13th SECRET HEAVEN

1996年4月10日
1995年はそれまでの多忙な日々に加えて50本を越えるロングツアーに規模拡大した影響で喉にポリープが出来て手術のために一時休養となった。この間は1人のリスナーに戻って洋楽中心に聞いていたところ、ラップやヒップホップが全盛になってきてメロディーが失われつつあると感じ、かつて自分が聞いて憧れていた素敵な洋楽を自分で作ろうと考えたという。
ワーナー内部にプライベートレーベルRiver Wayを立ち上げた事でより自由にやれる環境になった事もあり、全英語詞でMAKIHARA名義での作品リリースを行う事になった。MAKIHARA名義では一貫してデジタルキャラクターとCGを前面に出したアートワークが展開。さすがに本当に”MAKIHARA”だけで統一してしまうと誰だか分からなくなってしまうためか、“Noriyuki Makihara”とも小さくジャケットに表記したほか、袋のシール部分では”槇原敬之”とちゃんと漢字表記も出していたようだ。
MAKIHARA名義第1弾となった今作は初のマキシシングル形態を採用。C/Wの新曲は無く、同曲のリミックスを3バージョン収録するなどこれまでとは一線を画す収録内容となり、値段も1200円と当時のシングル1000円基準の中では高めの設定となった。一方でカラオケは収録されていない。一連の英語詞作品の制作は作編曲を国内で制作し、作詞には関与せずに最初から海外発注する流れとなったため、全て曲先で制作されている。
これまでの固定人気もあって初動5.7万枚で初登場6位を記録したが累計は16.7万枚と1st2nd圏外2作を除く最低水準まで落ち込んだ。
配信ではMAKIHARA名義にすると別枠になってしまって取り扱いにくくなるためか普通に「槇原敬之」として配信されている。
SECRET HEAVEN
作詞:Andy Goldmark
レゲエのリズムに乗せた全英語詞曲。完全に外部委託にしたのと英語詞だからいいやという事もあってか、歌詞はけっこうセクシーな内容になっているっぽいが、基本的には英語分かる人はそのまま楽しんでもらうとして分からない人にはメロディーとアレンジと雰囲気で聞くのを想定しているっぽい。アルバムには改行なしでぎっしり日本語訳も記載していたが、後年のベストや紙ジャケ簡略化された再発盤(BOXリマスター)では訳詞は非掲載なのであまり重要視してなさそう。これまでの楽曲よりもザ・洋楽という感じがする。ただそこはメロディーメイカー。不思議とクセになる楽曲でもあり、一時期けっこうハマった。
Album Versionはイントロのベースが抜かれているので冒頭から判別しやすい。
また全面的に参加するのはソニー移籍以降だが、『Ver.1.OE LOVE LETTER FROM THE DIGITAL COWBOY』では沢田知久の名前が初めてエンジニアの1人として名を連ねているように沢田がプロのエンジニアになってから槇原と仕事した最初の時期の楽曲のようだ。
★★★☆☆
C/W(Jamaican Heaven Mix)
C/W(Data Baby Mix)
C/W(Quivver’s Secret Mix)
6thアルバム『Ver.1.OE LOVE LETTER FROM THE DIGITAL COWBOY』(Album Version)
リミックスアルバム『LOVE CALLS FROM THE DEGITAL COWGIRL』(X-Trac Mix)
3rdベスト『SMILINGⅢ~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~』
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』
8thベスト『Completely Recorded』
C/W SECRET HEAVEN (Jamaican Heaven Mix)
C/W SECRET HEAVEN (Data Baby Mix)
C/W SECRET HEAVEN (Quivver’s Secret Mix)
C/Wにはリミックス3種を収録。Jamaican Heaven Mixはオリジナルよりも短くなった別アレンジのように聞ける聞きやすい仕上がり。Data Baby MixとQuivver’s Secret Mixはどちらも7分前後と長尺化し、トラックメイカー色が強く、何の曲なのかも分からないインスト状態の部分も長い。Quivver’s Secret Mixの方がその傾向が強い。結果的に綺麗なグラデーションで聞きにくさが増していく。
★★★☆☆
★★☆☆☆
★☆☆☆☆
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