1st NG

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1st NG

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1990年10月25日
1stアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』と同時発売でのデビュー。2曲ともそのままアルバムに収録されており、カラオケも無いので今作のみで聞ける音源は無い。アートワークもアルバムと共通のイラスト仕様となっていて3rdシングル『どんなときも。』まで連続で使用された。デビュー作なのにタイトルが『NG』で、売上もNG(100位圏外記録無し)になってしまったという問題作(?)

前述のように発売当日からここでしか聞けない音源が無いので完全なコレクターアイテム的であったものの、売れなかったので希少価値はそこそこ高い

アマチュア時代から既に独自で作詞作曲だけではなく編曲も手掛け、録音機材を持っていた友人の沢田知久と組んで2人で音源制作を行っていたが、デビューにあたってはプロのアレンジャーがつくことになった。このため西平彰の名前が共同の編曲者としてクレジットされているが、後に自分の作品に手を入れられるのが不満だったような事が語られており、次の制作からは希望通りに自身単独編曲にしてもらえたという。後のベスト盤に収録する際には自身の名前を外して”編曲:西平彰”と単独で表記されている。ただしベスト盤は基本的にほとんど本人非関与で前レコード会社がリリースしてきているため、本人の意志なのかは不明。またこの音はいらないとバッサリ削られる事もあってブーブー文句を言っていたのは事実で西平彰もやりづらかったんじゃないかと思うと振り返っている一方で、客観的な視点が入る事は勉強になり以降もその点を意識するようになった事や、西平彰のピアノが上手すぎて自分のピアノ演奏にはネガティブになった事も語られており、多数の学びもあったようだ。

NG

編曲:西平彰&槇原敬之
ベスト盤では編曲:西平彰

いわゆるサビどこ系バラード。後のヒット曲に比べて佇まいが圧倒的に地味なので1stや5thベスト盤では最初の2曲を飛ばして「どんなときも。」から聞き始める人も多いかもしれない。じっくり聞くとメロの良さに浸れる。別れてしまったことの後悔を歌う歌詞は女々しくも切ない。初めて聞いたときはそんなに好きじゃなかったが聞き込むほどに名曲に思えるバラードで、そんなに好んで聞いていなかったのに早い段階で全編しっかり覚えてしまったのでなんだかんだしっかりした存在感のある1曲だったのかもしれない。

次回作も同系統のバラードである事からもレコード会社側がシンプルなバラードをシングルにする事に確固たる自信を持っていたものと思われるが、しかしデビュー曲で「NG」は無いし、売れる曲ではないような気がする。1stアルバム期ではこれが1番シングル向けという事もないし、けっこう判断が謎だったりする。

『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』は1999年の逮捕後の活動停止~2000年『太陽』での復帰前の2000年5月にリリースされた本人非稼働のベストアルバムだったが、冒頭3シングルを10.Y.O Versionとして収録。これは別アレンジではなく、旧友の沢田知久による新ミックス(ミックス変更)となっていて、音の響きやバランスが調整されているもの。イントロや間奏でテン・テン・テテテテンをメインで演奏していたキーボードがごっそりカットされてギターがメインになっているところが分かりやすい違い。
★★★☆☆
1stアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように
1stベスト『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』(10.Y.O Version)
8thベスト『Completely Recorded
4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』(Live/メドレーの1曲)

C/W RAIN DANCE MUSIC

編曲:西平彰&槇原敬之
英訳:Jeff Patterson、編曲:槇原敬之(DANCING IN THE RAIN(ENGLISH VERSION))

同じく同時発売のアルバムにも収録。「NG」よりも明らかにシングルっぽいインパクトがある切ない失恋ソング。ちゃんとサビもあって盛り上がってメロディーもキレキレ。これがデビューシングルA面ならとんでもない新人が出てきた事を存分に示せたのではないかと思われるが、何故これがC/Wなのか…。アレンジ面では後年に比べると明らかに音が固い気はする。そういう点では最初期だなとも思う。タイトル通り雨の情景がとてもよく浮かぶ楽曲で、最初期から情景描写に優れていたことも分かる。意外な事にオリジナル音源でのベスト盤選曲は無い。

『SMILINGⅢ』では全英語詞でリアレンジされ、「DANCING IN THE RAIN(ENGLISH VERSION)」に変更された(元々サビの歌詞は”Dancin’in the rain.”だった)。ソニー移籍後にワーナーが連発していたベスト盤シリーズなだけにいつ制作されたのかは不明だが、同じENGLISH VERSION化した「CLOSE TO YOU(ENGLISH VERSION)」とは完全に同じ制作でシンセオペレーターに飯田高広、ギターに遠藤太郎、エンジニアが沢田知久となっていて、ソニー移籍以降のラインナップ(ワーナー時代の沢田の参加は『THE DIGITAL COWBOY』の一部参加だけだったはず)なので、移籍直前の置き土産か移籍後、いずれにしてもお蔵入り音源的なものではなく『SMILINGⅢ』発売からさほど離れていない新規のレコーディングだったのは間違いないだろう。原曲よりも全体に音が洗練されている。1stアルバムの曲はデビューに向けての書き下ろしではなくアマチュア時代のストック=沢田と共に録音制作していた時期の曲だったと思うので、あの頃の曲をお互いプロとして経験を重ねた後の再合流で再度沢田と共に録音した事にも感慨深いものがあったのではないか。
★★★★☆
1stアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように
3rdベスト『SMILINGⅢ~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~』(DANCING IN THE RAIN(ENGLISH VERSION))

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