槇原敬之 第1次ワーナー時代・後期 1993-1996 レビュー

ミリオンアーティストの仲間入りを果たして、多忙な日々を送っていた時期。継続してヒットを出しつつも、スランプに陥った事もあったとされている。95年は前半にツアーを終えると喉のポリープのために入院。そのまま休養に入った。このため日本で最もミリオンセラーが輩出された95年はリリースが無い。96年にはワーナー内部に自主レーベルとしてRiver Wayを設立し、MAKIHARA名義で全編英語詞の活動を展開。シングルも8センチではなくマキシシングルでリリースし、C/Wにはリミックスを入れたり、リミックスアルバムの発売も行った後に、日本語でも活動を再開。しかし当時の槇原はラブソングばかり求められる現状に対してもう歌うことは無いからと引退のつもりで『UNDERWEAR』を制作したとされている。引退は撤回されたが、「まだ生きてるよ」を置き土産に、せっかく自主レーベルを作ったばかりなのにワーナー時代が終了する。

※2014年執筆。以前は「1993-1994」だったものにC/Wを追加してリメイク+94年以降を新規書き下ろし。

7thシングル 彼女の恋人
93年4月25日
曲が書けない、それどころか何も感じないスランプに陥り、知り合いの音楽ライター松野ひと実(のちに『槇原敬之の本』を出版)とお互いの悩みを吐露しあったことで復活して出来たのが「MILK」で、その次にできた曲が今作とされている。ただし2012年のBOX発売時に槇原本人が別のライターにこの時の事を振り返った際には、この時に何も感じない状態に陥ったのは神様に歌手になりたいとお願いしてなったのに(当時の多忙っぷりに)文句を言ったから神様に何かを感じ取るためのフィルターを奪われ、反省したから神様が戻してくれたなどとやたら神様を連呼して語っており、神様がどうこうとは一言も書いていない松野さんの著書とはニュアンスが異なっている。曲自体は彼女の恋人が僕の友達、僕が彼女を好きなことを彼女は知らないという片思いソング。これまでになく少しシリアスな作風で新展開を見せている。今までにないサウンドは新鮮だが個人的にはあまり好きな曲ではない。ただイメージ通りにいかずにここでこういう曲を出しておくのは必要なことだったのかもしれない。また20周年ベストに本人自ら選んで再録音までしているので思い入れも深いものと思われる。その再録音ではさらにアクが濃くなったようなアレンジになっている。
★★★☆☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT』(ALBUM VERSION)
1stベスト『
SMILING
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
9thベスト『
Best LOVE』(Renewed)

C/W CLASS OF 89
来年結婚する昔の彼女(友人?)と変わらない自分を対比させた楽曲。18歳だった4年前を振り返っており、発売当時93年から4年前が89年。タイトルの「89」はそのまま1989年の事と思われる。長年アルバム未収録ですっかり埋もれた楽曲だったようだが、2010年のライブ「cELEBLETION 2010」で突如披露され、ライブCD/DVDとして発売された後に、春夏ベストにてアルバム初収録となった。
★★★☆☆
12thベスト『春うた、夏うた。〜どんなときも。

4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA "cELEBRATION 2010"〜Sing Out Gleefully!〜

彼女の恋人


8thシングル No.1
93年9月1日
タイトル通りに1位を獲得したZARDの「もう少し あと少し」を2位送りにした幸せ全開のラブソング。ポップでひたすら聞きやすい曲。1位獲得曲は3作しかないのでかなりの代表曲ということになるが、"Nol.1よりオンリーワン"という「世界にひとつだけの花」が有名になり、意味合いが違うとはいえ、あまりライブ等で披露される機会は多くないようだ。実際ライブアルバム4作にはいずれも収録されていない。個人的に旧作への入口の役割を果たした『SMILING』では1曲目を飾っていたので、始まりの1曲にして王道という印象が強い。
★★★★☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT
1stベスト『
SMILING
4thベスト『
SMILING GOLD
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
9thベスト『
Best LOVE
12thベスト『
春うた、夏うた。〜どんなときも。

