日本ボロ宿紀行 12話

最終回は神奈川県みよし旅館が舞台。漁港での営業に失敗した2人はいつものように宿へ向かうが、いつもはボロっぷりに目を輝かせる春子(深川麻衣)が終始浮かない表情。一応龍二(高橋和也)がボロっぷりへのツッコミを代行していたが、これでは何だかいつもよりつまらない旅館みたいではないか…。

春子はこのままでは勝ち目が無く、営業を回る資金も無いため、東京に戻ろうと告げる。東京に戻って新曲を作って改めて勝負しようと今更当たり前な事を言い出す春子。そもそも20年前の小ヒット曲を今になってもう1回売ろうという前提に無理があったままここまで来てしまったのに最後の最後で新曲を出そうとか当たり前な事言い出されても…。

龍二は新曲を作る資金も無いだろうと告げるが、春子はバイトして資金を作ると宣言。そこまでしなくても「旅人」の歌唱印税を使えばいいという龍二だったが、実は印税など既に発生しておらず毎月振り込まれていた印税と思われたお金は故・社長(平田満)のポケットマネーであった。それを初めて知った龍二はさすがにショックを受け、春子の前では明るく振る舞っていたが翌日引退すると置手紙を残して姿を消す

一方の春子はこれまでの旅館女将(根岸季衣)に励まされて龍二の歌が好きだという原点を信じて旅を続けることを決意。消えた龍二を追いかけて思いを告げ改めて2人で営業の旅を続けることになり終了。

今回は宿よりも最終回展開に重きが置かれていた感じ。お決まりな展開ではあったけど、そもそも20年前のヒット曲が何故か大量に余ってるので今更営業に出てもう1回売ろうとするという旅の前提が微妙すぎたのが効いてしまい旅を続けるか否かでシリアスになるには色々おかしくなってしまったような。

演じている高橋和也本人が「旅人」を80年代にヒットした歌謡曲の設定、と思いっきり勘違いしてしまっているところも含めて設定にとにかく無茶があった。20年前のヒット曲なので99年のヒット曲のはずなんだけど、制作側含めて感覚が30年前になっててズレてしまっているという。高橋和也本人にしてみれば男闘呼組が活躍していたのが30年以上前なので若い時のヒットなら80年代という感覚から来るものだろうけど…。

それにしても社会全体の高齢化の影響なのか、来年には20年前が2000年になるという事実、来年から80年代が40年前に、90年代が30年前になっていくのを忘れがちだ。

20年前のヒット曲「旅人」の知名度を餌にして余っている売れなかった最後に出せた新曲を売るとか、20年前のヒット曲「旅人」を餌にしてこれが売れなかったらおしまいな最後の新曲を最後にならないように売るとかそういう設定が本来自然だったはずなんだけど、いずれにしても最低2曲用意しないといけないので不自然にしてでも1曲を選んで設定した結果、変な前提になってしまって結局「旅人」はヒットしたんだか売れなかったんだか良く分からねぇっていう変な事になったのか。ていうかいっそもっとテキトーに昔ちょっと売れただけ(何が売れたかは明示しない)の過去の歌謡歌手が再起をかけての「旅人」で地方営業するっていうもっとボヤっとした前提を用意した方がマシだった。

それにしたって主題歌枠は別にあって別の人が歌っているんだから挿入歌と主題歌で2曲で良かった気がしなくもない。まだCDが売れている時代だったら、「旅人」を当然CD化していただろうから自然に2曲用意できていたのだろうか…。

2人の関係性やボロ宿独特の雰囲気など、空気感は非常に良かったのと秋の山々の自然風景も癒されるものだっただけに、この変な設定を一旦破棄、リセットしてしての続編を期待したい。

日本ボロ宿紀行 11話

静岡県下田市「昭吉の湯」が舞台。今回の営業先は下田城美術館という寂れた場所。宇宙パワーを売りにした怪しい場所では完全にどうかしちゃっているおばちゃんに宇宙に向けて歌えと言われ、報酬は隕石と称した怪しい石。振り切れ具合がヤバかったが、宇宙パワーの看板等は実在するものであり、怪しいスポットとして一部マニアの間では知られた場所のようだ。美術館の名の通り、実在した下田城でもなんでもない観光用の偽の城で、しかもネットの古いレポでは在りし日の姿が見れるが潰れてしまって10年ほど経過した完全な廃墟らしい。とんでもねーところでロケしたなおい…。

ヘトヘトの2人は温泉の看板を見て「昭吉の湯」に向かうが宿もやっていると知り宿泊。部屋が空いていないのでバンガローの方に泊まるという事になり、温泉も日帰り温泉がメインなので景色も良いせいか今回はいつもより風呂のシーンも長め。さらにバンガローは標準的なものだったのでいつものボロっぷりはほぼ施設外観のみに留まるという珍しい展開に。宿泊曲の青年を指名手配犯と間違えたら売れない役者だったというドタバタもありつつ、酔って暴言モードになった春子(深川麻衣)は営業を回る金が無いと吐露。龍二(高橋和也)は100枚売ってやる!と意気込むが最終回という旅の終わりが見えてきて次回へ続く。

