コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON 全10話

08年(1st)、09年(SP)、10年(2nd9)に続く7年ぶりの続編(3期)。主要キャストは続投しつつ、田所部長(児玉清)は児玉清が亡くなっているのでいなくなっているのは当然ながら存在は示唆されていた。しかし森本医師を演じていた勝村政信も何故かいなくなっている。児玉・勝村の2人が抜け、開始時点で藍沢(山下智久)・緋山(戸田恵梨香)も救命にいない。新たなフェロー3名、看護師1名が追加されているが、この新たなフェロー3名がポンコツ以下で主人公4人たちの新人時代(1期初期)とはまるで比較にならないくらい使い物にならない、このため救命の現場は人手不足が深刻という設定で物語がスタート。

1話

別の病院で産婦人科医になっていた緋山(戸田恵梨香)は救命に呼び戻された。その登場はなんとタンクトップ姿で救急車に同乗してくるというもので、住んでいたところが火事になり、本人は無事だったが重病人を救命しながら来るというものだった。代わりに三井(りょう)が何らかの事情で休職するという。白石(新垣結衣)がフライトスタッフのリーダーとなり、橘(椎名桔平)は部長になっていた。前作までの部長だった田所が亡くなったのか引退したのか、森本についても特に触れられず。

藍沢(山下智久)は西条(杉本哲太)の元で脳外科医として働いていて、新キャラライバルの新海(安藤政信)とどっちかがトロントの病院へ派遣されるという状況で、救命へ戻るように言われても断っていた。しかし必要とあらば常に駆けつけてくるという存在。

三井が休職するのは心臓移植を待つ橘(元夫)との息子が厳しい状態だという事、マジでヤバい新人たちとかつての仲間たちの窮状を目の当たりにして教育係として藍沢が救命へ復帰(外科の黒い服からおなじみの青服へチェンジ)、前作で恋人が死んだ冴島(比嘉愛未)は好意を寄せていた藤川と見事にゴールインしてて妊娠が発覚する、初日から自宅火事で焼失につきホームレスと化して病院に泊まり込んだ緋山は結局白石の家に居候決定…と話が動きつつ1話は終了。

冒頭から人手不足と新人として起用している名取(有岡大貴)、灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)が戦力にならないのを強調。冒頭から基礎すらできないような描写やスマホいじり、極度なアワアワ、もたつき、ヘラヘラなど緩い態度が目立ち、メインとなった祭りの大惨事事故でも全く使えないっぷりが強調されていた新人3名。さすがに事態が収束する頃には3人ともそれなりに真剣な表情で患者を診ているカットも出てきたとはいえ、いくらなんでも使えなさ強調しすぎ…
しかしよく考えるとこのドラマほぼ立て続けに2期まで作られ7年も経過していたように、フェロー卒業までを2期にわたって描いてストーリーとしては完結している。フェローとしての成長は描き切り、続編を作るならもう主人公格の成長や未熟さばかり出すわけにはいかず、主人公格はそれなりに頼れる存在になっていないといけない。

ここまで親や祖母などが出てきた程度でほとんどプライベートが描かれなかった主人公格が結婚して家庭問題を抱えるとかで苦悩させる方向もあるが、別のドラマになってしまう。そうなるとやっぱりかつての自分たちと同じ立場の新人を育てるという展開になるが、藍沢級の有能なフェローなんて出しても話が作れないし、1番お調子者でドジも多かった藤川(浅利陽介)くらいの新人でも普通に仕事が出来るならSP1本程度が限界で連ドラにはできそうにない。何より新人3名がそれくらい使えてしまうと人手不足を強調できなくなる。

そうなると基礎もできないやる気もない超使えない新人、それによる人手不足という枷を設定しないと結局このドラマでこれ以上の続編は作れないってことなんだろうなぁ…。逆にもう実在しないんじゃないかっていうくらいのいわゆるテンプレイメージのゆとりキャラにしておけば厳しくしたらふてくされる、逃げるとかやりやすいし、厳しくしすぎてやめられたらどうするんだ!とかなんとか対応に苦慮したり衝突する主人公勢…という形でも話を引っ張れる。しかし苦しい続編になりそう…。

2話

藍沢(山下智久)は横峯(新木優子)、白石(新垣結衣)は灰谷(成田凌)…という体制で指導するようになり、アワアワな灰谷に対してあくまで優しく辛抱強く指導する白石と、横峯に限らず誰にでも突き放すように冷たく指導する藍沢は方針が正反対で衝突。藍沢の冷たい態度には、待望の復帰みたいな扱いだったのに救命の空気が悪くなったと藤川(浅利陽介)もぼやく状況に。

横峯に辞められたらどうするんだと心配する白石だったが、意外と横峯は根性があり、自主練も欠かさず努力を続ける。患者を練習台扱いする藍沢の態度には酷いと号泣する一幕もあったが、親子3人の海難事故の際は藍沢と共に出動。突き放す指導方針の藍沢はいきなり全ての判断を横峯に丸投げして静観を決め込むドSっぷりを見せ、横峯は窮地に追い込まれる。が、土壇場で心折れる事無く、的確な判断を下していき、搬送中の患者のピンチも日ごろの練習の甲斐と藍沢から託された白石の電話助言もあって乗り切るなど著しい成長を見せた。藍沢は藍沢で救急車の中でスーパーオペを決行し、主人公の活躍も忘れないように描きつつ今回は3人とも生還。

