30th 痛いくらい君があふれているよ
99年10月14日
97年に「風が通り抜ける街へ」で3位になって以降もトップ3を下回った事は無かったが、今作では「負けないで」以降続いていた連続トップ3も途切れる初登場5位。あまりにも挑戦的な作風だったためファン離れが加速、「MIND GAMES」を下回り、例によって2nd3rd以外の売上を再度下回った。
ジャケットに写し出されている坂井泉水の右足首(写真なので左に写っている足元)は白飛び気味になっているが明らかにもう片方の足よりも白い面積が広く見えるが、捻挫したので湿布をしていてそれがそのまま写り込んでいると後に正式に明かされている。何故写り込んだテイクを採用したのかは不明。
今作が最後の8センチシングルとなった。またC/Wがリミックスのみというのは初で、カラオケの後にそのまま繋げて初のシークレットトラックも収録された。
痛いくらい君があふれているよ
作編曲:シオジリケンジ
この時期が迷走期だとか暗黒時代とか言われている象徴的楽曲。現在シングルでこんな曲があったというのはほとんど忘れ去られつつあるくらいベスト・コンピ盤オールスルーで黒歴史化しつつあるがZARD流HIP HOP、ラップに挑んだ意欲作。今作では完全にシオジリワールドになっておりAメロ部分ではついに不慣れ全開なラップを披露、Bメロも停滞気味だが、サビだけはコンパクトにまとめたZARD王道ポップという超絶異色作。当然トラックも軽めのGIZAサウンドへと移行していてC/Wならまだしもよくこれベスト大ヒット直後にやれたな…というかベスト大ヒット直後だからやれたのかもしれない。ベストで散々王道を聞いて食傷気味になりつつある中で新機軸を見せよう的な。
後にも先にも全く他にない方向性であるため、シングルとしては面食らうが意外と面白くて時々聞きたくなる謎の魅力はあると思う。王道のZARDに少し飽きた時に聞きたい1曲だ。
鶴澤夢人による『時間の翼~30th Anniversary~』でのリアレンジはさすがにラップしている部分をメロディアスな王道ポップに変えることは出来ないためアレンジのHIP HOP感を薄めてZARDっぽくしようとしているものの、それでも異色なラップでありちょっとどうにもならなかった感じ。
★★★☆☆
9thアルバム『時間の翼』
全シングル集『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
リアレンジアルバム『時間の翼~30th Anniversary~』(鶴澤夢人アレンジ)
C/W 痛いくらい君があふれているよ(Re-mix)
Remix:FAST ALVA and ME-YA
タイトル通りのリミックス。典型的なリミックスっぽい味気ない打ち込みサウンドだがラップ部分が男性ラッパーに差し替えになっており(1番は英語)、坂井泉水の歌声はサビでしか出番が無い。そういう意味ではこれ00年代後半以降に一時流行ったテルマ手法(男性ラッパー+女性ボーカル)を10年近く先取りしていた。男性ラッパー feat.IZUMI SAKAI(from ZARD)みたいなゲスト参加した曲としてならこれはこれで面白かったと思う。
リアレンジするならこのバージョン準拠(男性ラップ+メロディー部分坂井さん)でやった方が新しくなったのではないかとも思うが坂井さんのラップパートを差し替えるのはさすがにためらわれたか。何故かこのバージョンも配信でスルーされてしまった音源の1つ。
★★★☆☆
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
シークレットトラック(痛いくらい君があふれているよ)
単独のトラックではなく、オリジナルカラオケの直後にそのまま繋げて収録されているシングル初のシークレットトラック。今作より3作連続でシークレットトラックが収録されたが、カラオケとトラックが繋がっているのは今作のみ。内容はリミックスだが、Re-mixと比べるとアレンジは原曲と同じ。ボーカルエフェクトを色々試してみた!的なノリでいじくりまわしたような感じであまり面白い音源ではない。
このシークレットトラックは『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』にも収録されていない。
★★★☆☆
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
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