Mr.Children 30周年シングル回顧3+ 2001-2005
21世紀を迎えた2001年。前年からの『Q』を引っ提げてのツアーを経て上半期は新作は無かったが、7月に2000年までを総括するベストアルバム『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1996-2000』(公式通称「肉」「骨」)を2枚同時発売。『Q』でミリオン割れとなっていたものの初のベストアルバムは需要が高く、2作とも再度ミリオンヒットを記録した。前半に当たる『Mr.Children 1992-1995』が200万枚を越える一方で、『Mr.Children 1996-2000』との差は最終的に50万枚をゆうに超えるほどの売上差となるなど随分と露骨な差が生じた。
間髪を入れずに心機一転の新作シングル「優しい歌」のリリースからはポップ路線に回帰。CD全体の売上が激減していき、97年の休止以降にMr.Childrenを抜き去っていた後輩のトップアーティストがあっという間に半分以下に落としていくのも珍しくない中で、Mr.Childrenだけ再度上昇していくという奇跡を起こし、実質再ブレイク。オリジナルアルバムでも再度ミリオンを達成し、トップアーティストへと返り咲いた。この00年代半ばまではアルバムであれば一時的にミリオンを突破したり、タイミングが合えば爆発的ヒットで200万300万も出せる時代だったが、どれも一時的であり、B’zの連続ミリオンもついに途絶え、オリジナルアルバムで連続してミリオンを出せるのはMr.Childrenと宇多田ヒカルくらいとなった。
また『DICOVERY』『Q』の頃はバンド主導で進めようとして小林武史は後から合流するなどやや関係がギスギスしていたようだが(双方がそのように振り返っている)、再度ガッツリと組んでの制作となっていった。微妙な関係にあったという『Q』時点で小林武史のメンバー表記がサポート枠ではなくメンバー枠にスペースを開けて記載するようになっていたが、以後この表記が常態化。サウンド面でも徐々にピアノの比重が大きくなっていった。これは桜井がピアノでの作曲を始めた事で恐らくデモ段階でピアノ始まりのアレンジのイメージが湧きやすい楽曲が増えたといった事も要因の1つにありそうではある。
3rdベスト『Mr.Children 2001-2005
20th 優しい歌
01年8月22日
7月に発売されたベスト盤2作でこれまでを総括し、続けてリリースされた1年ぶりのシングル。今作より「Any」まで帯なしの薄型プラケースでの発売。2001年になると全体のCD売上が激減し、シングルでのミリオンヒットがほとんど出なくなり、CD不況が叫ばれ始めた。各アーティスト軒並み前作割れ(特に当時のトップバンドであったGLAYの激減っぷりが目立っていて当時の印象は対談レビューの時にも触れている)、大幅に売上を落とす中でベスト盤もミリオンは突破する勢いだったものの、かつて300万枚を2作出していたのに比べればやはり…という感じではあった。こういう状況の中でのシングルでどこまで伸ばせるか、さすがにもうミリオンを期待する声は無かったと思われるが、結果としては50万枚を下回る程度となり…まあこんなもんか…といった印象ではあった
この時点ではさらに奇跡のV字回復を見せ、今度こそ揺るぎないトップバンドの座へと返り咲く事になるとは思っていなかった。ただ既に前年までミリオンを飛ばしていたのに大幅に落としたGLAYやラルクと同程度か上回るくらいになっていた。
優しい歌
アサヒの缶コーヒー『WONDA』CMソング。またこの後10~12月秋クールの田村正和主演のドラマ『さよなら、小津先生』とWONDAがタイアップ関係にあり、ドラマの次回予告前のCM枠で毎回1分間ロングバージョンCMとしてドラマのメイキング映像を流していた。WONDAのCMソングが今作だったのでドラマメイキングに合わせて今作が流れるという事態となり間接的ドラマタイアップとしても機能していた。ドラマ自体はエンディングにaiko「おやすみなさい」が起用されていて正式な主題歌はそちらだったが、正直「おやすみなさい」よりも「優しい歌」がかかっていた印象の方が強いという逆転状態であった。これもあって秋ドラマの放送期間にもトップ20付近で少し粘って推移していた。
