ワケありの人生をリセットしてセレブ主婦になった主人公が近所の主婦たちの問題に立ち向かう…みたいな概要で、「ワケあり」の部分は放送まで明かされず、冒頭10分で判明するとされていた。
1話
開始早々、某国工作員として活動中の綾瀬はるかが窮地を脱するところであり、簡単な生い立ち(捨て子だったのと人生に選択肢が無く、工作員しかくらいしか選べなかった…程度だったが)がモノローグで語られ、工作員人生を捨てたいとわざと敵を軽くいなして追いかけさせ、橋から飛び込んで死んだようにみせかけ、既に用意していた新しい戸籍と名前を使って菜美として生まれ変わった!何で黒服の構成たちが誰1人拳銃の類を持っていなかったのか
普通の人生を手に入れた菜美は合コンで知り合ったIT社長の伊佐山(西島秀俊)と意気投合して結婚。見事セレブ主婦への転身を果たし、近所に住むセレブ主婦仲間の優里(広末涼子)、京子(本田翼)とも仲良くなった。…が主婦生活は半年で飽きた…と開始10分で前史が語られて物語が始まった。
料理が苦手で徐々に伊佐山の外食の回数が増え、夜も何もない日々が続くようになっていた菜美は優里、京子の誘いで料理教室に通い、その場で工作員時代の観察眼が活きて、料理教室に来ていた知花(倉科カナ)がDVを受けていることを見抜く。
何とかしようと考えた菜美だったが知花本人が否定するので手出しできず、2人と相談し、友達になる事から始め、たった食事1回で友達になった知花は3人に助けを求めた。最初の関門を突破し、晴れてDVを夫に直接やめるよう言い渡すところで恐怖に負けた知花が梯子を下してしまったので失敗。
しばらく時間が経過してついに勇気を出した知花は離婚を切り出すが、なんと夫は包丁で知花の腹部をブスリ。なんか菜美がその前に明らかに監視用カメラが仕込んでありそうなぬいぐるみを渡していたので、それを見ていた菜美が駆けつけるのかと思いきや、録画機能のみで外部へ飛ばす機能までは無かった。しかも料理に苦戦していて知花の離婚を言い出す決意の電話も留守電送りになるほど気付いてなかった。
というわけで完全に出遅れて駆けつけた際にはもう救急車で運ばれていく寸前で10日後。話を聞いた菜美は主婦としてではなく工作員時代に戻り、夫と直接対決。元ボクサーの夫を瞬殺して3日以内の離婚、慰謝料として家を残してこの町から消えろと言い渡す。
しかしエピローグでは引っ越していく知花の姿が…。別れても生活力が…という話もしていたので、慰謝料として受け取った家を即売り払って当面の生活費として家賃の安い場所へ引っ越す、もしくは田舎へ帰った…ということ?
一仕事を終えて開放感を得た菜美は玄関から寝室までを蝋燭で飾る謎の誘惑工作で帰宅した伊佐山をそのままベッドへと誘い次回へ続く!最後もキャラ変しすぎて良く分からん!