藍沢に褒めてもらった横峯は喜びを噛みしめるという1話の新人描写が散々だっただけに成長を感じさせる流れに。逆に灰谷の方がヘリの酔い止めの方法を間違えて手のツボを押し続けた結果腱鞘炎になりリアルに使い物にならなくなるというヘタレっぷりを披露。こいつを藍沢が指導していたらマジでポッキリ心折れていたのでは…。横峯はメンタル弱そうに見えてかなり根性があるタイプのようで、結果的に藍沢が横峯、白石が灰谷というのは適任だった、というお話。

もう1人の新人である名取(有岡大貴)は2人と違い新人らしいアワアワした態度を見せていなかったが、今回も緋山(戸田恵梨香)と共に妊娠した17歳の少女とその父親を巡る産むか産まないかの問題に関わっただけだったので危機的状況ではなく、終始冷めた態度を貫いていた。むしろ初回はキツい言動が目立った緋山が産婦人科らしい優しい態度や言葉、笑顔を連発していたのが印象的。

冴島(比嘉愛未)は今が仕事が楽しい時期なので産むかどうか迷っており、藤川が勝手に知ってしまい、勝手に白石緋山藍沢にバラしたので怒っている模様。緋山が少女の父親に言っていた言葉をそのまま受け止めていたもののもう少し迷いそう。

もう1人の新人で看護師の雪村(馬場ふみか)はどうにも影が薄いままだったが、自分はフェロー達と違って冴島並に使える存在だと藍沢に強気な主張をするシーンで今回存在感を見せた。上司の冴島との絡みが全く無いままだがそのうちそういう回がありそう。

西条(杉本哲太)が早速出てこなかったのに加えて、ヘリの操縦士であるはずの梶(寺島進)も今回未登場。公式サイトのキャスト表には載っているが今回出てないので2話のクレジットからも外れていた。西条はそもそも脳外科の方の人なのでそっち方面の描写が無い限り出てこないのはいいとして、梶は1話でも藍沢がヘリに乗った際に久々だな!と顔を出した以外に出番が無く、今回も何度もヘリが飛んだにも関わらず一切出てこなかった。何気にこれまでヘリが飛ぶシーンでは毎回のように出ていた記憶があるんだけどこんなに出てこないキャラだったっけ?何も言及されないままいなくなっている勝村政信と違って、寺島進は一応顔見せだけして存在を匂わせたものの、今回はほとんど撮影に参加してないのだろうか。

運航管理のオペレーターの人(確か森本(勝村政信)と結婚したはず)みたいにしれっと別人に交換してしまうパターン、勝村政信のように全く触れられずにいなくなってるパターン、続投は明示しながらも何故か出てこないパターン、今作から見た人には誰の事なのかさっぱり分からないのに1話でも2話でも名前だけ出しまくるパターン(黒田(柳葉敏郎))…と扱いもそれぞれだなぁ…。

3話

予告では白石(新垣結衣)、灰谷(成田凌)、冴島(比嘉愛未)がヘリで患者を運んでいる最中に患者が嘔吐し、それを浴びた冴島が昏倒し、他2人も体調不良に陥るという原因不明の汚染話がメインで扱われていたが”命とその人が命よりも大事だと思っているもの。どちらかを選ばなければならないときどうすべきなのか?“をテーマにした話。

この患者は自殺を図りシアンを摂取したが死にきれずに嘔吐したので割と早く回復。それを浴びた冴島の方が重症になってしまい意識不明になってしまった。白石、灰谷は直接触れていないのでしばらくして回復。しかしこの自殺男、自身が全てをかけていた研究のコンペで敗北し人生に絶望しており、妻の励ましも全く効かない。動けるようになるとすぐに飛び降りキメてしまい、またしても大手術になってしまう。死にたがっている割に意識とは別の体そのものの生命力は強いらしく、今回も生き延びた。

対して冒頭で運ばれた渓流で滑落した料理人の男は、料理人の要である手に麻痺が残ってしまう事に。しかしこちらはかなり陽気で前向きな男で起きた事は仕方がない!とひたすら前向き。

前回から登場した藍沢(山下智久)が脳外科で見ていた天才ピアノ少女は手術を受けないと命が危険な段階ながらピアノが弾けなくなるのを恐れて結局手術を保留。

と、色々な人々を見た藍沢が冒頭の問いに答えを見いだせないままに終了。以前から藍沢はクールだったけど、20代前半の若さで引っ張っていた無敵のカッコよさから30代の落ち着きを得て、無表情、無感情、棒読みなだけの人にじわじわ近づいてきちゃっている感じもしてきた。

あと今回はヘリが汚染されたので白石がパイロットに汚染された可能性があると告げて窓を開けさせた際にパイロットがちゃんと登場するも寺島進ではなく、全く別の人だった。そういえば息子は出てくるのに三井(りょう)も出てこなくなったがこちらは次回出番がちゃんとある模様。主演級以外のレギュラー陣はけっこう出番削ってるなぁ…。

4話

大きな事件は起こらずに笑顔をキーワードにして複数のエピソードを描いた回。

復帰した冴島(比嘉愛未)は藤川(浅利陽介)のプロポーズを受けて徐々に仕事をセーブしていくようでヘリには乗らずに後輩の雪村(馬場ふみか)にその座を譲る事に。初回からやたら自分は使える奴アピールをしていて冷たくガツガツしていた雪村は現場でも患者の少年の母親がパニックになるのを無視して邪魔そうにしているだけだったり(しょうがないのであまり喋らない藍沢(山下智久)が状況を説明して安心させた)、回復した少年に窓から花火が見えるようにベッドを移動させようとする冴島にそこまでしていたらキリが無いなどとのたまう始末。クールすぎて笑顔の無い雪村に冴島が優しくフライトナースの役割を説く。言うてドラマ初期の頃は冴島もかなり不愛想な人だったが丸くなったなぁ…。

