EX-HR99降臨

昨日のイヤホンは10ヶ月遅れの購入記録だったが、今回のは2020年3月リアルタイムである。

2017年に中古でEX-AR9を購入しておおよそ2年半中古CランクやはりCランクだったのかここに来てある症状に気づく。

左のスピーカーから不規則にAMラジオのノイズのような小さなジリジリ音が鳴っている。ある程度近づいて静かな状況だと気づくレベルでスピーカーの前に耳を近づけると確かに聞こえる。1度気づいたら気になってしょうがない。不規則に鳴り続けたり止んだりするから余計気になる。

とりあえずスピーカーかケーブルが原因かと考え色々試してみた。

もう1回繋ぎ直したり、ケーブルを逆にしてみる(+-ではなく向き)
→変わらず。接触不良ではない事が判明。

スピーカーケーブルを左スピーカーのものと入れ替えてみる
→変わらず。これによりケーブルには原因が無いと判明。

スピーカーも左右の区別が無いものなので左右入れ替えてみる
→変わらず左のみノイズ。左だったスピーカーを右に繋いでみたらノイズ鳴らないのでこれによりスピーカーにも原因が無いと判明。

スピーカーとケーブルを入れ替えても固定して左スピーカーにのみノイズが入る事が判明。

そしてボリュームの上げ下げには関係が無く、ボリュームを上げてもノイズの大きさは変わらないし、逆にボリュームゼロにしても鳴る。ボリューム回りではない事も判明。

さらに検証を進めると

CD/DVD再生モード
→鳴る

USBモード
→鳴る

ライン入力モード
→接続しているBlu-rayプレイヤーが起動していると鳴る

イヤホン挿し
→イヤホンではノイズは鳴らない

これにより本体を通してスピーカーから音を出そうとするとスピーカー左にノイズが入る事が判明。各モード切替や電源のON/OFF時にもボツッと音がするので本体内部に何らかの異常が発生している可能性が高い。つまり原因は本体内部にあるっぽい。これでは手が出せねぇ…(解体する気は全くない)。修理依頼しようにも手間と時間とそれなりの料金がかかる。

そしてここまで検証した後にもっと根本的な異常を今更発見した。よく見ると本体の左スピーカー行きケーブルを挿す付近の基盤がへこんでいて隅が少しめくれ上がるように歪んでしまっているではないか。この歪みによってこの付近(左スピーカーへの出力)に異常が発生しているのがノイズの原因なのではないか。いや待てよお前気づくの遅すぎないか

何故歪んでいるのか。近年続く異常な猛暑の影響で夏場に熱がこもりやすいこの位置が夏の熱さで歪んだのだろうか。それとも中古Cランクはこれが理由だったのか…?いつから歪んでいたのか…全く気づかなかったぜ…。最初からだとしたらますます気づくの遅すぎないか。ノイズが乗っているのに気づかずにいられた2年半って幸せな奴だったなおい

2017年時点でEX-AR9という既に6年も前の機種で既に販売も終わっていた機種を中古でまで頼ったのはCD再生可能でかつUSBでハイレゾのWAV,FLAC音源を読み込める機種が無かったからであった。直後にそれを満たすEX-S55が出ていたがやや格落ち感があり、2019年にCD再生可能でかつハイレゾのWAV,FLAC音源を読み込めるEX-AR3やAR9の直属の後継のような新機種EX-HR55、EX-HR99が発売されていたので、かなり気になっていた。AR3を使い続けていたらもう乗り換えていただろうが、AR9も同様の年数は使おうと思っていたので気になる程度に留めていた。しかし今回の不具合、そしてコロりまくりの世の中の暗さに気が滅入っていた中で今じゃね?乗り換えるチャンスじゃね?と。AR3を買った時もうつ状態でヤベェ時に何かを変えたくて買ったのでどうもそういう無駄なあがきで気分を無理やり変えようとする傾向があるらしい。

さらに上位機種のEX-HR10000もあったがそこまでは手が出ないし変わる気がしないので、ペイペイボーナス等の実質割引を駆使しまくってEX-HR99への乗り換えを決断。そろそろPCもカランコロンのデッドラインであった6年に達してきていて買い替えを検討する時期なので手痛い出費ではあったが、かすかに聞こえるジリジリ音を気にして神経をすり減らしながら購入を検討してモヤモヤする日々を送るのもなんだかなという事で思い切っていってみた。

