量産型リコ-最後のプラモ女子の人生組み立て記- 全10話

2024年夏クール、テレビ東京「木ドラ」枠。2022年『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』、2023年『量産型リコ -もう1人のプラモ女子の人生組み立て記-』に続く3作目で最終作と銘打たれた。

前作同様に別世界の小向璃子を描く内容となっていて前2作とは繋がっていない。

小向璃子(与田祐希)は3作連続主人公で同姓同名の別人設定。
同じく3作連続の矢島(田中要次)は3作連続同一人物で、唯一別次元の小向璃子を知っているかのような発言をする事がある。
3作連続レギュラーはこの2人以外は森下能幸のみとなり、OP映像には登場しているものの故人となっている。前2作では同姓同名の別人設定で雉村仁だったが、今作ではリコの祖父となり名前だけ引き継いで小向仁となった。

2作目からはアオ(石田悠佳)が名前そのままで続投。
2作目で新レギュラーの同僚社員だった侑美(市川由衣)、浩一郎(矢柴俊博)はそれぞれ名前はそのままにリコの姉と父となった。

リコの妹の香絵(佐月絵美)と母の由里香(浅香唯)は新レギュラー。

これ以外の1,2作目に同姓同名別人設定で続投していた望月歩、前田旺志郎、 藤井夏恋、マギーは揃ってレギュラーから外れた(中島歩と与座よしあきは1作目レギュラーで2作目ゲスト)。LINKL PLANETからも2作目ではアオに対するハル(天川れみ)がいたが外れてしまい石田悠佳1人のレギュラーとなった。

前作同様にレギュラーから外れた面々は各話でゲスト出演した。

2話で犬塚(マギー)猿渡(与座よしあき)が土地開発(?)の上司と部下役で1シーンのみ登場。4話でも登場。8話ラストでは犬塚がそろそろ計画を動かす事を宣言し、9話で本格登場、10話冒頭にも登場した。役名は2話で犬塚が猿渡を呼んだだけだったが、9話の説明会のシーンで名前が映し出されており、マギーは3作連続の犬塚輝、与座よしあきは1作目以来の猿渡敦と明示された。
3話では地元スーパーのアイドル高木真司(望月歩)として登場。5話でもアイドル高木真司のCDジャケットが登場。
3話でリコがスーパー入店時にすれ違う巫女としてハル(天川れみ)が登場。6話でアオのプラモ仲間で手伝いに呼ばれた際にはハルと名乗った。7話では手伝い探しで神社を訪れたリコと浅井と共に掃き掃除を行い、リコと浅井が探していた犬を境内で発見するも次の現場へ2人が急行したため犬を任される形でほぼ台詞なしの巫女姿で再登場。
4話で侑美(市川由衣)の夫の名前が「リョウさん」と呼ばれ、5話でも引き続き「リョウさん」と名前呼びだけ登場、6話で亮太(中島歩)が登場した。3作連続名前のみ共通、苗字は役に合わせて変更。
7話でリコの幼馴染として浅井(前田旺志郎)が登場。

1期では先輩、2期ではライバル会社の社長だった中野京子(藤井夏恋)は1~2期レギュラーの中で唯一出演無し。

LINKL PLANET枠は今回出番が少なく、アオ(石田悠佳)・ハル(天川れみ)以外は1期のゲスト枠(アイドル役)で出た安藤玲菜が8話で香絵の友人の1人として登場したのみ。エンディング曲も思いっきり石田悠佳単独センター、単独ジャケット、冒頭ヘロヘロソロボーカルと露骨すぎる扱い。

1話

冒頭で祖父の仁(森下能幸)が亡くなった報が入り、リコは田舎の実家へと帰郷。特に言及されなかったが設定上は派遣社員で、姉の侑美(市川由衣)とリコは帰郷、高校生の妹の香絵(佐月絵美)と母の由里香(浅香唯)、父の浩一郎(矢柴俊博)と祖父の4人で現在は暮らしていたらしく、3姉妹が揃うのは4年ぶりらしい。

遺品の中から作りかけのプラモを発見し、祖父が買った店の店主と友人関係だったと両親から聞かされたリコは矢島模型店を訪れる。前2作は都内の同じ場所に店があったっぽかったが、今作では田舎なので明らかに別場所で店も大きくなっていて古民家風になっていた。友人の仁の死に泣き崩れていた矢島だったが話に聞いていた孫のリコが作りかけのプラモを完成させてほしいと訪ねてきたと知ると仁のように店の奥でプラモを作るかと案内。

