34th さわやかな君の気持ち
02年5月22日
1年半ぶり過去最長ブランクでZARD第2章スタートを銘打って発売されたが第2章始まりを告げるはずだった「時間の翼」フルバージョンは?というツッコミも続出、結果的に2002年唯一の新作となり、再始動というよりも点に近い活動となった。当時体調不良は公表されておらず、直前までの実験・迷走ぶりから新たなZARDサウンドを模索して試行錯誤しているのではないかという見方や、90年代の同僚ビーイング勢が次々活動凍結、解散、失踪フェードアウトを遂げていて、あっという間にB-Gramの生き残りはZARDだけになり、新たに大阪拠点のGIZAに注力していたので残ったZARDは干されているのではないかという見方が主流だった。
C/Wで表題曲別バージョン以外が2曲収録されたのは初。だが新曲ではなく1月に発売していた『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』に収録されていた新曲2曲を若干手直ししたもの。C/W2曲のカラオケは収録されず、表題曲カラオケのみで全4曲構成。
さわやかな君の気持ち
作編曲:徳永暁人
花王「8×4」CMソング。近年の関係者証言にどこまで信憑性があるのかというのはあるにしても時代に適応する新たなサウンドの模索よりも長引く体調不良が大きかったような感じになっているが、当時ようやくの久々の新曲がコレとあってはZARDすっかり干されまくっているな…と感じてしまうのも仕方ない。
タイトル通り爽やかな曲調ではあるんだけど何一つ主張しないシンプルかつ軽いアレンジはデモアレンジが流出したのかと思うほど味気なく、特にほぼドゥッドゥッカンドゥッドゥッカンドゥッドゥッカンドゥッドゥッカンだけを延々繰り返すコピペ臭漂う軽い打ち込みドラムのデモっぽさがとてつもない。爽やかではあるんだけどリズムがお留守すぎやしないか。前作までこねくり回しすぎて迷走してしまったのでここですべてリセットしてシンプルな方向性を目指したのだろうか。それにしても味気なさすぎた。
『止まっていた時計が今動き出した』のAlbum Versionでは珍しくAlbum Version表記がついた事もそうだが、キーを下げてロックバンド風のアレンジに変更した別アレンジバージョン。アレンジは明らかに良くなったんだけど今度は爽やかさが減退してしまっていて難しいところ。
結局タイアップ先のCMで流れていたギターのジャカジャカした感じを前に出したバージョンが1番爽やかで良かったんじゃないかと思う。このバージョンは『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』のPREMIUM DISCでサビのみのCM on-air ver.として収録されている。
★★★☆☆
10thアルバム『止まっていた時計が今動き出した』(Album Version)
4thセレクション『Brezza di mare dedicated to IZUMI SAKAI』
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
3rd BOX『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』PREMIUM DISC(CM on-air ver.)
C/W 抱きしめていて
作編曲:徳永暁人
同年2月に発売されていた『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』に収録されていた新曲のリアレンジバージョン。暗い曲調かつシンプルで軽い打ち込み音でひたすら淡々と進行するのでどうにも印象に残りにくい。リアレンジというほど変わったわけではないが、『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』収録のオリジナルバージョンを聞くとさらに味気なくおとなしくなっていて、シングル盤の音源はこれでも多少の手直しはされてブラッシュアップされているのが分かる。
★★★☆☆
『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』(オリジナルバージョン)
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
C/W Seven Rainbow
作編曲:徳永暁人
同年2月に発売されていた『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』に収録されていた曲のリアレンジバージョン。元々は前年の『ZARD BLENDⅡ~LEAF&SNOW~』に新曲として収録されるという告知もされていたが、『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』収録に変わり、このC/W収録へと流れ着いた。
オリジナルはPerry Geyerとの共同編曲だったが徳永単独表記に変わった。これによりこのシングルは3曲全部徳永1人で作編曲で統一された。それなりに明るい曲ではあるし、メロディーもいいのでそれなりな王道アレンジをすればもっと人気曲にもなったのではないかと思われるが、やはりアレンジがシンプルすぎて薄く突き抜けてしまうのでなかなか印象に残ってこない。オリジナルは当時のR&B全開のようなチッチキタカタカしたサウンドで今作でも軽いには軽いがこれでもだいぶ派手になってはいる。
★★★☆☆
『ときめきメモリアル SOUND BLEND~featuring ZARD~』(オリジナルバージョン)
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
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