ロードオブメジャー 20周年シングル回顧~2002-2007~

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ロードオブメジャー 20周年シングル回顧~2002-2007~

2002年テレビ東京系『ハマラジャ』(『ASAYAN』の後番組)のドキュメンタリー企画「ロードオブメジャー」にて若手アマチュアバンドから4人をヘッドハンティングして結成。北川賢一(Vocal)、近藤信政(Guitar)、松本賢一(Bass)、上原彰兼(Drums)の4人がそれぞれ見知らぬ状態から始まり、共同生活を送ってぶつかり合いながら結束を深めて曲作りを行い、デビュー作「大切なもの」がメジャーデビューの条件がO社50位以内で出来なければ解散という企画だった。O社50位以内に入らないと即解散が独り歩きして後々取り上げられていた感もあって『雷波少年』でSomething ELseがやった企画の条件緩めの変形版みたいではあるが、バンド名にあるように(文法的には間違っているが)メジャーデビューを目指すというのが主題だった。Something ELseはメジャーデビュー後売れなかったグループが再起をかけて共同生活で運命の1曲を作ってO社20位以内が継続の条件だったが、ロードオブメジャーはアマチュアバンドで全員曲作り担当ではない作詞作曲未経験者4人でしかもお互い知らない人たち同士で50位以内に入ればメジャーデビューという点に違いがあった。

結果的に「大切なもの」はいきなり大ヒットして条件はあっさり突破したが、『ハマラジャ』自体が人気番組だったわけではない。というかなんかTV企画で結成されたという事は広く知られていたものの実際に番組を見ていたという人は正直そんなにいなかったように思う(個人的にも当時の友人間で見ていた人いない)。実際に『ハマラジャ』自体は4月に番組が始まり、9月いっぱいであっさり打ち切りになってしまっている。ロードオブメジャーのデビューは8月28日なので企画の成功をなんとか見届けるとすぐに番組が終了、トップ10入りまで浮上した頃だがそこからさらに19週連続トップ10入りして本格的に盛り上がっていた時には彼らをドキュメントしていた番組自体が無くなっていた。

インディーズでの記録を色々と塗り替えたが、仕掛けていたのはエイベックスでインディーズレーベルtearbridge productionは割と思いっきりエイベックスの運営だとバレていた(HYやサスケの方がエイベックスがバックなのを知られずにうまくインディーズ感を出していた)。純粋なインディーズレーベル出身で記録を作ったならまだしもTV企画発+大手レーベル運営のインディーズという実質メジャー級の戦闘力でもってインディーズ記録をぶち抜くのは純粋なインディーズプロリスナー(?)の間では評判がよろしくなかったと推察される。

もちろんデキレースではなく結果が出なければメジャーデビューは無かったんだろうけど、メジャーデビュー時もエイベックスのメインレーベルで大々的にエイベックス感を醸し出すのではなく、アーティスト色の強いcutting edgeレーベルにさらにJUNK MUSEUMという新レーベルを作るというこねくり回したような気の遣い方をしていた。

突然の大ヒットに戸惑うも2003年いっぱい1stアルバムまではインディーズでの活動を継続。ツアー等で翌2004年の前半は新作リリースが途絶えたが2004年11月についにメジャーデビューを果たした。しかし徐々に低迷、2006年夏のツアーと続く秋の学園祭ツアーが最後のライブとなり、メンバーによる発信が途絶えていく。2007年に「PLAY THE GAME」を発売した時点では既にメンバー4人が揃った写真やメンバー稼働のプロモーションが行われない状態となっていた。5周年ベストを5周年を迎える前のあかさらまなエイベックス決算期にリリースした際も動きは無く、7月になってデビュー5周年を翌月に控えての解散を事実上の事後報告で行い解散となった。このため最後のライブも行われていない。