C/W 髪を切る日
女性が失恋を機に髪を切るというのは古風な習慣として知られているが、「短く切ってください 彼女が嫌いだったスタイルに」と、未練を断ち切るために男がそれをやるという女々しいところを正面切って描いているのが新鮮な1曲。
★★★☆☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT

No.1


9thシングル ズル休み
93年10月1日
1人ぼっち感漂う、別れた後に恋人を思う曲。別に話がつながっているわけではないのだが、1ヵ月前の前作「No.1」があんな幸せ全開だったのに落差が激しい。この時期は特に多忙だったとされているせいか、サウンド全体からもどことなく全体的に疲れた感じも漂う。曲の主人公は会社をズル休みしようとしているが、本人はズル休みする余裕もないほど忙しかったんだろうし。何とも煮え切らない感じがモヤモヤしているが、浸りたい時にはいい曲だ。
★★★☆☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT
1stベスト『
SMILING
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
9thベスト『
Best LOVE

1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002〜Home Sweet Home〜

C/W さみしいきもち
さらにダメ押しのようにこれまた別れた恋人を思う楽曲。ただ楽曲自体はドラムがドッシンドッシンと響くわりとノリのいい明るいポップソングになっていてタイトルとは裏腹にそんなにさみしい感じは漂っていないのが救いか。アルバムでは次に「髪を切る日」に続くのが上手い。
★★★☆☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

ズル休み


10thシングル 雪に願いを/Red Nose Reindeer
93年11月28日
シングルカット&新曲の両A面。当時のシングルジャケットでは堂々の並列表記で両A面として扱われていた。アルバムからのシングルカットだったためトップ10入りを逃している。また「4曲入りスペシャルプライス」という文字も。これはカラオケ2曲が収録されているため。これまでのシングルはここ数作になってようやく表題曲のカラオケが収録されるようになってきたところだったので、4曲入りというのはスペシャルだったのである。

雪に願いを
日本人が思う「クリスチャンでもないけど」なクリスマスソング。特定の恋人に向けているわけではなく周囲の大切な人全員に向けて幸せを願うような内容で普通に君と僕のラブソングの多いクリスマスソング界隈(?)において意外とそういうものは無いので新鮮にして最高だ。個人的にはもっとも好きなクリスマスソング。09年のクリスマスコンサートでは終盤でこの曲が披露されて感動した覚えがある。
★★★★★
4thアルバム『SELF PORTRAIT
1stベスト『
SMILING
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

Red Nose Reindeer
こちらは新曲として収録されたクリスマスバラード。前年の「涙のクリスマス」とは対照的に幸せで暖かな空気が流れているバラード曲。一応A面曲なんだけどまともにA面扱いされたことがなく、基本的にC/W扱いされている。
★★★☆☆
2ndベスト『SMILINGU
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

雪に願いを/Red Nose Reindeer


Which hazel
「本気で好きになったみたい」と告げると君が困るという禁断の恋?がテーマの曲。既に関係が終わって振り返っている過去形の歌詞。今までにないちょっとシリアスな雰囲気としては正直「彼女の恋人」よりも格段に出来が良く、ファン人気も高いようなのでこっちをシングルにすれば良かったんじゃないかと思う。
★★★★☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT
2ndベスト『
SMILINGU
4thベスト『
SMILING GOLD
12thベスト『
春うた、夏うた。〜どんなときも。
24thシングル『Are You OK?』C/W(French Disco Version)

4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA "cELEBRATION 2010"〜Sing Out Gleefully!〜


SELF PORTRAIT
アルバム表題曲。1度もベスト盤の類に収録されなかったが、安定感ある良メロポップスでタイトル曲に恥じない仕上がりの曲である。当時一気に売れて忙しくなったマッキーは「忙しい」が口癖になっていたそうだが、それでも支えてくれるみんなのためにがんばらなくちゃと歌う内容。前作の「三人」同様にベスト盤に収録されたことがないんだけど、当時のマッキー自身をほぼそのまま描いたドキュメントタッチの作風のため、ベスト盤に収録するような曲ではないのかもしれない。
★★★★☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT


