詐欺師のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)が組んで毎回ゲストを騙していく1話完結型の詐欺コメディ。時系列が話の順番ではなくかなり前後しており、劇中で登場するアイテムや小ネタなどを精査していくと実際の経過時間が分かるような仕掛けになっている。
映画版は全話の後、映画直前にやったドラマSPは映画の後、という設定も。
1話
初回のターゲットは江口洋介。
冒頭ではまず未唯mieを騙して協力者の山西惇を二重に騙すのを3人が協力して行ったが、本編の江口洋介を騙す際にはリチャードが江口を騙しきれずに病院送りにされてボクちゃんが奮起するところから始まるも、ボクちゃんはダー子&リチャードに騙されていてギリギリまで本当に危機だと思ってビビっていた…という展開に。詐欺は軽快というより荒唐無稽に大掛かりなもので、大量のスタッフを動員して偽の小型空港を作り、そのホームページを作り、飛行機をレンタルし、空港職員、乗客、パイロットなど3桁単位で全員こっち側。というかもう江口と側近以外全員騙す側な始末。
逆にありえなさすぎて痛快ではあったけど、EDや番宣の煽りがあなたは騙される!みたいな煽り方だったのでなんか違くない?っていう感じではあった。この展開は詐欺モノによくある主人公一味が少人数で罠を仕掛け危険をかいくぐりながら切り抜けて視聴者も一緒に騙され、その謎がラストで解き明かされてその鮮やかな手口を堪能するというものではなく、ありえないほどの大量スタッフ動員による荒唐無稽なパワープレイでもって騙そうとしているダー子、リチャードの各種コスプレやキャラのノリの良さと、2人に振り回されてターゲットと一緒に騙されるボクちゃんの慌てふためきっぷり(詐欺の手口振り返りもどちらかというとボクちゃんが騙されていた過程を改めてプレイバックするような構成)を楽しむものであって、視聴者がこのストーリーでもって一緒に騙される要素ってほぼ何一つ無いような…。フジテレビ相変わらず視聴者が見えてなくないか…?
長澤まさみは30歳越えたんだなぁ…という感じ。というか同世代のアラサー女優に全く雰囲気が変わらない超人がやたら多い事もあって相対的に年上に見えてきてしまうところがあり、2000年頃の若い30歳(00年前後の頃にアラサーだった中山美穂とか常盤貴子のライン)みたいなイメージ。また『都市伝説の女』とは真逆の全く色気が無いという設定なのでわざと豪快な感じにふるまっているせいもあるかもしれない。
長澤まさみが年齢不詳設定になっている一方で、東出昌大が「若き」コンフィデンスマン扱いなのはけっこう謎。東出昌大ももう30歳である。長澤まさみの1つ下だが学年では同じだ。俳優デビューが2012年と遅めで、『桐島、部活やめるってよ』で高校生を演じ、その後も近年まで話題作で高校生役をやる事が多かったので若手イメージが強いのが影響しているようだけど、ダー子とボクちゃんが恋愛関係というより、破天荒な姉に振り回される弟みたいな関係性なんだったら、もっと弟キャラな若手俳優の方がバランス良かったような…。
2話
リゾート会社社長の吉瀬美智子を騙す話。今回もダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)の掌の上で事態が転がっていき、2人にとっては全て計算通り、ボクちゃん(東出昌大)だけ詐欺が見抜かれて殺されかける(吉瀬美智子が雇っていた情報屋自体がダー子とリチャードの協力者だった)など散々な目に遭うという展開に。性懲りも無くあなたは騙される煽りだったが、やはり騙されているのはボクちゃんとゲストだけでそれを分かった上で楽しむストーリー展開といった感じ。
前回の江口洋介は経済ヤクザ、日本のゴッドファーザーの異名を持つヤバい奴なのに騙した後の後処理が何一つなく、江口洋介自身もバッチリ人相を把握した3人への復讐を示唆するような捨て台詞で終わっていたので危険極まりなかったが、今回は吉瀬美智子が騙された後に会社を辞めて夫ともう1度やり直しているというアフターフォローが描かれ、初回のような荒唐無稽すぎる派手な仕掛けも抑えめに。
ボクちゃんがその気になった旅館の女将役に本仮屋ユイカを起用しながらほぼ出番なしの脇役という辺りに若干の寂しさが…。そういや最近あまり見なくなったなぁ。
3話