知らなかった祖父の一面を垣間見ながらプラモを完成させ、持ち帰るとここに来て祖父の思い出話に花が咲き、家族全員で祖父の死を改めて実感。リコは夏休みだからという理由でもう少し実家に滞在すると宣言し、何故か姉の侑美も残ると言い出し(仕事は不明)、久々に家族が揃った小向家の夏が始まった。

プラモ完成時に前2作では矢島が先導していた決め台詞の「ギブバース」を言い出したのがリコで、矢島は戸惑い、アオは初めて聞いたような反応。そしてエンディングでは矢島が「これが小向璃子との最初の出会いだった」とナレーションを入れ、タイトルの”最後のプラモ女子”が一瞬だけ”最のプラモ女子”に切り替わるなどエピソードゼロでした演出も入った。

リコの年齢が1作ごとに進んでいるのに、思いついちゃったみたいなノリで実は3作目が1番最初でしたという最終必殺みたいなネタをいきなりやってしまうとは…。リコの年齢を23歳→24歳→25歳と進めていたのに25歳→23歳→24歳に入れ替わることになったり、アルバイト店員もアオ→ちえみ→アオになっちゃうけど…?極めつけは今作を最初にしてしまうと、今作では2作目でやったような別時空のリコを知っている?みたいな遊び台詞を一切放り込むことが出来なくなったことに(今回設定を明かしたようなメタ的な矢島のナレーション以外)。

田舎の家族設定は初回の段階では前作のような不自然さが無く、レギュラー陣を割と大幅に入れ替えて残したキャストも姉と父と祖父と自然な形に配置。2作目で残した望月歩、前田旺志郎、 藤井夏恋、マギーが揃いも揃って同姓同名なのにキャラ変わりすぎて合ってない感じがずっとあったので無理に彼らを当てはめてレギュラーにしなくて良かった(藤井夏恋を次女にしてリコを三女にするパターンはありそうだったけど)。まあ森下能幸の祖父っていうのもかなり強引に当てはめた感じではあるけど。75歳と設定されていたけど前2作では現役の社員役だったように本人まだ61歳だぜ…。

あと市川由衣と浅香唯が18歳差、矢柴俊博とは15歳差しか無く、与田祐希と14歳差で、両親とは差が無さすぎ、姉妹にしては離れすぎなので明らかに市川由衣は実年齢より10歳近い若いアラサー設定…?『あの子の子ども』案件で高校時代に生まれて、その後結婚して落ち着いてから次女、三女っていう設定では無さそうだし。

2話

父の妹(リコの叔母)が子供(リコの甥っ子)勇斗(長尾翼)を連れてきた。父は日中仕事で不在、侑美も在宅で自由に仕事しているっぽい(リコはマジ夏休みというかこの期間は派遣の仕事の合間という扱いでの無職?)ので母含めて女ばかり揃っており、揃って買い物に出かけてしまい、勇斗を1人にするわけにはいかないのでリコだけ置いて行かれた。

面白くないリコは自由研究だと言って勇斗を連れ回して昆虫採集や近くの農家でのヤギとの触れ合いなどをさせるが、塾の勉強で忙しいインドア派の勇斗は迷惑そう。また農家の人とリコ、勇斗が動物と触れ合っている近くに唐突にマギー(前2作レギュラー)と与座よしあき(1作目レギュラー、2作目は最終回に大会の司会役でゲスト出演)の2人が登場。特にリコたちと触れ合う事もなく、土地開発の上司と部下のような会話(ここに駐車場を作るとかなんとか)を繰り広げるだけで出番終了。最終的に田舎町が開発の波に…みたいな問題を取り上げるための壮大な伏線なのか、単に遊び的なゲスト出演でマギーがアドリブかまして与座よしあきが乗っかっていただけなのかも不明。与座よしあきが猿渡と1作目の役名で呼ばれていたので1作目を見ていた視聴者向けのサービスだとは思うんだけど…。