ベストで総括して吹っ切れたかのようなシンプルなロックナンバー。重い荷物を捨て去って軽やかになったような、ベスト盤を区切りにしてというのはよくある話ではあるが、ここまで分かりやすく吹っ切れて新たなステージに立った印象を受けるのも珍しく、とても新鮮だった。97年の活動休止からの98年の復活、以後も桜井の病気からの復活や97年の休止を越えるようなブランクでの新作なんてのも後年珍しくなくなっていきその頃にはいちいち復活アピールもしなくなっていったが、いずれにせよ何度かある再スタートの中でも今作での”復活”が最も印象的。
キーボード以外にチェロとバイオリンを入れているが○○ストリングスという表記ではなくそのまま2人しかクレジットされていない。そしてこのチェロを担当しているのが四家卯大。ミスチルでクレジットされたのは『DISCOVERY』が最初だったが(シングルだと「終わりなき旅」)、『Q』収録曲では起用されず、ここで再起用となった。以後小林武史のストリングスと言えば四家卯大、四家卯大あるところに小林武史ありというくらい両者はベッタリとタッグを組んでストリングスアレンジを大量に手掛けるようになっていく。加えて翌02年にMY LITTLE LOVERからギタリスト藤井謙二が脱退。当時マイラバのメンバーであった小林にとって藤井は自分(ピアノ)とは違う楽器を弾く唯一のバンドメンバーであり、当初プロデューサーと新人という関係であったとはいえ一定以上のギタリストとしてのリスペクトは持ち合わせていたはずで、そんなギタリストを失った小林武史は以後徐々にギターを抑え込むようになり、四家卯大と共にストリングスアレンジに傾倒していくのは必然だったのかもしれない(田原&小林にそこまで深い関係はなさそうだし、後のレミオロメン藤巻とはギタリストではなくソングライターとして接しているだろうし…)。しばらくはそこまで気になるものではなく、今作でも非常に効果的な使い方をしているし、アコーディオンの音色も印象的でピアノまみれと揶揄されるような傾向はまだ見えない。しかし四家卯大を起用し始め、メンバーとして身近にいたギタリストに脱退された事は小林武史の作風がピアノストリングスまみれに変わっていく大きなきっかけになっているのではないかと思う。加えて桜井がピアノでの作曲をするようになってギターよりもピアノ始まりが自然にイメージされる曲が増える等も重なって徐々にピアノにまみれていったのではないか。今作が意外と他にないバンドメインでストリングスが入っているのに派手でもない抑えたアレンジになっているのはこういった転換期の妙もあったと思う。
歌詞については一般的には自身のこれまでとこれからをファンに向けて歌っているという解釈が主流だが、桜井の前妻との間に生まれていた娘の名前になぞらえたタイトルだった上に「魂の歌」、「後悔の歌」と来て最後に「優しい歌」と来る構成も相まって、娘の名前を知っていたファンの間ではそのままズバリ娘に向けて歌っているのではないかとも言われていた。当然公式見解ではないし、御用達ライターの本でも絶対触れないし、仮にそうだとしても確実にそうだとは言わないだろうから真意は不明である。
★★★★★
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
C/W 花
副題が無くなった11thシングル「花-Mement-Mori-」のリメイク。ピアノ中心のスローバラードになり、歌い方も以前より優しくなった。だがちょっと間延びしてしまっている印象で正直ちょっとかったるい。このバージョンでわざわざ聞く事はあまりなく、個人的には定着しなかった。曲が進むにつれてバンドが前に出てきて壮大になっていくが、00年代後半以降の壮大さに比べればまだシンプルにまとまっている方か。コーラスにはマイラバのakkoとソロデビュー前のSalyuが参加している。Salyuはこの当時小林プロデュースで映画「リリィ・シュシュのすべて」の劇中歌を担当していた。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』
21st youthful days
01年11月7日
