TOKIO 20周年レビュー〜ソニー後期 1996-2000〜

1stベスト盤を経てのTOKIOは制作陣を一新。これにより90年代という時代に即したポップロックバンドへと変貌した。また長瀬・松岡の2人がドラマの主演を連続してこなすようになり、アニメタイアップから離れて主演ドラマのタイアップが増える。また今でこそ農家TOKIOの象徴のような番組だが、当時は走って電車と競争したり、100人がかりの鬼ごっこをやったりと体を張った企画の多かった「鉄腕DASH」のゴールデン進出によりお茶の間への浸透度も増し、タレントTOKIOは一定のポジションを確立した。だがアイドルなのにバンドであることは足かせになってしまっているかのように売上は低迷。このソニー時代後期のTOKIOはトップ10入りがギリギリ(10位が3度、9位が4度)となり、最後にはついに唯一のO社トップ10落ちも経験している。V6、KinKi Kidsが相次いでデビューするも、紅白のジャニーズ枠は年功序列でSMAP、TOKIOで固定。V6とKinKi Kidsの売上はTOKIOを遥かに上回っており、特にKinKi Kidsはジャニーズ異例のミリオンヒットまで連発する一般をも巻き込んだ超人気だったため、何故TOKIOが紅白に出続けるの?という声が最も大きかったのもこの時期だった。

個人的にはドラマを見て「フラれて元気」で初めてTOKIOをTOKIOと認識してCDをレンタル。以降「Julia」「ETERNAL FLAME」をレンタルし、「君を想うとき」を中古で購入、「忘れえぬ君へ…」で初めて売上に貢献(新品購入)。以降はリアルタイムで全作聞いている。

※『17』発売時の2012年にC/Wまで加えて全面的に書き直したものを2014年20周年の際にさらに追記修正しています。また現在の公式サイトは初期のC/Wか両A面曲なのかの扱いがかなり適当になっているため、当時の8センチシングルの表記に従ってC/WかA面かを分けています。

10thシングル Everybody Can Do!
96年11月25日
作詞:山本成美、作編曲:秋元直也
アニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」2代目OP。曲の方向性はこれまでとそこまで大きく変わらないもののようやくこれまでの古臭さに気付いたのか、一気に90年代っぽく垢抜けている。ソニー前期に多かったアニメタイアップが今作を持ってひと段落することや作風に関してもこれまでとこれ以降の過渡期的なもので、これまでのような掛け声も随所に入っている一方で、バンドの音が前に出てきた感もあり、ソニー前期と後期の橋渡し的な印象もある。ただ全く作風が合わなかったせいなのか、当時のオリジナルアルバムにはスルーされている。
★★★☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W SPICY GIRL
作詞:山本成美、作編曲:斉藤英夫
長瀬と国分がメインボーカル。作編曲を担当した斉藤英夫は当時森高千里の楽曲を多く手掛けていた黄金期森高の立役者的存在の作家。当時の森高っぽい素朴な味わいながら確かなバンドサウンドになっている。TOKIOが新たな局面に達したのが分かる1曲で、そこまで印象は強くないがソニー前期の古さが抜けているので今でも違和感なく聞きやすい。現在の公式では何故か両A面扱いになっている。
★★★☆☆
アルバム未収録

