4th 冬がはじまるよ

1991年11月10日
2ndアルバムのヒットもあったが、まだまだ『どんなときも。』も単体でロングヒットしており、ちょうどベスト20から落ちたところで初登場10位を記録。2週目に5位に浮上し、これが最高位となったが、その後もトップ10後半でロングヒットし12週連続トップ10入りした。今度は何故か8位を連発して、8位だけで6週ランクインした。76万枚を越える大ヒットとなり、最終的に4番ヒットとなる。1発だけ大当たりなヒットも多かった当時、その次もヒットしたのは割と異例でもあり、トップクラスの大ヒット作だが、2トップのミリオン2作に挟まれているので分が悪くやや影が薄い。
初回盤は4面パノラマジャケット仕様となっていて8センチCDながら折り畳みとなっている。ロングヒットしたため、通常仕様の方が多く出回っている印象。イラストの画風がこれまでと違ってアメリカンっぽくなっているほか、裏ジャケの左上に本人がしれっと実写で登場している。
冬がはじまるよ
サッポロビール「冬物語」CMソング。当時のジャケットでは「サッポロ冬物語」となっている。今でこそ冬限定ビールとして「冬物語」というだけで浸透しているが1988年に開始したばかりだったのでサッポロも商品名に含んでいたのだろうか。このタイアップで今作に続くヒットを記録した1995年度のカズン「冬のファンタジー」はライブのサポートキーボードだった本間昭光が編曲を担当している縁でノンクレジットで槇原がコーラス参加したとされている。
アップテンポな幸せ系ラブソングということで『どんなときも。』のプレッシャーに負けない別の方向で勢いのあるヒット曲という印象。8月の誕生日に今年の冬も一緒に過ごせるように半袖よ長袖のシャツを両方プレゼントしていてそこから無事に(?)冬を迎える時間経過を感じさせる描写が良い。サビでは“ビールを飲む”という描写も入れてしっかりタイアップソングにもするなど早くも職人芸的な一面も。冬の名曲の中ではそこまででもないけど確かな良曲くらいな感じ。この曲がラジオで流れ始めると毎年冬を感じる…くらいには定番曲になっているのではないか。
2007年にはEvery Little Thingがカバーし、やはり「冬物語」CMソングの新曲「恋をしている」との両A面でシングル発売もされた。エイベックスに移籍したばかりだった槇原もコーラス参加したため「冬がはじまるよ feat. 槇原敬之」となっているが、そんなにガッツリ名前が出るほど槇原の声が存在感を発揮しているわけではなくあくまでコーラス参加である(「チキンライス」も同様だったが、相手メインのコラボではあまり自分が前に出て単独ボーカルとかしない傾向がある)。少し後の世代だとこの時のELTの印象で根付いてる人も多いかも。
『Best LOVE』のRenewdではかなりゴージャスなビッグバンド風に生まれ変わっている。それはそれで悪くはないが冬がはじまる感(?)はオリジナルやELTのアレンジの方があったような気はする。
2011年に再度「冬物語」CMソングに起用された際に「冬がはじまるよ 2012」としてリメイクしたとされるが音源は正式に発売されていない(配信の表記に「2012 Remaster」というのがあるがこれは単に2012年に一斉リマスター再発された原曲の音源)。当時の記事によるとキャンペーン特典として非売品のCDが存在するようだ。
★★★★☆
3rdアルバム『君は僕の宝物』
1stベスト『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~』
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』
8thベスト『Completely Recorded』
9thベスト『Best LOVE』(Renewd)
13thベスト(販路限定)『SELECTED BEST』(Renewd)
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live/「Christmas Medley」メドレーの1曲)
C/W 勝利の笑顔
安定の温もり系バラード。学生時代の友人との再会(と青春の思い出)を描いているんだけど、ただの同性の友人にしては描き方がドラマティックすぎるのは後の「MILK」にも通じるところか。普通にいい曲以上の印象にはなってこないものの、それなりの扱いを受ければそれなりの人気曲になりそうなものだが、2012-2013年の『秋うた、冬うた。~もう恋なんてしない』『春うた、夏うた。~どんなときも。』でワーナー前期8センチシングル時代のアルバム未収録C/Wが次々と救済される中で、今作だけが取り残される超不遇曲になってしまった。
2024年から始まったアナログ化の際は直近のC/Wや別バージョン曲を最も新しいリマスター音源で追加収録するという形で発売されていったので今作も3rdアルバム『君は僕の宝物』ボーナストラックとして収録されCDアルバム未収録ながらアナログ盤アルバムには収録された。しかしリマスター音源が無いためこの当時の音源のままで“1991年マスター”であった。
★★★☆☆
アルバム未収録
(2024年アナログ盤『君は僕の宝物』追加収録)
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