結局時間の無駄と言われてしまったリコは矢島模型店に相談。プラモでは自由研究に出来ないと思いきや矢島はティラノサウルスのプラモを取り出して自由研究に昇華させるよう提案。リコはさらに汗をかかせたいという発想から骨の部分を埋めて、掘り出すという一手間を提案。これにより2話にして早くも矢島とアオが屋外で行動する事に。あんな細かいパーツをそこそこ掘り続けないと見つからないくらい埋めて(一応アオも含めた4人が四方から掘れる程度の狭い面積に囲ったとはいえ)見つからなくなったらどうするつもりだったんだ…。

発掘みたいな作業からの組み立てでよりティラノサウルスを知ることができ、さらに肉付けパーツ(こっちは埋めずに新品のまま)もくっつけて完成。清々しい顔になった勇斗はいい夏休みの思い出を作れたのだった。しかし買い物に行った女性陣と父も仕事から帰宅した夜にはプラモ作りをしていたとは言わずにちゃっかり石集め(という別の自由研究が完成していた事になっていた。こんなんいつ作ったんだよ…。太陽が見えなくなるまで骨堀りしてて日が暮れてからプラモ作り始めてたんだから帰宅が深夜になって怒られるパターンにしかならない設定だったでしょこれ…。

3話

実家でのんびり生活をしていたリコだったが、姉の侑美(市川由衣)から家に変な男性アイドルの写真やグッズが増殖している、母の由里香(浅香唯)の様子がおかしいと教えられる。調べてみたところ、家族写真の背後にポラがある家族写真コーナーへの浸食に始まり、アクリルスタンドは至る所に飾られ、タオル、写真付シャツなどグッズが大量に発見された。侑美の調査により、地元スーパー密着型アイドル高木真司(望月歩)であり、元はグループだったが全員脱退して現在はソロで活動しているらしい。という事で1作目は後輩、2作目では3人の同級生企業仲間のうちの1人だった高木真司(望月歩)が前2作と同じフルネームで登場した。

対応を押し付けられたリコがスーパーに出向くと巫女姿の子とすれ違って妙にじっくりこの巫女さんが映し出された。名前は出なかったが前作でライバル企業の側近として出ていたハル(天川れみ)だったらしく、天川れみ本人が巫女のハルちゃんとコメントしていた。いや分からねって。前作でのハルがセンター分け眼鏡という風貌だったから記憶と一致しねって。何故に巫女?というのはあったがただ普通の恰好ですれ違っても分からないし目立たないので巫女衣装にしたとかそんな感じ?

スーパーでは高木真司本人が登場。なおドラマオリジナルのスーパーの看板をセッティングする予算無いからか思いっきり全日食チェーン スーパーナカムラと実在の店名が映っていた。アイドルというよりただのソーセージの実演販売店員だったが振る舞いは優等生キラキラ系アイドルっぽく、前2作の高木とは別人…というかなんか顔つきまで別人になってないか。これまでよりキラキラアイドル感出してたけど学生上がりっぽいどこか幼さが残る雰囲気からこの1年で大人っぽくなってきたのかな。

本人の実際の出番はこれだけで終わり、他の推しを見つけさせるという目的でリコは自身がハマっているプラモ作りを紹介しようと由里香を連れて矢島模型店へ。アイドルマスターのプラモを親娘で作りながら、娘2人が独立してちょっと寂しく思っていた事やその寂しさを真司が埋めてくれたと語る由里香に対して、リコは侑美や自分はそれはそれで自分たちが忘れられるようで寂しいんだと語り、絆を深めてなんとなく解決。真司推しは継続するがこれまで以上に深くのめり込むことは無くなったということでいいのかな…。

2人がプラモに集中してアオも見守っている中で、矢島がふと見ると死んだはずの仁(森下能幸)が2人を優しく見守っていた。驚愕動揺した矢島が触れようとすると消えてしまうというギャグ亡霊シーンだったが、1話できっかけとしての役割も終えて、このままだとOP映像にいるだけで存在が改めて振り返られる事もなく、出番が無いので時折幽霊出演するのだろうか。

あと今回出てきた真司グッズとしてはアクリルスタンドがやたら数が多かったが、アクリルスタンドって今流行ってんの?コブクロが連発して初回特典につけてたり、WANDSや倉木麻衣も直近のコナン特典でアクリルスタンドと今までほとんど聞いたことなかったのに急に増殖している気が…。

4話

浩一郎(矢柴俊博)メイン回。基本的に軽いノリの人だが1人でハイテンションになっていたり空回り気味だったり得体の知れなさがある父・浩一郎とそういえば大人になってからまともに会話してない事に気づき、改めてリコが父とは何者なのか考える話。

