クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術 全8話

2021年4~6月、関西テレビ木曜深夜0時25分~55分枠。関西ローカル枠で地上波での全国放送は無いが、10日ほど遅れて5月よりBSフジで土曜深夜0時30分~1時枠で全国放送される。BSフジ放送に合わせてTverやGyao等の無料動画配信サイトでも配信される。

全4章、前後編の全8話構成。

乃木坂46久保史緒里は連ドラ初主演。




1話(1章前編)

悩みを抱える人を見つけてブラック心理術を授ける謎の女クロノサキ(久保史緒里)は上司から激しいパワハラを受けている村上(田中俊介)に目をつける。バーで飲んでいる村上の前に出現したサキは挑発的な態度を取りながらもパワハラを交わすためのアドバイスを送る。既に上司への怒りが限界であまりちゃんとアドバイスを聞けない村上だったが、殴りかかる寸前でアドバイスを思い出して実践。するとネチネチ続いていたパワハラが緩和された。

効果ありと判断した村上だったが、上司の評価が低いため左遷させられそうになり再度ブチ切れて辞表を叩きつけようとするが、サキからもらった名刺が用意していた辞表の上に置いてあって思いとどまる。サキの元を再訪しようとするがバーは無くなっているし、名刺には名前しか書いていない。困り果てて次回へ続く。

『ノギザカスキッツ』のコントで見せていたような感情の上下が激しい振り切った久保史緒里を引き出したような役柄だ。コントの「恋のSHIO’S CASINO」でやってた役を不気味でドSな感じに寄せたみたいな感じだし、クールぶってるけど子供っぽさもある変なテンションも久保ちゃんって感じ。ターゲット以外には存在が見えていないっぽいところといい、風貌といいリアル魔女・異世界の住人という設定なんだろうか。

ブラック心理術といっても今回やったのはネチネチ言われている間にただ無になるだけというもの。何も言わない事で怒っているのか、反省しているのか、それとも急に殴りかかってくるのか上司が色々考えてしまい分からなくさせて無駄な説教を終わらせるという。

ただ実際の村上の行動は怒りを抑えきれなかったため事前のアドバイス通りに深呼吸をする事で何とか耐え抜いたものの、無を保つために目までつぶってしまっていたので、単に話を聞いていない、寝ているようにも見えてしまい、「聞いているのか貴様!」「寝てるのか貴様!」と余計にヒートアップさせそうでもあった。

2話(1章後編)

翌朝再度サキと遭遇できた村上は新たに部長に取り入るためのいくつかのアドバイス(心理術)を受けて実践。見事に取り入る事に成功しやがて不正キックバックの管理を任させるまでの右腕的存在として君臨、さらに応援してくれていた恭子(朝見心)とも両想いだった事が発覚して有頂天の日々を過ごす。

しかし、恭子は村上のデスクから不正キックバックの証拠資料を盗み出して部長の悪事とセクハラ三昧をホテルでの赤ふんどし姿の証拠写真付でバラまいて部長と村上を見事に失脚させた。

全てを失った村上が再度サキと遭遇。サキは依頼者は部長のセクハラに悩んでいた恭子だったと真相を明かす。サキが恭子に伝えた心理術は部長への直接対策用ではなく、村上をその気にさせるためのものであり、村上を利用して部長の悪事告発の決定的証拠を掴むのが最終目的だった。つまり村上は駒に過ぎず、アドバイスを受けているようでそれ以上の心理術で恭子に翻弄されて利用されているだけだった。よく見れば1章タイトルである『ハラスメント上司を打ち負かす若手社員のブラック心理術』というのも若手社員=村上ではなく、若手社員=恭子で十分に成り立っていた。真相を話して高笑いするサキ、崩れ落ちる村上。

恭子のその後は明かされなかったが、お前のせいだと人のせいにし出した部長を村上が殴りつけて社内がパニックになるのをサキが見届けて終結。

なんだかんだ真の依頼人である恭子の目的は果たされたのに、まだ会社にやってきて村上の翻弄されっぷりを見て楽しんでいる辺りが黒いな…。

3話(2章前編)

同級生にいいように使われている地味な優等生の杏(秋田汐梨)は密かにクラス一のイケメンとされる松沼(田中亨)に恋心を抱いていた。ある日松沼が落としたペンが担任の恵美先生(納富有沙)と同じものだと気づいた杏は違和感を覚えつつも返そうとしているうちに気がつけば松沼を尾行していた。しかし松沼もまた恵美先生を尾行しておりなんだか自宅を突き止めた感を醸し出しており、ここに来て鈍い杏もこれまでの行動や言動から松沼が恵美先生にベタ惚れしている事に気づく。

