3rdCover POP IN CITY~for covers only~

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3rdCover POP IN CITY~for covers only~

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2021年1月20日
2024年2月17日(アナログ盤)

2020年は企画的な配信曲が2曲リリースされるに留まったが、年明けに発売されたのはシティポップカバーアルバム。アートワークは大瀧詠一作品のイラストを担当していた永井博を起用し、あの頃の雰囲気を再現している。

元々2020年に久々にAORのアルバムを作ろうとオリジナルアルバムを制作していて、ほぼ完成してきたところ、今はAORではなくシティポップと呼ばれて流行っている事からシティポップとして売り出す方針を提示されたようで先にカバーを出すという案が浮上。オリジナルアルバムは完成手前で一旦寝かせて後から今作を制作したため、実際の制作順はこの後のオリジナルアルバム『TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~』とはほぼ逆だったとされる。サポートバンドメンバーは引き続き侑音(Guitar)、そして石田純(Bass)、矢野顕太郎(Drums)。

当初発売直後の1月22日から2月にかけて今作を引っ提げてのツアー「LIVE JOY-Break23~POP IN CITY~」を開催予定だったが2度目の緊急事態宣言により全面延期を発表し、4~5月に開催(大阪公演のみ再延期で7月に振替)した。この際にドラマーが北村望に交代しており、当初スケジュールかと思ったが、矢野顕太郎のSNSや公式サイトの更新が止まったままとなっており、やがて8月になってブログが更新され、1月20日にDEENとは別のサポート現場でくも膜下出血で倒れ緊急入院していた事が明かされた。偶然にも今作発売日当日(当初は1月22日ツアー開始予定だったためツアー2日前)に倒れていた事になる。矢野氏は同じ1984年度生なのでこの年で突然倒れるって正直他人事じゃない…。たぶんDEENサポートメンバー史上唯一の同学年、同学年の人がDEENのサポートを…という親しみがあったのとパワー系の前任者よりも曲に合った柔軟なプレイスタイルでかなり好印象なドラマーだっただけに固定サポートドラマーとしてもっと活躍が聞きたかったし、復帰したらもう1度参加してほしいと思っている。2023年現在もリハビリ中となっており、そのまま北村望(1985年度生で矢野氏の1つ下)が後任のドラマーとして定着となったが、前述のように既に『TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~』が先にレコーディングされていたため、作品では『TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~』まで矢野顕太郎がドラムを担当している。

シティポップ路線を提言したのがA&Rの山口育孝だったためか、今作では初めてCo-Produced by 山口育孝と共同プロデューサーとしてクレジットされている。YouTubeの番宣トークでは基本的に選曲はスタッフ推薦によるもので、メンバーが良く知らない曲もあった模様(世代的には10歳前後から10代までにヒット曲として耳にしていれば…というところだが当時はヒットしてない曲もあるし、その後洋楽に行ってしまったりすると聞く機会はあまり無かったのかも)。

完全生産限定盤はジャケットと同じ永井博のイラストデザインのオリジナルTシャツ付属スペシャルBOX仕様。
初回盤は2020年9月16日大さん橋ホールで行われた『DEEN Summer Resort Live~7th wave~』の模様を収録したライブBlu-ray付、『クロール』初回盤、『バタフライ』初回盤Aに続く紙ジャケット仕様。
通常盤・配信版は11曲目に「夢で逢えたら with paris match」を追加収録

今作よりアルバム直前に1~2曲を先行配信するようになった。先行配信曲は全てアルバムジャケットの流用となっていて公式ディスコグラフィーDigital Single枠には掲載しないという形で専用のジャケットで配信される配信シングル(Digital Single)と先行配信には明確な線引きがされている。

2024年2月にアナログ盤でも発売。『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』アナログ盤と連続発売(2週間後)。アナログ盤は2枚組となり、「夢で逢えたら with paris match」含む全11曲+『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』収録の「スタンダード・ナンバー」(南佳孝)、そして『TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~』の初回盤・通常盤・FC盤・配信版にそれぞれ追加収録したライブ音源4曲「悲しみがとまらない Live at Zepp DiverCity Tokyo」「埠頭を渡る風 Live at Zepp DiverCity Tokyo」「プラスティック・ラブ Live at Zepp DiverCity Tokyo」「君は1000% Live at Zepp DiverCity Tokyo」が追加収録されている。