その患者の少年は首にバーベキューの串が刺さるという何をどうしたらそうなるのか良く分からない大怪我で、最終的には助かるも藍沢と新海(安藤政信)、そして主演陣が揃いも揃ってサポートするという最強編成でのオペとなった。

同時進行で橘(椎名桔平)と三井(りょう)の息子に異変が起きてこのドサクサで新医師の井上(滝藤賢一)が登場。何とか助かったと思ったら、今度は同じ心臓の病気で年も近い友人が危篤になり、こちらは橘とレギュラー陣の懸命の処置も及ばず死亡。息子は動揺するがこういう時こそ笑顔が大事だと橘が言い、デフォが悲痛な人相になっていた三井が決死の笑顔を見せて息子を励ます。

序盤で三井が橘に息子のところにもっと行ってくれ!と怒っていたが、ドラマ上では橘はほとんど現場に出てきてなくて息子関連のシーンばかりに登場している状態なので視聴者としてはいつも時間を見つけては息子のところにいる、あとは部長としておろそかにしない程度に仕事している…という認識で見ている。これは少し変な感じがした。先週なんか橘が息子のところに行くシーンはあったけど三井は全く登場してなかったし…。

バーベキュー少年、息子の友人少年、息子…と何故か3人も少年が出てきたのでなんだかゴチャゴチャしてしまったが、予告等で息子とバーベキュー少年が二軸のように扱われていて、バーベキュー少年の方は最強編成でのオペという派手なカードを切ったものの雪村のためのエピソードに終結してしまい、息子の方には繋がっていかなかった。さらにもう1人死ぬ少年まで出てくるなんて同じ回でそんな少年を重ね掛けしなくても…

藍沢はいよいよ危機に陥っているピアノ少女に手術を受けるように微笑を浮かべて大丈夫だと励ます。新海に危険な手術なのにそんな安直な事を…と咎められるが、それでも責任は負うから生きてほしかったんだとちょっとらしくない事を言い出す藍沢。

緋山(戸田恵梨香)は在籍していた産婦人科医としての仕事で後釜も入って居場所が失われたことからグロッキーな精神状態に。先週登場して手足に麻痺が残り、料理人としての道を絶たれてしまった緒方(丸山智己)が継続して登場し、店を追われながらも先週と変わらぬ前向きさで緋山を励まし、ここでも笑顔の重要性が。ちょっとその気になった緋山だったが、緒方には普通に妻がいた!と突如恋愛展開ぶっこんできて次回へ続く。

前クールと違い、ゲストにはあまり知られていない俳優を起用している中で、連ドラレギュラー級で有名な丸山智己だったが案の定セミレギュラー入りする模様。急にここに恋愛話持ってくるとは思わなかったけど、主人公藍沢、現場のトップになった白石(新垣結衣)、カップルになった藤川・冴島に比べて緋山はキャラ的にやることがあまり無いのでこうなるのか…?2ndではその前のSPで負った怪我の後遺症、ようやく解決したと思ったら今度は理不尽な訴訟問題とかいろいろあってフェロー認定されない結末だったが、今回それらの影響も全く無くなっているようだし。

5話

名取(有岡大貴)が現場で診断し、別の病院へ搬送させた患者が急変して救命に運ばれてきた。名取の診断ミスで、名取は動揺するも強がって言い訳を繰り返す。なんとか患者は助かったもののその患者はレスキューの人でレスキューしそこねて意識不明のままの若者を気にし続ける。その様子と言葉を聞いた名取は自らのミスを認めて謝罪する。

名取のやる気の無い態度が少しだけ改善されるのがメインの展開かと思いきや、予告ではちょろっと触れられていた冴島(比嘉愛未)が突如倒れるというのが大騒動に。なんとそのまま緋山(戸田恵梨香)の尽力でもどうにもできず流産。藤川(浅利陽介)がなんで冴島ばかり、好きなやつに死なれたり(前シーズン)、子供に死なれたり、あんまりだ!と言うほどにあんまりな衝撃展開に。

さすがに主演級5人のうちの1人である冴島に流産展開では全体のトーンも激重。今シーズンでポッと出の名取がウダウダしているのなどどうでもよくなるような勢いで、なんとか合間合間にほっこりするようなシーンも入れてきていたものの、藤川と冴島が供養に向かうラストシーンも気分が沈むばかり。

緋山の丸山智己への突如の恋心展開は冒頭では友人の話として相談を受けた白石(新垣結衣)が不倫!?と叫んで不倫ダメを叫ぶギャグ展開とされたが、丸山智己は今回の負傷によりあっさり離婚。さすがに『コード・ブルー』でゲス不倫なんてやるほどフジテレビも落ちぶれていなかったのには安心突如コロッと恋に落ちてしまうくらいしか見せ場を与えられない緋山の立ち位置がどうもなぁ…。

藍沢(山下智久)はやや影が薄めだったがラストでは緊急手術したピアノ少女の手に麻痺が残った事が発覚するという救いの無さすぎる展開でただでさえ冴島流産で暗かったストーリーがさらにダークに…。

あと前回で冴島にアドバイスされて少し考えを改めた様子の雪村(馬場ふみか)だったが、考えを少し改めた事でこれまで虚勢を張っていた糸が切れたのかなんなのか、冴島が倒れた様子を見ると異様に動揺して半泣きで震えおののくという過剰な反応を示していたのは何だったんだろうか。