そこにサキが現れ、改めてその事実を突きつけたうえで言う事を聞けば松沼を射止める事が出来ると告げる。最初は断った杏だったが、優しくしてくれる恵美先生が逆に妬ましくなり、サキの口車に乗ってしまう。サキが指示したのは松沼を振り向かせる方法ではなくまずは松沼の恋の相手を排除するためなんといきなり恵美先生にパワハラを受けていると嘘の証言を中年の学年主任西本(兵動大樹)に伝えるというものだった。恋愛の心理術かと思ったら中年男性教師を信じ込ませるための話術を伝授するだけってもうこの時点で色々おかしいのに気づいて止めておけよ…。

謹慎になり荒れる恵美先生、動揺する松沼、恵美先生の元へとにこやかに訪れる西本。いきなりのハードなモラル違反に今更気づいて苦しむ杏だったがド頭からハードな嘘をついてしまったため早速戻れないという地獄に堕ち、松沼を手に入れるためと振り切ってしまい、松沼が恵美先生に送ろうとしたプレゼントを破棄して嘘を貫いた結果恵美先生は退職してしまう。

恵美先生が去った後、西本の元へプリントを取りに行った恵美はサキが持っていたものと同じリンゴが西本の机に置いてあるのに気づき…。サキが視聴者に三角関係の話ではなかったと次回へ続く挑発的なメタヒントを飛ばしまくりながら後編へ続く。

パワハラ上司という明確な「敵」がいた1章と違って、今回は地味だけど優等生な女子高生が善良な教師をいきなり大嘘でハメて辞めさせるというモラル振り切りすぎな展開になったため、共感できる奴がいきなり誰1人いないというぶっ飛んだ展開に。まあこうなった以上は今回も悪魔の誘いに乗った報いを受けてのバッドエンドは確定か…。

4話(2章後編)

恵美先生と西本が突如結婚。恵美先生と遭遇した杏が話を聞くと杏に対しての恨み言は全く言わずに感謝を告げる恵美先生。謹慎中に西本が優しくしてくれてプロポーズにくれた万年筆は父の形見だったが無くしたものと同じものだったという(杏が捨てちゃったやつ)。

ここに来てサキの仕業だった事に気づいた杏。サキは最初の依頼者は西本だったと語り、そのために利用したと告げる。恵美先生への思いを断ち切れずにストーキング行為を繰り返したり、松沼が改めて西本へ敵意をむき出しにした直後に西本が階段から落ちてケガをするなど不穏な動きがあったものの、杏は松沼がいいと主張するのでサキは心理術を授け松沼を振り向かせることに成功。

眼鏡も外してイケイケ女子となりクラス公認のベストカップルとして幸せを実感する杏はサキにも感謝を告げるがサキは警告を発する。案の定テストで松沼よりいい点を取ったというだけで松沼は豹変して掴みかかってきた。西本を突き落とした犯人も松沼だと明示され、杏の理想松沼ビジョンの幻想が砕け散ったところでBAD END。

松沼は外面だけで内面は危険なやつというのは最初から一貫していただけに豹変したところで終わったのは思ったよりバッドエンドにはならなかった感。西本もケガしただけでその後ボロが出て結婚が即破綻したみたいな展開も無かったのでうまくやってるみたいだし。ていうか心理術と言いつつ、恵美先生も松沼もその気ゼロのところからちょっと駆使しただけでコロッと落ちるのチョロすぎる

5話(3章前編)

エリート夫の高収入でセレブな専業主婦生活を謳歌していた美奈子(黒川智花)だったが、夫が部下の絵里(北香那)と不倫している事に気づく。絵里を呼び出して別れさせようとするも全く動じない絵里に逆に挑発されまくって敗北感全開な美奈子。そこにサキが登場し、いくつかのテクを伝授。次の絵里とのやり取りでは主導権を取って一方的にやり込める事に成功するが、サキは一方的ではつまらないとして絵里にも助言しており、3度目のやり取りでは再度絵里に優位にやり込められてしまう。

不毛なマウント合戦が繰り広げられた挙句に絵里がタワマンに乗り込んできて美奈子と口論していた事からセレブ妻仲間達に夫の不倫の事実が明らかとなってしまい、耐えきれなくなった美奈子は家出。その後4度目のやり取りの場に表れた美奈子の姿に絵里が驚愕して次回へ続く。