EVERYBODY CAN DO!/SPICY GIRL


11thシングル フラれて元気
97年2月11日
作詞:和気優、作曲:神郡健、編曲:井上徳雄
松岡主演のドラマ「サイコメトラーEIJI」主題歌。個人的には初めてリアルタイムでTOKIOをTOKIOと認識して聞いた曲。36万という久々の大ヒットだった(その前が20万に届かず、この次は10万割れ)。これまでが嘘のようにざっくりとしたバンドサウンドが全開。だいぶ歌い方が固まってきた長瀬とメンバーコーラスの掛け合いも楽しげだ。主演ドラマだったためか、間奏開けのサビ部分では松岡もソロで歌っている。11作目にして初の名曲だと思う。ただドラマ自体は特に後半はかなりサイコホラー色漂う展開となったので、カラッと明るいこの曲は合っていなかった。またアルバムでは作風が合わないためか本編から外されてしまいボーナストラック的な扱いで疑似ライブ加工されておまけのように収録されている。まるでライブ会場にカセットレコーダーを持ち込んでこっそり録音したかのような残響音ありすぎの音質、これみよがしな歓声、演奏に関してもエレキギターをカット、ギターはアコギだけにしていることもあって音がスッカスカというブートレグ以下の仕上がりになってしまった。何をどうしたらこんな事になってしまうのか…。
★★★★★
4thアルバム『WILD&MILD』(Ride on Live Mix)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W Dash for the Dream
作詞:安藤芳彦、作編曲:K.Makaino
「鉄腕DASH!!」のED曲。当時はまだ深夜番組だったが、番組が現在の日曜19時枠へ移動後、スタジオトークが廃止されるまでの間に主にこの曲が使用されていたので意外と覚えている人も多いかも。そろそろこの辺りでもシンセの使い方にはやや時代を感じるようになってきたが、初期のような古臭さとは違う爽快な曲で、前作からの流れや次回作の作風からしてもこれがA面でも良かったと思う。実際4thアルバムには前作は収録すらされず、「フラれて元気」はボーナス送りにされ、シングルで残ったのはこの曲だけだった。アルバムではもう少し派手な雰囲気にミックス変更されている。
★★★☆☆
4thアルバム『WILD&MILD』(Wild&Mild Mix)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU

フラれて元気  


12thシングル Julia
97年5月28日
作詞作曲編曲:ジョー・リノイエ
編曲:米光亮(Album Version)
国分主演ドラマ「せいぎのみかた」主題歌。爽快サマーポップナンバー。ここまでさわやか全開な曲は後にも先にもこれだけだったんじゃないだろうか。アイドルであると同時にバンドでもあるTOKIOの、当時としてはかなりいい着地点だったと思う。もう少し楽器を前に出すようなミックス変更するだけでわりと現在に通じるサウンドになりそうだし。メインボーカルは長瀬だが、大サビ部分でタイアップ先ドラマの主演である国分がソロで歌っているようだ。ただこの頃は路線に迷っていたのか、今作自体は前のアルバム『WILD&MILD』をさわやかアイドル仕立てにした感じではあるが、次のアルバムではまた路線が変わってしまう。今作は何とか収録されたもののボーナス的にラストに配置され、思いっきりアレンジが変更になっている。ハードロックを意識したようなド派手なサウンドメイクで、よりロック色が増してカッコよくはなったものの、疾走感が損なわれてしまった。カッコいい事はカッコいいんだけどシングルの方が曲には合っていると思う。また忘れかけた頃(「トランジスタGガール」のC/Wでカラオケよりも後の4トラック目)に国分の単独アレンジでピアノバージョンが収録されている。
★★★★☆
5thアルバム『Graffiti』(Album Version)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU
3rdベスト『
HEART
30thシングルC/W(Piano Version)

C/W あたってくだけろ
ここまでのシングル曲の中では最もヘビーにギターが鳴り響き、
『WILD&MILD』路線をさらに突き進めたWILD&WILDな1曲。とはいえユニバーサル以降に慣れていると、まだまだなんちゃってハードロックというか、アイドルがちょっとロックやってみました的なぎこちなさはある。長瀬のロックな歌いっぷりはここに来て一気にサマになってきている印象。
★★★☆☆
ベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU』