6話

冷凍庫内での荷崩れ事故が発生。現場で治療に当たる藍沢(山下智久)、藤川(浅利陽介)、雪村(馬場ふみか)。藤川がいったん戻り、灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)と交代したが落雷による停電が発生。冷凍庫に2人と割と元気な患者が取り残されてしまう。元気な患者は問題なかったが、倉庫の奥に死にかけの患者がいたことが発覚し、復旧を待っては間に合わないので2人が麻酔無しで止血のための手術を施さなくてはいけなくなってしまう。

相変わらずビビりな灰谷が頼りないので仕方なく横峯が切開するが患者は意識があり激痛の悲鳴を上げる。患者はやめてくれぇぇぇ!と泣き叫び、まるで拷問しているかのような見ている方まで痛くなってくるような月9史上でもなかなか最凶レベル。患者自らが止めてくれと懇願する状況に横峯は出来ないと断念。灰谷はひたすら気配を消す始末だったが、藍沢の言葉で自信を奮い立たせた灰谷が成長を見せ、ビビり気質なところが患者と波長が合った事もあって無事に救う事ができた。

また冴島(比嘉愛未)が早くも復帰。雪村が慣れない状況で悪戦苦闘する中、颯爽と現れて圧倒的な補佐能力で藍沢をサポートする姿に雪村は圧倒される。雪村、柔らかい雰囲気にキャラ変したと思ったらなんか一気に自信喪失しちゃった感じもしなくないが…。ていうか先週のあんまりな展開からの冴島あっさり復帰。夫婦揃って引きずっている様子皆無っていう繋がりの無さが凄い。

今期立ち位置的にやる事があまり無い緋山(戸田恵梨香)は今回は17歳の高校生の脳死判定に関わる事に。前シリーズで母親への感情移入から脳死判定の際の同意の手続きを誤り、後からやってきた事情を知らない親族に裁判起こされるという大騒動を味わった緋山はその件にも触れて、丁寧な書類仕事を淡々とこなしながらも厳かな雰囲気を醸し出し、何も感じない無感情な名取(有岡大貴)との凸凹っぷりを鮮明にさせるといった寸法。先週まで出ていた丸山智己がさっぱり出てこなかったので緋山の恋心展開も中断されてしまい、これまた繋がりが無い。

名取は名取で緋山をうらやましいといい無感情な自分に悩んでいるらしい事は判明したが、名取はどういう方向に着地させるんだろうか。既に横峯・灰谷のコンビが定着しつつある中で当初から一匹狼タイプだった名取の立ち位置はどんどん離れていってるような……。医師としての腕は横峯の以前の発言から横峯・灰谷よりは上のようだが、成長して患者を救う事が出来た2人と違って、前回診断ミスったのがクローズアップされただけだし。

臓器摘出シーンはかなりの時間を割いて行われ、その異様な雰囲気を存分に映し出し、さらに橘(椎名桔平)の息子に心臓が提供されるかもしれない!?と煽っておいて2位だったことが発覚し今回は別の患者へ心臓が運ばれて行ってしまったという相変わらず無情なストーリー展開に。息子のドナーが見つかるかもしれないという一幕だったのに出ていたのは橘だけで三井(りょう)は出てこなかった。

また手の震えが残ってしまいリハビリでも治らないというピアノ少女に対して藍沢もまた苦悩。自分たちはもう成長ではなく結果を期待されるという今回は全体を見渡す役割だった白石(新垣結衣)のナレーションが入り、次回へ続く。なんか冒頭数分だけ異様にコミカルで明るいやり取りをやって、以降激重・激鬱展開っていうのが今シリーズのパターンになってきたな。

7話

80代のばあさんを助けようとしたこれから結婚式の若い夫婦が一緒に踏切事故に巻き込まれ、白石(新垣結衣)、灰谷(成田凌)、雪村(馬場ふみか)を乗せてヘリが出動。着陸ポイントがまだ確保できていないのでしばらく待機するというパイロットの報告に灰谷が急いでもらえないかと急かしてしまうが、パイロットへの指示は禁止事項だった。白石は咎めるが、直後パイロットは着陸を試みて木に引っかかって機体は大きく傾き…。

予告スポットで大々的にやっていたヘリ墜落!?だったが、描写は機内がガクン!としただけ。着陸に失敗したという病院側の視点に変わってしまい、やがて白石に連絡がついて全員無事で患者の救助に当たっているがヘリは飛べないとだけ連絡が入る。なんと着陸に失敗したというヘリの状態はバックでちょっと映っているだけで終わり(見た目いつもと変わらず失敗したように見えない)。白石が足を引きずり、灰谷と雪村が顔を少し切って流血しているという形で事故の状況を表現。けっこうな省エネっぷりで驚いた。その後はヘリの運用2週間停止処分により現場に放置された(帰りには使えない)と思われるヘリが登場することは無かったが、ラストシーンになっていつもの場所で整備されているヘリが再び映し出され、そんなに大掛かりな修理に至らずに直った事が明かされた。

事故現場では男性が既に助からない状況になっていて白石は速攻で判断してばあさんを助けに向かうが、割り切れない灰谷には迷いが。しかもちょうど見える位置に重傷だが意識のハッキリしている婚約者の女性の乗った救急車があるという「T」の字状態だったため、女性による男性を助けてくれ!という悲痛な叫びがダイレクト&エンドレスで突き刺さる状態に。灰谷は助からない男性の救命に乗り出し、手の回らない白石がリモートで藍沢(山下智久)に託し、藍沢が画面越しに診断して改めて手遅れであることを伝えてあきらめさせる。エンドレスな助けての叫びを背に…。