不倫マウントバトルという随分とディープな展開に。まだ20歳になってない久保史緒里に不倫マウント合戦の黒幕をやらせるのはさすがに無理があるのか、これまで以上に大人びた雰囲気を醸し出そうと頑張っていたが、今こんな役を背伸びして頑張らなくても10年後くらいに(今の黒川智花くらいの年齢)自然にやればいいんじゃないかと思えてきた…。

黒川智花ももうOVER 30’sでセレブ妻が回ってくるような年齢になったのかというのと、ようやくバイプレのジャスミン役以外をやっている北香那に遭遇。普通に喋っているとこれは本当に誰か分からないな。

6話(3章後編)

すっかりやつれた様子の美奈子。夫は家出した美奈子が金を使えないようにしていたので困窮していた。絵里はそんな夫の姿にドン引き&美奈子の家出で夫の愛情が重くなったと言ってあっさり別れると宣言。

元の生活に戻った美奈子だったが、体裁しか気にしない上にまたしても浮気しているっぽい事を知り、離婚を決意。サキにそそのかされて仮想夫を使ってのシュミレーションを行い、夫にまず別居を認めさせると、そのまま浮気を連発した夫の証拠写真を押さえて弁護士を使って調停離婚を速やかに行って離婚に成功。

その後、絵里と再会した美奈子だったが絵里もなかなか別れてくれなくてようやく彼が別れてくれたという。絵里もまたサキのアドバイスで別れてくれるように仕向けたらしい。ていうか絵里の回想シーンによれば別部署からもワラワラ沸いてきて女性社員10名近くと同時に付き合っていた事が判明するというヤバい奴だった。

絵里も美奈子もスッキリとした心情でわだかまりもなくなり、双方サキに感謝して終わり、実はこうでしたとか真の依頼者はこの人でしたもなく、美奈子も自身のパン作りの才能に気づいてパン職人を目指す?かのような新たな目標を見つけてハッピーエンドで終了。

なんだかサキが思わせぶりだった割には何の裏も無かったのでかなり拍子抜け。夫の浮気癖が酷いのは示唆されていたものの女性社員10人くらい沸いてくるとか完全にギャグに振り切っただけって。美奈子が去る直前までいつものように「あなたバカよね」とか言っていたので、いつものように知らされていない真実でもあるのかと思いきやマジで何も無い、「あなたバカよね」発言も美奈子は完全にスルーして対応する精神的余裕っぷり。サキが心理術を授けていたのは美奈子と絵里の2人だけで、サキが面白がっていたのもマウント合戦まで。実は夫の方が別れたがっていて依頼していたとか、絵里とくっつくことになった男性社員が裏でアドバイスを受けていたとかもなし(男性社員はリアル棚ぼたで恋人ゲット)。捻りのなさすぎる話だったな…。

7話(4章前編)

医者だが異常に頼りなく治療方針も決められずに先輩に呆れられ、しかし事務や看護師には偉そうで、家では毒親(宍戸美和公)に支配され続けていて人生全てママの言うがままなアラサー青年、正人(森永悠希)。銀行のカードすら母に支配されているためそろそろカードくらいくれよと言おうとするもオドオドしすぎて失敗。

失意の中で部屋に戻った正人の前にサキが…。と、思ったら開口一番にサキの心理術が使えなかったと言い出す正人。実は物語開始以前にサキと接触して既に心理術を授けられていた…が、あまりに優柔不断ダメ野郎過ぎて失敗したらしい。主人公が実は既にサキと知り合っていたという新パターンで始まるも主人公のダメっぷりにブーストがかかっただけ、しかも心理術が使えないと逆ギレするという救いの無さ+毒親すぎる毒親の怪演…とかなりストレスフルな展開に。

こんな授けた心理術もまともに実践できない挙句に心理術のせいにしてくるような奴のどこが面白いのか、1度決裂したのに再度正人の前に出現して再度挑発するサキ。そして勝手に結婚相手を決められ、唯一の癒し相手であったマッチングアプリで知り合ったヒカリ(会った事は無い)との交流も毒親によって絶たれてしまった正人。ていうか勝手にPCいじってサイトから退会させ、2人を繋ぐアイテムハーモニカまで突き止めて捨てたり、結婚相手決めたと思ったら自分は夫とは離婚すると宣言、家を建て替えて自分は居座って結婚相手と同居する算段というてんこもりすぎる情報を勝手に決めて1度に伝える毒親も凄い。