1.悲しみがとまらない

2023年1月5日(先行配信)
作詞:康珍化、作曲:林哲司、編曲:大平勉
杏里(1983)
「CAT’S EYE」に続いての連続ヒットを記録した杏里の2番ヒット作で代表曲の1つ。名前くらいしか知らないけどこの2曲くらいは聞き覚えがあった…かな…。

アルバムのリード曲として年明け早々1月5日に先行配信され、今回のシティポップカバー路線を印象付けた1曲にもなった。原曲のイメージに比較的忠実にやや80’s感漂うサウンドを現代風に整理したような感じで大平勉の手腕が光る。ただ脱退した田川伸治がDEENサウンドを支えていた側面も大きかったのか、池森さんが歌っているけど今までのDEENっぽくはなかったりもする。

真冬なのに海辺のリゾートホテルのプールサイド等で歌われているMVから夏のリゾートミュージックっぽさも感じるが、原曲自体も真夏のリリースだったのは「CAT’S EYE」の方であり、この曲は11月発売であまり夏や海やプールのイメージの曲では無かったりする。シティポップ=80年代=リゾートという連想からこういう場所での撮影になったのだろうか。
★★★★☆

2.埠頭を渡る風

2023年1月11日(先行配信)
作詞作曲:松任谷由実、編曲:侑音
松任谷由実(1978)
12thシングルだがシングルとしてはヒットしていない(71位)。収録された『流線形’80』(1978)も荒井由実時代のブームが過ぎて10数万程度でやや低迷していた時期の楽曲なので当時のヒット曲という認識はあまり持たれていない曲だったと思われる。1998年『Neue Musik』、2012年『日本の恋とユーミンと。』、2022年『ユーミン万歳!』といったその時々で大ヒットしたベストアルバムには欠かさず選曲されており、それなりに知られた曲にはなっているようだが、近年のシティポップ扱い再評価の流れの中でも特に他でカバーされている様子もない。DEENとしては松任谷由実3度目のカバーとなり、この後もう1曲カバーするので合計4曲の中では1番知られていない曲なんじゃないかな…(ミリオン2作と「恋人はサンタクロース」相手ではさすがに知名度で劣る)。

「悲しみがとまらない」に続いて先行配信された。膨大な数のユーミン曲の中で耳に残っている方の曲ではあったけど、ミリオンヒット2曲をカバーしてきた流れからすると渋いところを突いたな…という感じ。ただ大人っぽい落ち着いた作風で明るく爽やかなだけでない一面を見せるもう1つの先行配信として外向けにアピールするのにはいい1曲だったと思う。
★★★★☆

3.恋するカレン

作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一、編曲:侑音
大滝詠一(1981)
代表作『A LONG VACATION』から3ヶ月でのシングルカット。単曲での知名度は1つ前の「君は天然色」と90年代の最大のヒット作「幸せな結末」がずば抜けているが、今作は「君は天然色」の次のシングルだった。1982年にはB面の「雨のウェンズデイ」と入れ替えてB面曲として再シングルカットもされている。「君は天然色」にしてもチャート記録では大した記録は残っていないが、『A LONG VACATION』の高い評価と共に収録曲の1つとして知名度は高くカバーも多い。今作に関する縁と言えば2002年の『和音』でBEGINと「風をあつめて」でコラボしているが原曲のはっぴいえんどに大滝詠一が所属していた。そしてコラボの同年11月に発売された大瀧詠一のコンピ盤『ナイアガラで恋をして Tribute to EIICHI OHTAKI』にDEENは原田知世とのコラボでシングルカットしていた「夢で逢えたら」を提供しているが、BEGINは「恋するカレン」のカバーを提供していた。

大瀧詠一、ナイアガラっていうぼやっとしたパブリックイメージの世界で歌う池森さん…っていう正しくそんな感じの1曲。ライブではセットリストから外されてしまったため、少し印象が薄い。
★★★☆☆