これだけでも灰谷の心の傷は深かったが、事故の査問委員会ではパイロットは灰谷のせいにせずに謝罪。たまらず灰谷が自分のせいだと告げるも、監督責任という形で白石が謝る形になり、最終的にパイロットと補佐の2名が飛ばされ、灰谷は何の処分も受けない状況となり、逆に余計苦悩が深まってしまった。

ヘリの方はともかくとして男性が助からなかったのはヘリとは無関係でそれほど手遅れだったわけだけど、それすら背負い込んでしまった灰谷。白石は気にかけていたが、何故かどうしたらいいかを藍沢に聞いてしまう始末で、攻めも慰めもしない放置。むしろ灰谷ビジョンでは白石かなり冷たく見えてたんじゃないかくらいの勢い。

白石は藍沢には自分のせいじゃないのにヘリの事故も助けられなかったのも自分のせいだと思い込んでしまっている…とか語っていたが、そこまで分かっているならそれそのまま言えば良かったのでは…。藍沢の答えは放っておけだったが、結局、倉庫で沈んでいる灰谷を発見した横峯(新木優子)、馬場がコンビで灰谷の良さをアピールして励ます(冒頭のギャグパートで横峯がドラマ『救命病棟24時』を見て医者になろうと思ったと語り、休憩室でドラマを見ながら台詞を完コピしていた、この場で馬場に看護師になった理由を聞いたら酷い家庭環境だったので1人で生きていくためであり、純粋に人を救うために医者になった灰谷は凄い的な励まし)まで誰も何も灰谷に告げないという灰谷的に生き地獄の状態が続いてしまった。

さらに灰谷は白石の名前で大量の睡眠薬を入手していたことが、橘(椎名桔平)のチェックで発覚。心配していたところ、重傷を負った灰谷が運ばれてきて次回へ続く。これは…灰谷の落ち込みやすい性格を考えれば放置しすぎた…としか。

もう1つ予告で引っ張っていたピアノ少女の手術の日に明かされていない何かがあった!?という話は、藍沢と新海(安藤政信)による手術中に緊急オペが入り、藍沢は途中までを新海に託して場を離れた。しかし思ったより時間がかかったので、戻って来た時には新海が手術を終えてしまっていたというものだった。要するに藍沢が執刀すると約束したのに肝心な部分を全部新海がやってしまった、という事で自分が執刀する約束を破ったというのが藍沢の抱えていた苦悩だった。これは微妙な…。自分でも無理だったし、新海だったからここまでやれたみたいにフォローは入れていたが、当初自分でこのことを告げると言っていた新海がまだ言えてないとか言い出したのも含めて新海の腕が悪かったみたいな感じになりかねないし、少女としても藍沢が大丈夫だというから藍沢に任せたのに藍沢オペしてませんでした…とか言われたら…。どうすんだこれ。

冴島(比嘉愛未)と藤川(浅利陽介)はやや空気だったが、冴島がもし似たような状況(ばあさんが踏切で立ち往生してたら)になったら、自分を1人にしないでほしいと訴える。前回、物凄く普通に復帰して何事も無かったかのようだったので、ここで前シリーズまでとのつながり(恋人が途中で死んでいる)を出してきた感じ。

緋山(戸田恵梨香)は相変わらずあまり役割が無く、今回は事故で助かった女性に死んだ男性の検視報告を伝えなきゃならないという重いポジションに。ていうかいつの間にか救命の書類仕事担当みたいになってないか。人手が足りないってそっちの人手だったの?

女性の悲しみが深く、伝えられる状態じゃないので思い悩んでいたが、助けようとしたばあさんが危篤になる→藍沢が新海を呼び出して救おうとする→新海が80代だし、可能性が10%も無いくらい低い手術をするのはどうかと渋る→死んだ男性と横で寝ている女性が命をかけて助けたばあさんだから助けたいと藍沢が強く語る、という熱いやり取りがあったので話がしやすくなり、さらに男性は女性もかばおうとしていた形跡があった事から女性も生きる希望を取り戻せてうまく行った。

また再登場した丸山智己は緋山と仲良くしていたが退院していった。何故かいつの間にか2人の仲を名取(有岡大貴)が嫉妬しているかのような謎の三角関係描写も…。

今回の事故でパイロットが飛ばされてしまったが、パイロットをしていたのは今シリーズで登場し、2話以降を担当していた新しい人だった。ヘリの事故という今回のストーリーで梶(寺島進)が灰谷の言葉で判断を焦るなんて事になるのは梶のこれまでのキャラクターから無理があったと思うので(白石も黒田(柳葉敏郎)と田所(故・児玉清)が始めてずっと無事故だったのに…とたった1度のミスで世間に叩かれる…と嘆いていた)、このために新しいパイロットとしては若手っぽい新キャストにしておいたのかもしれない。しかしこれでベテランの梶(寺島進)が復帰するのだろうか。一応公式のキャスト表に寺島進の名前はあるが、1話の1シーン(藍沢が久々にヘリの乗ったのを懐かしむカット)しか出てないんだよな…。