ついにブチ切れた正人は暴れ始める。テンパって謎に正人の服を切り裂き始める毒親。会った事も無いヒカリと結婚するんだと叫ぶ正人。カオスな空間から裸足(靴下)のまま飛び出して彷徨った正人だったがハーモニカの音に導かれて公園へ向かうとそこにはヒカリ(畦田ひとみ)がいた。ヒカリもまた飛び出してきたような裸足姿。運命を感じる正人だったが、サキがそんな偶然なわけないよねと企んでいる事をほのめかしながら最終回へ続く。

主人公のダメっぷりと毒親のWブーストが強すぎた…。

8話(4章後編)

あからさまな運命な出会いに燃え上がってしまう正人。一緒に住もうと盛り上がり、準備を開始したが飛び出した家には普通に戻っているのがちょっと笑える。

ヒカリはまるでサキのような心理術を正人に伝授し始めて(なぜか伝授している際にヒカリがサキの姿に切り替わる)毒親を説得して自身の口座や家の名義まで自分の手中に手に入れる。典型的な詐欺の手口ムービーが繰り広げられる中、疑いもせず大金を振り込み、見事に連絡が途絶えるヒカリ。この期に及んでギリギリまでヒカリが言っていた父親の暴力で連絡が取れなくなったと勘違いしているのが滑稽すぎるが、ヒカリの家に向かうと空き地だったのでようやく詐欺だと気づいた。

全てに気づいて荒れまくる正人はすべてを毒親のせいにして喚き散らすがサキには全部お前のせいだとまっとうな説教をされてしまう。何も言い返せずに静かに二度と現れるなとしか言えない正人。これまでは気が付くとサキが消えていたとか、いるはずのない自室に出現するとか、精神世界に突入していたとかだったが今回は文字通りにサキがスッと消滅するのが描かれていて完全に人外な存在だと改めて明示された。

その後医者も辞めて失意の中、病院を出た正人の前に謎の女性が出現して…。

5年後、老人施設ですっかり穏やかに暮らしていた毒親の前に正人が妻を連れて登場家も取られたのに施設入居費はどこから出ているのかこの女性こそが本物のヒカリだという。本物のヒカリは本物のいい人だったらしく、謎の財団からフリースクール講師の依頼を直接受けて怪しかったがヒカリに背中を押されて転職し、今はフリースクール講師としてきちんとやっているという。幸せそうに去っていく2人、捨てたはずの正人のハーモニカを実は大切に保存していた毒親が穏やかにハーモニカを見つめてハッピーエンド。

最後にサキが「謎の財団ってなんだよ」とツッコミを入れるも真相は明かされずに全話の回想シーンを投影しながら運命を操っている背後には私がいるかもしれないみたいな匂わせをして終了。

4章はこれまで以上にサキの関与が不明瞭というか表面上はほぼ何もしていない。詐欺師の偽ヒカリが心理術を駆使したり、心理術を駆使しているときにサキの姿に頻繁に切り替わったのは何なのか、これまでと違い正人へ真実を突きつけるというよりも正当なお説教をしたのは何故なのか。明らかに正人をわざと絶望に追い込んで全てを失わせ、改心した正人への救済として、全て失ってそのまま自害してしまわないようなジャストタイミングで真ヒカリが会いに行くように仕向け、さらに次の仕事まで斡旋(謎の財団)したとしか考えられないが、サキにそこまでする理由も特になく…。まあ人を操って面白がっている魔女みたいな設定なので、貶めるだけでなく、改心させて救済するのもまた気まぐれの1つとして不思議ではないか…。

全部終わっての感想

思った以上にサキが人外の魔女設定だった。人間の心理を全て見透かしている魔女というこの役どころを単独初主演連ドラにして10代最後の久保史緒里にやらせるというのはどうしてこうなった…としか。この役だったら10年後でもやれるし、10年後の方が自然にやれるはず。何も今わざわざ厚化粧して高圧的な口調で背伸びさせてまで19歳の久保史緒里にやらせる役ではなかったと思う。“ドSな久保ちゃん”、”相手を煽りまくる久保ちゃん”は確かにコント番組でも妙にハマっていて面白かったし適性もあると思うけど、別にドSなキャラをやらせたいならこんな人間を見透かした魔女みたいな役にしなくても等身大でもいくらでもできただろうし、10代最後の初主演ならもっと若いうちでしかできないような普通のドラマを見たかった。話自体は翻弄される人々の悲哀といい4章全て爪跡が残るような話ではあったけど、久保史緒里主演でなんでこういう企画になったんだろうなぁ…。話が先にあって、あえてミスマッチなキャスティングをしたのか…。

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