Julia


ETERNAL FLAME /Tomoya with 3T   
97年8月13日
作詞作曲:Billy Steinberg/Tom Kelly/Susanna Hoffs、日本語詞:長瀬智也、編曲:松本晃彦
長瀬智也のソロシングル
。3Tはマイケル・ジャクソンの甥3人とされている。長瀬とV6岡田が霊気棒を使って悪霊を倒すという当時の日テレ土曜9時らしいドラマ「D×D」主題歌。89年のバングルスのヒット曲の日本語カバー(この原曲は09年のドラマ「ラブシャッフル」で挿入歌としても使用されていた)。シンプルだが元がいいだけにかなりの名バラード。8センチシングルだがやや特殊なパッケージになっていた。トップ10入りは逃してしまったものの(12位)、最終的には10万枚は突破しており、この前後のTOKIOよりも売れたのは原曲の知名度もあったのだろうか?当時は洋楽カバーだと知らずにオリジナルのバラードシングルだと思って聞いていて名バラードだと思っていた記憶がある。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W Magic /Tomoya
作詞:飯塚麻純、作曲:松本晃彦/馬場一嘉、編曲:寺田創一
こちらはTomoya単独名義のロックソング。当時のTOKIOよりもロックっぽい曲だが打ち込みっぽい質感のリズムになっている(なおクレジット上はシングル一括でキーボード以外のギターベースドラムに海外の演奏陣を起用したバンドスタイル)。当時の長瀬はかなり不良っぽいイメージだったのでTOKIOであまりこういう曲をやっていなかったものの、ソロでやる分には十分に似合っていた。
★★★☆☆
アルバム未収録

Eternal Flame  


13thシングル この指とまれ!
98年3月4日
作詞・作曲:和気優、編曲:佐久間正英
TOKIOが司会のスポーツバラエティ「ねばぎば!TOKIO」テーマ曲。これまで2,3ヶ月のスパンで連続リリースしていたが、初めて10ヶ月ものブランクが生じた。この間にKinKi Kidsがデビューしていたので、ジャニーズの音楽面ではさらに影が薄くなり、今作ではさらに6万台まで売上が低迷した。今作ではGLAYやJUDY AND MARY、Hysteric Blueなどを手がけていた佐久間正英が編曲を担当している。アコースティックを生かしたポップバンドスタイル。ポップセンスはさすが佐久間さんといったところだが、どうにも曲自体がちょっとインパクトが薄すぎた感が否めない。個人的にこの曲だけは唯一ベスト盤聞くまで知らず、記憶されたのも1番最後だった。
★★☆☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W EMBLEM
作詞作曲:樋口了一、編曲:佐久間正英
5分半に及ぶちょい大作ミディアムなロックナンバー。『
Special GIGs 2006〜Get Your Dream〜』を見た時に唯一知らないのがこの曲だったが、収録曲がデビュー曲除いて発売当時(06年)の曲で埋まっている中で、ポツンと収録されていた。このライブはメンバーの要望であえてライブハウスで行い、CDでは装飾音がかなり鳴っていた曲も5人だけの演奏によりCDよりロック色を増したアレンジで披露されたものだった。そんな中で全く違和感なく披露されていたこの曲だが、CD音源もこの当時としてはロックバンド色が強い。佐久間正英としてもジャニーズでバンドでもありアイドルでもあるグループという事でA面では親しみやすさを重視した感があるが、こっちではもう少しロックバンドっぽさを重視して、C/Wだからこその本領を発揮している感じがする。さすがにライブバージョンの後で聞くとCDバージョンは生ぬるい感じはするが、この時期の隠れた名曲だ。
★★★★☆
アルバム未収録

この指とまれ!  