8話

前回ラストで白石(新垣結衣)の名前で睡眠薬を過剰入手して駅のホームから転落して運び込まれた灰谷(成田凌)。しかし今回は既に退院して元気に復帰していた。熱心に仕事に打ち込む姿に自殺か否かを聞けずに悩む白石。藍沢(山下智久)や緋山(戸田恵梨香)はここでグダグダ心配してもしょうがないと言う。基本的に2人とも放っておけ主義なので、白石はもっと親身になるべきだと主張。しかし今シリーズの白石、フェローを気にかけているのは確かだが、同僚相手にその思いを全部話してそれで話した気になっちゃっているので、フェロー本人とほとんど話をしていないっていう…。

空港で吐血した謎の患者が海外から帰国していたため感染症の疑いが。現場での処置の際に患者が突如手を振り払ったため、名取(有岡大貴)が刺していた針が吹っ飛ばされ緋山の指にザックリ。男性は運ばれたのちに亡くなり、緋山も感染症疑いで隔離されてしまう。

・現場で列車の屋根から地上へ転落してしばらく誰も気づかずに死にかける(SP)

・その後遺症の不整脈に苦しみ、症状を抑えるための冷えたミネラルウォーター常備(2nd season)

・治療跡を隠すためタートルネック常備(2nd season)。

・手術により後遺症から回復するも今度は脳死判定を巡って温情を優先した結果、事情を知らぬ親戚により裁判沙汰で謹慎(2nd season)。

・大怪我&裁判沙汰による謹慎で勤務日数が大幅に削られ、ただ1人フェロー課程を卒業できずに終わる(2nd season)。

・住んでたマンションが火事になりホームレス(白石のマンションに居候)(3rd season)。

・三井(りょう)の頼みを断れずにやりたかった産婦人科医としてのキャリアアップを停止して救命にやってくる(3rd season)。

・産婦人科で書いていた論文を教授にパクられて発表される(3rd season)。

・さらに後任が陣取り、産婦人科に帰るポジションを失う(3rd season)。

・患者の丸山智己に好意を抱いた直後、奥さんの存在発覚(即離婚で解決)(3rd season)。

・不運な事故により感染症疑いで隔離される←New

SPで死にかけて以降、どんだけ不幸体質なの緋山。特に3rd seasonは初登場から火事に巻き込まれて家を失うなどそれだけで十分なのにさらに不幸が加速しているように思えるが、これらを除いてしまうと緋山の出番がほとんど無くなってしまうわけで、相次ぐ不幸エピソードに巻き込まれる事で3rd seasonにおける存在を保っているという…。

この間に丸山智己との関係を深め、さらに結果的には何ともなかった事が判明。名取は号泣して安堵するという唐突すぎるキャラ崩壊っぷりだったが(たぶん一応無感情だった名取の「成長」)、今回全体に人同士の繋がりや仲間意識を打ち出した内容でここまでの悲劇や試練の連発から、最終回前の一息みたいな回だった。

灰谷が気にかけていたが異常が見つからずとりあえず入院させていた(周囲はサボりだと思っていた)、リトル灰谷みたいな少年は突如重体に陥り、横峯(新木優子)の提案、名取の処置で時間を稼いで藍沢達に引き継ぐことで救う事に成功。藍沢が3人揃って褒めて救命はチームである事を伝えると滅多に褒めない藍沢の言葉に3人とも嬉しそう。そしてやっぱりこういう局面でフェロー相手に特に何もしないどころか会話すらしてない白石っていう…。やはりこの後で藍沢相手に藍沢の方がリーダーに向いていたとかなんとかグチグチ…。

結果、藍沢も緋山も放っておけと言いながらもそれぞれフェローに対してちゃんと褒めたり安心させる言葉をしっかり与えていたのに対して、白石はろくに会話もしていない。これは確かにリーダーとしては…。最終回までに白石の態度は改善されるんだろうか。

なお感染症疑いが晴れたはいいが、なんと死亡した男性の検査結果も全部疑いなし。じゃあなんだったの?と思ったらたぶん毒蛇に噛まれたんじゃないかと雪村(馬場ふみか)、冴島(比嘉愛未)、藤川(浅利陽介)らが会話していてあっさり片づけられた。

9話

3人同時に運ばれてきた急患をチーム全員の迅速な動きで救う事ができ(しかし後に1人急変死亡)、フェローの成長、チームのまとまりを感じる白石(新垣結衣)と橘(椎名桔平)。しかしそれは幻想だった…。

前回立ち直ったかに見えた灰谷(成田凌)だったが、何かやらかした事だけが「ヘッドセット」というキーワードと共に冴島(比嘉愛未)、藤川(浅利陽介)が何か知っている事をほのめかしながらも謎のまま。あれ?なんか見逃したっけ?編集ミス?と不安になったまま詳細不明の灰谷ヘッドセット事件は放置されていたが、その後藤川が白石に報告する形で判明。フライトの際にヘッドセットから現場の消防への連絡をする際にガタガタ震えてしまい動けなくなってしまったという、以前の着陸失敗事故の時の後遺症だという。いやさっさと報告しろよ…。白石との面談の末、ひとまず灰谷はヘリ業務から外されることに。しかし白石、ラストでの大事故の際は普通に灰谷に出動を命じてしまい、橘にたしなめられてから灰谷を外すというやっぱり相変わらずな行動。

緋山(戸田恵梨香)には周産期母子医療センターへの復帰依頼が直々に届く。しかも医局という待遇で迎えてくれるという。上司が出世してセンター長になった事で緋山を評価していたその人が待遇を用意してくれたようで、不幸続きだった緋山にも光明が…。

しかし良く考えたら緋山は序盤の頃に書いていた論文を教授に奪われたと嘆いていた。この教授=高待遇を用意した出世した人なのだとしたらタイミング的に緋山から奪った論文が評価されたのが出世に影響しているわけで、緋山への高待遇は罪滅ぼし的なアレで高待遇用意するからチャラね!テヘペロ!ってやつなんじゃ…。