リコは今の会社の正社員採用試験を受けるかどうするかを相談してみるが、浩一郎は回答できず、浩一郎は浩一郎で父としてどうあるか悩んでいた。今回はリコが誘わずに、矢島が浩一郎の前に登場。矢島が誘う形で単独でプラモ作りへ導く流れになった。仁(森下能幸)と仲が良かった矢島は一応浩一郎とも顔見知りくらいではあったらしい。

プラモ作りの途中でぬるっと仁のプラモを持ってリコが合流。仁のプラモは浩一郎が、浩一郎が作っていたプラモはリコが金に塗装し、2人のぎこちなさが解消されるもやはりちょっと浩一郎は変な人という雰囲気のまま終了。確かに掴みどころないまま終わったな…。ただ1人の時だけ妙にハイテンションで掴みどころのないキャラの浩一郎って前作もそうだったよな。

冒頭で侑美(市川由衣)が電話して来なくていい!と言っていた相手がどうやら夫らしいが、リコが「リョウさん」と呼んだ事から、1作目ではレギュラーのエース社員でリコの憧れの人、2作目ではゲストのリコの兄だった亮太(中島歩)が今回は侑美の夫として後に登場してくることが示唆された。

また1人行動していた浩一郎のところに土地開発の2人(マギー、与座よしあき)が2話に続いて登場。単なる賑やかし出演なのかそれとも土地開発エピソードを終盤に向けて引っ張るの?

5話

隣町の花火大会に行きたがったリコだったがみんなに断られ、唯一前回関係を修復した浩一郎だけは張り切っていたがテンションが上がりすぎて缶ビールを開けてしまい運転アウトになってしまった。リコは運転免許を持っておらず、隣町には標高1251mの峠を越えなくては行けないのでこれにて手段が絶たれてしまったリコは峠を越えたいと矢島模型店へ…。

ていうか標高1000オーバーの峠越えないとたどり着けないような文字通り山1つ向こうまで遠く離れた隣町の花火大会の告知チラシが何故山のこっち側に…。そもそもこの”田舎”設定、思ったより秘境だった…。

今回は『頭文字D』のプラモでリコはあまり知らなかったが矢島もアオも原作ファンでテンションが高くそれぞれの推し車があったのでリコの提案で3人同時にそれぞれ作る事になり、何気に初めて矢島とアオも手伝いではなくそれぞれ1体制作していくことに。今回はゲスト無しのためかついには漫画再現で車体に漫画的な効果を追記したり、走行背景を大量に用意したりと制作そのものに時間がかなり割かれ、最後には3人揃って背景を店中に置いて再現レースバトルを始める始末。

今回のコレはミニ四駆ではない動かない車の模型なのでブンブン言いながら車を掴んで中腰でレースごっこするという絵面もかなりイタい感じの珍映像が展開。大人の童心というより、ここまで来るとこれはもう普通にイタい。ひとしきり遊んで満足した3人だったが矢島は最後に車を出して峠のこっち側(?)で山の向こうに下半分が見えない(低い花火だと上半分になる)かろうじて見えるところまでアオとリコを連れて行って3人で遠くの花火を鑑賞して終了。

6話

名前だけ出ていた侑美(市川由衣)の夫である亮太(中島歩)がついに登場。当初から亮太からの連絡に複雑な感情を見せておりリコも何かを察していたが、設定がぶっ飛びすぎているためか、冒頭で侑美が物思いにふけるような回想の形で亮太との出会いが明かされた。同じ宇宙飛行士を目指す者同士として社内で出会って意気投合した事が判明。なんと宇宙飛行士目指していたという超設定が唐突に明かされ、先に夢をあきらめて侑美に託した亮太、既に自身もあきらめ気味なのと亮太がまだあきらめきれないであろう心情を察して複雑な心情の侑美というかなり分かりにくい設定が明かされたが最後までこの夫婦なんだか良く分からなかった