工作員で愛を知らない修羅場に生きてきたという設定の割には主婦モードの菜美がいつものおとぼけ穏やかな綾瀬はるかで、ふとした拍子に工作員時代のクセが出てちょっと変な空気になるとかそういうのが一切無い。全く殺伐としていない。キレると怖い(工作員時代に戻る)という線引きも曖昧で、ギリギリまで実力行使に出なかったし、さすがに戦闘時は怖いモードにはなっていたけどあくまで綾瀬はるかが頑張って凄んでいるようにしか…。そもそもタイトルが「取扱い注意」なのでもっと手の付けられないキレ方するのかと思いきや少なくとも取り扱いに困るようなキャラじゃないよこれは…。
同じような元工作員、現主婦設定だったら栗山千明が2011年にやった『秘密諜報員 エリカ』の方が主婦業と活動時のオンオフがハッキリしていた。その感覚で見ると、綾瀬はるかにこれをやらせるには無理があったようにも思えてしまった。
2話
菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)は今度は着付け教室で同じ受講生で大人の色気を放っている(とされる)夏希(高岡早紀)と知り合い仲良くなる。しかし夏希の色気の正体とは元AV女優だったためだったことが発覚。当時のスカウトマンが居場所を突き止めて嫌がらせにやってきたことでその事実が町中にバラされ、夫に過去を言っていなかった夏希は過去を悔やんではいなかったが追い込まれてしまう…という話。積極的に援助する3人だったが、さらには家に「小山あずみの家」(AVネーム)という落書きをされてしまい円満だった夫もショックで家出。町内会は糾弾会議のようなものまで開き、勇輝(西島秀俊)もかばうコメントを残すが、他の連中はAVの過去に冷たく、切り捨てようという態度を露骨に示す。このため菜美は自分たちだけで解決する、出来なければ私たちが町を出ていく!と町内会に喧嘩を売ってしまい、協力的だった勇輝以外の優里と京子の夫(石黒賢、中尾明慶)まで巻き添え事故を喰らう羽目に。
この2人は迷惑がっているので実質4人での協力となったが、ほどなくして犯人らしき人物が再登場。勇輝が追いかける中で、驚異的な身体能力で先回りした菜美は犯人を肘鉄一撃で沈めた後、さらに素早く戻り、追いかけてきたフリをして合流。しかしコイツは部下であり、元スカウトマン本人は部下が勝手にやったと謝罪し、500万円でケリをつけようと要求。
菜美はここに来て前回同様に個別で夏希に面会し、元探偵事務所勤めだったのでこういうのは得意だ予防線の嘘をついた上でこの事も口止めしつつ、500万円支払うように指示しすぐに取り戻すと約束。その後、証拠取り用の小型録音機とGPSを自費購入してセットし、500万円を持ち帰ったスカウトマン一味3名を一網打尽にし、さらに監禁されていた家出少女1人も救出。3人は逮捕され、家出していた夫も帰宅して夏希は夜の生活のカウンセラーとしてこの町で活動しているという珍妙なナレーションで解決した。
元AV女優を暗に糾弾していた町内会なのに夜の生活のカウンセラーとして受け入れるとか差別しているのか、寛容なのか。意味不明な町内だな…。ていうか京子の夫(中尾明慶)は元ファンだったらしく小山あずみ8時間ベストDVD(のコピーである真っ白なDVD-R)を所持していたことが京子に発見されていた…というのもよく考えるとおかしい。
高岡早紀の年齢とOLやってて先が見えて出演したという話からAVやってたのは20年以上も前の20代半ば頃の話のはずで、中尾明慶が現在アラサー設定だとすると小学生くらいの頃に現役だった事になってしまう。むしろ元AV女優を糾弾していた町内会長や夫辺りの年齢が知っている方がまだ自然のような…。
そもそも20年前だとDVDは無いのではないか。DVDの時代になって復刻されるほどの伝説級の人気女優だったのか。そしてそんな古い女優のコピーDVD-Rを所持している京子の夫はかなりマニアック…。
また犯人の元スカウトマン一味にしてもいかにもありそうな悪者ではあったけど、AV強要問題が一部で唱えられ、対してAV業界側がクリーンさをアピールしまくっているという昨今にこんなダークテンプレートみたいなキャラは些か安っぽすぎたような…。しかも家出少女監禁してましたというそこまでいる?という重大な余罪まで付け加えて。
