3年A組-今から皆さんは、人質です- 最終話

狙撃された柊(菅田将暉)は防弾チョッキで無事だった。夜明けと共に最後の演説をすると宣言し、この間に郡司(椎名桔平)に真意を先に説明。そしてさくら(永野芽郁)が自分が殺したと言ってみんなの前で話した内容の方が今更おま…って感じの代物だった。

自殺当日、現場にいたのはさくらで景山澪奈(上白石萌歌)にドーピング疑惑以降無視していた事を謝罪するため、かつて会話を交わしたビルの屋上に連れていって2人きりで話をしていた。しかし、澪奈は既に幻覚・幻聴に悩まされていてさくらがスマホを取り出しただけで症状が発動。耐えかねて発作的に飛び降りを図ってしまい、助けようと腕を掴んださくらだったが力及ばず…というものだった。

追い込まれて以降の武智(田辺誠一)が武智自身の視点で行動が描かれるという変な演出に始まり、その武智ビジョンで何も喋っていない人々が次々に自分の悪口を言っているような幻覚・幻聴に見える、そしてどんどん追い込まれていく…という武智の描写がけっこう繰り返されていたのは景山澪奈も実はその状態に陥っていたというのをすぐに分からせるための仕掛けだったのか。今までの回想では景山澪奈が幻覚・幻聴で苦しんでいる様子はないどころか、むしろ柊にこれから武智と会ってくる!とけっこう力強く語っているくらいだった。これはたぶんドラマ的には死の真相が自殺ではなく他にあるとして最終回まで引っ張るためでもあって、景山澪奈が自殺に至るほど追い込まれていたという描写を出したくなかったが、しかしさくらと会った途端に急に錯乱して飛び降りたのではかなり唐突で意味不明になってしまうので、武智ビジョンの演出でカバーした感じかな。柊はそこまで症状が悪化しているのを知っていたわけだから、武智と会いに行くと言った景山澪奈に断られてすぐ見送ってしまったのはこれは確かに1番の後悔になるな…。

そんなわけで中盤頃からは生徒たちが必死に追い求めていた死の真相、てか現場にいたんかい…という衝撃展開だったが一応序盤頃の回想を未公開ロングバージョンで挟んで柊にはすでにそのことを伝えていたこと、10日間見届けるよう約束していたと発覚。

柊の翌日のネット中継では悪意をばらまくネット民へのストレートな説教であり、ネットの悪意が束になって景山澪奈を殺したというものだった。途中までは全く聞く耳持たずに誹謗中傷を続けるネット民の書き込みが散々流れまくっていたが、終盤になってくると柊の叫びは祈りに近いものへと変わり、ここからはネット民の声を出す演出は無くなり、1人だけでもこの言葉が届けばいい、というメッセージで締めた。ドラマというより視聴者へ向けてのストレートなメッセージだった。

唯一残念だったのが唐突に登場したモブの戦闘民族インターネッツの人たちがザ・オタクみたいなテンプレ連中ばかりだったところか。特に1番目立っていた男がいかにもな乱雑な引きこもり風味な部屋に風貌、最後に踏みとどまって改心するとかステレオタイプすぎた…。『電車男』の頃からネット民のテンプレイメージ変わってないじゃないか。

全てを終えた柊は飛び降りようとするが駆けつけたさくらが今度は手を離さないと奮闘し、生徒たちが駆けつけて救助。柊がさくらを救うためにわざとやったらしいがそれにしてはギリギリすぎたような…。柊は逮捕されていき、前回出てきた数年後の世界で柊は結局余命1年を全うした事が語られて終了。

最終的にはドラマというよりドラマ自体がネットの悪意というメッセージを視聴者に伝えるための大きな仕掛けみたいになっていた感じ。途中からネット民への怒りのメッセージが随分強くなってきていた感じはあったけど、一方で徐々に真相をあぶりだして真犯人が他にいるというミステリーのような作りにして最終回まで引っ張りまくり、いざ蓋を開けたらネット民の言葉が凶器だ!というメッセージ一直線。しかもその言葉は説教かよwww何様だよwwwという反応でまるで届かない…という現実を見せる事でたぶんこのドラマの世界よりも現実の視聴者にはもっと客観的にメッセージが届くという仕掛け。一風変わった、しかし熱いドラマだった。特に今の10代に刺さって少しでも考えが変わる人が多くなればいいなと思った。