亮太到着に先駆けて早急にリコが矢島模型店に侑美を誘い、制作を開始。集中していたリコが顔を上げるとアオではない子がいたので驚くと、今回は大変なのでアオがプラモ仲間を呼んだという事で3話で巫女姿ですれ違っていたハル(天川れみ)が登場。互いに3話ですれ違ったのは意識してなかったようで初対面のようだったが…夫婦の宇宙飛行士目指してた超設定でついていけずにかつてないほど話がゴチャゴチャしているタイミングで出てこなくても…。結局ハルが手伝っている様子はあまり描かれず、登場直後にはアオが食事にしようと言い出したので店先で焼肉をしたり、店のPR用動画を撮り始めたりしたので談笑モードに突入するし、その最中についに亮太が登場。回想では1期のエース社員大石の風貌をしていたのがやってきた亮太は髭姿のワイルドな遊び人っぽい風貌に変わっていた。

以降はプラモ制作に戻ったが気まずさを徐々に埋めていく侑美と亮太、一応他の面々は手伝っているんだけどほとんど出番はなく、最後はタイミングを察したリコが2人だけにしてあげたのでマジで手伝い要員としてのハルの出番がほとんど描かれていないっていう…。この6話以外だったらもう少し目立つ出番作れただろうに何故よりによって模型店内が今期では最大人数(基本3人+侑美と亮太)になっている6話でハルを出した…?

結局お互いの思いと宇宙飛行士の夢を確認し合ったらしい2人は仲良しに戻った…と思いきやラストの家族シーンで唐突に離婚を宣言。もう1度やり直すとか宇宙でプロポーズするとか良く分からない発言が飛び交う中、全く意味が分からないまま終了。

いや…今回ドウシタコレ…?東京でバリバリ働いてる出来るキャリアウーマンで夏休み期間全リモートにしても問題ないほどの優秀な姉というキャラ付けで6話まで来て、急に宇宙飛行士目指してたとか超設定ぶちかまされて、色々台詞で説明されても全く関係性が読み取れねって。亮太はボソボソ喋ってて受験資格の制限が云々今が再度のチャンスだ云々言ってたけど声が小さくて良く分からないし…。結局何で侑美が避けようとしていたのかイマイチ納得できないままに仲直りされ、仲直りしてプラモ完成して一件落着かと思ったら、唐突な離婚芸とか宇宙の彼方まで暴走したようにしか。

7話

1では別部署の同僚、2では共に起業したメインメンバー(大学同期)の1人だった浅井(前田旺志郎)が幼馴染として登場。幼少期に祖母が死んだ際に落ち込むリコにずっとそばにいてやると浅井が言うとリコが浅井のお嫁さんになると言っていたとして再度告白をしてくるが何とも思っていないリコは平然と断る。しかし押しの強い浅井は小向家にやってきて父、母、姉をお義父さん、お義母さん、お義姉さんと呼ぶなどなれなれしく迫る。しかし仁(森下能幸)の魂が浅井に憑依し、一時的に仁の姿になったのをリコだけが2度目撃。この事からリコの態度が急変して子供の頃のように2人して困っている人を助ける手伝いラリーを始めてしまう。

この過程で巫女姿のハルが再登場。さらにイノシシ(あからさまに模型)とのチープな対決も繰り広げられ、浅井はやられて流血したがリコが飛び蹴りで撃退

家より近いという理由で矢島模型店に浅井の怪我の手当てをしてもらうために訪れ、掟破りでそのまま帰っていくリコと浅井。ちょっと待っていたが本当に2人が行ってしまったのでこんなパターンありかよマジかよと慌てた矢島とアオが店先から喚き散らした事で浅井が戻ってきてようやくプラモ展開に。珍しくプラモ開始まで半分費やした。

プラモ制作中にリコが眠り、矢島とアオが席を外して浅井1人で制作を続けている時に再度浅井が仁化。目を覚ましたリコは祖父とのひと時を楽しむという幻想展開に突入。浅井に終始憑依されている自覚は無かったようだがこの時は戻ってきた矢島とアオも驚愕し、矢島が涙を流していた事から2人の目にも仁の姿が見えていたと思われる。しかし何故か憑依した仁はニコニコしているだけで一言も発さず結局最後まで穏やかに微笑んでいるだけで台詞無し。しかも老けメイクしているのか去年までの仁よりも顔色悪く老人の亡霊感が出ているのでちょっと怖いし…。