解散へ向かっていく中で未完成のままになった曲も存在していたようで10周年時に『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2』で未発表2曲が収録されたが、発売時の担当ディレクターコメントでは、未発表2曲について「蘇生作業」という独特の表現を使っており、“想像以上に蘇生作業に時間がかかり”予定より発売が遅れたのでデビュー10周年記念日に合わせる事にしたとも言及。未発表曲がそのまま出せる状態ではないほど未完成なままで、メンバー不在の中で相当手を入れた事が伺えるが、ちょっと謎だった。

2022.10新規執筆

1st 大切なもの

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02年8月28日
作詞:北川賢一、作曲:北川賢一/近藤信政
テレビ東京系『ハマラジャ』の企画で別々のアマチュアバンドからヘッドハンティングして見知らぬメンバー同士4人で結成して全員曲作り経験がない中で生み出したデビュー作。O社50位以内に入らなければ即解散、成功すればメジャーデビューだったが初登場16位を記録してあっさり条件をクリア。それどころかそのまま15位前後に停滞し、10月になるとトップ10へ浮上し、19週連続トップ10入りという大ロングヒットを記録。最高位は11月になって記録した2位。累計は90万枚に達してダントツ最大のヒット作となった。MONGOL800や翌年の175Rのヒットと並んでいわゆる若者の青春パンク的なムーブメントとして括られる事が多かったが、界隈のシングルとしては頭1つ抜け過ぎた大ヒットとなる(MONGOL800はアルバムで200万枚を突破しているものの175Rは1位こそ獲得しているもののシングル売上は30万台)。

あれよあれよと大ヒットしていたので勝手に耳に入ってくる状態のヒット曲だったが、高校3年生当時は正直もっと若い子向けだと思っていた。青春全開の歌詞もなんかもうちょっと過ぎつつあるなぁというか。今にしてみると真っ只中だったようにも思うが、高校3年生のクラスがかなり冷めていてそこには大切なものなど何一つ無かったからだろう。というのも3年生のクラスは授業選択制な上に、理系文系で固まっているクラスもあったが、このクラスは玉石混合だったためほとんど一緒に授業を受ける事が無く、自由時間も各自部活仲間の方に散っていくような状態でクラスを仕切る奴がいない、10年後の同窓会で1~3年とクラスごとに集まった時も3年生の時だけ誰1人全く会話が続かないどころか揃いも揃ってえ?私達クラスメイトでしたっけ?状態でまだ時間内だというのに当時の再現のように各自知り合いの元に散会していきその場に誰もいなくなる…といった有様。そんな高校3年生だったので当時はこの曲が白々しく響いていたのだろう。

夏の終わりの発売だが桜の季節を思わせる歌詞も登場する事から卒業ソングのようにも捉えられるわけで、高校卒業時の大切な1曲になっていてもおかしくなかったというか、同世代でそうなっている人は多いと思うんだけど当時全く響かなくてなぁ…。こういう季節が過ぎ去ってから改めて10代(高校3年生除く)を思い出す1曲として懐かしく聞くようになった感じ。

またメンバーは年上世代だったが、当時中学生の弟世代の方が周囲でも流行っている様子だったのももっと若い子向けという当時の印象に繋がっていた。青春パンクムーブメントの曲は広く浅く聞きまくっていたようでよく部屋から聞こえてきたし(青春パンク括りだったデビュー当初の藍坊主まで聞いていたらしいが当時全く知らなくて随分後に判明して10年後くらいにえ?藍坊主?そんな昔のやつ今聞いてんの?みたいな顔された)。長くは続かずラップ系に流行が流れていったのでロードオブメジャーも最後までは聞いていなかったようだ。

そんなわけでちゃんと聞いたのはベスト盤が最初だったが、その時にけっこう良かったんだなと思い、さらに年月を重ねて一時期は全く聞かなかったんだけど徐々にあの瞬間の輝きの尊さというか、かけがえのない大切なものだったんだなぁ…と高2以前を思い出しながら名曲だと思うようになっていった。