MILK
ファン人気も高い温もり感溢れる友情ソング。名言「ダメな自分も好きにならなくちゃ」がここで登場。一時曲が書けなくなったマッキーは復活して最初にこの曲を書き上げたらしい。友情にしてはドラマチックに盛り上がりすぎて友情越えて愛情になっているような気もするほどで、"事件前"からその点が訝しがられることもあったようだが当時の心境がそのまま書かれていると思われる。BOXリリースの際は曲中で訪ねてきたのは実は自分自身であるともインタビューで明かしている。要するに自分を客観的に見ているもう1人の自分が自分を励ましてくれたという自己完結の歌ということか。ただ事件を経て真理を悟って以降は「ダメな自分はなんとかしなきゃ」志向に変わったと04年頃にはコメントしており、こうあるべきだと断言するような曲ばかりになる。この曲のようにダメな自分も受け入れるような曲は2度と出てこないと思うと残念だ。
★★★★☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT
1stベスト『
SMILING
4thベスト『
SMILING GOLD

1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002〜Home Sweet Home〜


11thシングル 2つの願い
94年5月25日
モヤモヤした雰囲気の失恋ソング。未練たっぷりに電話がかかってくることを期待している主人公だが、曲全体からもどこか無理っぽい雰囲気が漂う。「雨がやみますように 電話がきますように」といった「2つの願いは必ずひとつしかかなわない」。ラストでドアを開けた主人公の前に広がっていたのは「雲間に日がさしていた」光景。2つの願いの1つが叶った形だが、案の定というべきか切ない結果に。曲自体モヤモヤしていてあまり好きではないが、情景描写が丁寧で絵が浮かんでくるし、発売時期も梅雨前ってことで合っていたと思う。アルバムに収録されたVERSIONUでは、ほとんど全面的にアレンジが変更されており、かなりヘビーな雰囲気に変わった。重たい。
★★★☆☆
5thアルバム『PHARMACY』(VERSIONU)
1stベスト『
SMILING
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
9thベスト『
Best LOVE
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

C/W TWO MOONS
アカペラから入る盤石のバラード。Aメロの雰囲気が後の「LOVE LETTER」とかなり似ている気もする。
★★★☆☆
5thアルバム『PHARMACY
26thシングルC/W(go home version)

2つの願い


12thシングル SPY
94年8月25日
ドラマ「男嫌い」主題歌に起用されて3度目のNo.1ヒットを記録。最終的に90万近いヒットになり3番目の売上を誇る代表曲の1つ。デートが中止になり、ガッカリしていた主人公は街中で偶然彼女を見つけて運命を感じる。別の男と会ってたりして?なんてジョークを考えながら、こっそりスパイ気分で彼女を尾行した主人公の前で彼女は別の男とキス。シャレになんないよ、と2番サビはそのままな内容。大サビでは恨みごとを述べ始めて「今僕を笑うやつはきっとケガをする」と第三者へ呪いまでかけ始める始末!最後の「信じてる」連呼は本当に信じていた1番のものと言葉は同じだが意味合いが変わっていてほとんどヤケクソ状態、抱きしめた強さが「アザのように残ればいい」と呪う。アレンジ自体も今までありそうでなかったようなまさにスパイな雰囲気が漂う。ここで胡弓を入れて怪しさを倍増させているのが凄い。当時の制作現場では胡弓を入れようとしている槇原を見てプロデューサーが「コイツ大丈夫か?」と思ったという逸話も。呪いをかける大サビでは実際に怪しげな雰囲気が5割増しになるなど、歌詞もメロディーもアレンジも一体となった史上最強のストーカーソング。それでいてポップソングとして聞いてて爽快な部分もちゃんとあったからこそ大ヒットしたわけで、凄い1曲。『PHARMACY』でも『SMILING』でも幸せ全開の曲の後に、ドカンとこの曲が来るので何とも言えない気分になる。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY
1stベスト『
SMILING
4thベスト『
SMILING GOLD
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
9thベスト『
Best LOVE
12thベスト『
春うた、夏うた。〜どんなときも。