EX-AR9がDVD-AUDIO再生機能を持つ最後の機種だったためこれによりDVD-AUDIOの再生は不可になる。所持している『ハートビート』DVD-AUDIO盤が再生不可能にはなるが、ハイレゾで購入した音源はDVD-AUDIO化せずにUSBに入れて直接再生できるようになるのでほとんど問題はない。

AR3,AR9からの変更点

時計機能削除

起床タイマーとして使っていたのは主に学生時代に使用していたDENON「D-ME33」とその前任のパナソニックの5チェンジャーのやつ(名称不明)だったのでAR3,AR9ではあっても使用していなかったが、時計機能消失により当然起床タイマーとしての機能も失われた

DVD-AUDIO、DVD-VIDEO再生機能消失

ビクターがDVD-AUDIOを先導していたメーカーの1つだったため、DVD-AUDIOが00年代前半で速攻で滅亡して以降もかなり粘っていたが2011年のEX-AR9を最後にDVD再生機能はビクターのコンポからも消失した。前述のようにDVD-AUDIO再生機能を延命させたいというのがAR9を中古ででも入手した理由だったが今となっては無駄な判断であった(買うならもう少し前の最後の新品投げ売り時に買っておき、買えなくなった時点で今回のHR99が出るまで待つべきだった)。

USB接続によるWAV、FLACの再生が可能に

AR9ではMP3、WMA、WAV、そして何故かJEPG画像が読み込めたが、WAVはCD相当までしか再生できずハイレゾのWAVは不可FLACに至ってはナニソレ?状態で使用不可

これが後継機種ではネットワークモデル(N70,N50というCD再生機能がないやつ)でしかWAV,FLACに対応せず、CD再生機種の後継であるHRシリーズのHR5,7,9,11では延々とMP3、WMA、AACの3音源しか対応しないというグレードダウンっぷりが続いていた。これが乗り換えを延々見送っていた最大の理由だった。EX-S55でCD再生機種でもWAV,FLACまで対応して初めてハイレゾ対応になって、今回のHR55,99,10000の15周年シリーズ3機種でもHRシリーズでは初めてMP3、WMAに加えてAACリストラ、FLAC、WAVが192kHzまで対応した(購入の決め手)。ただしネットワークモデルN70で対応していたDSD, Apple Losslessは対応せず。まあそんなん使わないから問題ない。そして人知れず闇に葬られたAACに合掌。

注意すべきUSBの容量限度は16GB程度

現在所持しているハイレゾ音源がミスチル除いて10作くらいで合計30GB前後。今後増えるのは坂道系アルバムのComplete Editionくらいなので64GBのUSBメモリを買っておけば当分1本で使いまわせると判断。しかし実際に入れてみると再生できるアルバムもあったが、いくつかのアルバムは途中で止まったり、フリーズしたりする。『LINDBERGⅢ』は行けるのに『Ⅳ』はダメだったり、欅坂は行けるのに乃木坂3rdがダメだったり。

説明書をよく見ると推奨は16GB。容量が多すぎるとどうも動作が安定しないようで。これは単に16GB以内に抑えればいいというわけではないようで、例えばダメだった『LINDBERGⅣ』1枚だけ残しても挙動は変わらず、容量自体が16GB以下のUSBじゃないとうまく動作しない可能性が高いようだ。

手持ちの他のUSBが4GBと8GBしか無かったので、8GBにLINDBERGの『Ⅲ』『Ⅳ』を入れてみたところ、64GBメモリではフリーズした『Ⅳ』が普通に再生できた。推奨範囲内であれば確かに安定して全部読めるらしい。とりあえず入れても動作したアルバムは64GBのメモリに残しておいて、16GBのUSBを2本買い足して残り20GBほどを分割して詰め込んだ(乃木坂2nd~4th組と欅坂・けやき坂組)。これら全て順調動作したので16GB以内であれば推奨通りに問題なく安定する模様。想定外にUSBが増えてしまったが、まあ元が小さいしな。

ていうか16GBまでしか推奨しないって説明書にしか書かないのズルくないか。

現ハイレゾ音源まとめ
・『REFLECTION {Naked}』
→オリジナルUSB

・『LINDBERGⅢ』『LINDBERGⅣ』『REBECCA-revive-』
→元々持ってたアイ・オー・データ8GBへ。

・『U-ya Asaoka FlyBlue Best 2018』『THE BOOM Singles Collection 1989~1996』
→サンディスク64GBでも動作したのでそのまま残す。