ボクちゃん(東出昌大)がカフェで知り合った画家を目指す美大生馬場ふみかは美術評論家の石黒賢に弄ばれ自殺未遂に追い込まれた。怒りに燃えるボクちゃんは石黒賢をターゲットにしてダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)と共に贋作で石黒賢を騙そうと目論む。
協力者として伝説級の贋作家でんでんが登場するもなんとまさかの瞬殺。金目当ての汚い評論家と思われた石黒賢だったが見る目は確かで、以前から贋作家でんでんの作風を密かに研究していたらしい。こうして作戦を振り出しに戻した一行は、既存画家の贋作ではなく、無名の画家を発掘させるという方向から詐欺を組み立て、見事に石黒賢を騙すことに成功するのだった。
3話にして早くもパターンを変更。今回は前2回のようにボクちゃんが1人だけ騙されもせず危機にも陥らず3人一丸となって行動していたし、騙しの過程もこれまでほどバレバレではなかったのでだいぶ雰囲気が変わって良かった。
馬場ふみかは前回の本仮屋ユイカと同じ扱いで、かわいそうな女性として登場するも最後まで出番が無く、最後はちゃっかり相手見つけてたくましく生き抜いているというところだけはパターンだったけど…。『コード・ブルー』とは真逆の巨乳キャラだったので最初どっかで見た気がするんだけど誰だか分からなかった。
4話
社長佐野史郎の食品偽装を暴こうとするも脅さえいれて断念した社員が落とした告発状から佐野史郎をターゲットにするという話。佐野史郎の映画好きを利用して出資金として3億円を騙し取ろうとしたが…。
・映画好きすぎて逆に踏み入ってこない
・その枷を苦労して外してその気にさせるも今度は映画内容に恐ろしく口を出して監督・脚本家気取り&出演まで要求
と、メンドクセー成金映画オタクっぷりを発揮してきたため、ダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)、ボクちゃん(東出昌大)と五十嵐(小手伸)が振り回され、最終的には告発社員を利用して偽装告発映画にすり替える事には成功するが、経費がかさみすぎてしまい3億円フルで経費になってしまって数千円の赤字を出してしまい終了。
前回に続いて3人揃ってドタバタを繰り広げる展開となり、さらに発端もボクちゃんではなくダー子になり、パターン化を回避。細かい事はすっ飛ばして勢いで見せるその勢いはますます増している印象。これはもう何も考えずに見るのが正解。
5話
リチャード(小日向文世)の盲腸の手術をした医師正名僕蔵は名医だったが理事長のかたせ梨乃のドラ息子永井大をスーパードクターに見せかけるための影武者として利用されており、薄給に耐えかねて直談判したところ、かたせ梨乃にけちょんけちょんにされ、転職を目論むもかたせ梨乃が悪い噂を流したため工事現場のバイトで食いつなぐ日々。工事現場で働く正名僕蔵を見かけて事情を聴いたボクちゃん(東出昌大)はかたせ梨乃と永井大を追放して正名僕蔵を復帰させるための詐欺を行う提案をし、ダー子(長澤まさみ)が動き出す。
ということで偽医者に扮して渡り歩き、かたせ梨乃を重病と偽って手術させるというトンデモ展開に。後半はハズシのハズシのまたハズシという怒涛のハズシ展開のありえない大連発で3周くらい回って逆に凄かった。
かたせ梨乃の偽手術を嘘中継するはずが中継に失敗してダー子が執刀を始めてしまう→失敗する
→正名僕蔵が訪れていて正名僕蔵が救うと見せかける→実は正名僕蔵はかわいそうな人ではなく人格に大きな問題のある性悪でかたせ梨乃も実力は評価していたが人格面が酷すぎて手に負えなかったと発覚。かたせ梨乃が悪い噂を流しているのではなく、正名僕蔵の人格面が酷すぎてすべての病院に断られ、腹いせに自分で噂を流していたことも判明し、手術するなら病院をくれと言い出すのでボクちゃんが殴って退場
→かたせ梨乃の本当の願いは永井大の医師としての覚醒。自信が無いだけで本当は腕があるはずだと確信していた。永井大が覚醒して救うのかと思いきや永井大、速攻逃亡
→実は手術自体が嘘で突如手術台の下からジョージ松原と名乗る造形師(山田孝之)が登場。「仕事は選びません!」とかメタ台詞を吐きながら1カット出演で存在感を残す(まもなく公開の映画で長澤まさみと共演している縁での出演)
→結果久々のボクちゃん一緒に騙されてたパターン。しかし最後は仲良く3億円を騙し取り、かたせ梨乃は息子をあきらめて病院を退職、永井大も医者をあきらめて退職と騙されたわりにスッキリした表情でおしまい。