4.プラスティック・ラブ

作詞作曲:竹内まりや、編曲:大平勉
竹内まりや(1984)
結婚後の復帰作アルバム『VARIETY』収録曲。後に12インチシングルとしてリミックスされてカットされていた。このためオリジナルと12インチシングルに収録されたリミックス2曲の3バージョンが存在する。ヒットはしていないが、その後竹内まりやの代表曲の1つとしては認知されていた。山下達郎は竹内まりやの歌手活動復帰に関しては以前と同様に自作と提供を織り交ぜようと考えていたが、この曲のデモを聞かされてあまりの完成度に提供を止めてシンガーソングライターとして全曲自作、そしてアレンジを自身でプロデュースする事を決めたという。2010年代後半以降に巻き起こった海外での日本のシティポップブームの代表作としてリバイバルヒットしており、レコード会社側もMVが無かった今作のMVを新たに制作して公開したり、アナログ盤を再発したら初のトップ10ヒットを記録したりと、比較的近年のヒット曲になっていた。

YouTubeの番宣トークでは池森さんがこの曲を知らなかったような事を言っていて、竹内まりやは「駅」とか「元気を出して」とか有名な曲のゆったりしたイメージと違って意外だったと少々ズレた認識の竹内まりや像を語っていた。『REQUEST』だけ聞いたことがあったのだろうか。「駅」(中森明菜)も「元気を出して」(薬師丸ひろ子)も元は提供曲なんだけど…。「元気を出して」はだいぶ竹内まりやのイメージが強くなってるけど、筆頭で「駅」が出てくるのはあまり無い気がする。

AORっぽいバンド演奏も堪能できる良曲といった印象だったが、今作ではギター以外は全面打ち込みになっていて原曲の要素は生かしているが機械的な感じになった。この曲こそバンド演奏で聞きたかったところだが…これはこれで違った味わいはあるか。有名曲という事もあってか池森さんがレコーディングブースで歌っているだけのRecording Movieが後からMV代わりとして公開された。
★★★☆☆

5.DOWN TOWN

作詞:伊藤銀次、作曲:山下達郎、編曲:侑音
シュガー・ベイブ(1975)
山下達郎がソロになる前の最初にデビューしたバンドの唯一のシングルで唯一のアルバム『SONGS』と同時発売。当時はいずれも全く売れず評価もされなかったがその後山下達郎のブレイクに伴い、特に90年代以降は『SONGS』が周年ごとに再発されるようになり、高い知名度を誇り、カバーも多いがオリジナルは未配信のまま。2010年に坂本真綾がカバーした際は『DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら』と両A面で2曲とも有名曲だったのと自力人気もあるがトップ10ヒットを記録している。

平メロは普通のキーなのにサビの”Down townへくりだそう♪”の連呼が全部裏声というちょっと難しい感じの曲なので普通に歌うなら男性より女性か近年の裏御連発系若手高音男性ボーカリストの方が似合いそうな気はするんだけど、真っ向勝負でカバー。DEENでは達郎の曲は山根さんの方が得意そうな感じがあったので選曲自体も意外だった。
★★★☆☆

6.バカンスはいつも雨

作詞作曲:杉真理、編曲:侑音
杉真理(1982)
「すぎまり」ではなく「すぎまさみち」という男性シンガーソングライター。竹内まりや等への曲提供など他ミュージシャンとの親交が深く名前はある程度知られていたものの自身のヒット曲が無かったが、1982年3月には大瀧詠一の指名で佐野元春と共に『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』に参加、11月に発売されたこのシングルはグリコCMタイアップもあってトップ20にも届かなかったものの初ランクイン、ロングヒットして唯一の10万越えのヒットになったとされている。以降もヒット曲は無く、今なおCMで様々な歌手に歌い継がれている「ウイスキーが、お好きでしょ」の作曲者というのが一般知名度が最も高い1曲か。

というわけで名前は目にしていたがしばらく「すぎまり」っていうシンガーソングライター、作家だと思っていて曲も知らずこのカバーで初めて聞いた。原曲もけっこうな浮かれ80年代バブル感があるが、今作の方がウキウキワクワク感が強めのポップな仕上がりになっているように感じる。この辺りはやはり少し前まで過剰なアンチエイジング路線、若々しい作風に長けていた池森さんが歌っているからというのもあるか。
★★★☆☆