14thシングル Love&Peace
98年5月20日
作詞:岡部真理子、作曲:樋口了一、編曲:佐久間正英
編曲:Project T(Plya-out Version)
松岡主演ドラマ「LOVE&PEACE」主題歌。これ以前の土9ドラマはほぼ欠かさず見ていたがこの頃からパタリ見なくなってしまいこのドラマも見ておらず、シングルも手に取らなかったが紅白にも出ていたので曲自体は耳には入っていた。松岡主演ということで今回も「フラれて元気」に続いて大サビ部分で松岡のソロ歌唱が聞ける(最後の部分)。アレンジは前作に続いて佐久間正英。パワーポップとでもいうのか、バンドの音をメインにしつつブラス等も加えてポップに仕上げたアレンジの完成度が高く、ソニー時代後半のTOKIOの標準的なラインというとこの曲が浮かぶ。曲調がけっこうポップなのに歌い方がけっこうロックなのもいい味になっている。このシングルバージョンはシングル作品として世間に求められているヒット性やポップ性をバンドっぽさと共存させたのは佐久間正英の手腕によるものだと思うし、改めて偉大なプロデューサーだったと思う。アルバムバージョンではProject T名義でリアレンジ。装飾音が無くなり、メンバーの演奏主体でテンポもアップしていてよりロックバンドらしい勢いに溢れている。長瀬の歌い方もよりがなり立て気味になり、コーラスもやや控えめ、間奏では各楽器ソロも短いながらあるし、まさにロックバージョンといえる内容になっている。個人的にはそちらの勢いも好き。
★★★★★
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY』(Play-out Version)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W そんな君が輝いて
作詞:山田竜一、作曲:Colors、編曲:佐久間正英
「EMBLEM」よりも落ち着いたミディアムな曲調。バラードというほどしっとりしていないし、バンドメインではあるんだけど抑えた感じなので、やや地味。この後リリースされたミニアルバム『電光石夏』の3曲のうち2曲が佐久間正英だったが、結果的にフルアルバムには関与せず、佐久間正英プロデュース期は終わる。出来ればアルバムを1枚プロデュースしてほしかった。
★★☆☆☆
アルバム未収録

LOVE&PEACE  


大波小波Rock'n Roll
作詞:樋口了一、国分太一、作曲:樋口了一、編曲:佐久間正英
3曲A面シングルみたいなミニアルバム『電光石夏』の1曲目。サマーソング伝統のようなフ〜ウ〜ウ〜ウ〜コーラスが入っているなど明るいサマーポップ。3曲の中では1番A面っぽい曲だけど、この時期のシングルとしてはやや方向性が外れており、ふざけ気味の歌詞や台詞が入ってくる間奏などバラエティバンドTOKIOといった趣き。作曲に比べると作詞をあまり得意としていない国分が作詞に参加しているのが珍しい。『電光石夏』は現在ソニーのサイトではシングル扱いされており、実際パッケージも薄型マキシシングルケースだった。3曲ともアルバム収録はおろかベスト盤でもスルーされ続けている。当時O社ではアルバム扱いされ、トップ10落ちどころか20位と大沈没しているので半ば忘れられかけている感じも…。
★★★☆☆
ミニアルバム『電光石夏

電光石夏


15thシングル 君を想うとき/Oh! Heaven
99年2月17日
両A面シングル。表ジャケットは「君を想うとき」、裏ジャケが「Oh! Heaven」と明確に分けられている。TV披露は「君を想うとき」に集中(「Oh! Heaven」がバンドじゃないというのもあったのかも)していたが、タイアップ先のドラマが好評だったため「Oh! Heaven」の知名度もそれなりに高かった。いつも通りチャートでは初登場9位だったが、その後にトップ20で粘るロングヒットを記録し、普段の2倍近い20万ヒットとなった。初回盤は「君を想うとき」の5人が青空をバックに並んでいる写真の5人部分だけが半透明シートになっていてバックの青空と別々になっていた。初回盤が毎回余るTOKIOだが、今作はロングヒットしたため最初から一緒になっている通常盤も多く出回ったようで、入手したのは通常盤だった。

