19thAl TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~

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19thAl TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~

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2021年7月7日
オリジナルアルバムとしては2年4ヵ月ぶりとなったが、元々カバーアルバム『POP IN CITY~for covers only~』より今作を久々のAOR路線のオリジナルアルバムとして先に制作していて完成直前だった。しかし後のメンバーのインタビューによればAORは今はシティポップと呼ばれている事からシティポップとして売り出して先にシティポップのカバーアルバムを出すという提案を受けて今作は完成手前で一旦寝かせ、カバーアルバム制作後に改めて完成させたため、大半は1年以上前に作られていたという事のようだ。実際に2021年1月にくも膜下出血で倒れて活動休止となっていたサポートドラマー矢野顕太郎が今作のサポートドラマーとして全曲参加している事から倒れる前の2020年のうちにドラムのレコーディングが全て完了していた事になる。

全曲小文字の英語タイトルで統一されている。

初回盤は2019年に行われた2人+バイオリンの3人編成による東北ツアー「DEEN NEWJOURNEY TOUR “duo+”~Ballads in Love~」の東京での追加公演から7曲を抜粋収録、前作収録曲のMV4曲を収録したBlu-ray付。
完全生産限定盤ファンクラブ会員予約限定でメンバー2人の対談トーク「THE FIRST TALK」を収録したDVD付。

初回盤、完全生産限定盤、通常盤、配信版の4種で全てボーナストラックのライブ音源が異なる。前作を引っ提げてのツアー「DEEN LIVE JOY-Break23~POP IN CITY~」の東京公演でのライブ音源で4曲とも『POP IN CITY~for covers only~』収録曲のライブバージョンとなっていた(埠頭を渡る風、君は1000%、プラスティック・ラブ、悲しみがとまらない)。これらは全て『DEEN LIVE IN CITY 2021 ~City Pop Chronicle~』で映像化及びライブCD化され、単なる映像作品からの先行収録であった。またこの4音源は2024年の『POP IN CITY~for covers only~』アナログ化の際にまとめて追加収録された。

今作は初登場6位を記録し、2005年の『The Best キセキ』以来となる奇跡のトップ10入りとなった。オリジナルアルバムとしては実に1st~4th以来である。ただこれは発売週が超低レベル週だったためで売上は33位だった前作より数百枚高い程度、51位に終わった2016年の『Another Side Memories~Precious Best Ⅱ~』ともさほど変わらない2000枚台(2524枚)だった。実際年末で立て込んでいる時期にリリースされた次回作『シュプール』は2199枚に少し下げただけで49位まで後退しており、今作が急に売れたというわけではない。

1.about long night

2021年6月23日(先行配信)
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:侑音
シティポップ、AOR感のあるオシャレポップなオープニングナンバーとして全体をリードする1曲。2曲目に先行配信された。いきなり全曲小文字英字タイトルがズラッと10曲並んでシティポップ路線と軸も定まっているため統一感は過去最高にある一方で全部で1つの塊のようになっていて1曲1曲ではあまり残ってこないというところもある。1曲目という有利な位置であっても歴代のアルバム曲の中でのトップ級に並ぶほどの印象があるかというと正直そこまでではなく、あくまでサウンド感、トータル感の良さなのかなとは思う。
★★★☆☆

2.drive alone

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:篠崎裕
軽快なノリのドライブミュージックをシティポップ、AOR感のあるオシャレ風味に仕上げたナンバー。前作でカバーしたばかりの「埠頭を渡る風」がラジオから流れているという描写があるのは狙ってのものと思われる。制作順的には今作の方が先なのでこの歌詞を書いていたから「埠頭を渡る風」をカバーする事を決めたのか、「埠頭を渡る風」カバーをしたので今作の歌詞を書いた(直した)のかは不明。
★★★☆☆

3.off limit

2021年6月16日(先行配信)
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:侑音
最初に先行配信された。高揚感を煽るようなワクワク感を煽るイントロから外に飛び出していくようなサマーソングをシティポップ、AOR感のあるオシャレ風味に仕上げたナンバー。“瞳そらさないで”、”話そらさないで”というフレーズが飛び出したり、夏うたをうたいながら出かけようとするなど着想が「サマーソングなところがあるが、さすがに少し前にやったばかりのアイデアなので過去曲の引用はこれだけに留めている。それこそアンチエイジング路線に一直線になりそうな曲調でもあるが、アレンジで抑えた辺りに3人時代とは違う最新型のDEENが出ているように思う。
★★★☆☆