初動35万枚を突破して最終的に70万枚に迫る売上を記録。前年の「NOT FOUND」を上回り、「口笛」を下回る程度であるが、人気復調を印象付けるヒット作となった。というのも他がどんどん売上を落とす中で売上を上昇させ、98年以降はすっかり抜き去られていたGLAYやラルクを再度上回り、BUMP OF CHICKENのブレイク作「天体観測」も上回るなど次の世代のバンドも抑えた事になる。ミスチル現象の再現とまでは行かずとも翌年にかけてトップバンドへと返り咲いた。
11月発売だったためO社年間チャートでは「優しい歌」より下の位置につけているので年間チャートで振り返ると埋もれがち(『CDTV』では20位で「優しい歌」を上回っている)。5週連続トップ10入り→5週連続トップ20入りと合計10週トップ20に居座っていたのでロングヒットになっていた印象も強いが何故かその後2週で超速チャートアウトしてしまったため登場週数は実は前作より少ない。
youthful days
フジ月9ドラマ『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』主題歌。滝沢秀明、椎名桔平、藤木直人、阿部寛による洋菓子店を舞台にしたほぼ1話完結のコメディ系の内容だったが、テロップを多用するなど実験的かつ挑戦的な演出が加えられた。終盤では椎名桔平を過去に誘拐した犯人が滝沢秀明の父親だったのではないか?という疑惑が生じ、ミステリーモノを思わせる演出で最終回への盛大な前フリにしたと思ったら最終回は何故かレギュラーの雑誌記者役だった小雪のインタビューに各自が応えているという謎のインタビュー語り形式となっていて、しかも4人とも全て話している事がデタラメで言っている事が違う。肝心の父親の謎も煙に巻いたままで言っていることが違っており、滅茶苦茶なままに終結したので何が何だか良く分からなかった。なおミスチルだけでなく阿部寛も大ブレイク級の勢いで前年の『TRICK』主演に続いてこの01年は冬クール『HERO』、夏クール『できちゃった結婚』に続いてまさかの年間3度の月9出演を達成(春クールもTBSドラマに出ていたので全クール連ドラレギュラー)していた。
そしてこの異色のドラマは音楽起用も異色で劇中音楽が全てMr.Children。これはミスチルの楽曲をインストにしたものを使用するだとか、ミスチルが新たにサントラを制作したとかいう類ではなく、既存の歌入りのミスチル楽曲をそのまま全編BGMとして使用するという前代未聞の使用方法であり、エンディングではその回の使用曲をざっと表示。よって劇中でかかっていたのはほぼ歌の入った曲で、場面に合わせて細かく色々な曲が使用され、「臨時ニュース」や「Dive」等のインスト曲も使われていた。また「I’ll be」に続けて「I’LL BE」を流した際には「I’ll be」「I’LL BE」と小文字大文字で区別され、非公式だったこの区別方法がより浸透するきっかけにもなった。結果的に月9ドラマで楽曲垂れ流しという盛大なプロモーションにもなってこれがミスチル復活を大いに後押しする事にもなり、ベスト盤の更なるヒットにも繋がった。
主題歌は今作だったのでOPでもちょっとかかっていたが、エンディングでもそのまま使用される回もあればその時の話に合った曲が使用される事もあった(子役時代の大島優子(後のAKB48)が4話のメインゲスト子役として登場しラストで亡くなってしまった展開の時には「星になれたら」がエンディングだった)。
久々に青春の匂いがする疾走感のある気持ちいい曲だが、歌詞は抽象的でイマイチよく分からない。青春というよりも30歳を越えたメンバーにとっての改めての若さへの回答というか、Cメロ部分でのコーラス連呼でI got back youthful daysと歌っているように若い感覚は年取っても取り戻そうと思えば取り戻せる、といった感じだろうか。
MVはCG加工により首なし桜井が自分の首を抱えて歌っていたり、首が伸びたりとちょっと気持ち悪かった。今見るとCGも雑だし…。まあよりリアルなCGでやられるとますます気持ち地悪いか。
★★★★★
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012)
C/W Drawing