君を想うとき
作詞:渡辺なつみ、作曲:渡辺未来、編曲:そうる透・吉村龍太
「あいのり」の前身番組「男女8人恋愛ツアー!TOKIOのな・り・ゆ・き!!」テーマ曲。初期のイェイイェイ言いながら歌っていた王子様ラブソングとは一線を画す純愛ロックバラード。これ以前は「フラれて元気」くらいしかレンタルしたことが無かったが、この時はドラマを見ていたので「Oh! Heaven」目当てで借りたら、ノーマークだったこの曲のあまりの素晴らしさに1発で持っていかれてTOKIOの音楽に本格的に興味を持った。当時はテープ録音だったので慌てて買い直した程である(出来たばかりのBOOK OFFは105円の宝庫だったので400円は当時の俺には高かったがそれでもこれはCDで持っていたいと思った)。アルバムではさらにドラマチックなアレンジにされており、1番はバンドが入らずに歌い切り、本格的にバンドが入るのは2番サビ前からとなっているほか、大サビ部分が英語詞に書き換えられている。他にもライブ音源がCD化されていたりと色々とバージョン違いはあるが原曲が最も良い。TOKIOのカラオケバージョンはコーラスが入っていたりいなかったりするが、今作にはコーラスなしで収録されており、前面に出たバンド演奏のみを聞くこともできる。これまた良い。残念なのはPVでは何故か全員棒立ちの熱唱となっている。この頃は当時のPVでは演奏シーンが登場する方が稀というくらいPVでバンドとしてのTOKIOを見せる方向性になっていなかった弊害と思われるが、それにしたってサビの合唱部分以外は長瀬のソロボーカルという楽曲で演奏シーン無しってなんだ…。4人ほとんど立ってるだけじゃないか。楽器をセットする手間すら放棄した手抜きとしか。
★★★★★
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY』(Romanesque Version)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU
3rdベスト『HEART』
34thシングル初回盤B、通常盤C/W(Live version)

Oh! Heaven
作詞:井上ヨシマサ・藤林聖子、作編曲:井上ヨシマサ
松岡主演ドラマ「天国に一番近い男」主題歌。ドラマのタイトルバックでは松岡、陣内孝則、奥菜恵、池内博之、窪塚洋介(フライング前)ら出演者一同が黒スーツ姿でハイテンションで踊りまくっていたので相当なインパクトがあり、ドラマを見ていた人なら必ず記憶しているはず。後にAKB48ブレイク期の主力作家となる井上ヨシマサだが、初めて名前を見たのがこの頃だったのでしばらくこの曲と"本間昭光に代わって広瀬香美のアレンジャーになって売れなくした人"というのが井上ヨシマサの印象だった。Bメロでメンバー全員にソロパートが回ってくるという珍しい曲でもあるが、それ以上に珍しいのが最早バンドサウンドではないという1点である。「君を想うとき」で大真面目にロックバンドしていてその両A面だから出来た芸当だろう。ドラマの印象も強く好きな曲の1つ。TOKIOのバンド感の薄い曲で好きなのはこの曲のみ。
★★★★☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

君を想うとき/Oh!Heaven


16thシングル 何度も夢の中でくり返すラブ・ソング/溢れる想い
99年6月30日
2作連続の両A面で今回も表に「何度も〜」ジャケ、裏に「溢れる想い」ジャケとなっている。番組でも話題になり(見てなかったので知らないけど)、前作で20万まで伸ばした中でのリリースだったが、初登場こそ7位と2ランク上昇するも累計6万台は当時の最低売上を更新してしまった(次の最低売上更新は02年の「GREEN」で、07年の「ひかりのまち」以降は断続的に最低売上を更新していく)。