橘の息子はついにドナーが見つかり、出番のなかった三井(りょう)も再登場したが、息子突如拒否。1時間の間に返事をしなくてはいけないので説得タイムとなったが息子は受けないとしか言わず。再説得の際に医師としての橘を尊敬していたが病気になってから子供の重傷のニュースや脳死のニュースを新聞で追っている、変わってしまった、そんな父は見たくない…という面倒なものだった。

橘は何も言えず苦悩して残り10分となってしまったが、緋山が前シーズンでの裁判沙汰の際に励ましてくれたのを返す形で悩みを吹っ切ってくれたおかげで、息子の許諾を取らずに移植を受けると宣言。運ばれていくヘリの中でとにかく生きていてほしいんだ!と熱弁。この件はさすがにこれで終わりだろう…。

これまでの反動で幸運の風が吹き荒れるかに思われた緋山だったが、丸山智己にはいずれ自分が重荷になるとして別れを切り出されてしまったり、唯一指導していたフェローの名取(有岡大貴)が親父命令で親父の病院に戻る事になる、その理由は前回の針刺し事故のような名門名取の名を汚すようなことがこれ以上起きては困るという親父のエゴによる事案…とやはり笑顔全開ではいさせてくれない模様

藍沢(山下智久)はピアノ少女の将来を奪った事を理由にトロント行きを辞退していたが、西条(杉本哲太)は既に藍沢に決めている。似たような唯我独尊タイプだったのにチームプレイを覚えて丸くなったという車椅子競技の患者が死んだのに合わせた演出でかつての尖りを失いつつある藍沢に白石もらしくないし、いなくなっても大丈夫!と豪語する。…が、白石が思うより灰谷は思い悩んでてそのうちヘリにも乗れなくなりそうな精神状態だし、名取がいなくなる事は知らない。ヘタしたら横峯(新木優子)しか残りませんでした…なんてことになる危機なんだけど、そういうところに気付かずにいいチームになってきたとかけっこうギリギリまで勘違いしていた辺りが実に白石。なんかもうそういう繊細なところに全く気付かないズレた人…という印象になっている。

やがて最終回名物(?)の大惨事が発生。今回は開通前の地下鉄の線路内を歩こうというイベント(ナンダソレ)の最中に落盤というもの。冴島が藤川をやたら心配する描写を序盤から連発し、ついには行かないで!→俺は救命医だからな!(行く)…という死亡フラグテンプレートまで発動。ここで藤川に何かあったら冴島死神説が視聴者の間に定着しかねない状態だったが、追加崩落で負傷したのは主人公藍沢だった…という事で最終回へ続く。

藤川への異様な死亡フラグからの藍沢に落盤直撃とはまた…。ていうか過去の列車事故や飛行機墜落と違って開通前の新品の地下鉄線路内が試運転の振動でとかじゃなくて線路内を歩くイベント中にピンポイント直撃でボッロボロに崩れるって。事故より何者かの爆破テロじゃないのか。

10話

開通前の地下鉄の線路内を歩こうという謎イベントの最中に直撃で発生した崩落大惨事。最早テロリストによる爆破なのではないかというくらいボッロボロに崩れた線路内で、更なる崩落が発生し、3ヵ所に分かれていた藍沢(山下智久)&雪村(馬場ふみか)、緋山(戸田恵梨香)&名取(有岡大貴)、藤川(浅利陽介)や多数の救護隊、けが人が巻き込まれた。前回ラストでは藍沢が地下水が漏れているのに気づき、藍沢&雪村だけ犠牲になったように描かれ、埋もれる藍沢がラストカットで引いていたが、実はこれはダイジェスト展開だったらしく、今回は30分前からじっくり描かれた。

開通前ながら完成した地下鉄の崩落は2度目の崩落時の様子から地下水がたまっていたのが原因とだけ説明されたが、そんな地下水どっちゃり溜まっててヤワいところに地下鉄作るかよアホかよ…という過去の災害に比べても妙にありえない事故にされたのは事故のネタ切れだったのだろうか…。

藍沢&雪村は即復活し、地上への脱出もすぐに果たした。前回ラストは見せかけだった…。深刻なのは緋山&名取は動けるが閉じ込められた状態、子供を助けようとした藤川が瓦礫に挟まれて身動きが取れなくなっていた事が判明。結局藤川が最も深刻だった…という冴島(比嘉愛未)が立てまくっていたフラグ通りの展開に…。藤川も意識はあったので子供を安全な場所へ行くように告げ、この子供が藤川が生き埋めな事をみんなへ伝えた。横峯(新木優子)、冴島やレスキューが駆けつけた際にはすでに藤川はだいぶ弱っており、藍沢も駆けつけるが、藤川はさらに危ない状態になり意識不明に。最悪足の切断もあるとかなんとか緊迫した状況に。

緋山&名取は助からなかった妊婦の子供をどうするか無事な父親に訪ねるが、女主導だったらしいこのカップル、男は育てられないなどと情けない事を言い出したので2人で説得して子供を助け出す。…が、特にその後のアフターフォローも無く、この男や赤ん坊がどうなったかは不明。

