19th キセキのはじまり/SHŌDŌ

2001年6月20日
Coming Century「SHŌDŌ」との両A面扱いになっているため、帯の背文字の表記は『V6 / キセキのはじまり Coming Century / SHŌDŌ』となっていた。ジャケ写は片方が「キセキのはじまり」で片方が「SHŌDŌ」という仕様でシングルとしては明確に両A面扱い。しかし「SHŌDŌ」はその後完全にC/W扱いとなっているほか、そもそもV6名義のシングルでカミセンが両A面扱いになっている事例は今作のみである(トニセンは無し)。
3作連続の初登場3位だったが累計売上は13.9万枚と最低を更新。100位以内5週ランクインと登場週数も最低となった。
キセキのはじまり
作詞:黒須チヒロ、作曲:菊池一仁、編曲:CHOKKAKU
フジテレビ系『VivaVivaV6』テーマ曲。『V6の素』→『マッハブイロク』→『お笑いV6病棟!』と半年おきにリニューアル改題していたが、この番組になって固定され2010年3月まで続いた。『学校へ行こう!』も途中からC/Wやアルバム曲連発になってしまったが、この番組もテーマ曲タイアップはあまり重要視されておらず、C/Wやアルバム曲の採用が多くてシングルが使用された事はほとんどなかった。
「over」「Believe Your Smile」「自由であるために」の菊池一仁再び。良メロ王道アイドルポップナンバーなんだけど何だかあまり残らない。系統としては「Believe Your Smile 2」のような二番煎じっぽさが強いせいだろうか。メロディーはかなりいいんだけど何だかパッとしないんだよなぁ…。
改めて聞いてみるとシングルバージョンもアルバムバージョンもなんだかアレンジがしっくりこない。シングルのCHOKKAKUによるアレンジはなんだかいつもと様子が違い、リズムパートが何だか妙に軽い。ギターや上物のシンセブラスなんかは王道なのにトゥクトゥクカンカン鳴り続けるリズムパートが落ち着かない。効果音的に宇宙空間っぽいスペーシーな音が鳴っているのはサビの歌詞に”やっと出会えた宇宙の果てで”とあるためだろうか。後にもっと宇宙メインな「COSMIC RESCUE」が出てくるので無駄に被ってしまう事に
Sunset Breath Versionはre-arranged by 家原正樹となっている別アレンジ。オリジナルより落ち着いたアレンジになっていて間奏やアウトロでは優雅なサックスソロみたいなのも入っていたりもするが、やはり打ち込みのリズムが変に軽くてトコパコトコパコ鳴っているのでこれまた落ち着かない。最後のサビ部分でボーカルがスペーシーな加工をされていたりとこちらも“宇宙”に引っ張られた感も。CHOKKAKUも家原正樹もJ-POP王道のアレンジャーであり、こんな落ち着かないリズムアレンジを揃って施すなんて一体どうしたのかと思うがそういう指示を受けていたのか、チキタカリズム全盛期の当時の流行に合わせてわざと軽い音色にしたのか…。
『Volume 6』ではSunset Breath Versionが7曲目に配置され、本編最後(通常盤では最終曲)14曲目にOriginal Versionという表記でシングルバージョンが何故か一緒に収録されている。謎に例外的な措置だったが何故この曲だけ…。
過去の名曲群には及ばなそうではあるが、リズムパートをとりあえず普通にしたド王道のバージョンで聞いてみたい。
★★★☆☆
6thアルバム『Volume 6』(Sunset Breath Version)
6thアルバム『Volume 6』(Original Version)=シングルバージョン
2ndベスト『Very bestⅡ』
3rdベスト『SUPER Very best』
4thベストmu-mo限定予約生産盤『Very6 BEST』あなたのお名前入りスペシャルBOX盤
SHŌDŌ/Coming Century
作詞作曲編曲:宮崎歩
Coming Century名義。TBS系『ミミセン!』テーマソング。4~9月まで放送されたカミセンのみ出演の深夜バラエティ。この番組は3人がMiMyCENというバンドを結成、インディーズで作詞作曲にも関与した3曲入りマキシシングル『MiMyCEN』発売に至っているが、曲作りの過程を追う番組だったので当然開始時には何もなく、番組テーマ曲としてはバンド活動と関係が無いカミセンの新曲が用意されていた形。
カミセン側での扱いも全くシングルとして扱っていないようで翌年リリースされた『Best of Coming Century〜Together〜』に早速スルー。カミセン名義単独シングルは「夏のかけら」1作(とMiMyCEN名義1作)しかないので他はV6のC/Wとアルバムで発表されたカミセン名義の曲しか無い中で今作は2曲しかないシングルA面の1曲だったのにいきなりこの仕打ちである。『Very best Ⅱ』限定盤Aではカミセン名義3枠の中の1曲として選出されたが、結果的にシングルバージョンはこれだけだった。解散時の『Very6 BEST』におけるカミセンディスクのメンバーセレクト枠17曲、ファンセレクト枠16曲のいずれにも選曲されないなどメンバーにもファンにも人気が無くすっかり忘れ去られていた事が判明した。
宮崎歩は後に嵐「ハダシの未来」も手掛けているがそこにも通じるようなロックバンドテイストで勢いのある楽曲。一応バンドを結成する番組である事を意識しての楽曲ではあったのか。まだまだ若さ溢れつつも歌唱も安定してきたカミセンの勢いが漲った1曲。シングル以外でシングルバージョンを聞ける機会が『Very bestⅡ』期間生産限定盤Aしかないので必然的に全シングルA面の中で最も聞いた回数が少なく、正直全く定着はしていない。
Dub’s club Remix Editはre-mixed by Izumi“D.M.X”Miyazakiとなっていて「愛のMelody」「キセキのはじまり」とは異なりリミックス扱い。3分22秒だったオリジナルに対して5分オーバーまで長くなり、声も加工気味でオケは全く別物の電子トラックになっておりオリジナルの面影はない。リミックスアルバムならまだしもオリジナルアルバムの12曲目に普通に入っているアレンジではないと思う。エイベックスのシングルC/Wによく入っていたようなリミックスだよこれは。
★★★☆☆
6thアルバム『Volume 6』(Dub’s club Remix Edit)
2ndベスト『Very bestⅡ』期間生産限定盤Aのみ
コメント