何度も夢の中でくり返すラブ・ソング
作詞作曲:忌野清志郎、編曲:忌野清志郎、KANAME
「ザ!鉄腕DASH!!」ED。「Dash for the Dream」が延々使われていたのでようやく交代となったがテーマ曲用に用意したわけではなかったようだ。元々鉄腕DASHはバンドとしてのTOKIOを取り上げない番組で、TOKIOが新曲を出しても現在ではまともに告知すら出さない。この結果DASH村以降はバンドTOKIOよりも農家TOKIOが世間に浸透していく事になるわけだが…。この時は珍しい音楽モノの企画で城島・山口・国分の3人が「15 minutes」というインディーズストリートバンドを結成する企画をやっていたらしく、参加していない長瀬・松岡が対抗して忌野清志郎に曲提供を依頼して3人で「ぴんく」を結成し、それぞれがインディーズでCDを発売。完全に覆面バンドで九州のオーディションに参加して結果を残したものの、他の出演者に抗議を喰らって放送がカットされるといった騒動もあったようだが、何はともかく「ぴんく」で制作した忌野清志郎の提供曲を企画終了後にTOKIOとしてリリースしたのがこの曲である。長いタイトルを2回繰り返すサビはインパクトはあるが、特に最後のサビでくり返し続けるのでシングルにしては長尺で6分程度となっている。ダラダラした感じがして個人的にはあまり好きな曲ではなかったし、番組で取り上げたのでいつもよりヒットするどころか当時の最低売上っていうのはそれだけ視聴者受けも良くなかったんじゃないかと思うが、聞き込むとけっこう味がある曲だと思う。アルバムではProject Tも編曲に追記された形になっていて、よりバンドっぽさを増したように多少リアレンジされ、2番をカットしたため曲がかなり短くなっている。そちらの方が聞きやすい。また10年後の09年に忌野清志郎が亡くなり、この時のツアーで偲びながら久々に披露。忌野清志郎への思いを長瀬が語り、当時の自分たちは力量不足で、この曲を自分たちのアレンジにして清志郎さんに聴かせることが出来なかったけど今なら少しだけでも恩返し出来るとして自分たちのアレンジで披露。その模様がDVD『OVER/PLUS』に収録されている。このライブバージョンがこの曲のベストテイクだと思う。
★★★☆☆
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY』(TOKIO Edit)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU

溢れる想い
ひたすらさわやかなメロディーが炸裂するポップな印象の曲。実にジャニーズっぽいさわやかポップなメロディーをバンドサウンドにしてみたという感じで普通にいいC/W程度の印象。
★★★☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

何度も夢の中でくり返すラブ・ソング/溢れる想い  


17thシングル 忘れえぬ君へ…
99年8月25日
作詞:清水昭男・岡部真理子、作曲:清水昭男、編曲:森俊之
「君を想うとき」に代わって「男女8人恋愛ツアー!TOKIOのな・り・ゆ・き!!」テーマ曲。変えるの早すぎだが単にタイアップの無い新曲を使っていただけなのだろうか。一応2曲とも本気のラブソングでテーマは合わせて来てるけど。ほぼアコギ1本で静かにスタートしてサビで一気にバンドサウンドになって感情が爆発する切ない1曲。「君を想うとき」に続く名曲だと思い、今度こそ売上に貢献して新品で購入した。1曲しか入ってないのに600円って…と少々不満だったが曲が良かったので問題なし。アルバムではミックスが変更されているが、余計な変更をしてしまった印象でシングルの方が良い。
★★★★☆
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY』(Remix)
2ndベスト『
BEST EP SELECTION OF TOKIOU

忘れえぬ君へ・・・


18thシングル 愛の嵐
99年11月10日
作詞・作曲:布袋寅泰、編曲:そうる透&鶴田海生
この曲から12センチジャケット(中身は8センチ)と8センチジャケットの2パターン発売になった。松岡主演ドラマ「サイコメトラーEIJI2」主題歌。続編のようで続編ではない第2弾で、松岡を始めとした主要3人以外のキャストを一新(前作終盤でドラマオリジナル展開で死んだはずの警部も何事も無く別キャストで復活していた)、半分別物の作品となったが、主題歌も以前の「フラれて元気」とは全く違うハードロック。布袋寅泰はゲストミュージシャン扱いでギターも手がけておりこれまでで最もロックな曲となった。とにかくロックしているTOKIOがかっこいい。ソニー時代なのでミックスで少々遠慮している感があるものの、ここまでのTOKIOでは最もハードなサウンドが展開。「君を想うとき」に続いて男らしくかっこいいバンドTOKIOの姿を見せられた曲だった。サビの「予言者たちが見た夢」というのは99年7月に世界が滅びるとしてそれなりに当時騒がれたノストラダムスの予言を思わせるが、既に4ヵ月過ぎている。特に関係ないのだろうか?そこまでヒットしたわけではなく、紅白では「君を想うとき」が順当かと思っていたらなぜかこの曲になってしまった。にも関わらず6thアルバムにはスルーされてしまうといったねじれ現象が発生しまくった。
★★★★☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W LAST ANGEL
作詞作曲:長瀬智也、編曲:Project T
98年のアルバム『Graffiti』ではメンバー全員がそれぞれのソロ曲で作詞作曲に挑戦したが、シングルではこれが
初の自作曲。年明けのアルバム『YESTERDAY&TODAY』に先駆けてProject T名義になっているが、これはそうる透や鶴田海生ら当時のアレンジャー陣に加えてTOKIOも含んだプロジェクトチーム。ロックバンドTOKIOにとっては転機になったようだけど、今作に関しては音数の少ないシンプルなバラードナンバーになっていてバンドっぽさはあまり無い。
★★★☆☆
アルバム未収録