2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”
3rdライブアルバム『
SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”〜Heart Beat〜

C/W キミノテノヒラ
花屋に転職した友人を訪ねて再会する友情ソング。主人公は少し落ち込んでいる様子。友人は仕事上掌がひびわれてボロボロになっているんだけどとてもいい表情をしていてその充実ぶりを見た主人公は勇気づけられる。『槇原敬之の本』によると『SELF PORTRAIT』制作後に槇原は信じていた友人たちに裏切られ酷く傷ついたことがあったそうなので(具体的にどういうことがあったのかの記述はない)、時期的にもこの曲のストーリーは実話の可能性もあるんじゃないかと思う。歌詞は暖かいんだけどメロディーは案外そこまででもない。
★★★☆☆
12thベスト『春うた、夏うた。〜どんなときも。

SPY


DARLING
デートに遅刻した彼女が怒って、色々考えて仲直りのキスをするまでを描いたポップソング。シングル候補だったという話もあったとかなかったとかだが、実際にシングルになった2曲よりも王道ラブソングといった雰囲気。前曲の「HOME WORK」もそうだけど、シングルにしていても普通にヒットしていたと思うがあえてこういうのはアルバムに残しておいて、冒険的な曲をシングルにしている辺りはさすがというべきか、もったいなかったというべきか。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY
3rdベスト『
SMILINGV
4thベスト『SMILING GOLD


OCTAVERS
恋愛楽曲ばかりのアルバムの中において唯一友情を歌った曲。久々に会った昔の仲間たちと夜景が見える秘密の場所へ行くという同窓会ソング。あえて彼女は置いてくるところがポイントだが、次来るときは連れてくるとしていて今夜は友情に徹するという部分がさりげにいい。また仲間の1人が結婚したりと時の流れを感じさせる辺りも同窓会ソングとしてグッドである。ベスト盤等には収録されていないが、もう少し注目されてもいいと思う1曲だ。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY


今年の冬
これまたファン人気の高いバラード。03年には松本英子がカバーしており、槇原もコーラス参加している。この際に堂々のA面でリリースされたようにA面でも十分にいける幸せ全開のラブバラード曲。雪がゆっくり降り積もる夜の光景が浮かんでくる1曲。個人的には雪系(?)のウィンターソングは好きなのでたまらない。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY
2ndベスト『
SMILINGU
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002〜Home Sweet Home〜
3rdライブアルバム『
SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”〜Heart Beat〜


東京DAYS
「三人」「SELF PORTRAIT」に続く今の自分を切り取ったような楽曲。「24歳の夏」というフレーズが出てくるし、当時の槇原をそのまま描いているのではないかと思う。東京で暮らす何気ない日常を描いた曲だが、ドラマティックなメロディーとアレンジで、何気ない日常が「すばらしき毎日」へ変貌。個人的に同じサビメロでも「東京DAYS」と歌っている本編よりも「星空に口笛よ響け」と歌っている冒頭部分(と2番後半)の方が歌詞がハマっていて好き。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY
2ndベスト『
SMILINGU


13th SECRET HEAVEN
96年4月10日
全英語詞によるMAKIHARA名義での第1弾。レゲエのリズムに乗せた楽曲。単に英語詞にしただけではなく、槇原が10代のころに聞いてあこがれていた洋楽のテイストをやってみた感じらしいので、これまでの楽曲よりも洋楽っぽさが全開。ただそこはメロディーメイカー。不思議とクセになる楽曲でもあり、一時期けっこうハマった。また全面的に参加するのはソニー移籍以降だが、沢田知久のサイトによれば、今作が沢田がプロのエンジニアになってから槇原と仕事した最初の楽曲のようだ。
★★★☆☆
6thアルバム『THE DIGITAL COWBOY』(Album Version)
3rdベスト『
SMILINGV
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
リミックスアルバム『
LOVE CALLS FROM THE DEGITAL COWGIRL』(X-Trac Mix)