あと「小山あずみの家」と塀に落書きされた後に、それを必死に消そうとしていた夏希が何故か「家」の部分から必死にゴシゴシしていたのはギャグとしか。そんな1番どうでもいい部分よりも「小山あずみ」という芸名を真っ先に消すべきなのでは。ラストシーンで3人も含めてペンキを塗りなおしている際も何故か「小山あずみ」の名前はまだ読めるくらいに残っていてどうでもいい部分ばかりが新しく塗られているという状態だった。これは何だったのだろう。
3話
菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)で映画を見に行った帰り、2人と離れてトイレに向かった菜美はカツアゲ現場を目撃。学生数名を一挙叩きのめすが、それを小野ゆり子に目撃され動画まで撮られてしまう。小野ゆり子の尾行をあっさり見抜き、最初はしらばっくれ、動画の存在を知ると毅然とした態度で要求は何かを問う菜美。前2回だったらもっと普段の綾瀬はるかがやってきた役みたいに分かりやすく慌てそうなシーンだったが、ここではごく当たり前に修羅場をくぐり抜けてきた元工作員らしい堂々たる態度。ようやくカッコよさが出てきた。
小野ゆり子の目的は鍛えてもらう事。ママ友の間でボスゴリの青木さやかにイジメられている小野ゆり子は肉体的精神的な強さを手にしたいという。前職をジムのボクシングコーチだった事にした菜美は力を振るわない事を条件に引き受けて無料開放されている近所の競技場で特訓を始めた。
その前に青木さやかの偵察に向かった菜美は公園を取り巻く青木さやかと愉快な配下達に挑発的な態度を見せ威嚇。その後はしばらくは平和だったが回数を重ねたトレーニングの効果で力をつけた小野ゆり子は自信を持つようになり、明朗快活に青木さやかと愉快な配下達に挨拶。
明るい挨拶に異変を感じた青木さやかは配下2名を偵察に送り込むが…優里、京子も加わって汗を流すトレーニング姿を見た配下2名は何故かその様子に魅力を感じてしまいまさかのトレーニング部加入。配下は1人また1人とことごとく菜美のトレーニングに加わってしまい、青木さやか孤立。家庭でも傲慢な態度で夫に逃げられた青木さやかはついにその怒りを一人息子…ではなく、自転車で曲がり角をやってきた小野ゆり子にぶつけ、突き飛ばし骨にヒビの入るケガを負わせてしまう。憎しみの連鎖を避けたいと耐える小野ゆり子は菜美以外には転んだと嘘をつく。
菜美は青木さやかを呼び出し、少女時代強さだけを求めて児童施設のボスに君臨したが孤立した自身の経験から青木さやかの孤独を指摘。襲い掛かってきた元女子プロレスラーの青木さやかだったが、まるで相手にならず、敗北しながらも初めて本音を吐き出した青木さやかに菜美は弱さを認める事だと言い残して去っていく。後日正式に小野ゆり子に謝罪した青木さやかは親友になるのだった。
青木さやかが加齢によりさらにパワー溢れる風貌になった事でボスゴリラ役は妙なはまり役だった。とはいえ傲慢な態度に見切りをつけて仲間がいなくなるのは既定路線として、何で揃いも揃ってトレーニング部に加入するなんて当てつけ行為に走るのか。特に最初の配下2名が偵察に来てトレーニング姿見てコロッと寝返ったのはギャグかと。まあ毎日青木さやかの背後に立っているだけだったのでそれだけ退屈な日々だったんだろうけど。
今回は前2回に比べると毅然とした態度や夫の勇輝(西島秀俊)が菜美の妙に締まった筋肉に気付くなど(逆に今まで気づかなかったの?)、菜美の肉体的な強さが強調され、同時にいつもの綾瀬はるか的なおとぼけっぷりがほとんど出なかった。ようやくかつて生きるか死ぬかの世界で日々アクションを繰り広げてきた元工作員らしくなった感じ。前2回はほとんどいつもの綾瀬はるかだったけどここに来てようやくキャラクターがハッキリしてきたのだろうか。そもそも今回描かれた過去は工作員になるよりはるか前の少女時代。工作員として英才教育を受けたわけではなく、工作員に採用される前からかなりの戦闘力を持っていたことが判明したわけで。
4話