『それぞれの椅子(Special Edition)』『生まれてから初めて見た夢(Complete Edition)』『今が思い出になるまで(Complete Edition)』
→バッファロー16GBへ。

『真っ白なものは汚したくなる(Complete Edition)』『走り出す瞬間(Complete Edition)』
→エレコム16GBへ。

てことでこんな振り分けになった。

K2機能が1つに

ビクター恒例の高音質化K2テクノロジーだが、AR9まではモード1とモード2があり、1はCD、2は圧縮(MP3)で使用すると効果的とされていたが、K2機能は1つのみとなり区別がなくなった。これはHRシリーズ以降そうなっていた模様。AR9以前はハイレゾという言葉が無かったのでやたらビット数とか出して高音質化をアピールしていたがハイレゾという単語が浸透したため説明文がシンプルに「ハイレゾ相当」になってた。

BASS/TREBLE以外に重低音機能AHBが付属

個別に低音と高音を段階ごとに下げたり持ち上げたりできる機能に加えて重低音機能AHBのオンオフが加わっていた。これもK2機能が1つになったのと一緒でHRシリーズ以降そうなっていたらしい。

スピーカーの左右バランスも調整可能

これ使うの?という気はするが左右7段階に傾けることが可能らしい。

ラジオAMリストラ

Radiko普及以降、わざわざ電波が入りやすい位置にアンテナを配置してコンポでラジオを聞く事に何の意味も無くなったのでEX-AR3の途中から放置状態、AR9に至っては最早ラジオのアンテナ接続すら放棄していたが、今回AMが廃止されFMのみ(ワイドFM対応)になっていた。使わないけど。

Bluetooth接続機能追加

過去のHRシリーズにも無かった新機能。過去のHRシリーズではネットワークモデルでもipod,iPhoneと接続できるのみで、EX-S55でようやく対応になったBluetooth機能がこちらにも引き継がれた(S55同様にipod,iPhoneとの接続機能は削除)。Ver. 4.2でA2DP、AVRCP/SBC、AAC、aptX(SCMS-T 方式)に対応と書いてあるが何が何だかさっぱり分からん。とりあえずウォークマンNW-A57との接続を試みたらあっさり繋がって音も出たので問題ない。HDまではいかないがaptX対応は割といい方らしく、マランツやDENONのコンポではSBCまでしかなかったりする。

本機ケーブル接続の配置が縦並びから横並びに

AR3,AR9では本体のケーブル接続が縦並びだったが、今回は横並びになっていたのでいつものクセで繋いでいたら左右メチャクチャに接続するところだった。

USB接続部の配置が変わり、ついにアイツが!

デザイン的にHRシリーズ以降、N70やS55でも可能だったと思われるが、AR3、AR9ではUSBが蓋を開けた少し引っ込んだところにあったため、2015年に発売されたアイツを挿すことができずMP3ですら直接再生できなかった。前述のようにハイレゾ対応したN70、S55であれば既に直接フルで再生できたと思われるが、個人的には発売からもうすぐ5年ついにアイツを直接再生するという悲願が叶う事となる。

2015年発売のアイツ

そうMr.Children『REFLECTION {Naked}』USBである。当時その斬新な△デザインからこの△のせいで引っかかってデスクトップ系のPC中心に挿せない事案が多発したあの悪名高いアイツである。当時とりあえず普通のUSBに中身をコピーしてAR3に挿すもハイレゾWAV非対応でMP3しか再生できず、結局DVD-AUDIO化する事でディスクの形でハイレゾを再生する手段を取っていたため、ついに在るべき場所に在るべき形で収まりハイレゾ音源を直接再生させることができるようになった。5年越し。

音はけっこう変わってより分離がはっきりして深みが増したように聞こえる。なんだかんだAR9からHR99まで9年も間があるのでその間の進化は当然AR3とAR9よりも格段にあったようだ。

重低音機能AHBは最初からデフォでONになっていて、個人的にK2機能以外はオールフラットな方がいいような気も最初したけど(ウォークマンでもイコライザはいじらない派)、OFFだとややスカって聞こえる。ONで深みが増すのでこれはONのままの方がいいかもしれない。AR3,AR9に比べると低音がやや減退して全体に綺麗な音を鳴らすようになった印象でもある。

というわけでEX-HR99降臨である。今度は最長で使いたい。壊れるなよ。フリじゃないぞ。

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