最後はリコが当時の記憶を取り戻し、そばにいてやるに対するリコの返事はウザいというもので浅井の記憶捏造だった。さらに他のかわいい子はもうドンドン結婚してしまうという発言など他の候補がいなくなったからリコにアタックしてきたみたいな流れに無理やり持っていき浅井の熱意は退けられてしまい終了。ラストの小向家のシーンではリコが浅井の背を叩くと、憑依していた仁の人魂が飛び出してきて浅井以外の家族全員が驚愕していたのでこの時も浅井以外は全員仁の人魂を目撃していたようだ。

という事で謎の幽霊展開&猪突猛進の浅井が今期でもさらにアホになって登場。清々しいまでの熱血空回りっぷりで前作だと毎回いるのがウザかったが今回は1話ポッキリでさらに振り切り、ここまで来ると最早滑稽。終始空回りし続けている完全なネタキャラになってしまった。仁が喋らずニコニコしているだけっていうのはなんなんだろう。OP映像にも謎にいるけど、この祖父がどんな人だったのかって意図的なのか全く明かされてないんだよな。回想でも楽しそうにプラモ作っている姿くらいしか出てこないので喋ってないし、幻で出てきても変わらないし…。

8話

母(浅香唯)と同様の今期初登場の新キャラだったのに一向にいるだけで取り上げられなかった妹の香絵(佐月絵美)がようやくメイン回。姉同様に優秀な高校3年生でリコの事を姉と呼ばずに「リコ」呼びして姉と思っていないし、周囲もどっちが姉か分からないという関係性…くらいしか分かっていないままもう8話になってしまったが、進路に悩んでいた事が発覚。実は写真・映像系が得意で子供の頃の小向家のホームビデオはほとんど香絵が撮影していて、映画にも詳しく、先日もコンテストで賞を獲ったばかりで当然専門学校に進学して監督業を目指すと友人たちからも思われていた当の本人は好きな事を仕事にするのか、キライにならないように趣味は趣味のままにしておくか悩んでいたらしい。香絵抜きでの家族会議では大学進学か専門進学かで悩んでいるようだとして「背中を押す」で決定し、帰宅途中の香絵と買い物行く途中のリコが遭遇し、香絵がマイナー系の映画鑑賞に誘い、その帰りにリコがプラモ作りに誘う形で矢島模型店へ。

ゴジラシリーズは全部見たという香絵は3式機龍(メカゴジラ)をチョイス。2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』(釈由美子が主演)に登場したメカゴジラという事でいわゆるミレニアムシリーズの1作だが、香絵の年齢だと(20歳の佐月絵美本人でも)これとて生まれるより前の映画になってしまうのか…恐ろしいぜ…。そして地味にこのドラマ、1期から前回まで登場プラモのキャラクターが出てくる作品を全く知らないのしかなかったのが3期8話まで来て初めて見たことある作品の登場キャラのプラモが初登場したのが個人的には感慨深い。

プラモは割とすぐに完成し、このプラモを使って映像を撮ろうという事になり、一旦帰宅したリコと香絵はセットになりそうな品々を物色して再度矢島模型店へ。この時点で既に香絵の学校帰りに映画を1本見に行く→矢島模型店で3式機龍を完成させる→家に戻るというかなり時間が経過しているはずがまだ明るく、矢島模型店で撮影している時はさすがに夜になっていた。そもそも夏休み中のはずで放課後ではなく登校日で午前中ちょっと行って帰ってきたくらいだとすればまだギリギリ成立する?

映像作品を作り上げた香絵はこれを最後の作品と位置づけ(リコ曰く「遺作」)これを趣味のままにしておくと宣言し、大学進学してモラトリアムする事を決めるのだった。そしてラストカットでは土地開発の上司(マギー)がラスボス感を醸し出しながら動く事を示唆して次回へ続く。

侑美は離婚するし、香絵は夢に向かうのではなく趣味は趣味のままにしておくとしてキライになりたくないから夢として追う事は辞めてしまうしで、確かにそういう選択肢はあると思うんだけどドラマとしてはそんな現実的な感じでもない作風でしれっと何とも夢の無い結末に持っていくのはなんだかなぁ…。また今期初登場の新キャラだったのに8話までキャラの掘り下げをしないでいるだけの存在にしておいたっていうのも珍しい。今にしてみると3話が母、4話が父、6話が姉だったのだから、2話だけ1回ポッキリゲストの子供という謎采配にするより2話か遅くとも5話で香絵回で家族の掘り下げ完了した方が良かったのに。

