1987年7月18日公開。
『ドラゴンボール』劇場版第2作。
この時点でアニメ版は2度目のドラゴンボール集めの過程で桃白白、レッドリボン軍との攻防の末にレッドリボン軍を壊滅させ最後のドラゴンボールを求めて占いババの元へ向かうエピソードまで話が進んでいたが、今作は1度目のドラゴンボール集め終了後に悟空が亀仙人に修行をつけてもらいに行き、同じくやってきたクリリンと共に弟子入りするためにぴちぴちギャルを連れてくるように言われるというアニメ版では13~14話の内容を拡大してパラレル化したオリジナルストーリー。原作/アニメの要素を使って再構築したオリジナルストーリーだった前作の続きとなっている。
実際、原作/アニメと異なり、今作では悟空の大猿化を一行が初めて目撃したかのように描かれているため、前作の世界線の続編のように描かれている。ただし2日間の出来事だった前作ラストで悟空が飛び立って一旦帰宅して布団一式持ち出してその日のうちにカメハウスに直行したとするには無理があり、前作で破壊されたはずのカメハウスが元に戻っていたり、ヤムチャが長髪から短髪に変わっていたり、「久々に悟空に会いに来た」と言っていたりもするので、前作ラストで飛び立ってあちこち旅してから帰宅して布団一式持ち出してカメハウスに向かった…という事なのかもしれない。
原作/アニメとほぼ同じ流れで亀仙人に弟子入り志願した悟空だったがそこにクリリンもやってくる。ぴちぴちギャルを連れてくるのが弟子入りの条件として、原作/アニメではそのまま紆余曲折あって2人はランチを連れてくる流れだったが、今作では亀仙人が最初から連れてくる相手を西の果ての魔神城で数千年間眠り続けているという美女「ねむり姫」と指定。不平等なので悟空の筋斗雲使用は禁止で肉体のみで現地へ向かう流れでは原作/アニメの石探しのエピソードを織り交ぜて進行(クリリンが卑怯な手で悟空を貶めようとする)。またブルマ・ウーロン・ヤムチャ・プーアルが亀仙人の元に久々に悟空に会いに来たと訪ねてきたが、まさかぴちぴちギャルの誘拐を指示した(違)とは言えない亀仙人は遊園地に行ったと嘘をつき、信じた4人は飛行機で魔神城へやってきて巻き込まれる。
到着した悟空とクリリンはやがて魔神城内の奥で膨大な妖怪集団に襲われ劣勢を強いられる。1体1体はまだ修行をしていない素の実力の悟空とクリリンでもいなせるがとにかく数が多い上に倒しても倒してもキリがない。その中でも隊長格のガステルは悟空の如意棒アタックも効かなかった(一応相手を戦闘不能にまでは追いこんだ前作と違ってへっちゃらでまるで効いてねぇ…)。悟空を囮に先行したクリリンが逆に窮地に陥ったので、ここで筋斗雲を解禁。しかしガステルは人魂のような物体に載って空中移動する技を使い、しかも飛行速度は筋斗雲より早い。完全に勝てない格上だコイツ。加えてとにかく数の多い妖怪軍は大挙して空中戦で銃をぶっ放してくる始末。機転を利かせた悟空は落下すると大口を開けて捕食してくる水中の巨大妖怪を利用して、わざと水中妖怪を誘い出してギリギリ回避、すぐ後ろで追いつこうとしていたガステルを捕食させることに成功。ガステルはこれにて退場。
一方でブルマたちは遊園地と信じたまま現地入りしてお化け屋敷かな?と呑気な事を言いながら撃墜されてしまいブルマだけは生贄として捉えられてしまう。しかし撃墜されたのに呑気なブルマはその後もアトラクションだと信じたままのお花畑思考でいざ殺される寸前にようやくやべぇ連中だと気付く始末。ウーロン・ヤムチャ・プーアルが妖怪に化けて静かに救出に迫る中、「ねむり姫」を狙った盗賊ランチが乱入。ランチは「ねむり姫」が人ではなく宝石だと知っていてそのままかっさらって逃走。悟空とクリリンも後を追うが、急いでいた悟空はブルマに気づかずスルーしてしまい、ブルマを助けるタイミングを伺っていたウーロン・ヤムチャ・プーアルも変化が解けて捕まってしまった。
ランチは途中でくしゃみが出て青髪ランチに変身。追いついた悟空とクリリンだったがクリリンが城主のルシフェルに捕まってしまい、クリリンを人質にされた悟空はマスコットみたいなよく噛みついてきていた基本は無害な小怪獣に偶然しっぽを噛まれて脱力。大量の妖怪集団にボコボコにされてしまい、ランチ・悟空・クリリンも捕縛され、これで全員が捕まってしまった。
ルシフェルは満月の力で「眠り姫」にパワーをチャージ。後はその莫大なパワーを太陽破壊光線砲台にセッティングして登ってきた太陽にぶっ放せば太陽を破壊する事が出来ると息巻く。ブルマ食べる話はどうなった…?