ドラマ『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』挿入歌、ドラマ『幸福の王子』主題歌。今作も既存曲に交じってしれっと使用されていた。また翌年5月に『IT’S A WONDERFUL WORLD』に収録されたさらにその後の03年夏クールのドラマ『幸福の王子』主題歌として再起用された。その際はメディアで『IT’S A WONDERFUL WORLD』収録曲として扱われていたためシングル盤がチャートに再浮上する事は無かったが、これもあってかC/Wでベスト盤に選曲された最初の楽曲にもなった(「Melody」もそれに該当するため唯一ではなくなった)。
今作やアルバムで聞いていた当時はほぼキーボードメインで進行して2番まで進む音数絞りまくりな構成もあってやや地味な印象で、それでもメロディーは切ないという程度だったが『幸福の王子』に物凄く曲がハマっていたのでそれで一気に印象深い曲になった。『幸福の王子』は優秀な意志の卵だった本木雅弘が菅野美穂と相思相愛だったが友人の渡部篤郎の嫉妬による妨害工作などもあって転落&不幸の連発で何もかも失っていく過程が、渡部篤郎の綾瀬はるかへの懺悔という形で毎回回想されていくという構成で、本木雅弘と菅野美穂は悲劇的な死を迎えるが、心臓病だった綾瀬はるかは渡部篤郎によって本木雅弘の心臓を移植されて救われ、命と希望をこの世に繋ぐというわずかながらも救いのある結末だったがとにかく悲しかった。悲しい物語に驚くほどハマっていて、なるほど新曲ではなくこの曲をわざわざ起用したわけだなと。
★★★★☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
22nd 君が好き
02年1月1日
初の元旦発売。今作も50万枚程度のヒットを記録。前作からは下げ、「優しい歌」とさほど変わらない売上ではあった。しかしこの50万程度というのは2001年であれば今作の売上は年間30位程度に該当するが、2002年の年間チャートで12位。CDはますます売れなくなっていたので売上をキープするだけで自動的に順位は爆上げする状態にあった。次作「Any」も13位となり、ミスチルの人気回復は決定的なものとなった。
君が好き
フジ月9ドラマ『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』挿入歌。「youthful days」「Drawing」以外にもまだ未発表のバラードが使用されており、しかもほぼ毎回終盤で使用され、1話と最終話ではエンディング曲としても使用されていた。ドラマ終了後に満を持しての発売となったものの割と初期にありそうな感じのバラードだったので発売されるまで気づいてなくて新曲まだあったの?とすっとぼけた事を思っていた…。見ていたのはドラマであり、曲を意識して聞いていたわけでは無かったのもあった。
キーボードメインで始まるという以降の片鱗を感じさせるアレンジだが、バンドとキーボードはまだちゃんと溶け合っている。ドラマチックに盛り上がるわけでもなくむしろお疲れムードの漂うラブソング。庶民目線というか“アパートの脇”とか“くたびれた自販機”とかやたらと生活感のある描写が登場する。正直シングルには弱い曲だしヒットしないだろうと思っていたらなんか普通にヒットしたので驚いた。当時そんなに聞いた曲ではなかったがなんだかんだ普遍性は高く、20年以上経過しても色褪せないなとは思う。
今作以降バラードがやたらヒットするようになったのはますます刺激の少ないバラード連発に繋がっていくところはあったと思う。つまりバラードばかりになったのではなく、バラードのウケがいいのでバラードが多くなったというか。
MVには窪塚洋介が出演。少年時代に謎の組織の実験体にされていた少年と少女。成長した少年は何故か丸坊主の窪塚洋介となり(当時の窪塚氏は今作のような坊主姿で同時期のドラマ『ロング・ラブレター~漂流教室~』ではフッサフサだったがそっちはカツラを使用して出演していた)組織に反抗するもどうしようもなく…。そこに謎の救世主ネオとして桜井が登場、手のひら1つで相手を気絶させる特殊能力を駆使して組織を壊滅させ、これに気づいた窪塚は同じく成長した少女を助けて脱出するという内容。残り3人のメンバーは車で待機していて戻ってきた桜井と去っていく。3人は待っているだけで運転するのは戻ってきた桜井なんだけど、3人のうち誰かが運転手役の方がスマートじゃないかと地味に思う。