9話

近隣の温泉リゾート開発の説明会に向かった小向家御一行。既に山頂での温泉発掘のメドが立っていて、施設の開発予定地も決まっていて、犬塚(マギー)と猿渡(与座よしあき)による説明で、思いっきり小向家が立ち退き対象地区になっていた事が発覚して全員が驚愕する。他にも近隣住民がかなり犠牲になるようだったが知らなかったと騒いでいるのは小向家一行だけ他は既に根回し済みのようだ。小向家御一行が抗議に向かうと、資料を見た2人は仁(森下能幸)に話をしたという。しかし息子である浩一郎も全く聞いておらず、由里香、香絵といったずっと一緒に住んでいた3人とも仁から一言も聞いていないという。

仁ェ…

後日話が通っていなかった不手際を詫び焼香だけでも上げたいと仁義を通しに来た犬塚と猿渡。不備を詫びつつもリコが仁はどう言っていたのか聞いて家族全員が教えろと詰めたところ、家族で話し合うと笑顔で応えてくれたのでOKだと思ったと猿渡のマヌケすぎる発言、そしてここまで回想でも亡霊でも一切の台詞が無くニッタニタしているだけの仁が思い出話の中でもやはりニッタニタしていただけという事実が判明。立ち退く気はないと宣言する小向家御一行に申し訳なさそうな低姿勢の猿渡に対して犬塚は冷静に将来的にはどうすればいいのか冷静にお考え下さいとあくまでクールに告げて去っていった。

結局、仁が何を考えていたのか全く分からず契約書も交わしてないのにもう決定事項のように振舞う犬塚、猿渡の方が少し焦っていたのでやはり契約前に事前根回しを完了したつもりでいたのだろうか。

当初全員反対のつもりだったが契約の条件はかなり好条件で(条件を見た優秀社員侑美のお墨付き)、都会のマンション暮らしが待っている事が判明。このため由里香、香絵は売却賛成派となり、家は売らねぇ派の浩一郎と侑美は唖然として家族はバラバラになってしまった。既に2VS2な上に多数決で決まる話でもなく、一触即発となってしまったためリコは賛成か反対かすら意見を全く聞かれずに放置されてしまい、どっちの意見も分かる事もあり、自分から態度も示せず思い悩むことに。矢島模型店に相談したリコはアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のストーリー展開になぞらえながら自分の正義を見つけるんだ!と告げる矢島の勧めで同作の「ランスロット・アルビオン」プラモを制作。プラモが好きだという答えは見つけたものの、一向に売却問題の答えは出せずに店の外で完成したプラモと共に黄昏たまま最終回へ続く。

75歳(設定)の仁にしか売却話をせずに、現在の小向家の大黒柱である浩一郎に話を一切通してないってのは根回しとしてもあまりにお粗末すぎるし、犬塚のズルさは感じられたな…。どっちみち仁からの明確な返答がなく、死んでいた事を知らないにせよ息子の浩一郎に話を聞きにくるチャンスはいくらでもあったわけで、いきなり説明会当日で戻れない状況なのを突きつけるとかズルい。猿渡の焦りっぷりからしても猿渡がその辺り確認取れてないのも知っててわざと見逃したのでは。既に小向家以外を言いくるめて反対する事は街を衰退させることになると四面楚歌に追い込み、反対が無駄だと悟らせる。ワルいなぁ…。線香上げでフォローはしてたけどワルい奴だぜ犬塚

仁もこのまま何の遺志表示も無いままだとマジで何考えてんのか分からない亡霊ニタニタジジイで終わってしまいそうだがそれでいいのか。

10話

結局答えが出ないままだったリコ、賛成派VS反対派で真っ二つの小向家で板挟みとなってしまったが、蔵で仁の遺したデカめのプラモ「ガンダムGP03 デンドロビウム」を発見。1度矢島模型店に持ち込んで話を聞いてから家族みんなで作りたいとして小向家で提案。承諾を得て小向家で作り始め、初めて矢島模型店外でのプラモ制作となった。矢島とアオはサポートに駆け付けていたが、浩一郎VS由里香の夫婦、侑美VS香絵の姉妹にそれぞれ共同作業を通して話し合ってもらう事を目的としていたため、浩一郎&由里香、侑美&香絵の4人が主に制作「1人じゃ作れないからみんなで作ろう」と提案したはずのリコは矢島&アオと共に何もせず見守り係っていうあんまりな絵面に…。