その後を考えると正直あまりにもヒットしすぎた感はある。越えられないどころか最早2度と頂上が見えないどころか雲の上過ぎて頂上がどこだったのかも分からないくらいの雲上ダントツヒットになってしまい、結果的にはバンドの寿命を著しく縮める事にも繋がったように思う。まあ1週回っていつかの懐かし需要再燃に向けての種は上々ともいえるけど。
★★★★★
1stアルバム『ROAD OF MAJOR
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

2nd 雑走/足跡

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03年1月22日
前作がまだ6位に残っており、今作は初登場3位を記録。また前週には175Rのメジャーデビューシングル「ハッピーライフ」が1位を獲得するなど青春パンクという言葉で括ってのムーブメント真っ只中に突入したタイミングでの発売。4週連続トップ10入りを果たし、上位にいる間は「大切なもの」を下回る事は無かったが、トップ20落ちした7週目には「大切なもの」が上回り、「大切なもの」21位今作22位でとなったがその次の週には86枚差で26位27位に並び、その次も33位34位、その次も51位52位…とまさかの4週連続並んでランクインする珍記録を打ち立て、「大切なもの」が上回っていく推移となった。それでも今作も25万枚の2番ヒットを記録。。前作で条件をクリアした事でメジャーデビューとなるはずがまだ未熟なのでインディーズで活動を続けるという意向でインディーズでの活動を継続した。

ただこの頃にはすっかり知っているリスナーの間では調べがついていたというか、いやこのtearbridge productionってエイベックス運営のレーベルじゃん…というのが割とバレていたので白々しい空気も一部漂っていた。MoMoMo Recordsのサスケ、テレビ朝日ミュージック所属でレーベル名は東屋慶名建設としていたHYは全くエイベックス色を出さずにインディーズっぽさを醸し出していただけにtearbridge productionとそのまま出していたのはあまり隠す気が無かったとも言えるが…。

雑草

作詞:上原彰兼/北川賢一、作曲:近藤信政/北川賢一
北川を中心にしつつも共作スタイル。同じ方向性でもう1曲というよりは少し違う跳ねたノリの楽曲。ウォウウォウ盛り上がり部分があったりと、今作も青春全開ではあるがサビが低めなので全体にやや落ち着いた雰囲気。結果的にはシングルの中では割と地味な方の楽曲だったように思う。まあ「ハッピーライフ」とか「空に唄えば」とか175Rに流れていくよね。それでもまだ勢いでヒットする時期だったのでこれでも問題なかったが次回作を2ndにして畳みかけた方が良かったのかもしれない。
★★★☆☆
1stアルバム『ROAD OF MAJOR
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

足跡

作詞作曲:北川賢一
初の北川単独での作詞作曲となったが、メンバー4人とも曲作りをしたことがなかったという証言があり、北川1人が作詞作曲で突き抜けていったのは結成後に才能が開花したという事だったのだろうか。3人ももう少し均等に曲を書けるようになっていればまた違った未来もあったのかもしれない。

一応両A面曲だが1stアルバムに収録された以外はベスト盤には収録されずじまいで影の薄いC/Wのような扱いになってしまった。3連リズムのミディアムロック。盛り上がるところではギターガンガンに鳴り響いて盛り上がるものの、もっと後期になって挑んだ方が化ける1曲になっていたように思う。2枚目はまだ勢いだけで十分で違う一面を見せなくてもね。
★★★☆☆
1stアルバム『ROAD OF MAJOR

3rd 僕らだけの歌

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03年8月6日
作詞作曲:北川賢一
初動売上は最高を記録したものの初登場6位で累計売上も前作を10万枚ほど下回り15万に届かなかった。2週連続トップ10入りしたものの小規模なヒットに留まったが、続く1stアルバムは唯一となる初登場1位となり50万枚に迫るヒットとなり、今作は1曲目を飾った。売上はそうでもなかったとはいえ「大切なもの」と並ぶ初期の一直線にまっすぐなロードオブメジャーの代表曲というイメージ。