それにしてもこの流れだと緻密な計画を立てていた柊にしてみれば計画の根幹は変わらないとはいえ、開始直後にさくらが自殺現場にいて手を放してしまったなんて話を聞かされたのは相当にイレギュラーな事態だったのでは…。もしくは生徒たちには徹底して伏せられていたけど、さくらがあのままこっそり逃げたとも思えないので警察調べや教師間ではさくらが現場にいたのは周知だったのか…?どっちだったんだろう。

3年A組-今から皆さんは、人質です- 9話

数年後の3月9日。柊(菅田将暉)の3回忌に生徒全員が教室へ再集結して逢沢(萩原利久)が撮影していた景山澪奈(上白石萌歌)のドキュメンタリーが上映される。それぞれの進路や恋模様などが詰め込まれて描かれる中でさくら(永野芽郁)が遅れてやってきたところで現在の3月9日へ…。

3回忌としか明言されず何年後かは不明だったが、就職した者以外は普通に大学生になっている様子だったのと柊が今からあと1年延命できるとは思えないくらいボロボロなので間もなく亡くなるとしてそのまま現代を1とすれば3回忌なら2年後か。

ファイター田中(前川泰之)がヒーロースーツで郡司(椎名桔平)を撃破。目覚めた柊は警察に郡司を人質にしたことを宣言するが再度気絶してしまう。そして業を煮やした警察は宮城(細田善彦)が相楽(矢島健一)確保に動いたため、相楽は武智(田辺誠一)ではなく柊顔のフェイク動画を当初の予定より少し早く投稿して自身の仕事を完遂。警察に運ばれて行ってしまった。

ファイター田中は秘密逃走ルートから爽やかに去っていき、目覚めた柊は生徒全員に全ての目的を告白。真犯人の名前も含めてすべてを語ったが、最終回用に肝心な真相は無音声・白黒加工映像で処理されて不明のまま。新たに明らかになったのは柊がこの学校に来たのは文香(土村芳)を陥れた武智の悪事を暴くためだったが、ガンが再発してほとんど何もせずに日々を過ごしていたという説明が入った。ファイター田中の後継になる予定だった学生時代にガンになったが1度治っていたらしく、再発した後に景山澪奈(上白石萌歌)が殺されたその日に余命を宣告され、景山の死を受けて今回の計画を思い立ったという。

郡司を盾にして屋上に向かって大衆の注目を浴びて最後の計画を発動しようとした柊だったが何者かに銃撃されてしまう。そして事前に全てを聞かされていた逢沢は景山とさくらについて何か知っているようでそれを聞いたさくらはこの土壇場で殺したのは自分だとクラスメイト達に宣言して最終回へ続く…。

展開上、屋上での最終計画の前に生徒たちには全てを話す必要があったとはいえ、後で全部回想じゃなくて肝心なところだけ演出でモザイク入れるとはズルい演出だった…。さくらと澪奈については1話から描かれていた澪奈は友人のつもりだったけどさくらの態度が対等じゃない(さくらにとっての澪奈は友人というより憧れているレスラーとポジション的に変わらない扱いに近いところがあった)ところで2人の友情感(?)に溝がある事は示唆されていたのでそれかなとは思うけど…。少なくともこの前に柊が真犯人を生徒全員の前で発言していて全員衝撃受けていたし、そこに至るまでの間に自分にも責任があった、みたいな。この辺は真相が判明して繋がるようになっているんだろう。このドラマなら幾多の真相が判明しても辻褄が合ってなかった…なんてことはないようにちゃんと構成されているだろうきっとそうだろう…。

3年A組-今から皆さんは、人質です- 8話

武智(田辺誠一)逮捕で終わったかに思われたが、柊(菅田将暉)はここからが本番だと告げ、ひとまず携帯や荷物を返却して自習。あまり描かれなかったほぼ日常モードの生徒たちが思い思いの時を過ごしていた。

携帯が戻ったので唯月(今田美桜)が喜志(栄信)に留守電にメッセージを残し、取り調べでこれを聞かされた喜志は武智の関与とバックに牧原(鈴木正幸)がいるこをあっさり自白。刑事の顔に飽きたからとコメントしていたが、意外とちゃんと唯月に愛情があったのだろうか…。相楽文香(土村芳)を同様の手口で社会的に葬っていた事も発覚して武智も観念したが動画の人物は自分じゃないと主張。

その頃、動画の解析をさらに進めていた瑠奈(森七菜)は動画の人物が柊だと突き止めてしまい、電脳部仲間の西崎(今井悠貴)に相談。実は景山澪奈(上白石萌歌)のフェイク動画の時も真っ先に拡散させたり、フェイク動画だと世間が気づく前に気づいたが放置していたという負い目があった西崎は即告発すべきだとネットにアップしようとする。引き留める生徒たちはこれまで柊から学んだ事を生かして建設的なディスカッションを繰り広げ、それを監視していた柊は感涙…とかなり変わった形だが普通の学園モノ~生徒の成長編~みたいなドラマ終盤らしい流れに。