荒唐無稽なベタ展開をここまで連発すると逆に面白くなるのな…。山田孝之がジョージ松原とか名乗って出てきた時点でもう全部これでいいやって感じになってしまった。
謎だったのは最初は乗り気だったリチャードがほぼ外で遊んでいるだけで、手術で人格が変わるというオチに利用されただけでほとんど出てこなかったところ。明らかに小日向文世が別仕事で現場外れていたとしか思えない扱いだったが…。
6話
自転車旅で立ち寄った村のラーメン屋の素朴な味に感激したボクちゃん(東出昌大)は村にふるさとふれあいモールができるはずが産業廃棄物処理場になってしまうと聞かされ、村を守るためにこの手口(村の老人たちに観光施設などを作ると騙して安く買い叩いて、途中で事業中止になったとして知り合いの産廃業者に売りつける)で財を成している社長の内村光良を騙すことに決めたダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)。
当初ボクちゃんが先行してリチャードの持っていた土器を使って遺跡発見を装うが、ウッチャンには考古学に取りつかれた父親に借金を背負わされて苦労した幼少期という過去があったことを調べていなかったので失敗して土器を破壊されてしまう。改めてリチャードが教授を騙ってより真剣に土器を捏造したものの、今度は父親仕込みの考古学知識によりウッチャン自ら茶番だと見抜いてしまう。
そこにダー子が、ウッチャンと同じく考古学に魅せられてありもしない遺跡発掘に明け暮れた挙句に亡くなった父親を持つという重ね合わせたキャラ設定で登場。今回のエキストラ発掘者たちは同じようなマニアたち(金で雇った連中ではない)なので、純粋に喜び合う姿を見たウッチャンは徐々に心変わりを始める…。
しかし今度はボクちゃんが本来の目的であるラーメン屋夫婦まで遺跡発掘で村が盛り上がるかもしれないと浮かれ出したのを見て騙す予定じゃない人たちまで騙している…と落ち込んでしまい、詐欺をバラしてしまった。
一方のウッチャンはダー子が送り付けた父親の考古学本(当時全く売れずに借金の原因にもなった)を改めて熟読し、さらにダー子が続けていたキャラ設定に名誉などではなく、遺跡を探すその過程こそが至高という真理に到達。ダー子が既に1億円で入手していたテキトーな山を3億円で買い取り、会社も譲ってしまい、山でかつての父のように発掘の日々を送るようになり、その顔は輝いていた。なおラーメン屋の方は産業廃棄物処理場建設の工事の人たちでめっちゃ賑わっており、便乗値上げもする逞しさで営業していた!
ということで今回は途中の過程でボクちゃんだけでなく、リチャードも計画に置いていかれる(どういう設定なのか聞かされない)という初のパターンが。そしてウッチャンで悪徳業者は無理があるんじゃないかと思ったら案の定序盤の悪徳っぷりからなんだか違和感。しかし後は心動かされていくばかりで、最後は金も名誉も捨てて生きがいに走るいい笑顔を見せるなど、ウッチャンの一般イメージに沿ったような流れになったので、今までのゲストと比べても、騙したというよりは騙したんだけど結果人間的に得るものがあって自ら価値が無いと分かっていて金を差し出したという一風変わった話になった。逆にこうも純粋なところを突いてしまうと、普通にいい人のウィークポイント突いて騙したみたいで悪い気がしてくる気がしなくもないが…。
しかも今回は1億円で買った山を3億円で売りつけて純粋に2億の儲けとなったので土偶ねつ造に費やした材料費等はあってもほぼほぼ丸儲けになったというのも珍しかったかも。
7話
ダー子(長澤まさみ)は経済ヤクザで巨額の富を築き、病で老い先短い竜雷太の愛人の娘として遺産目当てで潜入。そこには兄の岡田義徳と姉の桜井ユキが同居しており、バレないために立ち回る中、婚約者役としてボクちゃん(東出昌大)まで一緒に潜入する事になった。
リチャード(小日向文世)はこの案件を持ってきたきっかけとして活用。リチャードに1年ほど前にスリをかまして逆にスリ返されて仲良くなった佐津川愛美は結局スリで逮捕されてしまったが、この佐津川愛美こそが竜雷太の愛人の娘だった。ダー子は遺産には興味が無いという佐津川愛美から(作戦の事は伝えずに)できるだけ取材して潜入していた…という設定だったが、ほぼ屋敷内の生活で身動きできない2人に代わってリチャードが外から調べたり情報を送ったりするという設定で今回もリチャードの出番は少なめ。