愛の嵐  


Yesterday's
作詞作曲:清水昭男、編曲:Project T
後に「TOKIOの転機になった曲」と長瀬がライブMCでも語ったロックバンドTOKIOにとって重要なきっかけになった1曲。収録されたアルバム自体がこれまで以上にバンドとしての演奏にこだわった1作となり、あまりに時間と金をかけすぎてメンバーが怒られたとまで後にコメントしている(実際ソニーとの契約がこれで終了したのと関係があるかは不明)。ダメだったこれまでを振り返り、昨日までの自分を捨て去ろうと前へ向かっていく内容。淡々とした曲調ながら過去を振り返り、ここから先の未来へ進んでいこうという前向きさが頼もしい。ひたすらがんばれ君はできるみたいな応援歌は今までも数少ないながらもあったけど、自身と向き合った上で前を目指そうとしている曲は当時のメンバーにとっても刺さる曲だったと思われる。"僕は信じている 最終形の自分を"は名フレーズ。ファン人気も高く、『HEART』投票ではC/Wアルバム部門堂々の1位となった。『5 AHEAD』初回特典のCDではアコースティックバンドスタイルでリメイクしたバージョンも発表されている。
★★★★★
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY
3rdベスト『
HEART
7thアルバム『
5 AHEAD』初回盤A,B特典CD(Acoustic Version)


JUMBO
作詞作曲:鶴田海生、編曲:Project T
発表以降ライブにおいてラスト付近の定番盛り上げソングとして君臨する爆上げソング。正直そんなにメロディーがいいとかは思わないんだけど、ほとんどノリ1発みたいな勢い重視の楽曲。CDでもかなりテンションの高い演奏を聴くことが出来るが、『HEART』においてはもっとロックバンド化してからの楽曲に囲まれているので少し弱く感じるかも。ライブでは間奏で膨らませた風船を観客が一斉に放出するのもお決まりとなっており、歴代のDVDでもその様子を見ることができる。タイトルの由来は作詞作曲を担当したのが鶴田→鶴田といえばプロレスラーのジャンボ鶴田→ジャンボ、という単純な理由で楽曲の内容とは一切関係が無い。10周年ライブ時はこの鶴田氏本人がサポートキーボードとして参加しているのを確認できる。
★★★☆☆
6thアルバム『YESTERDAY&TODAY
3rdベスト『
HEART


19thシングル みんなでワーッハッハ!/愛はヌード
00年5月31日
当時モーニング娘。「LOVEマシーン」が大当たり、シャ乱Qは売れなくなったもののプロデューサーとして開眼したつんくをプロデューサーに招いた。まだハロプロという言葉が誕生する前で、小室ファミリーにならってつんくファミリーなどと形容されていた時期だったこともあって、TOKIOもつんくファミリーに加わったみたいな報道のされ方をしていた記憶がある。その話題性でトップ10ギリギリが定位置になっていたTOKIOには珍しい6位を記録、前3作を上回る15万ヒットを記録してしまった。TOKIOが全くバンドしていない唯一のシングルCD。今作も8センチCDだがケースが12センチサイズ、8センチサイズで発売された。