“教科書にない 僕らだけの歌”とサビで歌われているようにロードオブメジャーの中でも最も学園青春ソング感の漂うまさに中高生のための「僕らだけの歌」。タイアップも『全国高等学校クイズ選手権』で当時接した中高生それぞれの「僕らだけの歌」として高らかに響いたのではないかと思う…が、大学生となりすっかり下の世代向けの曲という印象になってしまっていて当時はやはり中学生の弟がハマってよく聞いていたなぁという記憶しかない。アルバムの「君がため」のボーカルとキックだけで始まる部分とかベスト盤で聞くより先に知っていたのはそのせいだと思う。なのでどちらかというとうらやましいなぁ、若いなぁっていうのがこの曲の印象だった。高校2年生より前の頃にこの曲に出会っていれば「僕らだけの歌」になっていたかもしれないとは思う。
★★★★☆
1stアルバム『ROAD OF MAJOR
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

4th 心絵

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04年11月17日
作詞作曲:北川賢一
1stアルバムが2003年9月。そこから1年2ヶ月、シングルとしては1年3ヶ月という長いブランクを経てのメジャーデビュー作。エイベックスのレーベルcutting edgeに新たにJUNK MUSEUMというレーベルを作ってそこからのメジャーデビューとなった。インディーズ時代からバレバレだったエイベックスの関与だが、一応徹底してavex traxメインレーベル(品番で言うとAVCD)が表記されることは避けており、わざわざcutting edgeの中にさらにJUNK MUSEUMを作って極力エイベックス臭が出ないようにしていた形跡はある(品番はcutting edgeのCTCRを使用)。

なんでここまで時間が空いたのかは謎だが、アルバムリリース後に初のワンマンツアーを行い大活躍の2003年を終えた後の2004年前半は新曲発売が途絶えていた。活動が無かったわけではなく、ザ・ルーズドッグス、BOO BEE BENZと共に3~5月まで3マンツアーを行っていたようだ。ただこれ以外に夏の間はa-nation出演くらいしかなかった。「心絵」自体が曲が作れなくなった葛藤から生まれた曲とも語られていた事から、1度少し足を止める必要があったのかもしれない。いずれにせよ1年以上も新曲が無かったのでメジャーデビューというよりかは久々の新曲という感じでもあった。

NHK教育アニメ『MAJOR』OP。半年間2クールほどでシーズンを区切って毎年放送、2010年第6シリーズまで制作されたアニメの1作目。ロードオブメジャーにとって最も縁が深く、第3シリーズまで連続でOPを担当、解散後も今作が第5、6シリーズの最終回エンディング曲に起用された上に、第6シリーズではTRIPLANEの「心絵」カバーバージョンがOPに起用されたため、全く関与が無かったのは解散直後の第4シリーズのみであった。

メジャーデビューの話題もあまり効果が無く、初登場7位6万枚程度の売上に留まったが、現在も「大切なもの」に並んで意外と知名度と人気が高いのは『メジャー』を見ていた世代の反響ゆえなのかもしれない。

楽曲自体は改めてこの道を行くというか「大切なもの」の大ヒット以降で得た経験を生かしての王道直球勝負といった装い。これぞロードオブメジャーというイメージのど真ん中にある1曲だと思う。サビ後半のギリギリ攻めまくりの高音もそこまで無理しないでも…と思いつつしかしギリギリだからこそ迫ってくるような決意は感じられる。

メンバー3人が演奏している地上に寝坊で遅刻したボーカル北川がスカイダイビングでやってくる(海外音楽番組のような演出、演奏地点にピンポイントで着陸するという遅刻にまつわるストーリーなどは全て設定によるフィクションだがスカイダイビングに挑む緊張の面持ちの北川の様子自体は完全にドキュメント映像)というMVは何故かやたら印象に残っている。
★★★★☆
2ndアルバム『ROAD OF MAJORⅡ
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

