22ndSg 見上げてごらん夜の星を

スポンサーリンク

22ndSg 見上げてごらん夜の星を

B00005UD3Z
2002年1月30日
1年2ヶ月ぶりのシングルは初のカバー曲初のコラボ作でもあり、正式な名義は“Deen featuring ダイアナ湯川”。ジャケットは外国人の赤ちゃんを掲げる池森さん、裏ジャケは左隅に正装着席での4人揃った写真となっているがかなり小さい。歌詞カードの写真ではメンバー3人+ダイアナ湯川がそれぞれ同様に赤ちゃんを掲げているショットになっているが、田川・湯川の2人は赤ちゃんと向き合って完全に横顔になってしまっている。

既に3月にカバーアルバム発売は告知されていて先行シングルという扱い。「プレミアム・キャンペーン2002」と銘打ち、アルバムとの連動応募キャンペーンハガキが封入されている。通常、先に出る作品に応募券、後に出る作品に応募ハガキを入れるのが通例だが、ここでは逆になっていて先にハガキが封入されていた。

初登場18位、2万枚の売上を記録。

見上げてごらん夜の星を featuring ダイアナ湯川

作詞:永六輔、作曲:いずみたく、編曲:DEEN&時乗浩一郎
坂本九のカバー…としてすっかり定着しているが厳密には1960年に同名ミュージカル主題歌として伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズが歌唱したのが最初で坂本九はそれを見て自分もやりたいと1963年に自身主演で再演してその際にレコードを出してヒットしたという経緯だった模様。音源としては坂本九が最古なのと坂本九のヒット曲のカバーとして後年も取り上げられ続けたのでオリジナルの事は触れられなくなっていったという事だろう。

今作ではダイアナ湯川によるヴァイオリンをフューチャー。他のストリングス演奏者は参加していないので聞こえるヴァイオリンの音色は全てダイアナ湯川の演奏と思われる。ダイアナ湯川は1985年9月生まれの当時16歳。日本人の父とイギリス人の母を持つハーフ。父親は坂本九と同じあの航空事故(1985年8月)で亡くなっており、事故の1ヶ月後に生まれた。このためロンドンで育ち、日本語はほとんど喋れなかったようだ(わずかに残されているレコーディングメイキング映像でも英語でリアクションしている)。この縁のある起用はいかにもメディアが飛びつきそうな話題だったが今作発売当時は不思議なほどスルーされた。2009年の映画『沈まぬ太陽』も同事故を取り扱っていて幕間でダイアナ湯川の演奏が使われるという縁があり、その際にTVでこのエピソードが取り上げられているのを見た記憶はあるし、検索すると父親について触れた記事なども出てくるが…。イギリス在住だったためなのか、シングル表題曲にもなったにも関わらずライブでのゲスト参加共演は実現せず、共演したのはレコーディングのみ。そのレコーディング時のメイキング映像がわずかにDVD『on&off 2002 document of unplugged live&recordings』に収録されている。PVでは間奏で一瞬映し出されるモノクロの少女がダイアナ湯川っぽいがこれは一瞬で、裏ジャケの写真も小さめなのでダイアナ湯川の姿をハッキリと見れるのはこのわずかばかりのレコーディングメイキング映像しかない。

非常に暖かみのある歌声で優しく歌い上げている名カバー。多数のシンガーが歌っているが個人的にこの当時のこのボーカルでの歌唱を越えたものは無いと思っている。それほどこの当時の歌い方が絶妙。ヴァイオリンについてもあまり違いは分からないけど今作の響きはとても良い。一方で一応生のドラムになっている(アルバムに藤沼啓二の演奏クレジットあり)はずなんだけど、R&B系の打ち込みと同じようなチキチキタカタカしたリズム音は前年を踏襲。この軽い音をドラムで叩くとなるとドラムセット凄い簡易なやつになりそうだし、物凄く繊細に小さく叩く必要がありそうで、なんでわざわざこの音出すのにドラマーを起用したのかが逆に謎だ。藤沼啓二がサポートドラムを担当したのは今作と『和音』での数曲が最後となった。

2001年の「明日があるさ」のウルフルズ、Re:Japanのカバーの大ヒットもあって坂本九が再注目される流れは当時あった。今作の数ヶ月前2001年11月のKinKi Kidsのシングル『Hey! みんな元気かい?』初回盤のみC/Wでは堂本剛がソロでカバー、この後3月27日のRe:Japanのアルバム『look up to the sky~明日があるさ~』ではダウンタウンがカバーするなど短期間にカバーが相次いでいた。しかしこの相次いだカバーは最終的には翌2003年12月に平井堅が『Ken’s Bar』にて坂本九本人の歌唱音源を使用してのデュエットカバーを行い、これが即紅白出場に至るほどの反響となり、「見上げてごらん夜の星を」カバーイメージを全て1人でかっさらっていってしまった『Ken’s Bar』の2週間前の2003年11月には坂本九の長女である大島花子によるカバーでメジャーデビューという話題すらも平井堅の本人コラボが全てかき消してしまったのはあんまりだっ
★★★★☆
1stカバーアルバム『和音~songs for children~
6thベスト『DEENAGE MEMORY
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~
9thベスト『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』

C/W 今日の日はさようなら

作詞作曲:金子昭一、編曲:DEEN
子供のキャンプ事業などを展開する公益財団法人ハーモニィセンターのオリジナル曲として当時大学生でスタッフだった金子昭一によって1966年に制作され、翌1967年に森山良子がシングルレコードとして発売していた曲のカバー。元々はキャンプソング、「みんなのうた」として広まったようだが、教科書に載っている曲として馴染み深い曲で森山良子のイメージも全く無かった。

当初教科書に載っている曲のカバーかぁ…とは思ったんだけど、けっこう雄大なアレンジになっていて単なる教科書的な展開にはなっていない。序盤は原曲を生かしたアコースティックなカバーになっているんだけど、終盤は予想外に幻想的な盛り上がりを見せて神秘的なコーラスも展開するのでなかなか圧巻。終盤の女性コーラスが目立っているが、これは当時所属していてBreak6~8までライブにもコーラスで帯同した入日茜によるもので独特の存在感があった。

今作のレコーディングが以後のライブサポートドラマーHIDEの初参加曲となった。ベースには同じcan/gooのKIYOが参加しているが、何故この曲でこの2人を起用したのかは地味に謎。当時メジャーデビューを同年秋に控えていた若手ロックバンドのリズム隊を起用するようなアレンジの曲ではなく畑違い過ぎたのでは。若手ミュージシャンに経験を積ませたかったのか、何気にかなり攻めた起用だったんじゃ…。

このC/Wではゲスト参加は無いが、『和音』収録時はfeaturing 宗次郎となりオカリナ演奏が追加された。イントロ前にオカリナソロが入り、曲中でもオカリナが響き渡る。

この曲を直近でカバーした歌手何てさすがにいないだろうと思ったら、同年3月に原由子が『東京タムレ』でカバーしていた。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
1stカバーアルバム『和音~songs for children~』(featuring 宗次郎)

コメント

タイトルとURLをコピーしました