3rdAl『Little Bit…』
93年10月6日
1st同様のミニアルバム。今作で初めてSound Prduced by WANDSという表記が入った。東芝EMIでの最終作品。
今作の収録候補に「恋せよ乙女(Remix)」や「君が欲しくてたまらない」セルフカバーがあったことが後に明かされている。
1.天使になんてなれなかった
作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
これまでに比べて自我を開放し始めたとか変化の兆しを見せたと捉えられやすいリード曲。サウンド面ではややギターが重めに鳴っているようにも聞こえるがまだまだ打ち込みポップ路線。割とさわやかに愛や恋を歌っていた「愛を語るより~」「恋せよ乙女」に比べると、売れ線ポップ(天使)はやはり性に合わないという宣言のようでもあり、ロックがやりたかったのにさわやかポップな曲ばかりで爆発的人気を得た当時の心境を表に出し始めているように思う。実際これ以降「愛を語るより~」「恋せよ乙女」のような歌詞は書かなくなった。
『SINGLES COLLECTION+6』の+6の1枠として選曲されたほか、『vocal compilation 90’s hits vol.1~male~ at the BEING studio』にも「ふりむいて抱きしめて」と未発表曲「ささやかな愛情」と共に収録されてリマスターされた。
★★★☆☆
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6』
コンピ盤『vocal compilation 90’s hits vol.1~male~ at the BEING studio』
天使になんてなれなかった
WANDS
2.恋せよ乙女
3.DON’T CRY
作詞:上杉昇、作曲:川島だりあ、編曲:葉山たけし
死んだ友人への悲しみを歌っていて時が流れていく無常さも合わせて拭い去れない切なさが漂う名曲。同じように亡くなった友人を思う曲として「星のない空の下で」があったが、曲調はポップだったのに対して今作は曲調も刹那が漂っているように聞こえる。最初に『BEST OF WANDS HISTORY』で聞いて割と早い段階で印象に残っていた曲の1つでファン人気も高い方なんじゃないかなと思う。
何故か翌年のシングル「世界が終るまでは…」と繋がったPVが制作され、上杉がTVで見ている外国の映画(ドラマ?)という設定でドラマ仕立ての内容になっている。作中では外人がひたすら苦悩して暴れまわる。回想と思わしき場面では男2人、女1人でめっちゃハイテンションで楽しそうなんだけど3人の間で何らかのトラブルがあったらしく、現在は苦悩と悲しみ、叫びのたうち回るばかり。そんな内容の映画に嫌気が差したのか上杉はTVに向かって座っていたソファのクッションを放り投げると同時に曲も途中で終わり、上杉が歩いて行った先は羽田の格納庫。ここから「世界が終るまでは…」PVへと繋がる。
主に羽田の格納庫での演奏シーンがメインの「世界が終るまでは…」PVの随所でもなんか苦しんでる外人の映像がインサートされるのはこのためだが、急に謎映像が入ってくる感じでそれだけだと良く分からないし、楽曲的にも繋がっているともあまり思えないんだけどどうしてこんな演出に…。
★★★★☆
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
Don’t Cry
WANDS
4.君に もどれない
作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
以後の急速な路線変更に伴いこれが正真正銘最後となる前作に入っていても不思議じゃないような93年の王道的なポップロックナンバー。シングル以外では最もど真ん中だと思うけど、今作の中では早くも影が薄い。
★★★☆☆
5.声にならないほどに愛しい
6.Little Bit…
作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
アルバムのタイトルナンバー。3作連続でアルバム収録のバラードの末尾に”…”が付属する法則が適用された。バラードだしこれで締めでも良かったような…。キーボード主体のポップ時代のWANDSらしいバラードだが何気にサビがかなりの美メロ。最初に聞いた時はポップな2曲に挟まれてさっぱり印象に残っていなかったが後になって隠れ名曲だった事に気づいた。
★★★★☆
コメント