星野真里が行っている読書会に参加している菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)。その1人息子が突如誘拐された。警察を呼ぼうとしない夫の古屋隆太、そして家庭教師の佐野ひなこが来てから夫の様子と佐野ひなこの星野真里を見る様子がおかしい…。さらにかなり早い段階で犯人の大学生3人が登場するもどこか軽い様子の大学生ノリでリスキーな誘拐事件を起こしている割には覚悟が感じられないユル~い様子。顔バレを恐れている割には子供に目隠しだけして覆面する様子もボイスチェンジャーも使わない。
と、いろいろ不穏な気配を感じた菜美は優里、京子と帰宅した後、単身出向いて3人の様子を観察。3人とも余裕が無いので気づかなかったが、鋭い目つきで見てきたリ、よく分からない質問をしてきたりする菜美がこの中で1番不審人物。
3人の様子から星野は本気で息子の無事を案じている事、佐野ひなこが明らかに怪しく、さらに夫とは不倫関係にあることを見抜く。恐らく別れ話がもつれて佐野ひなこが犯行を思いつき、夫も薄々気付いているが確証は持てず、ただ金を払って終わらせたいとだけ願っているに違いない…と。
愛情を知らない工作員として生きてきた割には男女の不倫関係とそのもつれから起こした誘拐事件だと見抜くなんていう探偵顔負けの洞察力まで見せた菜美。しかし誘拐犯の元にたどり着くのは単独でどうにかできないためか、菜美が向かった先のクリーニング屋のおばちゃんが唐突に情報専門の昔の仲間だったという唐突な超展開が差し込まれた。「生きていたのか」とか言われていたので死を装って工作員を辞めてから初めての再会、かつ身元をバラすようなかつての雇い主サイドの人間ではないようだが、展開上情報操作専門官が必要だったので出しただけで詳しくは考えて無さそう。一応冒頭で紹介された中学時代に施設育ちの仲間たちと不良になり、不良と言っても町の悪党をこらしめる正義の味方気取りみたいな事をやっていたという過去をナレーションしていたので当時の仲間の1人という事になるし。
情報屋に家の付近の防犯カメラの記録映像をハッキングさせて誘拐犯の車を特定してアジトも見抜いた菜美は帽子とグラサンで変装して突入し、3人を瞬殺。いったんそのままにして警察に通報して解決へと導いた。子供が家に戻ってきた時点では佐野ひなこは無事なままだったが、犯人3人は逮捕されたら道連れだと宣言していた通りに、その後佐野ひなこも逮捕されたらしく、菜美のナレーションで逮捕が明かされた。
さらに不倫の末にできた子供を堕胎する事になりそのショックと恨みでやった…と思ったよりも重た~い動機が物凄く雑にナレーション処理され、トドメに読書会を再開して日常が戻った描写をバックにダメ押しのように星野真里は夫と別れたとナレーションで処理する強引なまとめっぷり。このドラマ通常の54分終わりではなく、0分終わりなので通常のドラマより放送時間が長いはずなのに、物凄くギリギリ…。
1話の倉科カナは離婚して財産として家も譲り受けたのに結局売り払って街を去っていったのに、先週の青木さやかもそうだったけど星野真里もまた専業主婦だったのに離婚して家に残り、そのまま読書会とか優雅な暮らしっぷりを維持できるのはどこに違いがあったのだろう。ていうかゲストの離婚率が今のところ3/4じゃないか。
5話
それぞれ夫に不満を抱いた菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)が揃って家出し、勇輝(西島秀俊)、啓輔(石黒賢)、渉(中尾明慶)が珍しく3人揃って相談しあうという話。
優里と京子は初回終盤で夫に問題があるように示唆されてからはこれまで4話かけて常に邪険に扱われるばかりだった。むしろ夫が優しくしているシーンや夫婦で仲良く穏やかに会話しているシーンが全く無いという状態だったので家出したくなるのも納得。
しかし菜美と勇輝の関係は概ね円満だったためか、3人で家出する話に持っていくために15分くらいかけて他の2人のいつもの夫冷たい描写に加えて、勇輝ののんびりした行動や言動に菜美が苛立たしさを募らせて不満を爆発させるという流れに。元々料理全般が下手で主婦業に慣れていなかった菜美が突如家事にめざとくなった感じで今回のために無理やり挟んできたような強引さ。
なお夫三人衆が集まると結局理解を示し反省を促すのは勇輝、割と意見を持たないのが渉、延々と亭主関白を貫こうとしてゼミの教え子だった優里を社会に出して他の男にとられる前に意図的に妊娠させて結婚にこぎつけたなどと結婚の経緯を語りだしてブレないどころか図太さの増す啓輔…と綺麗なコントラスト。