7.真夜中のドア/Stay With Me

作詞:三浦徳子、作曲:林哲司、編曲:大平勉
松原みき(1979)
デビュー作。最高28位で10万枚程度のヒット作で、そのまま売れなくなっていき90年代に入る頃には自身の歌手活動を停止。いわゆる“消えた”人扱いだったと思われるが、その後2004年に44歳の若さで亡くなってしまっていた。2020年にインドネシアのYouTuber、Rainychによるカバーで世界的にヒットしたらしく、「プラスティック・ラヴ」同様に海外発シティポップブームの代表的な楽曲となった。それ以前から日本でもけっこうカバーが相次いでおり、意外と同業者ウケのいい楽曲として残り続けていた感もある。リミックスバージョンもいくつか存在するが、当時のものとしては4分半程度のシングルVer.と5分を越えるアルバムVer.の2バージョンのみだったと思われる。2003年にプロモ盤12インチに初めて収録され2009年のアルバム再発の際に追加収録されたリミックスバージョンOriginal club mix Mixed by D.O.I.、2021年にはNight tempoによるリミックス、2023年にはアルバムを再度トラックダウンし直した2023 Mixが発表されるなどバージョン違いが増加している。

今作ではドラムは生だがベースのみ打ち込みで処理されており、ブイブイとした機械音じみたベース音になっている。あまりなじみのない曲だったが今作のカバーの中では最もしっくり来た1曲になった。派手な曲ではないが適度な落ち着きが実にシティなポップ感があるというか(?)、リバイバルブームになった現代の定義シティポップのど真ん中にある1曲というイメージもある。当人が20年近く前に亡くなっている上に、当時は知る人ぞ知る存在だった事もあってあまりイメージがついてなくて神秘性が高いという側面もあるかも。

後からイラストを駆使した簡易なMVが公開された。シティポップブームの代表曲なのでレコード会社側が売り出したそうな感じだったが、メンバーはあまりなじみがなかったのかその後のライブではセットリストから外されてしまった上、30周年のカバーベストにも選曲されないなど絶望的な扱いとなった。2023年に唐突に開催された『DEEN THE BEST DX ~KYOTO & ROPPONGI~』のカバーNIGHTの日には奇跡的にセットリストに入っていてようやくライブ初披露となった模様。
★★★★☆

8.RIDE ON TIME

作詞作曲:山下達郎、編曲:小川清邦
山下達郎(1980)
当時はマクセルのCMソングとして自身初のチャートイン、大ヒットを記録した代表曲の1つ。とはいえあくまで1980年のヒット曲という昔の曲となっていたが、2003年に木村拓哉主演ドラマ『GOOD LUCK!!』主題歌に起用されてマキシシングルで再発されてリバイバルヒットを記録したため当時ドラマを見ていた新たな世代間での知名度も爆上がりした。シングルバージョンとアルバムバージョンが存在するがいずれも未配信。

山根公路ボーカル曲。この曲は以前もライブのソロコーナーで取り上げており、今回満を持しての音源化となった。この曲では元サポートドラマーHIDEの在籍しているcan/gooのベースで2016年に脱退していたKIYOこと小川清邦がアレンジを担当。キセキVersionの「このまま~」などHIDEとKIYOでリズム隊を担当した事もあったが、アレンジャーとして戻ってきた形に。以後も山根ソロ曲の編曲を担当し、小川清邦アレンジでのレコーディングではサポートメンバーも一新されていて今作で唯一侑音さえも参加していないギターは沢頭たかし、ベースは小川清邦が自ら演奏し、ドラムは打ち込みだが普通にドラムっぽい響きの打ち込みドラムになっている。

シティポップというよりも時代性を感じないもっと普遍的なポップス。ハイ入トーンボイスが冴え渡る良カバーでこれは池森さんには出せない山根さんの良さを存分に出したカバーなのかなと。
★★★★☆

9.君は1000%

作詞:有川正沙子、作曲:和泉常寛、編曲:侑音
1986オメガトライブ(1986)
1983~1985年に活躍した杉山清貴&オメガトライブの解散後、元オメガトライブメンバー2人に新ギタリストと新ボーカルのカルロス・トシキを加えて1986オメガトライブとしてのデビュー作で大ヒットした。