よりによって今回みたいな完全に相手に騙された形になるような営業の後で金が無いと言われてもそれはもう完全に春子の営業手腕に問題があるとしか…。

日本ボロ宿紀行 10話

再び1県2話に戻り、前回に続く埼玉県。寄居町「山崎屋旅館」が舞台。王道的なボロ宿だったが、今回は営業先で若者がみんなスマホをいじっていて曲を聞いていない事から若者受けを考える話になり、同じ宿泊客の若者カップルから配信はしていないのか?と聞かれて配信をしようと春子(深川麻衣)が提案するがデータで軽いやり取りをされるのは嫌だと龍二(高橋和也)がつっぱねる話に。

音質に言及したり(若者曰く普通の環境なら違いなんて分からないので問題ない)CD終了、DL時代という典型話が展開し、古い売り方(CD)にこだわる龍二というCDすっかり前時代産物みたいな扱いが少々悲しかったが、さすがにストリーミングへの言及は無し。一方で「もちろん違法じゃないところでDLしたい」としっかり言及する場面も。そこ大事な。

いつもより出番の多かった旅館主人との会話の中で龍二はこの旅の始まりである「引退するならCDを売り切ってから引退しろ」という約束を大事にしており、CDをちゃんと売り切るまではケジメだと語り、偶然聞いていた春子は龍二の意思を尊重。CDをまずは売り切らなきゃいけないのでDLはそれまでしないと若カップルに宣言し、カップルはいい曲だったから今聞きたいと1枚お買い上げ。若者に売れたCD1枚で気を良くした2人で次回へ続く。

“ネットで検索しても「旅人」が出てこない”事になっていたが、1回PV作ってネットにアップしたのはどうなったのだろうか…。この規模じゃ通販もやってなさそうだしなぁ…(社員もいないし、今2人は営業で回ってるので誰が発送業務するんだっていう)。かといって1営業につき0~10枚程度しか売れてない様子なので宿泊費・移動費・食事代で全部チャラっていう勢いだし、設定の根幹を考えてしまうような話だったな…。

日本ボロ宿紀行 8話

新潟→群馬→千葉と6話までは1県2宿(話)で来ていたが7話の栃木から今回は長野の戸倉ホテルが舞台で1県1宿に変わった模様。営業がドタキャンされてたどり着いた寂れた温泉街。いつもの宿のボロっぷり紹介シーンではこれまでどんなボロボロでもむしろテンションを上げていた春子(深川麻衣)が壁一面カビだらけでズタボロの宿の卓球場を見て楽しそうじゃない…とテンションが下がりまくるという珍しい一幕も。これまでどんなボロボロでもホラー系以外はニコニコで褒めていたのに春子にまでディスられたら終わりじゃないかあの卓球場…。

久々に食事の出る宿で夕食後はスナックをはしごして営業。そのどれもが大盛況で、ドタキャンの鬱憤を晴らすノリノリ状態となったが…スナックのママが昔は深夜まで観光客の下駄の音がうるさくて寝れないほどだったが今はさっぱりだと言い、実際潰れた商店も数多く並んでいる描写が出てきながらも大量のスナックが営業しまくっているのは寂れているのか栄えているのかよく分からん設定だった。

最後のスナックでは春子が酒を少し飲んだだけで酔いつぶれてしまい、龍二(高橋和也)の凄さを熱弁。それを見ていた龍二は春子の父である篠宮社長(平田満)に同じようなスナックでスカウトされたことを思い出す、という回想シーンが登場。最初から所属していたわけではなくヒット曲が出ずに素行不良で事務所をクビになってヤケ酒しながら熱唱していたところを見た篠宮にスカウトされていた事が明らかになった。さすがにこの過去シーンでは「旅人」を使いまわすのではなく、その時歌っていて売れなかったのは全く別の曲(曲を用意してないので音声カット)だった。20年前にすぐに1発当たって以降さっぱりという設定だと思っていたら売れない時代を経て「旅人」を当てたという意外と苦労人だったのか。

日本ボロ宿紀行 7話

2話ごとに県を移動する法則通りに、新潟→群馬→千葉と来て栃木。今回は那須にある素泊まり専門のボロ宿「雲海閣」が舞台。那須ワールドモンキーパークの営業でサルに敗北(前座としてステージに立ち、観客はいたが全員見ていない、無拍手・無反応)だった事から龍二(高橋和也)が過去最高に落ち込んでいて春子(深川麻衣)もいつものように撮影した映像での反省会をやらずに食事の用意して励まそうとするほど。観客ゼロや罵声を浴びせられるよりもいるのに無反応・無拍手の方が辛いよな…。

宿自体はそのボロっぷりと温泉場までが異様に長くて狭い地下へ潜っていくような通路を時間をかけて紹介(ひたすら闇の中を地下に潜っていくように演出していたが翌朝になって立地が坂道なので斜面に合わせた構造で地下ではなかったんだと春子が窓の外を見て判明する演出)。万座温泉でのホラー演出で春子だけ怖がって龍二は全く無頓着だったが、今回は龍二の方が先に怖がって一緒に風呂場まで行こうと2人で同調しあうほど。物語的にあまり繋がってはいなかったが、そうこうしているうちに落ち込んでいた龍二も元気になったらしく終了。

帰り際に旅館主人(役の役者さん)が予約の電話を受けながら「ウチはボロボロの宿なんですよ。それでも良いですか?」とボロいけどいいのか確認取っている、というシーンがあったけどこれは現実のこの宿を反映したものらしく、そう書いてあるブログが原作以外にも出てきた