拘束されていたブルマ以外の一行は悟空が満月を見て大猿に変身した事で脱出。しっぽをかじられて脱力していた悟空をクリリンが覚えていたため、クリリンとヤムチャがしっぽに抱きついて脱力させ、プーアルがハサミで切るというブルマ抜きでクリリンとランチがその場にいるものの、原作/アニメの大猿初登場のエピソードをここで流用。
悟空はすぐに目を覚まししっぽがないと騒いでまあいっか!という原作/アニメの大猿初登場のエピソードを完遂した後にはルシフェルとの最終決戦へ。しかしホイホイと赤い気弾を連投してくるルシフェルは明らかに超格上で、悟空とクリリンの連携でも全く歯が立たない。なおあまり強くなさそうだった執事はしれっとヤムチャが撃退。ルシフェルは太陽破壊光線発射に集中したため、この隙に悟空は渾身のかめはめ波でルシフェルではなく砲台を攻撃。太陽破壊光線発射機本体は無傷で全く破壊できなかったが土台が崩壊したため、発射の向きが変わり、太陽破壊光線がルシフェルを直撃してルシフェルは消滅して決着。
全員無事を安堵した後は、悟空とクリリンは青髪ランチをお持ち帰りし、弟子入りを許されるのだった…。
という事でランチ連れてくるくだりにオリジナルの魔神城エピソードをくっつけた独自展開となったが…これ亀仙人酷くね?まだ修行してない段階では死地すぎるよ魔神城。ランチでも「眠り姫」が宝石だと知っていたのに亀仙人は文字通りのお姫様だと思ってたみたいだし、ブルマたちまで危険に晒すし…。しかもよりによって5000年待った儀式を完遂できる当日に当たるように仕向けたかのような…。結果的には太陽消滅の宇宙規模の大惨劇を回避できたので良かったけど…。後年巨大エネルギー波に押されて衝突としたクウラやブロリーを葬り去って太陽自体はエネルギー波の影響を受けずに無傷という絶対的存在として君臨する無敵の太陽様がこんな初期レベルの破壊光線で消されるなんてことがあるのだろうか
敵は今回も格上。結果的には悟空は格上の中ボスとボスを2体倒しているがいずれも機転を利かせての勝利で自力では勝てなかった。今作唯一の単独&自力での敵キャラ撃破がまさかのヤムチャって(非戦闘員に近い執事のジジイだけど)。ガステル、ルシフェル共に悟空の実力で倒せずクリリンと連携しても歯が立たず、他の格上妖怪や太陽破壊できるというこの時期には破格すぎる強レベルの砲台を使って自滅させる形じゃないと倒せなかった。まあ悟空はこの時点で修行してないので前作と強さも変わってない。仕方ないといえば仕方ないか…。大量の雑魚兵をほとんど一撃で倒せているので負けっぱなしな印象では無いんだけどあまりに数が多すぎて結局押し切られて捕まってるし、今作段階の実力で来ていい場所じゃなかった。奇跡の生還を見せられる1作。
★★★☆☆
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