ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ

テレ朝で7月12、13日に金曜ナイトドラマ、土曜ナイトドラマ枠(23時15分開始)で2日連続で放送されたSPドラマ。ラッパーに噛まれたらラッパーゾンビになってしまうラップ×ゾンビという異色のギャグホラー。小芝風花主演。

前編(12日)は医学部に入ったはずがこの半年ですっかりラッパーになってしまった恋人拓馬(佐藤寛太)にラップを辞めてくれないなら別れると告げたみのり(小芝風花)がゾンビパニックに巻き込まれていく様子が描かれ、父親(ブラザートム)や、ゾンビ化が進行した中で勝手に家に上がりこんでシャワーを浴びていた警官(片山萌美)と、拓馬の行方を捜す展開となったが、既に拓馬の両親もゾンビ化しており(みのりが前日に別れを切り出した家を出た直後にゾンビが入っていくカットがあったので直後にやられていた模様)、警官もゾンビ化。親子での逃走劇もガス欠で万事休すとなり父親もゾンビ化。

後編では1人取り残されたみのりを高校生のマコト(萩原利久)が救出し、同級生のモカ(井本彩花)、担任の加奈子(トリンドル玲奈)と行動を共にすることに。彼らはHIP HOPの名盤レコードをばらまければゾンビたちはそのお宝に群がるという習性を発見しており、大量にレコードを所持して生き延びていた。さらに拓馬ももうゾンビ化している事が判明し絶望するみのり。そんな中、散歩中のおじさん(入江雅人)からゾンビを元に戻すには魂のラップをぶつければいいと聞かされたみのりは不本意ながらリリックを練るが…。

おじさんの話は嘘で、復活したはずのおじさんの妻はゾンビ化したまま幽閉されていた。おじさんの元から逃げ出した一行は結局ゾンビ化してようと拓馬に思いをぶつけるために再び拓馬へラップバトルを挑む。最後は最早ラップですらない即興での魂の叫びをぶつけたみのりだったが、おじさんの言っていたでまかせが本当になってしまい拓馬が復活。しかし大量のゾンビに囲まれてしまった5人はラップバトルで生き抜いてやるとラップを開始して丸投げEND!

と書いていてもほとんど中身のないゾンビホラーコメディが炸裂。最早突っ込むところすらないというメチャクチャな展開の謎ドラマだったが、ほぼほぼこのふざけた世界観で大真面目に熱演していた主演の小芝風花が魅力的というだけで持たせたようなそんな話だった。2014年の『魔女の宅急便』主演で新人若手女優としていきなり注目されつつも、脇での起用が多くてブレイクしきれないまま気がつけば5年も経過していたが、今年1月のNHKの『トクサツガガガ』でようやく連ドラ主演を果たし、なんかもうブレイク待ったなしといった感じに成長していて驚いた。もう22歳だったのか。

萩原利久はこないだまでクズ男(電影少女)を演じていたが雰囲気が違っていて分からなかった。トリンドル玲奈が劇中で33歳とか言われていたのでソフトバンクのCMで注目集めてから15年近く経過してんの?と時の流れに焦ったが、実際はあのCMからは7年経過で本人もまだ20代だった。

世にも奇妙な物語 ’19雨の特別編

今年は春の放送が無いなと思っていたら6月に放送がずれ込んで「雨の特別編」になった。4月30日まで散々各所で繰り広げられた“平成最後”の冠は捨てて”令和最初”を取った…というよりも(“令和最初”なんてこれまで通り定期的に放送してれば必ず来るんだし)、その”平成最後”の特別編成が続いて放送枠がずれ込んだという感じだろうか。

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世にも奇妙な物語 秋の特別編(2018)

脱出不可

坂口健太郎主演。目を覚ました坂口健太郎は謎の部屋に監禁されており、ネット中継されていた。室温が徐々に上昇する中、強制的に脱出ゲームを強いられるが、やがてかつて火事をSNS投稿したのが原因で被害者に復讐されていることに気付く。

欅坂46の『残酷な観客達』+けやき坂46『Re:Mind』の復讐要素を足したような始まりだった。違うのは脱出不可としながら成功した事だが、自宅に帰ると坂口が放火犯だったことにネット上でされていて大炎上したままバッドエンド。

