12th 夏のラジオ
02年2月6日
アルバム『光の糸』から1年ぶりの新作。アルバム『Y』への先行シングル。今作では再びC/Wは1曲、カラオケ収録が復活した。『夏華』でのスタッフによればサムエルは歌詞が弱いと言われていたので今作では歌詞をプロの作詞家に依頼するという形で制作された。どこの誰が歌詞が弱いと評していたのかは不明である。
相次ぐ新作までの長期ブランクにより出すたびに売上が激減する状況となっていて初登場49位、ついに1万割れとなった。
夏のラジオ
作詞:売野雅勇、作曲:今井千尋、編曲:西平彰
プロ作詞家依頼という試みで今作は売野雅勇が作詞を担当。まあ確かにプロらしくてかっちりした歌詞だけど、これで歌詞が強くなったとかこれで売れるとか評価されるとは全く思わないのだけど…どういうつもりだったんだろうか。平メロはアコギのみで静かに、サビでバンドサウンドが炸裂してロックバンド化する。サムエルでここまでアコースティックギターが埋もれるほどにロックバンドっぽくなるのはかなり珍しい。真冬に「夏のラジオ」という季節の真逆っぷりがなんとも言えないが一応過去を回想しているという事で違う季節に夏を想う、という意味合いもあるのだと思う。ただ「夏のラジオ」は夏に聞いた方がやっぱりしっくり来た。
MVはメンバーではなく高校生くらいの少年少女が主人公となっているが内容が良く分からない上にたぶん今じゃ作れない内容。少年の方があどけなさを残す子供な顔立ちの割に学校に行っておらずスパスパタバコ吹かしている時点でもう現代では完全にアウトだと思うんだけど、無人の工場に不法侵入した挙句に同級生の少女(こっちは学校に通っている)をタバコスパスパしながら連れ出して一緒に自転車を修理し始める。しかもこれ少女に学校サボらせてないか。完成した自転車に少女が乗り、少年は後ろから押して少女は走り出すんだけどなんと少女はそのまま振り返らずに遥か彼方へと走り去っていってしまう。1人に戻って佇む少年、少年の周りで見守るメンバー3人、それぞれ別々に去っていく…とオチも意味不明。どうしてこうなった。
Album Versionではクレジットをよく見るとサポートギターだけ日本人から外国人に変更。平メロは伊藤のアコースティックギターで進行するので変化はないがサビでエレキギターが入ってくるとオリジナルよりもギュインギュインいわせた派手な演奏になっていて間奏のソロも異なる。アルバムの方が派手に振り切っていてロックだ。
★★★★☆
4thアルバム『Y』(Album Version)
1stベスト『TICKET』
2ndベスト『ゴールデン☆ベスト Something ELse』
C/W 元気ですか?
作詞:今井千尋、作曲:伊藤大介、編曲:山川恵津子
「ジキニン」CMソング。「be there」に続いて広く聞かれていたCMタイアップをC/W送りにしてしまう愚行再び。曲がA面に弱い判断したにしてもせめて両A面にするとかさぁ…。このシングルに関してはこちらの方が聞かれている機会が確実に多かったのではないかと思う。一応シングル盤にジキニンのタイアップシール貼ってはあったけど。
作曲を担当した伊藤のメインボーカル。どういうわけかコーラスしているのは今井のみでクレジットを見ると大久保の名前が無い。まさかの伊藤今井2人しか参加していないという唯一の曲。いつもは3人必ず参加しているのにこの曲だけ大久保がコーラスもしなかったのは何故なのか。伊藤の声はメンバーの中でも最も細いが、今作はわりと大久保っぽい歌い方もしており、パッと聞いただけだと大久保が少し控えめに歌っているのかな?とも思える。恐らく大久保ボーカルでもこの曲はいい感じにはなっていたと思うが、伊藤ボーカルの線の細さがより曲を引き立てている印象。
繊細なバラードという印象もあるがこの頃から伊藤曲はこの路線の伊藤バラードばかりになってしまい、ちょっと停滞感もある。
★★★☆☆
1stベスト『TICKET』
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