中盤では早くも岡田義徳・桜井ユキがコンビの詐欺師巣鴨のキンタ・ギンコだと発覚し、キンタ・ギンコもダー子らの正体までは掴めずとも偽物だと当たりをつけて暴露を目論むが、方針を変更し、どっちがいかに気に入られ遺産を総取りできるかの詐欺師同士の戦いへと発展。ダー子とボクちゃんで結婚式をしたタイミングではキンギンコンビにより幼少期の骨折の事実を知らずに暴かれそうになるが、ダー子は泣きの演技で切り返し、直後に竜雷太が兄弟でケンカするな!遺産目当てなのはわかっているぞ!と一喝、そして倒れてしまったため以降は全員開き直って偽りながらも和気あいあいと家族ごっこを繰り広げた。
直後、岡田義徳・桜井ユキがやっていた兄と妹の本物(中尾明慶・前田敦子)が見つかり、2人から借金だらけで遺産の話は嘘である事、中尾明慶から金庫の番号を聞いて開けたら愛人記録写真集しか無かったことから全員撤収。
ボクちゃんだけが放っておけないとしてお手伝いさんの阿南敦子と一緒に屋敷に残り、数週間後の竜雷太の最後を看取る事に。竜雷太は家族でもないのに最後まで残ったボクちゃんに感謝して遺産10億を受け渡すと遺言を残した。
実は中尾明慶・前田敦子はダー子が雇った偽物(本物は会社経営に成功していて竜雷太には興味が無いと後で説明された)で、借金だらけというのはキンタ・ギンコを追い払うための罠、そして残るだろうボクちゃんの性格を見越してのボクちゃんごと騙した罠だった。これにより10億を手にしたボクちゃんだったが腑に落ちないため、自身の権限で遺産を分配。リチャードに分配された分は佐津川愛美に渡されたが、佐津川愛美は興味が無い、それより仲間にしてくれ!と伝える。スリを繰り返してたのに金に興味が無くてスリルに興味があるタイプかこの人。
そして家族ごっこ仲間として岡田義徳・桜井ユキにも遺産を分配したため、生前約束していた花火大会にはダー子やお手伝いさん含めて全員が集合。故人を偲んで花火を見上げるという家族全員偽物なのになんだかしんみりしたオチに。お手伝いさんが実は最後の女でボクちゃんを軽く超える金額の遺産を受け取っていたことや、棺に入れる写真として竜雷太が最後に指定したのは本物の家族(子供の頃)の写真ではなく、偽結婚式の時の偽家族写真で、お手伝いさん含めて全員血の繋がりが無い写真を「家族写真」と満足そうな表情で語る竜雷太がなんか泣けた。遺産目当てなのは暴いていたが、薄々全員偽物だと感じていたのかいなかったのか。本物が家を出ていくまでは家族に愛情が無いと評されていたので、本物に対する記憶もハッキリしたものがあまりなくて、老い先短い状況では本気で信じていた可能性の方が高いか…?
岡田義徳・桜井ユキ含めて家族ごっこをしていた4人が全員「自分たちは本当の家族を知らない」と家族の愛情を知らずに現在に至っている様子をほのめかしていたため、金目当ての家族ごっこでも何か感じるものはあった、というのが最終的には金をもらった義理とはいえ最後の集合と笑顔にあったと思うので、そこもなんか良かった。
ていうか余命間近設定とはいえ、竜雷太が1年ぶりの月9で前回以上にかなり老いて元気が無さそうな感じだったのはリアルで大丈夫なのか少し心配になった。中尾明慶・前田敦子の1シーン出演は面白かったけどまさかこれまた偽物とは…。佐津川愛美は若い頃はなんか頼りないへにょ~んとした感じで、主演級、ヒロイン級としては今一つ定着しなかったけど30代以降で存在感が増すタイプの女優かもしれない。
8話
リチャード(小日向文世)が1年前から通っていたメンズエステ店の店長(堀川杏美)が美のカリスマである美濃部ミカ(りょう)のブランドに転職。しかしちょいぽちゃの堀川杏美(ぽっちゃりアイドルグループのChubbinessメンバー)は美濃部ミカのブスデブパワハラにより病んで退職。暴言を録音していたので週刊誌に売り込んでやる…と荒んでいたのを見かけなたリチャードは美濃部ミカをターゲットにする事を提案。
ボクちゃん(東出昌大)が韓国のメンズエステ経営者として釣り上げようとするが男の美容に興味が無いと言われて即失敗し、ダー子(長澤まさみ)は女性向けフランスの経営者に化けて近づこうと外国人を雇うが直前で方針転換して撤退。山形の40歳女性に化けて、村に代々伝わる伝説の化粧水を餌にしてカモろうと壮大な計画がスタートした!