なおこの動画自体は武智を追い込むために柊が作ったフェイク動画なのではないかという結論になったが真意が語られる前にそれどころじゃなくなったので持ち越し。

最終的に踏みとどまった一行だったが、五十嵐(大友康平)の協力が暴かれてしまい、五十嵐が捕まってしまった。郡司(椎名桔平)は真意を聞きだしてから考えるつもりだったが、これまで使い走りだった部下の宮城(細田善彦)が先走って上に報告してしまったため、新たな理事官本城(篠井英介)が投入され、一気に突入モードになってしまった。五十嵐の協力理由は文香の本当の父だったからだと唐突に明かされた。そして目的は復讐より先、郡司が牧原が黒幕かと問うとそんな相手じゃない、とこの辺の話はまだ引っ張る。まさか真の敵は世間(戦闘民族インターネッツ)なんて言い出すんじゃないよな。

郡司は先行して柊の元へ乗り込むが、病状が悪化している柊は確保寸前まで追い込まれてしまう。そこにヒーロー(スーツ着た奴)が登場して次回へ続く。

ヒーロー登場とはトンデモない引きだったが、元同僚のスーツアクター、ファイター田中(前川泰之)がやはりファイトしているのか。元々協力者ではなかったようだが社長の相楽(矢島健一)が関わっていることを知って柊に電話してきて柊なりの覚悟を悟って協力するつもりになったのだろうか。

3年A組-今から皆さんは、人質です- 7話

柊(菅田将暉)にフェイク動画依頼主HUNTERだと名指しされた武智(田辺誠一)。メディアに出演する熱血教師として知られていたものの、爆破当日に生徒放置で慌てふためき、以降もTV出演優先で緊迫した状況の中で料理、ドラマ、ワイドショーなど様々なネタを繰り広げてコントコーナーと化していた武智の出演場面だったが…序盤は否定しながらもおとぼけキャラを貫いたり、謎の演出武智ビジョン(武智の視界で物語が進行)を駆使したりしながらさすがに一気にシリアスにいけないのでクッションみたいな展開が続いた。

武智から推薦をもらっていた瀬尾(望月歩)、魚住(富田望生)は推薦が消えるかもしれないので、とりわけ瀬尾の方は武智無罪説を主張。しかし武智の推薦はテキトーなのでついていけない生徒の大半が1年で退学しているという情報も出回っていた。ネットでも教室でも警察でも景山澪奈(上白石萌歌)が自殺した日の防犯カメラ映像の解析が繰り広げられていった。

柊の病状が悪化している事を察した瀬尾は友人やそろそろ人質生活に疲れたクラスメイトをそそのかして柊を襲撃して脱出を図ろうとするが、多数の生徒の妨害にあって失敗。柊は自分と武智のどちらかをジャッジしてくれと言い残して、武智との直接対話へ望む。

証拠が無いとしらばっくれつつも、癒着していた大学の偉い人に電話無視されて後ろ盾を失いつつあった武智はおとぼけキャラを維持できずにシリアスモードへ突入し徐々に本性を見せ始める。大学のお偉いさんと繋がっていた武智は推薦した生徒の活躍に応じて報酬を受け取っていた。景山はまさに巨額の報酬を得ることができる人材でありうってつけだったが、先輩から武智が何をしているのかを聞いていた景山は推薦を拒否。知らずに推薦をしつこく押し続けた武智はついに札束を渡すという愚行に出たため、景山に教育委員会に訴えると言われてしまう。このことがきっかけでフェイク動画を依頼した…らしい。

その頃、ついに解析者たちがついに防犯カメラには後姿しか出ていなかった男の顔が窓ガラスに映っているのを暴く。その顔は確かに武智だった。決定的証拠が見つかってしまいさっきまで景山に言い寄られていたとかトンデモなホラを吹いて、景山のウソにそそのかされてこんな事件を起こすなんて!とほざいていた武智は顔面蒼白。あっさりとフェイク動画依頼を認めたし、フェイク動画の件で景山と会う約束をしていた事も認めたが会えなかったと明言し、自殺現場にいた事は否定。この自白がネット中継されておりTHE END。最後は生徒をモノ扱いして醜態をさらした武智はあえなく任意同行されていった。

