2022年夏クール、テレビ東京系「木ドラ24」枠(24時30分~25時)。乃木坂46与田祐希の初主演ドラマ。
5月9日にテレ東のドラマで陽性者が出て撮影休止になったとドラマ名は伏せられて報道されたが、直後に与田祐希の陽性が発表された事もあり今作であったとされる。与田祐希は完全に無症状ながら規定により乃木坂46の10周年ライブに出演不可となってしまったが、そのまま無症状であったため、2日間のうち1日目は欠席、2日目には出演を果たすことが出来た。
1話
イベント会社FUNFUN CREATEのあまりやる気がないのんびり部署と呼ばれるイベント3部でのほほんと働く小向璃子(与田祐希)はある日イベント1部の同期浅井(前田旺志郎)にやる気が無さすぎると一方的にダメ出しされて量産型だと言われてしまう。同じ3部の先輩である中野京子(藤井夏恋)が商店街の古い個人商店の企画を出してきて、帰り道にまさにそんな雰囲気の矢島模型店を発見した璃子は入店。店長の矢島(田中要次)、バイトの郁田ちえみ(石川恵里加)に導かれるままに「量産型」のザクを手に取った璃子は2人のサポートと解説を受けながら店の奥で初プラモに興じる。気がつけば熱中していた璃子は翌日いい表情をしていて…と量産型で趣味も何もなくのほほんとしていた主人公はプラモという趣味に目覚めて次回へ続く。
プラモに全く興味が持てずに通ってこなかったので矢島店長がいくら解説しても全く面白そうには感じられず…とプラモという題材は個人的に大外れながら、挙動を見ているだけでも飽きない与田祐希、ちょうど1年前の同枠『お耳に合いましたら。』と同じ制作陣という事もあって、ポッドキャストメインではなく大人になってからの仲間や青春感を醸し出した同作同様に今回もまたプラモ紹介メインとは違った大人になってからの成長や変化をいい雰囲気で描いてくれるんじゃないかという期待は持てる感じ。
ただ璃子が最初から無趣味でもなんかのほほんとしていてそれなりに人生楽しそうだったので、なんかこうもう少しマイナスなところから熱中できる趣味に出会うっていう衝撃の出会い感は無かったかも。出会わなくてもなんとなく楽しく生きていけそうな…量産型の中でも恵まれた量産型っぽさはあった。もっと低めというかギリギリで今日を乗り切っている人の方が今の時代は量産型なんじゃないかな。
2話
イベント1部の高木真司(望月歩)が3部へ移動してくる。かなり頭でっかちな理屈派でいきなり問題点を指摘し始めたり、今回依頼があったスポーツカーPRイベントの企画出しの際にもスポーツカーが憧れの世代である年配勢と関心が薄い若手では感覚が違い、若手のみで企画した方がいいなどと勝手に提言。璃子と京子と高木の3人でやる事になるが、問題点指摘しか出来ない高木に新たに企画を考え出す能力は皆無で何も考えを盛っていなかった。この一瞬でこれ以上いられても文句言うだけの厄介になると判断した京子により高木はとっとと帰ってもらい璃子と京子は2人で企画を考える事になってしまう。1部が高木を放り投げた理由が分かっ
とりあえず出来た企画案をエース社員の大石(中島歩)にどこか距離感があると言われた璃子は好きになるきっかけとして前回のプラモ屋を思い出し、来店。若い女性の2度目の来店に驚く矢島とちえみだったが、璃子が選んだGT-Rのプラモ制作を応援&補佐。前回を遥に上回るパーツの細かさ、細かいエンジンを組み立てたところで完成すると全く見えないという状況でもちょっと嘆いたらケロッとしてしまう璃子の前向き思考もあってプレゼンもうまくいくのだった。
ちえみに璃子が「ザクねぇ(姉)」呼ばわりされているのがちょっと面白かったが、あんな細かい作業で嫌にならない璃子はプラモ作りへの適正ありすぎなのでは。
3話
前回登場した理屈ばかりな高木真司(望月歩)がリーダーを任され(相変わらず理屈で拒否しようとしたが上司命令)、璃子が後輩指導の立場でついて、猿渡(与座よしあき)が監修するような体制になった。璃子ののほほんとした姿勢は良くも悪くも高木としても先輩璃子に全部丸投げ出来る感じでもないし、なんとか奮闘する高木だが今一歩踏み出せない。気がつけば相手との交渉は全部璃子がやっていて、高木はメモしているという名目でずっとPCカチャカチャ。見かねた璃子、そしてもっと先輩に対して踏み込んでご飯にでも連れていってもらえとアドバイスされた高木がどこか連れて行ってくれと言った事で璃子はプラモ屋へ高木を連れていく。