今作においては「バカンスはいつも雨」と並ぶノリノリ系の楽曲でやはり原曲より明るいイメージ。同様にこれも浮かれポンチ120%な80’sバブルノリが感じられる1曲。時代が1周回ってこれはこれで新鮮な響きだったり、現代風のサウンドになっているので極度なダサさはないが、もう少し前だと時代の彼方に置き去りにされたような瞬間風速的な80’sバブリーなノリはきつかったかも。
★★★☆☆

10.恋は流星

作詞作曲:吉田美奈子、編曲:侑音
吉田美奈子(1977)
アルバム『TWILIGHT ZONE』収録曲で同日発売でシングル化もされているがシングルではPartⅠ、PartⅡという別バージョンで収録。時系列としては「夢で逢えたら」が収録されていた『FLAPPER』の次のアルバムが『TWILIGHT ZONE』だった。シングルバージョンが地味にレア音源化しており、それぞれ別の非公認企画ベストにしか収録されていない。PartⅠが収録された『GOLDEN☆BEST』は配信もされているが、PartⅡが収録された『RCA best collection』は未配信。

オリジナルは後半の演奏が延々続いて6分50秒近い長さになっているが、今作でのカバーはPartⅠ同様に4分程度でまとめている。あまりカバーの多い曲ではなく、渋い選曲で聞き覚えも無かったが落ち着いた雰囲気。浮かれポンチ80’s路線よりもやはりもうこういう路線の方がいいなぁと感じるようになったのは年月のせいか。ただ落ち着いた作風だけ続いてもそれはそれで地味なのでなんだかんだいいバランスのカバーアルバムだったんだなとも思える締め方だったと思う。
★★★☆☆

通常盤BONUS TRACK(配信版にも収録)
11.夢で逢えたら with paris match

作詞作曲:大瀧詠一、編曲:杉山洋介
吉田美奈子(1976)
DEEN&原田知世で2002年にカバーしていたがまさかの2度目のカバー。今回はparis matchのミズノマリとのデュエットになっていてパート割はDEEN&原田知世同じ。吉田美奈子、大滝詠一の別の曲を今作で取り上げているし、2曲連続原曲吉田美奈子になってしまうし、そもそも1度カバーしていたのに何故にこんなタイミングでまたカバーしたのか、しかも2度目も男女デュエット曲として同じパート割でカバーしたのかはかなり謎。

ギター侑音に加えてRhodesを堀秀彰が担当している以外は打ち込み。DEEN&原田知世でのC/Wでの別バージョン「夢で逢えたら afternoon cafe style」に近い昼下がりのカフェ感のあるカバー。DEEN&原田知世でのカバーがこれ以上なく原曲を尊重しつつ新たに仕上げた名カバーだったと思うので今作は全体に違和感というかどうしてもちょっと違う感が出てしまっているのは否めない。後追いとかDEEN&原田知世を聞いていなければ普通に聞けるとは思うんだけど、原田知世の声が聴き心地が良かっただけにミズノマリも悪くはないんだけどあの雰囲気の良さには及ばないし、やっぱりどうして男女デュオ編成でパート割も全く変えずにカバーし直さなきゃいけなかったんだろうとは思ってしまう。そもそも今作だけ明らかに仕上がりがシ テ ィ ポ ッ プ で は な い 。paris matchとの親交は深いし、今後の共演可能性も高いのでparis matchとの音源を作っておきたかったのかなぁ…。DEEN&原田知世がビーイング管轄で未配信のため、配信市場では事実上DEENがカバーした「夢で逢えたら」はこの音源のみという事になってしまうのもそれを狙ってのカバーなのかと思ってしまうところはある。

結局『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』の『DEEN The Best Covers』に選曲されたのはDEEN&原田知世バージョン(配信ではカット、さすがにリクエスト参考選曲となっていたのでこっちのバージョンに勝手に差し替えたりはしなかった)であった。ライブでは2023年の『DEEN THE BEST DX ~KYOTO & ROPPONGI~』の最終日(六本木)にparis matchがゲスト出演して最新共演曲「ふたりだけのダンスフロア」と一緒に今作も演奏したらしい。
★★★☆☆

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