あと『世にも奇妙な物語』の広末涼子主演の「ウイルス」(ウイルスに感染して隔離されてしまった広末は嫌気が刺して脱出するが実は逆で感染していない広末を守るための隔離だった、広末も感染してしまうBAD END)の記憶がまだ新しかった頃だったので(確か1997年放送)、これむしろ悪の組織じゃなくて善意の組織で2人を隔離して守っているとかだったらどうすんの?とはちょっと思った。描写的には子供の頃からの人体実験っぽくはあるんだけど、子供の頃から治療してたとか、外に出たら2人は死ぬBAD ENDルートになるし、やべぇ保菌者とかだったらもっとBAD ENDになってしまうしな…(桜井もテロリストになってしまうが、しかし無表情で殲滅してるのでそう見えなくもな)。
★★★★☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
C/W さよなら2001年
元旦発売は実際には年内に購入できるため、年が明ける前に今作を聞いて2001年を締めくくる事になった。2001年の911テロを受けて書き下ろした楽曲で、来年はいいことがあるようにという願いと同時に無力さも感じられる。この意図から当初は松任谷由実「A HAPPY NEW YEAR」のカバーを制作して実際にレコーディングもしたが何か違うという事で完全にお蔵入りした事が明かされている。全体的にモヤモヤしており、打ち込み主体の実験的な作風だけに余計に暗さが強調されてくるというかあのテロの映像や崩れ落ちたビルの映像を見てしまえば希望なんて歌えるような状況ではなく無力さを感じるしかないような状況だった事は伝わる。当時の心情を記録したドキュメント的な作風ではあるのかもしれない。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』
From 10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
02年5月10日
デビュー10周年記念日ピタリ、10枚目のアルバム(ベスト除くライブ盤含むカウント)。この年の5月10日は金曜日だったので初週の集計が不利だったが問題なく1位を獲得。そのまま前作で逃したミリオンヒットを再度達成。2002年の年間チャート6位を記録。『DISCOVERY』で10位、『Q』で23位だった事を考えればここに来ての再度ミリオンヒットが数年前とは意味合いが異なる事が分かる。
再生紙を使用したブックレット一体型の厚紙ケース仕様。前2作以上にCD収納部がキツキツの直入れ仕様なので普通に出し入れしようにも少し押し込む事になるためあっという間に盤面は擦れ跡だらけになってやがて傷だらけになってしまう危険性がある。3作連続のCD直入れ仕様で盤面が傷だらけになる被害が続出したのか、次回作以降も特殊ケースは続いたがCD収納部はプラケースでの固定式になった(『REFLECTION』では収納袋がついた)。
紙自体はかなりがっしりしているので擦り傷が生じたり、プラスリーブのように割れたりする心配はないが、染み、ヤケ、汚れ等が生じやすく耐久性、保存性にもかなり難があるといえる。
蘇生
「overture」を前奏として繋がって曲に突入するのでアルバム実質1曲目にして『深海』以降の重たい空気を完全に振り払った再スタート作。次の曲が「Dear wonderful world」なので、アルバム本編が始まる前に『深海』からの流れを断ち切るという意味合い、またそう深読みさせてやろうという狙いも感じられる。当時は事あるごとに『深海』脱出が引き合いに出され、潜水服を脱ぎ捨てて視覚的にもアピールした『Q』でも断ち切るに至らなかっただけにベスト盤で総括、区切りをつけて今作までの流れでポップ路線への回帰を印象付けてダメ押しの今作で完全に断ち切り、『深海』の呪縛を完全に振り払うというのをかなり意識して狙ったのではないか。