てことで結局近年よくやってるネット中傷の揶揄+『残酷な観客達』+『Re:Mind』って感じだった。

あしたのあたし

国仲涼子主演。夫との関係も冷めてきていた主婦の国仲涼子のスマホに突如連ドラの予告風の動画が届くようになり、それは未来予告だった。しかし、予告らしい巧みさで未来のシーンが切り貼りされているため、実際の出来事との落差もあり、当初は戸惑うが徐々にハマっていくという話。

忍成修吾との不倫に向かいそうになるが、最終的には夫の元へ走りハッピーエンドかと思いきや、忍成修吾の彼女の森田涼花に刺されて死亡するというバッドエンド。最後にサイボーグ化した国仲が森田に復讐しに向かうという謎予告を脳内展開して国仲が死亡するという謎オチであった。なんか笑いに変えて終わろうとしてたけど完全に滑ってて笑えな…。

幽霊社員

佐野史郎、勝地涼主演。老齢の幽霊社員となっていた佐野史郎だが、ある日期待の若手ながら過労死した勝地涼の幽霊に遭遇。勝地涼曰く、社内で自分の姿を見ることができたのは佐野史郎だけだという。助言を受けながら手がけていたプロジェクトを代わりに完遂することになった佐野史郎はアワアワして周りにバカにされながらも徐々に勝地涼の情熱に影響されて変わっていく。

今回唯一のハッピーエンドに近い話。しかし途中で祈祷師が入って勝地涼を消してしまい、佐野は1人で奮闘することになり成功は収めたものの、勝地涼が復活せず、別の幽霊が大量に沸いて出るというオチはせっかくいい話でまとまりそうだったのに変な感じになってしまった…。

クリスマスの怪物

川栄李奈主演。幼馴染がイジメターゲットになり、首謀者側について身を守っていた川栄李奈が、その罪を悪びれないという自分勝手はお話。クリスマスにトナカイのコスプレで商店街で歌わせるという強烈なイジメをお見舞いし、その直後に転落して半身不随状態となり施設へ移動した幼馴染。これ以降毎年クリスマスにホラーと化したこの幼馴染を見かけるという話を恋人の本郷奏多の前で友人の話として聞かせるという構成だったが、本郷奏多に話しているケンカした程度の話と、実際に回想シーンとして放映されている壮絶なイジメ話が全くリンクしていない時点でなんか川栄の方がサイコさん。

普通この手の話だと忘れていても早い段階で思い出してごめんなさいごめんなさいになるところ、ホラー化した幼馴染に追われても一切謝らず、ついには高かったドレスを破られたという理由で何とブチ切れ逆襲反撃に転じるというホラー破りの図太さを見せた川栄。そのまま何とホラー化した幼馴染の首を絞めて何で死んでないんだ!などとのたまい殺そうとするサイコっぷり披露。

本郷奏多の正体は神(サンタ)であり、せっかく懺悔のチャンスを与えたのに…と残念そうに語ると、幼馴染だと思っていたホラー化した女性はイジメの首謀者が罰により変貌した姿だったと判明。両者に追い詰められた川栄は容赦なく罰を受け、自らもホラー化してTHE END。

割とありがちな過去の罪が取り返しのつかない報いとなって返ってくるパターンのホラーではあったけど、主人公が一切謝罪しない、むしろホラー相手に反撃する、真相を知らされ追い詰められても最後まで悪いと思わない…というネジの外れっぷりは新しかった。

マスマティックな夕暮れ

玉城ティナ主演。ここ最近のパターンである『クリスマスの怪物』の前に前編を流して、EDテロップ終了後に後編を流す分割モノ。

バカな不良に絡まれた玉城は不良たちが死んだ先輩のタカシ君を黒魔術でよみがえらそうとしたが、行う手順に数学の知識を多数必要するため力を貸せと脅される。一緒に勉強しよう!と提案した玉城は不良たちを鍛え上げ、不良たちはメキメキと優等生化。