C/W SECRET HEAVEN (Jamaican Heaven Mix)
C/W SECRET HEAVEN (Data Baby Mix)
C/W SECRET HEAVEN (Quivver's Secret Mix)
C/Wにはリミックス3種を収録。1度中古で購入したことがあったので1度は聞いていると思うんだけど、処分後にバックアップ消しちゃったのでパスで。

SECRET HEAVEN


14th COWBOY
96年7月10日
MAKIHARA名義第2弾。前作よりも親しみやすい軽快なトラックが心地いいカントリー調の1曲。実際歌詞が何を言っているのかはわからないが、開放的で自由な感じがする。00年前後の頃に一時期凄くハマってこれカラオケで歌えたらカッコいいんじゃね?と思ってカラオケでマスターしようと練習しまくった記憶がある。無理でした
★★★★☆
6thアルバム『THE DIGITAL COWBOY』(Album Mix)
3rdベスト『
SMILINGV
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded
リミックスアルバム『
LOVE CALLS FROM THE DEGITAL COWGIRL』(Towa's Elektric Vibe)

C/W COWBOY (Chris Farren Rock Mix)
C/W COWBOY (Chris Farren Acoustic Mix)
C/W COWBOY (HNB Mix)
前作同様にC/Wにはリミックス3種を収録。これも1度中古で購入したことがあったので1度は聞いていると思うんだけど、処分後にバックアップ消しちゃったのでパスで。

COWBOY


15th どうしようもない僕に天使が降りてきた
96年9月25日
MAKIHARA名義での活動を立て続けにリリースして終了させた後に、連続してリリースした久々の通常シングル。MAKIHARA展開は正直そこまで大きなヒットにならなかったので、今作リリース時は"活動再開"的な見方もされた。個人的にも96年後半から「CDTV」などを見始めたので、最初にリアルタイムで槇原を槇原として意識して耳に入ったのはこの曲だったと思う。これまでよりもロックバンドテイストでエレキギターが効いた勢いのあるアレンジが印象的。歌詞中にある"枕の羽根"が舞う様子が浮かぶ情景描写はより磨きがかかっていてスタイリッシュな楽曲だ。ライブでも1度見たことがあるけど、盛り上げナンバーがあまり多くない中でこの曲が出てくるとかなり起爆剤的な役割を果たしていた。
★★★★★
7thアルバム『UNDERWEAR
1stベスト『
SMILING
4thベスト『
SMILING GOLD
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded

3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”〜Heart Beat〜

C/W I need you.
01年頃を先取りしていたようなちょっと軽めのR&Bっぽいトラックで今までより大人っぽく仕上がっているところが渋い感じのミディアムナンバー。表題曲と合わせて休養&英語詞からの久々の通常モードシングルとして、新たな一面を見せたように思う。アルバムではリズムがもう少しがっしりしている。
★★★☆☆
7thアルバム『UNDERWEAR』(ALBUM VERSION)
11thベスト『
秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない

どうしようもない僕に天使が降りてきた


男はつらいっすねぇ
アルバム冒頭を飾った槇原史上最もハードなギターが鳴り響く異色チューン。パンツ1枚の姿でもカッコよくみられる男になりたいと歌ういつになく男らしい楽曲。歌詞もそうだけどハードなサウンドでこれまでとは確実に何か変わったと思ったリスナーも多いのでは。これ以外には「revenge」もロック色が強い。
★★★★☆
7thアルバム『UNDERWEAR