山形で廃村を貸し切り状態にして、10数名の美人村人を雇い、3億円の収入を見込んでいた一行だったが美濃部ミカはダー子(長澤まさみ)の計算とは全く違う方向に向かい始め、金で買いあげようとはせず、ダー子を自社のコンテストで優勝させ、さらには自身の両親を巡る辛い生い立ちと自身の美へのこだわりのルーツ語り、納得したら売ってくれればいい、と本心を見せる。
パワハラ悪徳社長のイメージで騙そうとしていた3人は意外とルーツがしっかりしていた美濃部ミカに拍子抜けしてしまい、全員真顔&このまま騙しちゃっていいのかモードに…。とりあえず作戦は完了したはずだったが、直後に堀川杏美がリチャードがいつまでも何もしてくれる様子が無いと自分で動いて弁護士指導の下で週刊誌に告発(3億取る予定だったのでリチャードは最低でも何千万単位の想定をしていたはずだが、堀川杏美は報酬150万で喜んでいた)してしまったので、美濃部ミカは失脚。新社長に代わってしまい、取引の話も立ち消え。まさかの完全失敗に終わる。
…まだ続きがあるとのことで半年後には復帰しているはずと待った3人だったが、半年後の美濃部ミカは放置していた子供たちの育児をきちんとこなす主婦となっており、団地主婦間のカリスマ美容家のようにはなっていた。表情もかつてよりイキイキしていたが、それだけで結局終了。
山形遠征して村を偽装するほどの大がかりな手間をかけたのにまさかの完全失敗。手間をかけすぎて利益が出なかったことは過去にもあったが、1円も取れなかったというのは史上初では…。ターゲット選定のきっかけになった被害者が自力で復讐を果たしてしまうという展開には意外性があったが、ちょっとこれはシオシオ感が…。
9話
次々とスポーツチームのオーナーになっては介入して潰して放出する社長小池徹平をターゲットにした話。話を持ってきたのはチョビ髭(瀧川英次)だったがなんと2話以来の登場。そういえばドラマ開始当初は五十嵐(小手伸也)と入れ替わりくらいの出番かと思ってたら(チョビ髭は1,2話に登場、五十嵐は2話から登場で1話には出てない)いつの間にか五十嵐一辺倒になってて消えてたなこの人…。
当初は強いチームを偽装しようとして卓球をネタにしようと目論むが(このためだけに平野美宇がゲスト出演)、小池徹平の真の狙いは節税対策だった。絶対勝てない赤字になる弱いチームを求めていた事を見抜いたダー子(長澤まさみ)は方針を転換して自身はチームの社長、リチャード(小日向文世)を監督、ボクちゃん(東出昌大)を選手にして熱海で適当な人材をスカウトして雑魚チームを結成。
見事に契約金2.5億円を獲得し、さらに弱さをキープして3年契約まで頂こうと画策するが、チームメンバーが勝利を求めて張り切り始めてしまい、ボクちゃんはともかくリチャードまでスポ根に目覚め始めてしまう。調子に乗って『スクールウォーズ』のテーマ曲やGReeeeNのあのヒット曲まで堂々かけ出す始末。これによりチーム人気が高まりすぎてしまったため(依然勝てないが)小池徹平はメンバーをクビにしようと介入を始めてしまった。
リチャードまであっちに行ってしまったのでダー子は単身方針転換を図り、出番のなかったチョビ髭に小池徹平の過去を探らせ、スポーツ好きだったが驚異的運動音痴によりイジメに合っていた学生時代からスポーツへの恨みをぶつけるために現在のような支配行動を繰り返している事を突き止め、本人に突きつける。関わらければいいのにかかわり続けるのは本当はスポーツ好きだからだと見抜かれた小池徹平は2.5億円返金を受け取って終わらせるか、3年契約をするかを迫られ、契約を選択。
2年後五十嵐含む4人が去った後のチームは適当に集めていたメンバー+新たなメンバーが活躍してプロリーグで初勝利を達成。小池徹平も消えてしまったダー子らにインタビューで感謝をのべていた。