4.urban honey night

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:大平勉
ややかつての黒森ナンバーのノリを思い出させるが、AOR期にも関与した大平勉の手腕はさすが。ただこういう曲まで山根さんに作曲させるのはちょっとムチャぶり感もあるようにも思うし、こういうノリの曲を書くのは池森さんの得意分野だと思うんだけどマジで頑なに作曲しないのは何故なのか。
★★★☆☆

5.tokyo wind

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:侑音
優雅なブラスサウンドが彩る夜の都会イメージのミディアムナンバー。東京で目的を見失ってこのままではいけないと思いつつ流されて生きている心情が歌われていて憂いの色が強い。故郷を出て5年とされている事やあんまり年齢を重ねている感じも無いので普通に20代半ば過ぎの青年として設定されているものと思われる。『UTOPIA』の「Lost time」とかあの辺の雰囲気を彷彿とさせる。
★★★☆☆

6.twilight chinatown

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:大平勉
横浜チャイナタウンで出会った2人の物語。今も若々しい鮮度を保っている2人のラブソングとして「君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている」や「ずっと伝えたかった I love you」辺りに近い匂いを感じる楽曲だが、ここも大平勉によるオシャレに落ち着いたアレンジにより過度に浮ついた感じは出ないように抑制されているのがいいバランスになっている。チャイナ感漂う雰囲気もこれ以上入れるとコテコテ過ぎてしまいそうだし絶妙である。

このアルバムでは全曲で寺嶋由芙を主演(一部イメージ映像のみやメンバー歌唱+イメージや風景のみの曲もある)にしたTeaser Movieを制作して1分程度の映像を宣伝用に公開していたが(「about long night」のみMusic Videoとしてフルサイズで制作)、この曲は発売後に寺嶋由芙出演のTeaser Movieとは別に若い高校生カップル(石倉雅也、ブルッケ雅麗那)が歌詞の舞台である横浜近辺をデートしまくるデートムービーMVが公開された。当時既に2人とも現役高校生ではなく20代半ばくらいだったようで芸能人というよりSNSフォロワーを多数抱える一般人と芸能人の狭間のような若者のインフルエンサー的なポジションにいたようで現在は芸能活動は行ってないっぽい(YuTubeのMV説明のところにある2人のSNSはほぼ更新止まってるしハンドルネームに書き変わってるし一般人として一般就職しているっぽいし)。楽曲自体は年齢を重ねた主人公が若い頃と今も変わらない愛情があるという視点(「ずっと伝えたかった I love you」と同様の世界観)なので、若い頃の2人という設定と捉える事もできるか。
★★★☆☆

7.cosmic rendez-vous

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:杉山洋介
ダンス色の強いラブソング。paris match杉山洋介のアレンジにより、paris matchの方向性が強く出ているのかもしれない。“代官山でランデヴー 二人だけの宇宙(コスモ)で”とパワーワードっぽいインパクトフレーズが随所で炸裂しており、歌詞が宇宙規模になっているのは異色。
★★★☆☆

8.cause

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:大平勉
3人時代のお決まり的な要素って2人になってほぼ一掃された感もあるんだけど、3人時代後半に定期的にラテン系の曲を出して池森さんが「DEENといえばそう!ラテン!!」と言ったとか言わないとかくらい御執心だったラテンサウンドはここでも継続。ラテン系のサウンドを構築していたのが脱退した田川サウンドであった事と今回は大平勉に任せた事で抑えめのラテン風味となったが、それでも今作の中では振り切った感じはある。
★★★☆☆

9.dawn patrol

作詞作曲:山根公路、編曲:小川清邦
山根ボーカル曲。「RIDE ON TIME」に続いて今作でも小川清邦の編曲でギターは沢頭たかし、ベースは小川清邦が自ら演奏し、ドラムは打ち込みという前回と同じスタイル。

「I need my car」に続いてまたもドライブソング。山根さん免許持ってないと公言しているのにドライブに憧れがあるのだろうか…。まさかまたドライブをテーマにした歌詞を書いてくるとは。むしろ持ってないから想像しやすいところはあるのかもしれない。
★★★☆☆

10.city Lights

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:侑音
締め恒例のバラードナンバー。意識的に場所や登場人物を設定したような曲が多かった中でド直球のラブバラードといった印象。
★★★☆☆

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