相楽(矢島健一)と柊のつながりは郡司(椎名桔平)にバレたが初めて2人の通話シーンも出てきて2人もそれを察した模様。さらに郡司は五十嵐(大友康平)との繋がりも察したらしく五十嵐に問い詰めていたが…。一方で柊はここからが本番だ…とつぶやき、武智で終わりではない模様。

ネット民が暴いて大勝利!みたいな展開だったが、過剰な制裁を問題としてそれを主張するようなメッセージへ持っていく展開はありそうな気がする。田辺誠一起用して最後まで変なネタ邪魔キャラだけで終わるとは思えなかったけど、やはりネタキャラにしすぎていたので、何とか今回グラデーションで徐々に本性を見せる感じにはしていたけど、もう少し怪しいところが前もってあっても良かったような。推薦の話も全部今回唐突に出してきたし。

でも武智の推薦話の爪の甘さ(9割退学という被害者数なので先輩と卒業後も交友関係のあった生徒は最初から武智の推薦話の黒い噂を聞いていてけっこう広まりつつあったっぽい、別に金に困っているわけでもない景山相手に札束出して説得しようとする…など)なんかはおとぼけバカキャラの武智の延長にある感じで全くの別人ってわけでもないんだよな。

3年A組-今から皆さんは、人質です- 6話

一致団結してシャワールーム使用解禁にもなってさっぱりして楽しく人質生活を1日過ごした生徒たち。しかし空気が緩くなりすぎたためか、柊(菅田将暉)は携帯類を再度回収すると、教師勢に対してフェイク動画依頼者は名乗り出ないと教室を爆破すると言い放ち、再び生徒たちを戦慄させる。

体育教師で水泳部顧問でもあった坪井(神尾佑)が生徒間では容疑者筆頭に上がり、涼音(福原遥)は彼氏とのデートを理由に水泳部をクビになった事を恨んでいた。怒りが再燃した涼音は坪井が犯人だとする告発動画を携帯を隠し持っていた生徒に撮らせて投稿を命じる。

最終的にはTV電話を通して坪井と直接対決した涼音だったが、実は涼音は不整脈の診断が出ていて辞めさせるために普通に説得できないと考えた坪井が母親公認で無理やり作り上げた辞めさせ方がアレであった。それでも彼氏とのデート写真を証拠として部員の前で投げつける必要は無かったというか写真の枚数多すぎだったし、あの写真を撮影・提供したの誰だったんだよ…完全に盗撮風だったぞあれ動画投稿を後悔する涼音だったが、柊が事前に止めており安堵。しかしそれだけでは許せない柊はもっと考えろ!と熱い説得を繰り広げ、それはまるで昨今再度話題の炎上動画・ネット社会へ鋭く切り込んでいくようなメッセージだった。というか今回は「明日、ママがいない」並にストレートなメッセージだったな…。

さくら(永野芽郁)だけは最初から気づいていたが、柊はみんながノリノリだった時に眼鏡をかけているときは信じろ、外した時は信じるな!と妙なゲームを宣言しており、ここまでの言動も全て意識的に眼鏡をかけたり外したりして行っていた。さくら以外気づいていなかったためようやく気付いて安堵する生徒たち。

そして柊はさらに教師陣に突っ込んでついに武智(田辺誠一)を犯人として名指し。また郡司(椎名桔平)は柊がかつてスーツアクターだった事、ガンが発覚して辞めて教師になった事、よく柊が見ていた特撮は自身が出演していた作品だった事、そしてそこの社長が文香(土村芳)の父、相楽孝彦(矢島健一)であり、これまで柊が使っていた偽の死体パーツや爆弾と思わしき備品を事件前に相楽が買い付けていたことを突き止め、その相楽が新たな動画をネットに投稿したところで次回へ続く。ドッカンドッカン大量爆破でおなじの映画コナンの犯人はどこでそんな大量の爆薬を入手したんだよ?的な問題については触れないのがお約束かと思ったけど丁寧に設定準備されてた。

これまで景山澪奈(上白石萌歌)の死の真相に着実に迫りつつ、生徒たちに熱い授業をしてくる構成だったけど今回ばかりは本筋が停滞して、メッセージ性を前面に出したような感じになったような…。今回は何か新しい情報を暴くでもなく最後に一方的に武智が名指しされただけで終わったし。

涼音も初期から中尾(三船海斗)一筋の恋愛体質女子として描かれていたのに水泳部で景山澪奈に迫る有力選手だったとか急に全く異なるストイックな過去が明らかになって(ただしその頃から付き合ってもいた)ちょっと違和感があった。一応水泳というかけていたものを失って涼音には中尾だけが残った事になるので、結果そういう恋愛体質キャラになってた…という説明はつくけど。