そしてついに黒魔術を成功させ、先輩リアルに復活。しかし賢くなった不良たちと、バカな先輩とかみ合わなくなっていた。さらにライバル校から新たに黒魔術の誘いを受ける玉城で強引にEND。前半に比べて後半のオチが露骨に雑で意味不明だった…。

世にも奇妙な物語 春の特別編(2018)

フォロワー

白石麻衣(乃木坂46)主演。
セレブな港区OLハルと偽装してフォロワー数稼ぎに躍起になっている冴えないOL白石麻衣が自分を慕うアカウント『ミミ子@ど田舎』に徐々に追い詰められていくホラー。ミミ子の声を担当していたのが竹達彩奈(姿は見せず声のみ)だったので声自体はカワイイ感じなのに、徐々にサイコちっくになっていくのが逆にもっと怖かった。最後はミミ子の正体も明らかにならずただひたすら追い詰められてのバッドエンド。

実際に港区OLハルのTwiiterアカウントを連動させるという現代らしい試みもあったが…。冒頭から白石麻衣がひたすらパッシャパッシャ偽装用の写真を撮りまくる姿ばかり流されていたのでこれどっちかというとインスタ映え的な方向なんじゃないかと思ったんだけど、あえてTwitterなのは制作側のSNS感覚が古いのか、インスタよりTwitterの方が構成上都合が良かった(ミミ子が迫りくるのにDM機能、リプライやブロックなどの見せ方をするのにインスタよりTwitterの方が都合が良かった)という諸事情なのか。最新なようでちょっと遅かったテーマだった気もする。

不倫警察

唐沢寿明主演。
世論が高まりすぎて不倫が犯罪となった世界で、唐沢寿明がひょんなことから不倫の疑いをかけられて追い込まれていく皮肉コメディ。裁判送りにされた挙句に、革命集団による襲撃で脱走に巻き込まれるも、革命集団の仲間割れに巻き込まれて銃撃の末に気を失った唐沢が目を覚ますと世界はさらに激変。不倫を取り締まっていた升毅や、妻の紺野まひるも何故かどこかへと連行されていき、東京が誰もいない荒廃したゴーストタウンと化していた唐沢が絶叫しておしまい。

「1度世間に疑われたら終わりだ!」とか「(当事者同士が許していても)世間が許さない」とか昨今の不倫に限らずな執拗な叩き文化をストレートに皮肉った挙句にゴーストタウン化して誰もいなくなり「世間なんてそんなのどこにもいないじゃないかぁぁぁぁぁ!!!」は、最早この閉塞した現状の中での魂の叫びのように響き渡った。なんでもかんでも気に入らない人がいれば規制規制でそれがエスカレートしたらこうなるという事だったんだろうけど、コメディだと思ってたら不倫ほとんど関係なかったし、メッセージ性がストレートに出すぎてオチも投げっぱなしになってしまったような。それほど訴えたかったのか。

明日へのワープ

三浦春馬主演。
芽の出ないまま30手前まで来てしまったアマチュア映画監督の三浦春馬は女優を目指している佐久間由衣とも年齢的な問題からこじれていき、追い込まれていた。不眠に陥った三浦は心療内科で医師の相島一之から新薬アイリウムを処方される。それは1錠飲んだらその後の24時間記憶が消えるという薬だった。

本人自体は通常の意思を持って行動しているが記憶が消えるため、本人の意識としては飲んだ直後に24時間後へワープする感覚になるという。辛い現実から目を背けるためワープを多用する三浦だったが、結局消えた24時間を任せるのは他ならぬ自分自身であるため、24時間後へワープしても何も変わらない。3錠では1週間飛ばせるというので、賭けていた映画コンペの締め切りまで待てずにとんだところ、速攻で落選が判明するだけだった。就職活動も今からではうまく行かない。ていうか中途採用の面接がものすごく志望者を見下す感じの圧迫面接風だったのが地味に重かったのはなんなのあれ(三浦の前の人とか何故か怒鳴られてるし、三浦も早くしろ!とか怒られるという)。

佐久間にも去られて絶望した三浦は薬を使い切ってしまい、次の診療時に相島一之が席を外した隙にアイリウムを大量に盗み、大量に服用して青春を終わらせてやるんだとほとんど自殺シーンみたいな感じに。