エヴァンゲリオン初号機を作らされることになった高木は何度かくじけそうになるが、矢島やちえみ、璃子の応援で投げ出さずに奮起。ついには全員が居眠りするほどの長時間集中の末にプラモを完成させ、越えられなかった一線を越えられた。
全く描かれなかったが、高木は明らかに一皮むけたようでその後のプレゼンは成功したらしく、大石と猿渡の会話から高木の理屈だけなところが昔の自分のようだから自分を指導してくれた猿渡に託したみたいな事も明かされておしまい。
早くも璃子ではなく同僚を連れていくパターンへ移行。展開上、璃子が手伝ってしまうのではなく1人で作り上げるところに意義が生じているため、璃子は見ているだけ&最後は寝顔提供という与田ちゃん的には寝顔カワイイのでOKだけど、璃子の成長物語という感じでは無くなってしまい主人公があまり動かない感じに…。問題児高木の後輩指導に悩んで先輩らしくどう振舞うかみたいな葛藤もあまり出てなくて変わらぬのほほん感だったし意外な流れになってきた。
4話
これまでプラモは一晩で作り上げていたがこれまでとはパターンを変えて今回はOP明けには璃子が「宇宙戦艦ヤマト」のプラモが壮大すぎて行き詰っている様子と毎晩通って少しずつ進めている様子が描かれた。社内では早期退職の話が持ち上がり、部長代理ながら最早名ばかりで自身も気を遣われるだけの老害だと自嘲する雉村(森下能幸)が掘り下げられた。元々社員5名で始まった創業時のメンバーだったらしく、「満天のど飴」との初契約を取ったのも雉村と現社長だった。しかし社長まで上り詰めた同期とは対照的にいつしか目標も無く、ただ仕事をこなすだけの量産型と化していた雉村はここに来て長年担当していた仕事も璃子や高木に割り振られてしまいフェードアウト退職を考え始めていた。
そんな中で璃子が「宇宙戦艦ヤマト」を作っていると知ると店に同行。元モデラーであり、輝きを取り戻した雉村は一緒にプラモを完成させる事に。その的確な指導は矢島が入る隙が無くなって不貞腐れるほど。いつもと違う雉村も素直な反応をする璃子だったが、そんな素直なところもむしろ良いと受け止めてもらえてついにプラモは完成。何日もかかるとか手伝っても今日では終わらないような事を言っていたが、結局一気に仕上げてしまったようだ。
璃子が雉村を頼るようになり、次の仕事でもリーダーになってもらう事が決まり、高木が抱えている案件にもモデラーの知識が必要だったため高木や京子にも頼られ、一気に若手に頼られるようになって昔の情熱や輝きを少し取り戻しておしまい。
枯れかけていた定年間近のおじさんが再奮起というほど明確に奮起するわけではないが確かに何かが変わって何かを取り戻すというじんわりいいお話だった。しかしやはり周囲の成長物語になったな。
5話
社内のファミリーデーのイベントで子供向き企画を担当する事になった璃子だったが企画が思い浮かばず困っていたところ、高木がプラモ店で大量に買ったまま「積んで」いるプラモが発見され、その中にミニ四駆がいくつかあった事から部長の犬塚(マギー)がミニ四駆愛に熱く燃えだしてミニ四駆で行くことに。クールに承諾していた大石(中島歩)だったが実は彼もミニ四駆に燃えた少年時代を過ごしており、途中からは衝動が抑えられなくなり、璃子が作ったミニ四駆を改造しないのかとウキウキで問いかけてくるように。
この流れで今回は社内でそのまま大石がミニ四駆改造に燃えまくるのがメインとなり、プラモ屋の出番はほとんどなし。改造後、犬塚と高木も加わってひとしきりレースを楽しんだ後に世代は異なるが小学校時代あるあるを話して共通する部分もあって盛り上がる一行というこの制作陣らしい大人になって思うあの頃の思いみたいなのをさらっと描写。少年少女の4人を出して重ね合わせたりとノスタルジーな演出が良い雰囲気。エース社員で自分とは格が違うと思っていた大石と意外と共通点が多かった事に気づいた璃子はほのかに大石を意識するようになって次回へ続く。
6話
姉の夫が入院したという理由で姉の子の翔真(小山蒼海)をしばらく預かる事になった璃子。困っていきなり会社に連れてきているところから始まるが、ゆる~い会社だな…。エース社員のはずの大石まで一緒にミニ四駆で盛り上がろうとしているし…。前回に続いてミニ四駆押しで盛り上がろうとする犬塚や大石だったが、京子(藤井夏恋)は翔真がミニ四駆に興味が無く気を遣っているだけだと察して宛名綴じの作業をやらせるというファインプレイ。