PENGUIN
駆け落ち未遂をした2人の物語。既に過去になっており主人公が回想する形になっている。その逃避行先が南極だったなら君と僕とペンギン(しかいなくて)それも悪くない、と歌われている。実際に南極にペンギンと君と僕で立っている絵を想像すると相当シュールな感じがするけど、楽曲自体はドラマチックに盛り上がる。「Which hazel」と同系統という印象が初めて聞いた時からずっとあって数年は区別がつかなかった。現在ではこっちの方が好き。
★★★★★
7thアルバム『UNDERWEAR
3rdベスト『
SMILINGV
25thシングル『雨ニモ負ケズ』初回盤のみC/W(North Pole Version)

2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”


LOVE LETTER
旅立つ君に好きだと言えないままでいる切ない片想いラブバラード。初期から歌ってきたラブソングの盟主としても本当にここが頂点だったなと思える楽曲だ。Renewdにおいても他の曲とは異なり、「君は僕の宝物」同様に原曲を踏襲したアレンジに仕上がっている。
★★★★☆
7thアルバム『UNDERWEAR
2ndベスト『
SMILINGU
4thベスト『
SMILING GOLD
9thベスト『
Best LOVE』(Renewed)
12thベスト『
春うた、夏うた。〜どんなときも。

1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002〜Home Sweet Home〜
3rdライブアルバム『
SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”〜Heart Beat〜


まだ見ぬ君へ
「三人」「SELF PORTRAIT」「東京DAYS」とこの曲は槇原のリアルタイムを切り取ったシリーズだと勝手に思っているんだけど、今回は未来の恋人のためにいい男であろうとうする様子がポップに歌われている。生活感のある描写はリスナーにも身近に感じるんじゃないだろうか。
★★★★☆
7thアルバム『UNDERWEAR
2ndベスト『
SMILINGU


16th まだ生きてるよ
96年11月18日
MAKIHARA展開でのシングル2作、アルバム1作、リミックス1作から、通常モードでシングル1作、アルバム1作とほとんど毎月のように怒涛のリリースが続いた96年にさらに新曲としてドロップされた問題作。95年に活動しなかったせいかこの当時死亡説が流れ、それを逆手に取り、ジャケットはスポーツ新聞の見出し風のデザインになっており楽曲タイトルよりもデカい「槇原生還」の文字が…。史上最低のクリスマスソングとも称された怪曲で、年末に彼女にフラれ、高熱なのに残業でボロボロになる独身1人暮らし男の魂の叫びが綴られた歌詞はインパクト絶大。「うちだって電気屋だ!」は実話(槇原の実家は電気屋)だし、大サビでようやくポップソングらしくお星さまにお願いをしようとしたら洗濯物で見えないという散々なオチ。直後のラストサビ前には歌詞カードにはない「ウォエッ!吐きそう!けど飲んじゃったーー!」というここだけ歌詞に載らなかったのは自重したのか?と思えるほど。アルバム曲でお遊び系のナンバーはあったが、連続リリースの最後の最後でこれをシングルで出したのが凄い。というかこれはさすがに『UNDERWEAR』に入れるわけにもいかないだろうし…。これを置き土産に移籍してしまったのでオリジナルアルバム未収録となり、『SMILINGV』ではまさかのNY豪華ミュージシャンによる生演奏差し替えが行われた。何故かこの生演奏版が『Completely Recorded』にも収録されているため、シングルバージョンは8センチシングルか『10.Y.O』でしか聞けない。アレンジはまったく同じなのでよく聞かないと違いは分からないが、生音バージョンの方が全体的に温かみがあり、特にドラム周辺に集中して聞いていると違いが分かる。またシングル2曲目に入っているカラオケバージョンには「歌謡教室編」というサブタイトルがくっついており、冒頭30秒ほどに、コーラス隊(?)がコンサートに備えてこの曲のコーラス練習をしていて先生(槇原本人)に指導を仰ぐという謎のコントが入っている。
★★★★☆
3rdベスト『SMILINGV('98 NEW VERSION)
5thベスト『
10.Y.O
8thベスト『
Completely Recorded』(表記は無いが'98 NEW VERSION)

まだ生きてるよ

戻る