1錠で1日なのに3錠で1週間も飛ばせるという飲めば飲むほど効果が飛躍的に伸びるらしく大量服用を止められていた三浦だったが、盗んだアイリウムをほぼ全部食い尽くした結果、飛んだ先は15年後の未来。どういうわけか佐久間と復縁して幼い娘もいたが佐久間は3年前に病没。映画ではなくフリーライターとして今はなんとかやっているらしいが、映画自体でも2020年に賞を取っていたらしい。あの絶望からも2年間奮起して待望のプロへの道を掴んだにも関わらずそこで何故道を変えたのか、その全ての記憶が無く、共に過ごした佐久間もすでにいないため、空白の15年間に何があったのかさっぱり分からず、激しく後悔する三浦。辛くても記憶こそが未来を創ると痛感していると…。

そこで目が覚めるとアイリウムは最初の1錠を飲んだだけだった(24時間も飛んでいない)。アイリウムによって見た幻想体験により三浦は活力を取り戻して生きていく…。ということで結局アイリウムは記憶を24時間飛ばすのではなく、幻想体験をさせるのが本当の効能ってことだったのこれ…?

少年

倉科カナ主演。
倉科カナの前で起きたバイクと少年の事故。無事だった少年だが、違う名前を名乗ったり変な挙動をした後に倉科カナの前に現れる。不気味なその少年の様子から少年サイコホラーかと思われたが、少年は学生時代に事故死した彼氏の健太郎の生まれ変わりだった!というファンタジー。少年が事故に会ったことで一時的に前世の記憶を取り戻し、彼氏の死に責任を感じて以後10数年時の止まっていた倉科カナの心を動かして最後の挨拶をして消えていくという感動モノ。ベタではあったけど、逆にこの手の生まれ変わりネタって案外最近見てなかったので(小学生の頃なんかこういうネタ良く見た気がするんだけど)懐かしくもあった。

城後波駅

合間に出てきたショートストーリー(アバンストーリー)。ポンキッキーズを終えたガチャンピンとムックが都市伝説「城後波駅」へ向かうという動画を最後に失踪。上司に「戻ってこれなくなる」と言われながらも記者の岡田義徳が調査に向かう。ガチャンピンムックが最後にいた「久津々西駅」にて「城後波駅」への道が開けるという儀式(時刻表アプリで特定の設定で検索する)を行うと不気味な駅員によりやってきた謎の列車に強制的に乗せられてしまった。この土壇場で「城後波駅」=「しろごなみえき」=逆から読むと「みなごろし」だと気づいた岡田は助けてくれぇぇぇ!!と絶叫して前編終了。

しかしそのまま本編最後の『少年』も終わってしまい、いつものタモリの締めのトークも終わってエンディングテロップに突入。エンディング終了後にようやく後編がスタート。

暗黒世界「城後波駅」に下車すると、電車は走り去ってしまうがその電車の中にはガチャピンとムックの姿が。上司に「入れ替わるまで帰ってこれなくなる」といわれたことを思い出した岡田だったが、ゾンビと化していた駅員に襲撃されて殺されてしまう。

…と思ったら最初にやってきた「久津々西駅」に戻っていた。再び駅員に押されて強制連行されてしまう岡田。謎のループ展開となったが、その中で「久津々西駅」=「くつづにし」=逆にすると「しにつづく」=「死に続く」だったことに気づいて岡田が驚愕したまま終わり。

ガチャンピンとムックが後編でほぼ背景。そしてこの世界のシステムがなんだか良く分からないままに終了するという最後に投げっぱなしのオチは見終わった感触が非常によろしくない…。

「久津々西駅」で「城後波駅」へ向かう儀式をする→連行される→「城後波駅」に到着後に殺されるが殺された瞬間に「久津々西駅」に戻るが、直後に強制的に再び連行される→以下ループ

という無限ループ地獄に陥り、「入れ替わるまで帰ってこれなくなる」の言葉通りに、誰かが”「久津々西駅」で「城後波駅」へ向かう儀式をする”を発動させると無限ループから脱出して帰ってこれる。入れ替わりで行った者がまた誰かが儀式を行うまで無限ループ…っていう世界観でいいのか。