その後は謎の豪邸で現代っ子な翔真との距離感に悪戦苦闘する璃子が描かれたがなんだこの豪邸。様子からして翔真の自宅っぽいので夫が入院したので姉は病院に泊まり込み、璃子は姉夫婦の家に泊まり込みで翔真の面倒を見ている設定なのだろうか。5歳の頃のイメージで接してしまい、今8歳の子供にとっては長い3年を大人にとっては3年は変化がないと嘆く大人あるあるを炸裂させながらもストレスをためていき、小さなことで発散しようとするどっちが子供だというような璃子がちょっとカワイイ。困り果てた璃子は雄たけびをあげたまま矢島模型店に助けを求めて子供向けに「BB戦士373 LEGEND BB 武者頑駄無」を購入するが相変わらずそっけない態度を取られてしまう。
落ち込んで出ていってしまった璃子にさすがに翔真も反省して歩み寄り、矢島模型店で武者頑駄無を一緒に制作して仲良くなるのだった。帰り道で翔真は会社での様子から璃子は大石が好きなのだろうと見抜いて自覚していなかった璃子が動揺して次回へ続く。
説明なしの豪邸登場が地味にインパクトだった。少なくとも姉は量産型どころか現代日本における明確上位ないわゆる勝ち組に属する事は間違いない。そして1度も姿を見せずに預けっぱなしになるほどの入院って姉の夫は大丈夫なのだろうか。
7話
翔真に言われて大石を意識してしまった璃子はいつもよりもメイクアップしてあからさまに浮かれた様子で立ち回り、京子(藤井夏恋)、真司(望月歩)だけでなく、鈍そうな上司勢3人まで気づくほど。恋愛の仕方が量産型だとは京子の評だが、なんかとりあえず量産型って言わせておけみたいな感じになってないか。分かりやすいあからさまな挙動は量産型というより天然マイペースな璃子ならではの反応に思えるんだけど…。
京子&真司のリサーチで大石に彼女はいないが過去の大失恋の相手がいた事とその相手を特定。現在は父の酒造会社と連携した日本酒バーの女将をやっている元カノ(夏子)を偵察しに行った京子&真司は思いのほかフランクでいい人だったのに驚く。大石の紹介と嘘をついていたが、真司が酔いつぶれた後に元カノは大石にはよろしく言わなくていい、関係はとっくに終わっていると告げ、なんだか触れてはいけない空気に(大石が紹介したというのも不自然だったのではないかというほど)。
元カノがいい人だったというのを知らされた璃子は振り切るように矢島&ちえみの勧めでいつもとは傾向の異なる『ラブライブ!』南ことりの美少女フィギュアを制作。これでどこか吹っ切れていつもの服装メイクに戻った璃子でおしまい。
なんか唐突に恋愛展開にしたものの、肝心の大石は出番皆無で勝手に盛り上がって勝手に元に戻って終わってしまったり、美少女フィギュアという傾向の異なるプラモ制作への動機付けにしてもなんだか弱く、良く分からない回だった。真司が璃子に惚れてドタバタするが天然な璃子が全く気付かないみたいな恋愛展開ならここまでの流れ的にもキャラ的にもありそうなんだけど、なんか全然そんな流れにはなってこないし、真司普通に璃子を応援してるし。
今回の璃子は量産型…ではないと思うんだけどなぁ…。むしろ回を追うごとに個性的でマイペースな子というのが強調されてきていて、量産型じゃないんだよなぁ…。今のところ量産型と評しているの京子だけだしな。
8話
中野京子(藤井夏恋)は会社の再編でイベント3部が無くなるかもしれないという社員の噂を聞いてなんとかせねばと1人で奮起。新鋭の会社のイベント出展案件を取り付けて1人で進めていたが相手先が予算が下りなくなったとしてキャンセル。既に準備を進めていたため損害は2000万にも上ると計算され、責任を取って辞めるしかないかと追い込まれてついには会社を休んでしまった。
隣の席でずっと見てきた璃子は最近様子がおかしいのを察していてポップなLINEで食事に誘うと真司と共に何も聞かずに飲みに付き合い、その流れで矢島模型店へ。これまで周辺がプラモにハマっていくのを目の当たりにしており、矢島模型店の話も聞いて把握はしていた中野だが興味はなく帰ろうとするが強引に連れ込まれ、ウルトラマンが好きだったと回答すると「Figure-rise Standard ULTRAMAN [B TYPE]-ACTION-」を選定される。細かい作業が苦手でほとんどを璃子と真司がサポートするも完成。頼ればいいという事を教えられて感動した中野はようやく「助けて」と告げ、事情を説明。予想の斜め上だと驚いた璃子だったが、その後中野が出社してくると、3部全員が空いたイベント出展を「満天のど飴」と交渉、急遽「満天のど飴」の出展に切り替える形で話を進めていた。仲間の大切さを実感しておしまい。