浩一郎は知人と起業を考えていて今の役場の仕事を辞めようか悩んでいてそれを見抜いていた由里香は家を売却して街を去れば役場を辞めるきっかけになると考えていた事が判明。また香絵は両親がもうアラ還なので将来的に便利な街の中の方がいいと考えていたと説明。役場を辞める云々の方はいいとして、両親アラ還だから田舎暮らしはキツイ的な論理は雑だなぁ…。限界集落みたいな秘境なら分かるが田舎といってもここはそんな過疎地ではなくそこそこ住人がいるようだし、都会のマンションで近所付き合いが希薄になって助け合いが無くなる方が孤立化しそうだけど。

リコは家族は場所ではないとどこにいても絆は変わらない事を演説し、プラモも完成させ、再度の家族会議で売却全員賛成で家を放棄する事が決定。捺印の際には相変わらずニコニコしているだけの仁が幻として登場し、一緒に手を重ねていたが、ジジィオマエこの騒動の元凶のくせに最初から最後まで亡霊ニタニタジジイしてただけじゃねぇかさすがにヒドくないか

すぐに立ち退くわけではないので、最後は夏休みを終えたリコと侑美が去っていき、リコが夏休み楽しかったーで終わり。結局リコは派遣という以外は何しているのか良く分からなかった。侑美が相談に乗るような事は言っていたので正社員の仕事を斡旋する準備くらいはあるのかもしれないが…。

エンディングの後には何故か矢島模型店まで閉店しており(立ち退き範囲だったかは明言されていない)、アオが次の候補地として1~2期にあった街中の物件を提案、量産型のリコにまた会おうという矢島のナレーションで締め。悪戯に1話で今作を1番最初という遊びをやってしまったため、前2作で出た要素を今作へは繋げる事が出来なくなり、1,2期の場所への引っ越しを示唆するくらいしか出来なくなって締まりの悪いラストになってしまったな…。

全部終わっての感想

田舎と家族にした事で夏休み感は過去最高に。一方でリコが派遣社員という以外にほぼ言及がなく、今後について悩んでいる事は示唆されていたものの特に何か変わるでもなく3作中最ものほほんと何もせず過ごしているだけになってしまった。主人公に変化も成長も何もなく、本当に夏休みしているだけ、それもまたありなのか…。少なくとも起業家設定でかなり無理があった前作よりはほとんど何も設定しない今作の方がマシだった。

シリーズレギュラー陣の扱いは1期レギュラーがどういう役で再登場するかにスポットを当てていた印象。中野京子(藤井夏恋)だけが一切出演しなかったのはスケジュール?元々姉妹設定なら年が離れすぎていて不自然な市川由衣より藤井夏恋の方が長女役に適任だったようには思うけど…。またLINKL PLANET枠の扱いが異様に悪くなり、一瞬出演でも5~6人は出していたのが、アオ以外はハル(天川れみ)がちょっと扱いが良かっただけで、1期ゲストの安藤玲菜が1シーン出ただけって…。”ザク姉呼びの子”として1期でお馴染み、2期ゲスト出演時も”ザク姉呼び”メタネタをやったちえみ(石川恵里加)はどこかで出すものかと思っていた。それこそ1期に繋げるならアオがしばらくバイト来れないので新バイトとして新天地でちえみ(石川恵里加)が顔出しするくらいはあるのかとばかり。

今作を3番目ではなく1番目にしたのは完全に1話の思いつきでやったとしか思えず、これをやってしまったせいで、別時空のリコを知る矢島とLINKL PLANET勢が1期2期で起きた出来事にメタ的に触れる遊びネタが一切できなくなってしまったのはシリーズ構成としては失うものの方が大きかったのでは…。

家売却、小向家解散ENDもなんだかあっさりしてしまったし、何より亡霊ニタニタジジイ仁はもう少しキャラ付けちゃんとやってほしかったなぁ。回想でも一言も喋らないせいで最後までどういう人だったのか全く分からない上に最後の家売却問題を誰にも話していなかった事まで発覚。そんなどんな人なのか全く分からない故人がOP映像に当たり前のように居座っていたり(出すなら写真だけとか最後だけとか幽霊演出入れるやつなのに普通に家の中にいてみんなと一緒に動いている)、登場人物たちに懐かしまれていても見ている方は置いてけぼりなのよ…。

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