2022年9月28日
20年2ヶ月ぶりのシングルCD。1994~1997、2001~2002年に在籍したZAINからのリリース。浅岡さんも配信だと思っていたら、ビーイング側からCDで出そうという意見が出て実現したとされる。
DL/ST共に「きっと」のみ単曲配信。2曲目3曲目はCD限定となる。またFIELD OF VIEW唯一のST配信となっている(Amazon Musicでの配信を一貫して拒絶するビーイング管轄なのでAmazon Musicでの配信は無い)。
今作では明確にメンバーが浅岡・小橋の2人であるとクレジットされている。しかしSpecial Thanks枠筆頭で表記されている解散時残りのメンバー2人も小田孝(FIELD OF VIEW)、新津健二(FIELD OF VIEW)というバンド所属扱いの表記となっていて脱退扱いや元メンバー扱いにはしていない。
結果的にビーイングのFIELD OF VIEWとしては最終作となった。
きっと
作詞作曲:浅岡雄也、編曲:葉山たけし
インタビューによれば今作も『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』収録候補として長戸大幸から推薦されていた未発表/未完成デモの1つだったが、浅岡本人が収録を拒否して寝かせていた楽曲だったという。1994年viewとしての2枚目「迷わないで」頃に制作していたデモ曲が基になっている事が明かされていて今回も新規で制作された楽曲ではなく、ストックからの掘り起こし。当時のメロディーだけ使用して作詞や編曲などは全て新規制作という事のようだ。アレンジャー葉山たけしやベスト盤では叶わなかったディレクター寺尾広も浅岡の希望で起用されたと明かされている。ギター、キーボード、プログラミングを葉山たけし、ベースを飯塚祐太郎、コーラスに当時のビーイングのバンドのボーカル3名神野友亜(SARD UNDERGROUND)、木村涼介(dps)、蔵本勝希(GARL)が参加。といっても3組のうちこの時点で稼働していたのは既にSARD UNDERGROUNDだけで、dpsは2020年で公式サイトが止まって既に2年開店休業状態となっていてそのまま現在まで動きが見られなことから自然消滅、GARLはBOØWYのトリビュートバンドとして活動していたが9月1日に解散を発表していて、今作発売日の2日後9月30日で解散してしまった。歌詞カードでは”蔵本勝希(GARL)”だが、先に上げたインタビュー記事では”蔵本勝希さん(ex GARL)”と既にex表記がつけられているのが確認できる。
初期の自作曲より後年の自作曲の方が良い曲が多いと思うので、view時代のデモ曲となると今作はまあ普通にいい曲…以上にはならないよなぁという印象ではある。またドラムの小橋が唯一メンバーとして参加、念願の葉山たけしアレンジという割にはなんだかアレンジがしっくり来ない。FIELD OF VIEWのサウンドって後期以外はけっこうギターとドラムの存在感があったと思うんだけどドラムの音が軽くてまるで打ち込みのような響き。これ本当にドラム叩いているのか…?ドラムレコーディングエンジニアのクレジットがわざわざある以上は叩いていると思われ、ミックス処理でなんだかしょっぱい迫力の無い音になってしまっているのだろうか。また葉山アレンジとは思えないブラス風シンセ音も妙にチープな音色で目立っているし、シンセとコーラスが完全にメインになってしまっていて当然ギターもほとんど聞こえない。サウンドがなんだか安っぽくてナンカチガウゾ…感が凄い。現代風というわけでもないし、たぶん90年代風を目指していると思うんだけど制作側の思う90年代風のサウンドを取り入れた令和のサウンドというものにかなりのズレが生じているような…。現役当時のサウンドとは似ても似つかないし、これはちょっとどうしたんだよと思ってしまうところはあった。とりあえずもっとしっかりしたサウンドで聞きたかった。個人的には未発表新曲群に続いての今作で解散前ほどの熱量はもう持てないというかFIELD OF VIEWは思い出になってしまっているなと感じてしまった。まあ良くも悪くも当時のお蔵入り曲しか発表していないのだから当然なのかもしれないが、現役であり現在進行形なのは浅岡雄也ソロであり、全曲というわけではないがソロの方が普通にFIELD OF VIEWよりも未来にあるいい曲が今でもリリースされていると思ったのだった。
★★★☆☆
アルバム未収録
Bonus Track:
君がいたから(2022 Live ver.)
2曲目は「きっと(Off Vocal)」で3曲目にボーナス扱いで収録。1995年の1stシングルの最新ライブ音源。演奏クレジットもどのライブなのかも記載されていないが今年の周年ライブとして5月14,15日に新宿ReNYで開催された『FIELD OF VIEW 27th Anniversary Live 2022』での音源。表記は無いがこのライブのサポートメンバーはGt.葉山たけし、Ba.麻井寛史、Key.今井隼,Gt.森本隆寛、Mp.Key.大場-hana-映岳と発表されていた。
シングル盤の追加生産版途中頃から削除されてしまった「(でも)」の表記が今作の歌詞カードで復活している。
こちらはきちんと生演奏。まあFOVなのはボーカルとドラムだけではあるし、ソロ名義でやっていた小橋サポートドラム参加での周年ライブと同じといえば同じなんだろうけど、心構えとしてFIELD OF VIEWの名前を背負ってFIELD OF VIEWの曲をやるというのとではやはり違う。変わらぬ歌声、歌い方にはソロの浅岡雄也ではなく、FIELD OF VIEWボーカル浅岡雄也としてのこだわりは感じられる。さすがに最後の高音「君がいたから」はきつそう。
ただ今作でもドラムの音が妙に軽いし、全体の音のバランスもなんだかイマヒトツ迫力がない。ライブっぽいというより単純になんだか録音やミックスが良くないような…。ライブDVD『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Special Live 2020.10.15 at Shinjuku ReNY』ではもっと自然なライブ音源で普通にライブ感のある音に仕上げていたのになぁ…。
久々のシングルCD、もう無いと思っていた次のシングルが手に取れたのは嬉しかったが…何度聞いても音に馴染めずに正直ほぼ聞き返さないシングルになってしまった。
★★★☆☆
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