5th 偶然という名の必然

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05年2月16日
作詞作曲:北川賢一
メジャーデビュー以降は立て続けのリリースとなったが、同時にバンドの成長も見せていく事になる…が、今作であっさりトップ10落ち(16位)。売上は前作からさらに半減した。ヒット規模はどんどん小さくなっていったが後追いで聞くとこの辺りからが意外と面白い。今作もかなり忙しない派手なアレンジが印象的だが、Aメロのメロディーが意外と古き良き歌謡曲な風味が漂っていたり、サビで畳みかける早口、君が生まれた事も僕が生まれた事も偶然ではなく互いになくてはならない存在だと訴えかけるメッセージ性の強い歌詞の熱量にも圧倒される。蒼いと言えば蒼いのかもしれないが若さと勢いがあるからこそ伝えられるメッセージってあるよね。
★★★★☆
2ndアルバム『ROAD OF MAJORⅡ
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)

6th 親愛なるあなたへ…

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05年4月27日
作詞作曲:北川賢一
シングル表題曲では初のバラードナンバー。初登場7位を記録して売上も回復するなど下がる一方だった売上が初めて復調したのでそれだけ好評だったという事だろう。親への感謝を歌った真心系熱唱バラードだったのも離れかけていたリスナーの心を打ったのかも。サビはそれなりに激しくなるが抑えた平メロ部分はかなりおとなしくボーカル北川が緩急のある歌い方を見せているのもポイントか。母の日が近かったので「母の日ライブ」を行った事や、歌詞の対象が「あなた」と1人である事から自然と母への感謝バラードというイメージが定着したが、歌詞自体は母だけでなく両親祖父母家族へと対象は限定されていないように思う。
★★★★☆
2ndアルバム『ROAD OF MAJORⅡ
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

7th 蒼天に向かって

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05年7月27日
作詞作曲:北川賢一
ソウテンと読むのかと思いきや当て字で読みは「セイテン」。1ヶ月後の2ndアルバム先行シングルとして1曲入り500円シングルとして発売されたが安くて飛びつくリスナーもいなかったようで再度のトップ10落ち(13位)、一気に2万割れとなった。

この辺りからヒット曲として耳にした記憶も薄れてくるが、解散後にベスト盤で聞いて最初にいいなと思ったのがこの曲だった。今までのように最初から最後まで前向きなのではなく、今作は冒頭で”今だけは一人にさせておくれよ”と落ち込んだところから始まり、”楽しく生きる事 悲しく生きる事 すべては君が選ぶのです”と選択肢を提示した上で一緒に歩いていこうと励ましてくるところがちょっと今までよりも寄り添おうとしていて変わってきた部分じゃないかなと思う。

アルバムでも1曲目を飾ったので自信作だったのは確かだと思うけど、先行シングルとして売上が滑ったとなると結果的にはアルバムリード曲として扱った方が良かったのかもしれない。少なくとも現代だったらMV必須のシングル級先行配信曲扱いだろう。
★★★★☆
2ndアルバム『ROAD OF MAJORⅡ
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)

8th さらば碧き面影

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06年2月8日
作詞作曲:北川賢一
デビューからほぼ2年のタイミングでリリースした2ndアルバムだが7万枚程度の売上にまで暴落してしまい、人気には明らかに陰りが見え始めていた。メンバーが稼働した事実上最後の年がこの2006年となり、次なるアルバム制作に至る事は無かったので、今作以降はベスト盤でアルバム初収録となる。

アニメ『MAJOR 2ndシリーズ』OP。「心絵」に続く起用となり、初登場11位だったが5万近くまでは売上を伸ばし「心絵」の21週に続く200位以内20週に及ぶロングランとなった(1st2ndと「心絵」に続く自身4番目の登場週数)。この時期既に5週程度で圏外になっていた事や前後作の売上は1万台だった事を考えると『MAJOR』との相性、タイアップ効果がかなり強かった事が伺える。