クラブで騒ぐことにした家出妻3人衆だったが、怪しげな男たちに連れ去られるという昭和の頃から変わらない危険展開に。当然最強のボディーガードである菜美は泥酔して連れ去られる京子の危険を即察知し、男集団を一網打尽。同じタイミングで別の男に言い寄られていた優里は1度断るも再度ポエりながら(なんだかポエムみたいなキザなセリフを吐きながら)迫りくる男。いつもだとピンチに気づかず後手に回ることが多いのにこの状況も即察知して裏でスタンバっていた菜美。いつにない手際の良さだったが、そういう時に限って問題にはならず。
というわけで妻3人、夫3人がそれぞれ語り合って親睦を深めるもあまりこのドラマらしい盛り上がりにはならない話かと思いきや、終盤突如優里が乳がん疑惑を告白。3人で検査結果を聞きに行き安堵。しかしここで3人の友情はここがピークだったという不穏なナレーションが…。
さらに元々さほど問題が無かったのに今回の話の都合だっただけの菜美、渉だけ1人大きく態度が改善されたらしく京子の精神状態は大幅に持ち直す中で、優里だけ啓輔が働きたいという申し出に全く応じずに主婦でいろと強制。夫婦関係が全く改善されなかったため、クラブで久々に会った友人から受けていた合コンの話を受諾。しかしこの友人、謎の組織にノルマを掴まされていてボスが怪しく登場するという物凄い引きを見せて終了。盛り上がらない話だと思ってたら終盤で急にいろいろぶち込んできた…。
6話
フラワーアレンジメントに通い始めた菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)は酒井美紀、芦名星、原田佳奈と知り合う。酒井美紀から町内の新人にインタビューするという街の広報誌の恒例企画に呼ばれた菜美だったが、酒井美紀は細かい日時を勝手に指定(しかも夜7時という夕食時)。さらにスーパーで酒井美紀と夫に遭遇するが夫の目つきが異様にエロい…。若干奇妙に思いながら菜美が訪ねた時には芦名星、原田佳奈も来ていたが酒井美紀は不在で、3人で家に入ると夫が殺されていた。
というわけで初のサスペンス編。菜美が完全に鋭い探偵と化して関係者に聞き込みしまくる探偵ドラマに。思えば初回冒頭の工作員辞める時も誰も銃すら所持してないという不殺路線だったので、このドラマで初めての人死にか。
事件によりマスコミがあることないこと騒いで街に不穏な空気が漂い騒がしいので、街の平穏を取り戻すため、という名目で菜美は事件を単身解決することを決意。この段階ですでに酒井美紀、芦名星、原田佳奈に1回聞き込みしただけで3人がグルだと確信。通常犯人を前にして行う推理ショーを全て菜美のモノローグ&再現VTRで単身行ってしまう。かなり斬新な展開…。
その後、菜美は原田佳奈の家に侵入して証拠の品をゲットした後で初めて3人を呼び出して証拠を突き付けて自首を促し、アリバイ作りに私を利用したんだから動機を教えろ、聞く権利がある!と迫る。ナンダソレ…と思ったら素直に動機を語り始める3人。
殺された酒井美紀の夫に大学時代レイプされた芦名星はこの町で知り合った友人の酒井美紀の夫として偶然再会。さらに原田佳奈も同じようにレイプされていてこの町で知り合った友人の酒井美紀の夫として偶然再会。2人は夫の殺害を決意し、酒井美紀も話を聞いて夫の犯罪を知り、3人で殺害を決意したという。偶然大連発で押し切った…。思いのほか重い動機を聞いた菜美は告発はしないが自首をしないなら街を出ていけと告げ、3人は逃亡(街を出る)を選択し、事件はまさかの未解決扱いで終了。
犯人がガッツを見せて菜美に襲いかかるという格闘展開の代わりに、原田佳奈の家に侵入するスパイアクションを入れたものと思われるが、それよりも3人逃亡ENDにビックリ。
7話
霧島れいかの自宅チェロ演奏会に招かれていた菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)だったが、いつの間にか3人は主婦探偵と噂されており、人探しを依頼されてしまう。先日菜美が探偵をやっていたという事にしたのが広まってしまったらしいが、先週犯行を暴かれて街を逃げ出した殺人主婦3人組が逃亡前に噂だけまき散らしていったのだろうか…。