横峯&雪村は藤川の近くで巻き込まれ、意識もはっきりしていたレスキューの人がトンネル内を搬送中に急変、こちらは助ける事が出来ず…。このレスキューの人、元気だった時に横峯&雪村に「こんな若くてかわいい人とナイスバディな人に見てもらえるなんて!」と喜びを語っていたが、ナイスバディ?誰?と思ったら雪村の中の人(馬場ふみか)がグラビアとかやってるからだった。このドラマの服装じゃナイスバディなんて見抜けなくない?相当な慧眼をお持ちで…。

その頃、ヘリの無線恐怖症により病院に残っていた灰谷(成田凌)は運ばれてきた重症患者の原因不明の状況を解明し、橘(椎名桔平)に褒められていた。それぞれに見せ場を作りながら最終的には藤川も無事に助かり、延長分以上の時間をかけてエピローグへ移行。

フェローたちとほとんど事務的な会話しかしてこなかった白石(新垣結衣)は灰谷ビジョンで案の定パーフェクト超人化していた。「たくさんの人を救う医者になれるんでしょうか…?」→「なれるよ」という簡易な返答をする白石に「簡単に言わないで下さい。できる人にはできない人の気持ちは分からない!」と灰谷がつっぱねて溝の深さが明らかに。白石は黒田(柳葉敏郎)の件を初めて後輩に告白し、弱さや人間味を見せ、見守ると初めて告げた事でなんとかパーフェクト化していた灰谷ビジョンも緩和されたようだったが…。白石は同期相手には普通に喋れるのに、フェロー達にはホント人間味が無くて自分たちに全く関心が無い上司に見えてたと思う。

冴島の丁寧な助言で考えを変えた雪村
藍沢に時々褒められるとニコニコ喜ぶ横峯
気が付けば同期よりも緋山との会話の方が多くなるほどに懐いた名取

対して灰谷は性格の違いもあるだろうけど白石との距離が開くばかりでヘリ事故の際の毅然とした白石の態度が決定打になった。白石本人は灰谷の心のケアをどうすればいいのか同期達には相談していたし、突き放す態度を取っていた藍沢や緋山よりも終始フェローの指導に対して真剣に考えていたのでそんなに冷たかった印象は無いんだけど、よく考えたらそれは親身な“つもり”になっていただけだ。その結果が灰谷ビジョンの完成である。横峯ビジョンや名取ビジョンの白石へのパーフェクト視は灰谷より低いだろうけどおそらく変わらない。だってそれくらいフェローと白石って普通に会話してないんだもん…。

ピアノ少女や橘の息子、丸山智己の件も基本的に一件落着の形で決着し、冴島フラグを受けて一般整形に移ると宣言していた藤川も結局冴島に本当にそれでいいのか聞かれて残る事にしたようで、結局藍沢が年明けにトロントに行くことが決定した以外は全員救命に残った状態のフルメンバーで終了。

医局長ポジションが待っていた緋山だが、父の病院へ戻るのを拒否して救命に残ると宣言した名取をかばって父親を説得したところ、「いい指導医に恵まれた、これからも息子を頼む」と頼まれてしまった。医局長として迎えてくれる上司と名取父が友人同士のため、どっちも断れない完全に板挟みとなった緋山はヤケクソで丸山智己含めて3者全取り宣言をしていたが結局どうすんのこれ。

全部終わっての感想

今期で初めて導入された恋愛展開は藤川と冴島が同棲している状態から始まり、結局緋山と丸山智己がゴールインした程度に留まった。1話で藍沢が白石1人に対して「お前がいるからな」と特別視するような発言をしていたが、結局視聴者の恋愛展開過剰にイラネという声を気にしてか、これといった進展は無く、最後の藍沢と白石の会話も結局自分のためだけに医者をやっていたのが、仲間に恵まれて誰かのためにと考えるようになったと感謝を告げる中でやはり白石個人にも感謝するという感じで視聴者の顔色を恐る恐る伺うかのようだった。といっても白石は最初から鈍感設定で何も気づいていないので藍沢に何を言わせるかに細心の注意を払っていた感じがした。

それにしても今期の白石は鈍感っぷりが際立って見えた。リーダーポジションゆえもっと全体を見渡す必要があったとはいえ、藍沢もいざというときはバシッと伝える事を伝えていたのに、フェローたちに最も向き合っていなかったのが白石だった。同僚相手にはくだけた様子や笑顔もツッコミもしてフェローたちへの思いも熱く語れるのに、肝心のフェロー本人たちを前にすると真面目な顔で事務的な会話しかしない…というのがほぼ最後まで続いてしまった。灰谷に言われて初めて自分がクールでパーフェクト超人なできる人に見られていることを自覚したようだが、藍沢には何だかちょっと嬉しそうに語っていたので根本的な問題に気付いてないっぽいところがなんとも…。

地味に残念だったのが結局1話の1カットしか出演しなかった梶(寺島進)。ラストカットでパイロットが映ったのも別の人という実質降板状態だったが、実は壁に貼られていた救命のメンバー表ボードではパイロット欄トップの位置に梶の写真が貼られ続けていたのでこれが中途半端で余計に気になった。しかもこの梶の写真が貼ってあるボードを映した直後に別のパイロットのカットである。しかもこのパイロット、事故で外された早川じゃなかったか?(一瞬で判別できず)寺島進とドラマサイドに何かあったのだろうか。

それにしても主人公たちの成長物語では無くなった結果、冴島の大切な人への過剰な死亡フラグ緋山の異常なまでの災難担当、前シリーズでは元夫婦で復縁したらしい橘&三井の突如登場した息子がいきなり重病でした…などこれまで以上にじわじわ辛い重い展開が多くてしんどかった。来年の映画化も発表されたが、映画見に行ってまで重~い展開はしんどいからパスしそう…。

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