「満天のど飴」万能説…というのは置いておいて主人公の隣の席の頼れる先輩でイベント3部では年上オッサン3人に対して若者3人としてくくられる事も多かったのに中野のメイン回を8話まで引っ張るとは…。ここまで引っ張った事で逆に中野が1人で抱え込むタイプである事、周囲がプラモにハマっても流されない人である事も存分に示された後だったのでついに抱え込むのを辞めて仲間を、後輩を先輩を頼るという展開は胸熱だった。ただドラマの前提とはいえあの状況で全く興味の無いプラモを無理やり作れと言われて作る気になるか?作って何か変わるか?というと正直苦痛なだけではあるとも思う。
あとなんか知ってるウルトラマンと全く造形も顔も違ってやたらごつい感じだったんだけど、これは漫画『ULTRAMAN』のビジュアルという事か。ウルトラマンが好きだったというあえて言うなら程度の感じからして中野がこの『ULTRAMAN』をイメージしていたかは微妙なところだが、2011年から連載されているので中野が10代の頃に読んでいて好きだった可能性はある。
9話
璃子の同期で1部の自称次期エースの浅井(前田旺志郎)は社長賞を獲得して大石と飲んでいる際に3部が解散する事を聞かされる。また璃子は猿渡から大石が他社へ転職する事を聞かされその前に告白しなければと焦る。3部を救おうとする浅井と大石へ告白しようとする璃子は奇跡的な勘違いで連携して動き出すが…後に勘違いと真実を知ってお互い驚愕。さらに浅井は産休穴埋めの移動で人事部へ行くことを命じられ次期エースとしてのプライドを砕かれてしまった。
璃子は酔った浅井を連れて矢島模型店へ。プラモ作りの途中まで酔いで意識が朦朧としていた浅井だが途中から酔いがさめて本格的に作業を開始。しかし何を作り始めたのかを把握しておらず、てっきりガンダムだと思っていたら最後の首を装着する事でジムだったと発覚。ガンダムだと思っていたが量産型のジムだったというのがまさに自身のエースだと思っていたら何者でもなかった、1話で璃子に量産型だと言い放ったが自分もまた量産型にすぎなかった現実を思い知り涙する浅井。しかし璃子は量産型でいいと開き直ったのに対して浅井は量産型だったと認めつつガンダムになりたいんだと宣言。1度認めた事で吹っ切れた模様。浅井が3部の存続をかけたコンペ話を璃子に託して次回へ続く。
浅井が掘り下げられたが…いやコイツもっと普通に嫌な奴じゃなかったっけ…。1話で量産型呼ばわりした時から何度か出てきたけどそのたびに璃子と3部を見下すような態度しか取ってなかったのでなんで急にそんな3部存続に熱血になっているんだ。もっと直接仲良くしている大石がなんか仕方ないよねモードで静観しているのに…。自称エースのプライドが砕かれる展開は良かったんだけど、3部と璃子に対する評価いつ180度転換したんだよ…。「最近3部の結束は良くなっている」と評していたので1話時点でからプラモを通して結束を固めてきた3部の様子をしっかり見て知らない間に評価を変えていたっぽいけど、いい奴にキャラ変にも見えてしまった。
10話
3部存続をかけたプレゼンへ挑むことを3部メンバーに提案する璃子。部長の犬塚だけが3部廃止の話を知っており、掛け合ったが力不足だったという。このプレゼンに勝てば道が開けるかもしれないと全員一丸となってプレゼン準備を進める一行。璃子は矢島が作って飾っていた有名な「ラストシューティング」というシーンの首と腕が無くなりボロボロの状態で右腕とライフルを天井へ突き出したポーズのガンダムを自分も作りたいと志願。説明書通りではなく「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」を作ってから損傷を再現するためパーツを破壊してわざとボロボロ加工を施すという高難度のもので、矢島とちえみの指導を受けながら連日連夜制作を進めていく。本業も大変なのに。
璃子曰くこれは願掛けだというが、プラモ制作中も社内でも何度かフラフラしており、これ倒れるフラグ…と思ったがさすがに30分しかないドラマの最終回で主人公が過労&願掛けと称した連夜のプラモ作りで倒れるなんてアホな展開にはならずに乗り切った。また退職寸前の大石や浅井が裏で助言していたらしいが本人たちは登場せずに台詞のみでシークレット参加している事が明かされた。
