなじみの展開に。

後編はシリアス中心だったので主に前編での顔芸が連ドラ時以上にノリノリになっている上に、真面目な橋田のシリアス顔ギャグも増し増しになっていて、続編という安心感と振り切れ具合が今回も面白かった。

しかし『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』といい、今作といい、更なる続きはHuluで!商法が加速するなぁ…。

ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ

テレ朝で7月12、13日に金曜ナイトドラマ、土曜ナイトドラマ枠(23時15分開始)で2日連続で放送されたSPドラマ。ラッパーに噛まれたらラッパーゾンビになってしまうラップ×ゾンビという異色のギャグホラー。小芝風花主演。

前編(12日)は医学部に入ったはずがこの半年ですっかりラッパーになってしまった恋人拓馬(佐藤寛太)にラップを辞めてくれないなら別れると告げたみのり(小芝風花)がゾンビパニックに巻き込まれていく様子が描かれ、父親(ブラザートム)や、ゾンビ化が進行した中で勝手に家に上がりこんでシャワーを浴びていた警官(片山萌美)と、拓馬の行方を捜す展開となったが、既に拓馬の両親もゾンビ化しており(みのりが前日に別れを切り出した家を出た直後にゾンビが入っていくカットがあったので直後にやられていた模様)、警官もゾンビ化。親子での逃走劇もガス欠で万事休すとなり父親もゾンビ化。

後編では1人取り残されたみのりを高校生のマコト(萩原利久)が救出し、同級生のモカ(井本彩花)、担任の加奈子(トリンドル玲奈)と行動を共にすることに。彼らはHIP HOPの名盤レコードをばらまければゾンビたちはそのお宝に群がるという習性を発見しており、大量にレコードを所持して生き延びていた。さらに拓馬ももうゾンビ化している事が判明し絶望するみのり。そんな中、散歩中のおじさん(入江雅人)からゾンビを元に戻すには魂のラップをぶつければいいと聞かされたみのりは不本意ながらリリックを練るが…。

おじさんの話は嘘で、復活したはずのおじさんの妻はゾンビ化したまま幽閉されていた。おじさんの元から逃げ出した一行は結局ゾンビ化してようと拓馬に思いをぶつけるために再び拓馬へラップバトルを挑む。最後は最早ラップですらない即興での魂の叫びをぶつけたみのりだったが、おじさんの言っていたでまかせが本当になってしまい拓馬が復活。しかし大量のゾンビに囲まれてしまった5人はラップバトルで生き抜いてやるとラップを開始して丸投げEND!

と書いていてもほとんど中身のないゾンビホラーコメディが炸裂。最早突っ込むところすらないというメチャクチャな展開の謎ドラマだったが、ほぼほぼこのふざけた世界観で大真面目に熱演していた主演の小芝風花が魅力的というだけで持たせたようなそんな話だった。2014年の『魔女の宅急便』主演で新人若手女優としていきなり注目されつつも、脇での起用が多くてブレイクしきれないまま気がつけば5年も経過していたが、今年1月のNHKの『トクサツガガガ』でようやく連ドラ主演を果たし、なんかもうブレイク待ったなしといった感じに成長していて驚いた。もう22歳だったのか。

萩原利久はこないだまでクズ男(電影少女)を演じていたが雰囲気が違っていて分からなかった。トリンドル玲奈が劇中で33歳とか言われていたのでソフトバンクのCMで注目集めてから15年近く経過してんの?と時の流れに焦ったが、実際はあのCMからは7年経過で本人もまだ20代だった。

世にも奇妙な物語 ’19雨の特別編

今年は春の放送が無いなと思っていたら6月に放送がずれ込んで「雨の特別編」になった。4月30日まで散々各所で繰り広げられた“平成最後”の冠は捨てて”令和最初”を取った…というよりも(“令和最初”なんてこれまで通り定期的に放送してれば必ず来るんだし)、その”平成最後”の特別編成が続いて放送枠がずれ込んだという感じだろうか。

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