霧島れいかは突如余命間近だと深刻なことを言い出し、死ぬ前に大学時代の恋人に会いたいという依頼を受ける事に。2度目の登場となる工作員時代の情報屋である小雪(西尾まり)に協力を依頼することであっさり見つかるも相手の男は前科持ちになって借金取りに追われる日々を過ごしていた。このため借金取り相手のアクションや男に対して菜美が終始工作員モードだったりしたが、霧島れいかは男と生きていくことを決意。その理由は金持ちと結婚して不自由ない暮らしをしてきたがそこに自身がいなくて取り繕うだけの日々、ダメ男でもハラハラした日々をもう1度過ごして生きていることを感じたいという死を前にしてトチ狂ったハチャメチャなものだった(京子が絶対後悔するとコメントしたというナレーションが入るほど)。相変わらずまとめが早急で雑だなぁ…。
並行して横溝(玉山鉄二)をボスとする怪しげな組織の罠に堕ちていく優里、夫(中尾明慶)の浮気疑惑が本格化する京子。そしてついに平和だった菜美の夫、勇輝(西島秀俊)は福岡に出張と言っていたのに出張していない(福岡のホテルから菜美と電話しているはずが、レインボーブリッジと東京タワーが見える都会のホテルに待機していてあからさまにその夜景がアップになると不穏なBGMが流れる)など不審な動きが出始めた。
8話
菜美(綾瀬はるか)、優里(広末涼子)、京子(本田翼)に徐々に変化が…という回。冒頭ではこれまで菜美の過去がモノローグされていたが、今回は京子が夫(中尾明慶)の浮気を疑うモノローグに。重ねて京子の様子をおかしく思う菜美、3人で出かけたホームパーティーが変化のきっかけになるといい意味深な菜美のモノローグへ移行。
勇輝(西島秀俊)を不審に思った菜美は会社まで尾行するがおかしなところはなし。むしろあからさまに怪しい変装で周囲に不審がられる尾行を繰り広げた菜美の素人っぽさが…。京子にナレーションされていたように眼力にはタダモノではないという定評はもう周囲でも固まってるみたいだけど。
近所で連続空き巣が発生。セキュリティ対策を巡って優里、京子の夫との不和が増していたが、もう割とダメじゃないかこの2組…。連続空き巣犯は日曜日に買い物に出かけた菜美の家を次のターゲットとして潜入。しかし財布を忘れた勇輝が戻って鉢合わせ。素人とは思えない鋭い表情で気配を察知して空き巣と鉢合わせた勇輝は空き巣の初撃を防ぎ空き巣を一瞬驚愕させるも、間髪を入れずに空き巣は勇輝の顔面を殴打して逃亡。なんか後半はわざと殴らせたっぽいがこれは…。菜美は怒りに燃え犯人確保を決意。
この空き巣、どこの家でも金目の物を奪っておらず、冒頭のホームパーティー出席者の1丁目の家にばかり入っているため、とりあえず何かを探して片っ端から入っているようで、調査を開始するまでもなく、パーティー当日とその後の様子がおかしかった笛木優子にピンポイントで突撃。鋭く問い詰め知っていることを白状させた。早…。
笛木優子はストレス解消に夫婦の会話盗聴を目論み、パーティーの時に主催者の寝室に盗聴器を仕掛けるという特殊性癖の持ち主だった!という超展開から更に笛木優子は盗聴の中で贈収賄事件を巡り1人自殺に見せかけて殺しただのなんだの闇の会話を聞いてしまった。そして犯罪夫婦が盗聴器に気づきプロを雇っての盗聴犯探しが行われているのを知っておびえる日々だったという。
犯罪夫婦に笛木優子が盗聴犯かもしれないと思わせるような発言をさりげなくして、笛木優子の自宅へプロを送らせた菜美は待ち伏せして格闘。プロ相手だけにこれまでの素人とは異なり過去最強クラス。過去最長の格闘時間&若干流血するほどの大激闘の末になんとか倒し、笛木優子が偶然倒した事にしたものの、犯罪夫婦の放置をそのままでいいのか?と苗木にも言われた菜美は小雪(西尾まり)を使って全くバレることなく、盗聴テープの告発に成功して犯罪夫婦を失脚させる。
プロの殺し屋と思われし空き巣と直接戦った菜美はちょっと鍛えてます程度の一般人が無事で済む相手ではない事を身をもって体感し、そんなプロとやりあったはずの勇輝がほとんど無傷で済んだ事から疑惑を深め、勇輝も初めてモノローグで「間違いない。彼女は気づき始めている」と意味深になってきたところで次回へ続く!
