2024年6月8日放送。2019年に「雨の特別編」(6月放送)になり、2020年に「夏の特別編」になり(7月放送)、2021年から4年連続で6月の放送。
追憶の洋館
若村麻由美主演。
山奥の滝を見た帰りに足を滑らせて転落した雨霧梢(若村麻由美)は洋館で目を覚ます。青年(ジェシー)、老人(山田明郷)、和装マダム(山野海)、女子高生(池田朱那)が季節も雰囲気もバラバラでそこにいて一定時間が経つと部屋に戻っていく不気味な場所で、自身の名前も思い出せない記憶喪失の雨霧梢は記憶をたどる事を要求され、徐々に思い出していく。
4人全員の過去がフラッシュバックしていき、4人全員を知っている事までは思い出せたがその後思い出したのは4人それぞれの殺害シーン。自分が凶悪ストーカー殺人犯だったのかと絶望する雨霧梢だったが、そんな何人もストーキングして殺せるはずがない。もっと思い出せと言われたところで、ついに正体が判明し、小説家だった事、小説内で殺された被害者たちだった事が判明。読まれるたびに何度も殺されると恨み言を言い出した4人はこれで最後の小説が完成した、これからは貴方も同じように登場人物になると告げてBAD END。
小説家の雨霧梢は行き詰るとパワースポットに出かける習性があり、その先で転落死していた。しかし警察の死亡推定時刻を過ぎた頃に最後の原稿が編集者にメールで送られており、遺作「追憶の洋館」が発売され、死亡直後にメールが送信されている事を編集者が訝しがりながら終了。
冒頭の転落シーンでけっこうガッツリと効果音付で木に頭を打ち付けてガックリ意識失う場面があったので、主人公死んでんだろうなというのが容易に予想できただけにそこからCMを何度も挟み引っ張った割にオチが何とも理不尽な…。あれも不謹慎これも不謹慎!ネガティブ連想されたら1発アウト!チキチキ不謹慎祭り!と化しつつある現代社会でついにサスペンス小説を書きまくったら小説の被害者に恨み言を言われて自身もその一部(被害者)にされるって行き着くところまで行き着き過ぎた感。
友引村
原菜乃華主演。
凛(原菜乃華)、壮真(水沢林太郎)は大学の友人ヤマト(丈太郎)の葬儀のため、ヤマトの故郷友引村へやってきた。葬儀の場で踊り出す村人御一行や、「友引人形」なる不気味な風習、そしてヤマトが自殺する直前に凛に告白して振っていた事から負い目を感じて「友引人形」を作るため一晩泊る事にしてしまったのが運のツキ。
2人は監禁されてしまい、なんとか脱出するも山中を彷徨って脱出できないままに2人を模した「友引人形」が一緒に火葬されてしまい、同時に壮真が突然倒れてしまい、凜も再度捕獲されてしまう。目を覚ますとスッキリした様子の母親、そして死んだと思われた壮真も目を覚ましたので安堵した凛だったが、「友引人形」の効力の1つである道連れにするのではなく魂を入れ替える作用を行使した事で、壮真の肉体にヤマトの魂が入れ替わった状態で復活。妻として”選ばれた者”と言われていた凜は殺されはしなかったが、壮真の姿をしたヤマトに迫られてて恐怖のままBAD END。
ヤマトは最初からサイコ片想い野郎で一貫。あまりにキモめな告白だったためか、凛も割とハッキリ断ってしまったとはいえ代償デカすぎるし結末が怖すぎる。
人類の宝
高杉真宙主演。
壁にグラフィティアートを自由気ままに書いて暮らしていたエイスケ(高杉真宙)は世界文化遺産保全機構(WCCO)を名乗る三嶋(新納慎也)に”才能を保護”(実質拉致監禁)されて絵を描くよう強要される。自由を求めて反発するエイスケは同じように保護されている覆面シンガーのミハル(恒松祐里)と交流を深めて逃げようとするがミハルは外の世界に興味がなく、また全て三嶋の策略だったので失敗。それでも隙を突いて脱出したエイスケだったが、今度は謎の組織に拉致されてしまう。三嶋も殺されたかに思われたが、組織にアートを強要されるエイスケの前に死んだはずの三嶋が現れ、保護をお願いするなら助けてやると言われたエイスケは保護を自ら願い出る。すると三嶋は組織を一網打尽にし、すっかり虜にになったエイスケはWCCOの保護下で世界経済に影響を与えるほどのビッグアーティストへと成長。
ミハルが逆に自由になろう逃げようと持ち掛けてきたのも思いっきり無視して三嶋に心酔していたエイスケだったが、エイスケの存在が予想以上に大きくなりすぎて邪魔とされてしまったため、WCCOはエイスケの処分を決定。冷凍保存されてしまうエイスケでBAD END。
グラフィティアートで世界を牛耳ってしまうのは歌に比べても説得力に乏しかったが、三嶋の怖さはより際立った。ミハルが裏切った際に最初から全部策略だと言い放ち、逃げたエイスケを追う際に自分1人に任せろと三嶋が言っていた事と、銃弾全回避で敵対組織全滅させるとか不死身のアンドロイド級の戦闘力も何もかもおかしかったので敵対組織含めて全部三嶋が仕掛けた茶番って事でいいんだよな…。
今作の高杉真宙は10数年前(『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』頃)の生田斗真とそっくりだったような。
週刊 元恋人を作る
高橋ひかる主演。
学生起業を目指しセミナーに通う大学生ななみ(高橋ひかる)は講師の大谷(竹財輝之助)にフラれ、「週刊 元恋人を作る」を注文してしまう。デアゴスティーニ等で知られる「週刊○○」のアンドロイド版で、格安の創刊号で送られてくるのが目玉2つだけというシュールさ、怖さがいきなり凄い。バイト三昧で上半身大谷(半裸)が完成。この後は下半身だという部分では、アレはついていないがそもそも見ていないなど謎に下ネタで細かいアンドロイド設定が示唆されるなどやりたい放題。
下半身に進む前に、ウーバーイーツ系の配達のバイトで大谷と友人に遭遇して会話を聞いてしまったななみは相手が講師のオジサンという事でお察しのように案の定生徒に手を出して遊ぶオジサンだった事を知りショックを受けてしまう。ただ大谷も大谷で相手が本気になったのでとっとと切ったと発言していたように、本格的に生徒に手を出そうという気は全くない上にそれで懲りてもう辞めたらしいのでそんなにゲス野郎でもなかった…?
引きこもって落ち込んでいたななみの元にかねてから異変を察知して心配してくれていた親友のあいり(日向坂46富田鈴花)がやってきて励ましてくれ、大谷人形を見せたところ大爆笑して笑いに変えて立ち直らせてくれた。何かあいりに裏があるのかと思いきや、そのまま超絶いい親友のまま終わり(ほぼ富田鈴花じゃないか)、完全に吹っ切ったななみに大谷が今更LINEを送りまくりついにはななみのデータで「週刊 元恋人を作る」を注文するという中年の悲哀全開のまま終了。
随分ピュアな主人公&いい人すぎる親友、そしてゲス野郎ではなかった中年講師がまさかの悲哀オチ…とシャレの効かせ方が独特だった。まあ3作BAD ENDだったので最後は死ぬ話ではないだろうなとは思ったけど。
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