みんなでワーッハッハ!
作詞作曲:つんく、編曲:松原憲
「メントレG」テーマ曲。バンドでも何でもないカントリー風のおふざけノリ全開の曲。この捨て身にさえなってないような寒さ全開の一撃がなぜか当たってしまった。バンドとしてのTOKIOがいかにイロモノで見られていたが分かる。TOKIOのタレント性を見抜いてプロデュースしたということはつんくもそこを見抜いていたのだろうか?バンドではない以上はメンバー全員にソロボーカルもある。間奏で「ヨーレイヨーレイヨロレリヒ〜♪」とか悪夢のようだし、この曲が最も厄介だったのはバンド曲で無いからと言って別にダンスするようなサウンドでもなかった。かといって5人が棒立ちで歌うのも全く絵にならない。結局TV出演ではバンドスタイルで出演。下手にヒットしたせいで年末の歌番組でも長瀬と城島はさすがに聞こえないエレキギターを持っているわけにはいかないので2人してアコギをジャカジャカ空弾きしながら走り回っていたのが印象的(松岡だけドラムなので動けず)。当然ヒット曲なので紅白もこれ。陽気な曲なのでそれなりに盛り上がりはしたが、バンドTOKIOとしては黒歴史に等しく現在は全く歌われていない(バンドで披露しようがないため、バンドで大幅にリアレンジするか、カラオケ流してやるしかない)。実際のところ当時行われたツアーとその次のツアーのアンコールで登場しただけのようだ。
★☆☆☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

愛はヌード
作詞作曲:つんく、編曲:鈴木俊介
松岡主演ドラマ「ショカツ」主題歌。タイトル通りアダルトなラブソング。この曲もバンドではなく全面的な打ち込みサウンド。よってこの曲もメンバー全員でソロパートを回している。こっちはまだバンドアレンジにしようと思えばそのままバンドで差し替えることもできそうなところは少しだけマシか。ただ元々つんくの曲の中でもこの手の曲が苦手だったので当時から好きではない。シャ乱Qで歌えばまだ合うかもしれないけど。
★★☆☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

みんなでワーッハッハ! / 愛はヌード


20thシングル 恋に気づいた夜
00年9月13日
作詞作曲:つんく、編曲:高橋輸一
最後の8センチCD。ジャケットはマキシサイズ。バンドであるTOKIOを無視して前作を作ったので今回はバンドを意識したというつんくプロデュース第2弾。確かに前作と違ってちゃんとバンドサウンドにはなっているものの、当時ハマっていたらしいチュクルチュクルしたスクラッチ音が随所に入るなど打ち込み要素も目立つ。最初はゆったりした曲調だが、2番サビからテンポアップ。それなりに盛り上がりも見せるし、つんくの提供曲の中ではダントツでのこの曲が好きだ。だがまさかの初登場11位TOKIO唯一のトップ10落ちシングルという不名誉な1作になってしまい、世間的にもワーッハッハ一色で完全に埋もれてしまった。これが原因なのかは不明だがソニーとの契約は終了する事となる。ベスト盤によりアルバム未収録だったシングルは全て救済されたが、PV集はこの少し前に出たばかりだったので前作と今作だけ商品化すらされないまま現在に至る。
★★★★☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

C/W OH! IT'S TRUE LOVE
作詞作曲:つんく、編曲:鈴木俊介
つんく提供の中では最もロックンロールなナンバーだが、TURUTUTUTU言ってるばかりで中身が無い上に、ギターだけハードに鳴らして後は打ち込みっぽい音になっているのでバンド感はほとんどないどころか、かなりしょぼい。ロックンロールに歌っている長瀬のボーカルはカッコいいだけに、もっとガツンとバンドでアレンジできなかったものか…。なんかもう『YESTERDAY&TODAY』でスタジオ代かけすぎたから、つんく提供の4曲はオケまで含めて完パケ提供でお願いしてTOKIOがバンド演奏の録音するのにはスタジオ使わせてもらえなかったのかね?という感じ。
★☆☆☆☆
2ndベスト『BEST EP SELECTION OF TOKIOU

恋に気づいた夜  

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