相変わらず本筋の事件が突拍子もない動機&展開&高速展開でアレだし、今回苗木に正体明かしすぎ(直接格闘現場に居合わせた)で、口止め程度で大丈夫なのか、盗聴性癖だぞコイツ…。というのはあるが、継続している展開はいい感じに謎を引っ張っていて面白くなってきた。
9話
今回は優里(広末涼子)のモノローグからスタート。冷たい夫(石黒賢)が相変わらずすぎてどんどん浮気方面に…。近所で主婦が1人自殺する事件が発生。主婦売春斡旋業者の玉山鉄二により追いつめられた末の自殺だったようで、補充要因として優里がターゲットにされつつあるようだが…。京子(本田翼)は夫(中尾明慶)を尾行して女と惚れるに洒落こむ姿を目撃して浮気どころか不倫確定。菜美(綾瀬はるか)は突如ドイツ行きの話を勇輝(西島秀俊)から聞かされるが疑惑が晴れず小雪(西尾まり)に身辺調査を依頼。信頼の調査結果が間もなく帰ってきて問題なしと思われたが小雪の元には既に勇輝が来ていて裏切られていた。
不倫発覚を2人に報告した京子は改めて夫に「残業」を辞めろと頼むが鈍い夫は気づかない。そこに姑(夫の母)が席に戻れ!と強い口調で言い放ち、自分の夫もそうだったと話し、家族と向き合う覚悟ができるまで出て行けと夫を家から追い出してしまう。浮気に悩む京子に自身の夫の思い出話を言って聞かせたり、浮気調査に向かう京子をみなまで言わずとも理解し覚悟のまなざしで送り出したりと嫌な家族だらけの中でいい人だった。
京子の夫と向き合おうとする姿に感銘を受けた優里は小関裕太と別れようとするが、ホテルインしてからの「もう会わない」発言は時既に遅く、勢いで押されてしまい、嗚呼主婦売春の闇へ一直線。そんな矢先、今まで冷たかった夫が急にたまには旅行に行こうかと言いだしたり、今更気遣いと優しさを醸し出すもんだから罪悪感もMAX。ここでついに玉山鉄二が姿を現して脅迫してくるというドンピシャタイミング。逆に石黒賢もグルなんじゃないかという勢い。
勇輝は仕事として菜美を監視しているらしき事が判明(会社で家のリアルタイム映像を見ている)。元工作員のくせにあからさまな盗撮カメラにも気づかずに菜美は表向きドイツに行く準備をしていたが、さすがにそんなマヌケではなかったようで、古典的な見知らぬ少女にメッセージを託すというアナログな伝達方法を駆使して小雪と連絡を取り本当のことを聞きだそうとして最終回へ続く!
アクションが無く、最終回への前フリみたいな話だった。始まったの早かったから12月1週で最終回か…。全部片づけるのにあと1回だと玉山鉄二の暗躍がしょぼいことになりそうだけど大丈夫だろうか…。ていうか既に「これが3人での最後のランチ会だった」というハッキリしたナレーションが入っているので全部片付いて元通りとはいかない模様。
10話
冒頭で小雪(西尾まり)から勇輝(西島秀俊)が公安の人間だと菜美(綾瀬はるか)に告げられる。一目見ただけでタダ者ではないと分かったという小雪は本来の菜美であれば気が付かないわけがなく、恋は盲目だと告げ、そんな恋もうらやましいと去っていった。
監視カメラと盗聴器をすべて発見して取り外した菜美は帰宅した勇輝にいきなり包丁を投げつけ、鞄で止めた勇輝と激しいバトルを繰り広げ、ひとしきり戦った後に説明夫婦会議に。
業界では有名人の菜美は公安のSクラス認定の重要人物として姿を消す半年前から監視していたという。名を変え何をするのかと監視していたらなんか普通に受付嬢始めたので拍子抜けし、目的を探るために近づこうとした勇輝だったが、一目ぼれしてしまい、上司には効率的な監視と無理やり言い訳して結婚までこぎつけたという。しかし徐々に菜美の救済活動がエスカレートし、これまでは決死の後始末で上にバレないようにしていたが、議員を失職に追い込んだ件で菜美は準テロリスト級の危険人物に認定されてしまったらしい。もはやいつ菜美への拘束命令が下るかも分からぬ予断を許さぬ状況のためドイツで2人揃って暮らすという名目でなんとか事態の収拾を図っていた勇輝だったが、菜美はこれを聞いてドイツ行きを拒否。
国家レベルの組織の中で対応に苦慮する勇輝と対照的に自由に生きる菜美はお互い好きあっていながらも分かり合えず、何とか事態を収めて夫婦にないたい勇輝と、一緒に逃げればいいという菜美の主張は食い違ってしまう。むしろ首輪をつける気か!などと怒り出す。