かなりパッション溢れるというか、物凄く情熱溢れるロックナンバー。冒頭から”壊れそうな僕の心”だったりと危ういが折れそうになりながらも走り続けるという気概が抑えきれないほどに溢れていて、もがき苦しみながらも突破口を見出そうとしていたバンドのドキュメントのように思える。この情熱にはバンド末期の苦しみもあったのかもしれない。RUN AND RUN AND…と連呼する迫力もすさまじいものがあるし、一気に燃え尽きてしまいそうな儚さもどこか漂っているような…。
★★★☆☆
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

9th ENERGY

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06年5月31日
作詞:ロードオブメジャー、作曲:北川賢一
今作でついに初登場21位となり最低売上となったがそれでも1万越えはかろうじて達成した。作詞がバンド名義になっているが、プロデューサー共同アレンジャーとしてBOWWOWの山本恭司が参加。外部の手を借りたり、共作にしたりすることで何か突破口を見出そうとしたような楽曲。今作もギリギリのところで踏ん張って駆け抜けていこうとするような切迫感が漂っている印象で、ファンの存在をエネルギーとしてファンへ思いを返していきたいというそんなメンバー4人の意識が歌詞に反映されているように思うが、本当にバンドの状態はギリギリだったのかもしれない。3曲目に収録されたC/Wのバラード曲「僕らの夜明け前」は『GOLDEN ROAD~BEST~』を締めくくるラストナンバーとなった。
★★★☆☆
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

10th PLAY THE GAME

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07年2月7日
作詞:ロードオブメジャー、作曲:ロードオブメジャー/山本恭司
ほぼ8ヶ月ぶりで結果的に最終シングル。アニメ『MAJOR~3rd season~』OP。3年連続3度目のOPタイアップとなったが、週が良かったために「親愛なるあなたへ…」以来のトップ10復帰(8位)。「さらば碧き面影」の売上からは半分程度ながらも前作の2倍以上だった。伸ばしきれなかったのは完全にプロモーション不足であり、今作リリース時はメディア出演が無く、雑誌インタビューにしても今まではあった取材時の撮り下ろしの写真が無くアー写だけになっている等、ジャケットやアー写ではメンバーの姿が見えるものの、稼働している様子が無くほとんどメンバー不在状態であった。前年11月の学園祭ツアー終了直後のブログを最後に北川が姿を消し、モバイルサイトコンテンツが相次いで縮小終了していくなど予兆はあったらしいが…。実際に今作のMVでもメンバーの姿は見えず、演奏メンバー3人の手元だけ出演(本人…だよな…?)という異常事態であった。3年連続のタイアップは決まっていたので早くに曲の制作は進めていたが(前作で山本恭司を招いた流れで来ているし)、リリース時には既に解散がほぼ決まっているような状態で活動はほぼ止まっていたのではないか。

今作は作曲もバンド名義、さらに山本恭司との共作になっていて前作以上に総力を結集した上にさらに外部の手も借りてなんとか『MAJOR』のための1曲を作り上げたようでもある。ただ前2作で漂っていた行き場のない迷いをぶつけるような混迷さはあまりなく、振り切って何もかもなぎ倒してでも突き進んでいこうとするような勢いが感じられる。迷いを抜けたかのようでもあったが結果的にこれで最後になってしまったとなると逆に残念だ。今作を聞くとまだまだ勢いは衰えていなくてまだまだいけるのではないかと思えてくるだけに唐突な解散が余計残念になってくる。

この後、決算期に合わせるように5周年ベスト盤『GOLDEN ROAD~BEST~』リリース時もメンバー稼働は無く、7月に解散を発表。本当に5周年を迎える8月28日より前にバンドは無くなってしまったのだった。ラストライブも無かったので前年11月の学園祭ツアーが最後だった事になり、今作は1度もライブでもTVでも披露される事はなく、前述のようにMVも演奏メンバー3人の手元しか映っていないので4人で演奏している映像も一切残されていない事になる。
★★★★☆
1stベスト『GOLDEN ROAD~BEST~
リミックスアルバム『SILVER ROAD~REMIX~』(リミックス)
2ndベスト『10th ANNIVERSARY BEST★Plus 2

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