ノリノリでスポ根暴走するのも面白かったが随所に『SLAM DUNK』ネタが仕込まれてて最初に戦ったチームと最後に戦っていたチームが陵南と山王だったり、三井の有名台詞「バスケがしたいです」、主人公桜木の「左手は添えるだけ」を引用していたり面白かった。それだけにスクールウォーズやらGReeeeNではなく、「君が好きだと叫びたい」やら「世界が終るまでは…」辺りがかかればなお爆笑だったが…さすがに難しかったか。
10話
足を洗うと言って出ていってしまったボクちゃん(東出昌大)。1年後引っ越し業者の主任になっていたボクちゃんは結婚詐欺にあったという気弱な新人、佐藤隆太と仲良くなる。その結婚詐欺グループの似顔絵がダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)だったので、憤慨したボクちゃんは2人を問い詰めるためにアジトのスウィートルームに佐藤隆太を連れていくが、2人は知らないと主張。
佐藤隆太は突如豹変してマフィアが乱入してきて、自身の父でありかつて新宿一帯を仕切っていたマフィアのボス麿赤兒を騙した「小犬」を探していて五十嵐を寝返らせ、3人の本名含む経歴を詳細まで調べ上げて3人のうち誰かが「小犬」だろうと迫る。
緊迫した状況の中で追い詰められていく3人…と今回は終始シリアス展開。結局ダー子が「小犬」とほぼ確定状態になりながらも麿赤兒は息子の佐藤隆太と妻はマフィアの世界には関わらせないようにしていてそのために冷たくしていたとか、佐藤隆太がその意志に反してボスになってしまったら意味が無いなど起死回生の説得も試みるが失敗。結局3人射殺されてしまう。
ご満悦な佐藤隆太だったが、殺す直前に3人から奪い取ったはずの金どころか全財産を奪われたと報告が入り、さらにドヤ顔で3人に対して本名だと突きつけていた名前がことごとくダー子とリチャードが結末を見たかったと殺す間際に言っていたドラマDVDの登場人物御一行の名前だと知り唖然。騙されたと気づいて慌てて部屋に戻り、偽警官を殺そうとしたが警官は本物で御用となった。
ダー子が「小犬」だったのと麿赤兒からだまし取ったのは事実だったが、麿赤兒本人は騙されてもダー子に悪い感情を持っておらず、実際名前を出さずに亡くなっていた。また佐藤隆太が復讐に動き出したというのは冒頭のボクちゃんが出ていった段階で既に情報を掴んでいて、五十嵐を使って架空の人物設定へ行き着くように仕掛けていた。しかも佐藤隆太を部屋に招き入れるという大失態を犯したかに思われたボクちゃんもいつの間にか計画に加わっていて、佐藤隆太と知り合った時点でダー子たちに「(佐藤隆太がこちらの仕掛けに)かかった」と連絡を入れていて全部計算だったという。
ボクちゃんが騙されるパターンが何回かあったので最初から今回は事態を把握して演技していたというのは見事に見ている方も騙してきた。またラストでは置いていかれた佐藤隆太の部下の1人がそのまま執事としてダー子らに雇われて再就職。この元部下が爆発していた髪を結ぶとなんと今まで登場していた執事だった!というオチが。さらにダー子が次に仕掛けようとしているターゲットは初回冒頭で出てきた未唯mie、山西惇。つまり最終回は1話より前のエピソードゼロだったという。
初期に毎回辞めると言っていたボクちゃんが最終回にして久々に辞めると唐突に言い出した感じはあったけど、1話に繋がっていくからだったのか…。今までのようなはじけたノリが無い代わりに、細かい視聴者向けの引っ掛けが多くて鮮やかだった。
全部終わっての感想
初回の段階ではあんまりうまく行ってない印象だったけど、回を増すごとに軽快なノリがハマってきて面白くなってきた。これは久々に続きが見たい月9だ。映画化決定とか最終回1つ前で出てたのに最終回で全く触れなかったのは珍しいような…。
長澤まさみは同世代が驚異的過ぎて相対的に老けて見えるなぁと最初は思ったけど、アイドル女優を脱皮して面白い30代のキャリアを送りそう。
ポニーキャニオン (2018-09-19)
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