そんな中、優里(広末涼子)は突如夫(石黒賢)が優しくなりまくったことで(いい論文が書けなくてここのところイライラしていた、という一言で片づけられた)、主婦売春を拒否し、玉山鉄二に階段から落ちたことにされて病院送りにされてしまう。
プロの観察眼で暴行だと見抜いた菜美は本当のことを聞きだし、主婦売春を斡旋していた主婦を脅して情報を探り、玉山鉄二の部下を倒して小雪と共に脅迫用の浮気映像を根こそぎ盗んでPCもデータ消去。
玉山鉄二は以前1度だけすれ違ったときに菜美の目つきがカタギではないと気づいていて、おびき出すために京子(本田翼)を誘拐。倉庫に呼び出して待ち伏せ。事件解決へ動き始めてしまったことで勇輝とますます決裂してしまっていた菜美だったが、友人を助けるために見捨てることはできない、冷たい人だ!という主張を崩さずにいたことで最後は勇輝も送り出す。
倉庫では10人近い部下が待ち構えていたが何故か1人ずつかかってきたのでほぼノーダメージで1人ずつ倒していき、あっという間に倉庫用に収拾された部下たちは一掃された。ここまで受けた攻撃は全ガード、顔には一撃も喰らっている様子が無かったのに何故かそれっぽく頬に殴られた跡、口からは少し血が出ているというのはさすがに構成に無理がある。
気持ちいい~~~~!!と歓喜を叫びながら玉山鉄二に向かう菜美だったが挑発に応じない玉山鉄二は残り部下2名をやはり1人ずつ送り込みこれも1人ずつ瞬殺。
ついに玉山鉄二がラスボスらしいあがきを見せてくれるのかと思ったらなんと京子を人質に…取ることもなく解放。…と見せかけて背後からズドン…とガッツを見せることもなく…
「今回は見逃してやる」
なんだこのラスボス。終始余裕ぶった態度を最後まで崩さなかったのは凄いが、実際は部下全滅という想像以上の強さにビビってあきらめたらしい。菜美の提示した街と友人から手を引け!という条件を全部素直に了承。いつでもこっちの世界に来い!などとワケの分からぬ勧誘を浴びせてくる始末。
帰宅した京子のもとには夫(中尾明慶)が帰還。そして幸せを求めているようで勇輝が指摘したようにスリルを求めていることに気づいてしまった菜美。帰宅して優しく勇輝が出迎えたと思ったらついに命令が下ったらしく(菜美を見送った後に何らかの電話を受けていた)、いきなり銃を突き付けてきて菜美が余裕の微笑み、銃声と共に終了。
投げてオワッタァァァァァ!!!
西島秀俊が出演していた『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』、古くは『SP』と同じ脚本の人だったが、意味ありげに終わらせるのは芸風らしい。ていうか玉山鉄二何だよ!余裕ぶってたのにあきらめて裏世界に勧誘するとか斜め上すぎるよ!
全部終わっての感想
いつも終盤が高速展開&ナレーションエピローグ処理なので一言聞き逃しただけで、あれ?どうなった?となるくらい毎回詰め込みすぎというか処理しきれてないところはあったけど最終回もまた…。勇輝の正体の説明と、中盤から引っ張ってきたラスボス玉山鉄二との対決、どちらも1話で一気に説明して一気に対面して戦って決着つけるとまあこうなるか。けっこう早くから引っ張ってたんだから最後2話くらいかけてじっくり両者と対決してほしかったなぁ。
あと公安側の事情説明ばかりで結局菜美がどこに所属していたどういう立場の工作員だったのか詳細不明だったので菜美がどういう危険人物として扱われているのか、今無所属なら公安としてこちら側にスカウトする方針は出てないのかとか気になった。菜美を工作員にスカウトした人物は外国人でとある機関の東京支局長だった(7話冒頭)としか具体的なことは判明してないが、他国の元工作員なら要注意とか監視対象どころか日本にしてみれば国家反逆人&他国の機密握っているだけに即刻拘束対象になってそうなもんだし。
でも当初これのどこが取扱注意なのかと思っていたけど、終わってみればまさに勇輝にとっては「奥様は、取り扱い注意」だった。これは最終回だけでも組織と愛の板挟みに揺れるその苦悩が行間からにじみ出ていたので本当に奥様は、取り扱い注意だったなぁ…としみじみ思った。
バップ (2018-04-18)
コメント