しかしプレゼン申請の許可を会社に取っておらず、予算かけまくってて絶望的で犬塚がクビと引き換えに許可を取りに行こうとするも敗色濃厚な状況だった事が判明。そこは4話で明らかになっていた雉村が社長と同期だったという設定を再利用、社長が再登場して雉村とプライベートの飲みの場で頼み込んで3部存続は社長案件でも不可能だが、プレゼン申請の許可だけは取り付ける事に成功して事なきを得た。完成したラストシューティングを犬塚に託し(犬塚は首のないガンダムの姿に俺がクビになる暗示なのか?とツッコミ)、犬塚もプレゼン担当で活躍した(リモートでのプレゼンだったが現地の海外企業相手のプレゼンという事にしてさほど不自然にはならないように設定)。
しかし結果は惨敗。3部解散が確定的となりねぎらいと感謝を告げる場で璃子は号泣しながら仕事とプラモを通してみんなの事を良く知れるようになり自分で思った以上にこの日常が好きだったと演説。そこに浅井が駆け付け、転職して去っていった大石にまだ間に合うぞと全員で送り出し。大石に追いついた璃子は笑顔でストレートに「大好きです。付き合ってください」と告白。大石も笑顔だったが…。
最後は矢島模型店で矢島とちえみがフラれちゃったのか?妹にしか見れないって言われたって?と璃子が直接喋らずに璃子に2人が話しかけている流れでフラれた事を提示。次のプラモ作りを予告して帰宅していく璃子でおしまい。
詰め込んであっさり。終わってみれば3部は解散、大石にもフラれる…璃子がせっかく愛せていたと気付いた日常をロストする…というちょっと切ない終わり方だったな…。『お耳に合いましたら。』もせっかくラジオを通して急速に変化して面白くなった日常が一瞬で解散エンドだったけどそれでもその後それぞれの充実を少し見せて終わっていただけに今作はスッキリした表情で終わったもののその後は一切描かれなかった。
全部終わっての感想
与田ちゃんがどこまでも与田ちゃんだった。という与田ちゃんによる与田ちゃんのための与田ちゃんかわいいドラマだった…というのが結局1番か。『お耳に合いましたら。』同様の社会人になってからの童心や気づきなどいい要素は引き続きあったものの、肝心のプラモとの親和性が正直あまり高くなく強引に結び付けている感じが目立った。そういうドラマだからといえばそうなんだけど、登場人物のほぼ全員がプラモに目覚めると例え嫌々作り始めても必ず熱中して再度自身と向き合い失いかけていた本心や大切な事に気づいて生まれ変わったかのように輝きを取り戻す…というのがどうもハマり切れず。プラモもガンダムも全く興味が無く、制作作業が苦痛にしか感じないという点で共鳴する事が不可能だったのは致命的だったか。正直こんなプラモ押しの部署だったら地獄だと思う。毎週のようになんか机のプラモが増殖していく上に、興味ないと思っていた先輩や後輩までプラモに染まっていく…ってリアルに起こったらホラーだし、いつプラ圧(プラモ同調圧力)、プラハラ(プラモ・ハラスメント)をかけられるか不安でしょうがなくなるだろうな…。
プラモの導入部となった「量産型ザク」から取った量産型人間という表現にしても違和感はあった。璃子がほとんど与田ちゃんだったので与田ちゃん的なキャラクターのちょっと変わった感じのマイペースな子ってそんなに量産型じゃないでしょ…っていう。そこそこ個性派だと思うし、量産型と言われてちょっと自問自答したものの深く考えないで楽しく生きるタイプの子として描かれていたし、1話で量産型だと指摘した張本人ながら9話は自身も量産型だったと突きつけられてそれでもガンダムになりたいと再起する浅井に対して(それを量産型と言うなら)私は量産型でいいと宣言もしていたし、結局ほとんど気にしてない。そう、気にしてないから主人公の葛藤みたいなものがあまりなく、2話からは早くも主人公はプラモの世界を知った人にして知らない同僚や忘れかけていた上司を再度目覚めさせる導く人になってしまったのだ。量産型というレッテル張りの意味の無さをさらっと暗示していたなら深い。
まあ最終的に後年振り返って覚えているのは与田ちゃんによる与田ちゃんのための与田ちゃんかわいいプラモのドラマ…だろうなぁ…。
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