先行シングルの時点で明らかにミスチルの足取りが軽やかになっているのは感じたが、この曲でミスチルが完全にポップフィールドに帰ってきたこと=深海脱出を実感したファンも当時多かったはず。後追いでもアルバムを順番に聞いていけば追体験できると思う。『深海』の頃でも前向きな曲もいくつもあったけど、本当に“何度でも生まれ変われる”気がする勢いが好きだ。小林武史との関係も改善されて風通しが良くなったようにも感じられる。
ベスト盤収録時は今作だけ収録すると「overture」と繋がったド頭とや次の曲へ繋がっていた「Dear wonderful world」に繋がるエンディング部分が途切れた感じになってしまうので自然に編集した音源で収録。これはベストのために新規編集したわけではなく当時ラジオOA用に編集していたもののようだ。
★★★★☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
one two three
ピークは越えつつもまだ多彩さのあった当時の小林武史らしいバンド以外の味付けもかなりされていてにぎやかでポップな楽曲。これもミスチルがポップさを取り戻した事を強く感じる1曲で、バンドっぽさよりも楽曲に合わせる事を重視してバンドっぽさにこだわらずに編曲を重ねた、というのがこのアルバムの特徴だったと思う。この頃はバンドっぽくなくても特に気にならなかったし、今でもそんなに気にならないのはやはり様々な音のバランス感覚がいいからだろう。
サビ終わりでは裏声まで音程が上がるもののそれ以外は比較的低めなのも珍しい。ラストでは何故かアントニオ猪木の挨拶(引退時のもの)がそのまま放り込まれていてる。猪木の1,2,3!ダーーー!!というのは曲名にひっかけたギャグか。
★★★★☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
ファスナー
後にスガシカオがカバーした曲。最初からスガシカオの作風を意識したようなスガみ溢れる独特のポップ感がある。リズムが打ち込みっぽくてバンド感は薄め。冒頭のアレを締めつけたくだりなど比喩でも何でもなくそのままというあけすけ具合なので、苦手な人は苦手な曲だろう。ただ単なるいつものエロ歌かと思いきやファスナーの向こうの真実を表現した歌詞は深い。ただウルトラマンと仮面ライダーをファスナーの例えにするのは公式的には「中の人などいない、ファスナーなど無い」と子供たちには説明したくなるよね。
8年後の2010年に『Sprit the Difference』で実際にスガシカオを招いて共演した映像が収録された。またさらに7年後の『himawari』C/Wにはスガフェス!に出演して際のスガシカオとの共演ライブ音源がシークレットトラック収録されるなど実際にスガシカオと共演した音源が2つも発表されている。2011年のスガシカオの『SugarlessⅡ』ではスガシカオ本人のスタジオセルフカバーも発表されていてゲストとして桜井が参加している。
★★★☆☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
37thシングル『himawari』シークレットトラック(スガフェス! 2017.5.6 SAITAMA)
いつでも微笑みを
鈴の音が聞こえるため少し年末を思わせるが季節的な要素は特に歌詞にはないほのぼのとしたドポップな1曲。バンドの音が聞こえずほとんど桜井(と小林)のソロ作品のようでもあるがメロディーはこのアルバムの中でも飛び抜けてキャッチーで親しみやすく、発売当時から好印象で早い段階で覚えた曲の1つ。5年後の2007年になって損保ジャパンCMソングとして起用されCMには新垣結衣が出演していたのでこの時の印象で記憶している人も多いかも。
歌詞中では“いつでも微笑みを”で”ほほえみを”と歌い、ラストの”いつでも微笑を”の連呼では”み”が無くなり、“微笑”に”えみ”とふりがなをつけて“いつでもえみを”を連呼。このため普通に考えて今作のタイトルは「いつでも微笑みを」であるため前者の「いつでもほほえみを」であるという単純な話であったはずが、JASRACへの登録では「正題 イツデモ エミオ ITSUDEMO EMIO」「副題1 イツデモ ホホエミオ ITSUDEMO HOHOEMIO」と登録されていて、正題が「いつでもえみを」になっている上、事実上の公式ライターである小貫信昭氏が『Mr.Children 2001-2005
小貫氏は恐らくJASRAC登録を根拠にした可能性が高いがこの小貫氏のこの文章には明確な間違いがあり、”歌詞の上でも最後だけ“微笑(え)みを”と締めている”と書いているがこれが正しくない。前述のように最後に出てくるのは”微笑(え)みを”ではなく、“微笑(えみ)を”である(タイトルと違い”み”が無くなり”微笑”にふりがなで”えみ”)。後のライブで作者桜井本人が「いつでもほほえみを」と曲紹介した事もあり、JASRACへの登録にミスがあっただけで、普通に「いつでもほほえみを」なのではないかと思う。
★★★★☆
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』
31stシングル『旅立ちの唄』C/W(from HOME TOUR 2007.06.15 NAGOYA)
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
23rd Any
02年7月10日
『IT’S A WONDERFUL WORLD』から2ヶ月での新曲。当初この直後にホールツアー『TOUR 2002 DEAR WONDERFUL WORLD』、11月からアリーナツアー『TOUR 2002 IT’S A WONDERFUL WORLD』を開催予定だった。今作発売5日前のMステには普通に出演し、事前に収録されていた1週間後の『CDTV』のゲストライブにも出演したがその後のTV出演やライブは体調不良でキャンセルとなった。そして桜井が小脳梗塞になったと正式に発表され急遽活動中止となった。命に別状はないとされ、数ヶ月の休養が必要との発表だった。
このため発売前後で本人稼働のプロモーションが中止となったものの、報道自体が大きな話題になった事、タイアップ先のCMは変わらず流れていた事もあって売上にはあまり影響はなかった。相変わらず他が総ジリ貧状態の中で今作も50万枚を突破。ただ100位以内集計時は突破しておらず、10月半ばに100位圏外になり一旦集計が停止、12月から200位集計になると101~200位に9週ランクインして加算されたので、100位集計でも200位集計でもない過渡期の集計となっている(10月後半~11月一杯の101~200位に恐らくランクインしたであろう分が抜けている)。
「NOT FOUND」以降5作続いていた(「マシンガン~」含めて全6作)普通のマキシシングルプラケースで発売された最後のシングル。
Any
NTT DoCoMo Group 10th AnniversaryキャンペーンCMソング。ミスチル同様にDoCoMoも10周年で、翌年までDoCoMoとのタイアップは続きその都度新曲が起用された。
CMでサビだけ聞いた時点では最高傑作じゃないかとかなり期待していたのだが実際CDでフルで聞いてみたら、そうでもなかった。サビだけやたら強いCMソング前提で作られた曲だったのかもしれない。全体を聞き慣れた現在ではあまり感じないが、今作や「未来」は発売前にサビだけ大量CMで馴染んでいたのでいざフルで聞いた時にサビ以外がなんか違う(サビ前をドラムで繋いでるし)という違和感が当初あった。
今いる場所が探していたものとは違うけど悪くはない、と歌うサビの歌詞は、随分思っていた状況と違う境地に立ってしまった高校2年生終わる直前の心境と被っていたのでけっこう響くものがあった。この曲の思い描いた未来とはどんどん変わっていってしまうという実感は社会に出てからの多くの大人に響くところはあると思う。悪くはないとそう思えるかが大事なんだろうな。
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
C/W I’m sorry
ひたすら謝罪しまくる謎のソーリーソング。そこまで実験的でも変な曲でもないが明らかに謝りすぎで何とも言えない曲。『B-SIDE』ライナーによるとごく身近な人たち同士のケンカを歌ったらしい。かなりの内輪ネタソングだったわけで、事情を知らないリスナーと知っているミスチル関係者の間では温度差がかなり明確な曲かも。『B-SIDE』のライナーで「雨のち晴れ remix version」と共に“本当のミスチル・ファンじゃないと聴いて欲しくない”と桜井が語っているほどだが、そこまで言うほどではなくもっとファン向け感の強い変な曲もあるだろうとは思う。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』
24th HERO
02年12月11日
桜井の小脳梗塞での休止時に数ヶ月の静養が必要と発表されていたが、意外と周囲の心配をよそに本人は早く元気になってきていたらしく、新作リリースを望んでいたという。そんなわけでまさかの年内復帰。中止になっていたツアーは一夜限りのライブ『TOUR 2002 DEAR WONDERFUL WORLD IT’S A WONDERFUL WORLD ON DEC 21』として開催し、復活をアピールした。
今作よりマキシシングルのプラケースではなく、常時特殊ジャケット仕様となった。基本的には厚紙のケースにプラケースのトレイといういわゆるデジパック仕様であったが、今作に関してはプラトレイは無く紙ケースに近い形状となっている。初回盤はジャケットやMVで登場しているクレイアニメのキャラクターが開くと飛び出してくるというもので、CDは布ケースに収納されている。何気に『DISCOVERY』『Q』『IT’S A WONDERFUL WORLD』は特殊ケースにCDを直入れする仕様であったため(盤面が傷だらけになりやすい)、布ケースによる保護が得られるのは初であった。
今作リリース時のTV出演は控えていたが、55万枚を突破(ただし03年度よりO社が集計範囲を拡大し100位集計から200位集計となった影響で今作は100位以内なら11週だったが200位以内で32週となり今までは加算されなかった分がかなり積み上げられた)。04年の年間9位となり、97年以来の年間トップ10復帰を果たすと以後O社チャートが崩壊する寸前の2008年まで毎年年間トップ10ヒットを放つという全盛期よりも全盛期なトップポジションをキープし続けた。
HERO
前作に続いてNTT DoCoMo Group 10th AnniversaryキャンペーンCMソング。当時は情報が曖昧で復帰作として作られたと紹介している媒体もあれば、休止前には出来ていた曲と紹介する媒体もあったように記憶している。実際には曲は病気前に作っていて復帰後に多少付け加えてレコーディングしたということのようだ。ゆったりしつつも、意外とロックバンド感のある冬に聞きたい温もりのあるバラードナンバー。サビでは裏声を駆使するが、最後のサビでは全面的に声を張り上げるところが地味に熱い。これは本調子ではないので声を張り上げずにファルセットを駆使すると話し合ってレコーディングを開始したところ最後のサビだけ桜井が地声で歌いきったと語られている。これが物凄くドラマティックな展開になった。
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(Mr.Children [(an imitation) blood orange] Tour)
C/W からっ風の帰り道
妙に短く語尾を切ったり上げたりするのが印象的なシンプルなバンド演奏による”歌モノ”曲。序盤は静かだが後半は意外とロックな印象もある。詞で書かれている情景は高校以上ではなく、中学生くらいの頃みたいなノスタルジックなイメージ。からっ風が吹いているだけあってやはり冬に聞きたい曲。このシングル盤を12月以外に取り出す事ってあまり無かったかもしれない。
★★★☆☆
11thアルバム『シフクノオト』
25th 掌/くるみ
03年11月19日
11ヶ月ぶりの新作。02年7月の桜井の小脳梗塞から12月には前作発売、復帰ライブも行ったが03年になると沈黙が続き、9月には新曲「タガタメ」がラジオ限定OAされていたものの、03年は新曲発売なし…?桜井の経過が良くないのか…?と様々な憶測があった。しかし桜井はとっくに治っていたと言い、ドラムの鈴木が活動再開したくないとごねていたとMステでの発言で明らかになった。鈴木の心の問題、鈴木が休みたいと言っていた等、明確な理由が語られず、鈴木が桜井の体調を気遣って休むと言っていたというのが一応定説にはなっている。ただ桜井も桜井で自分に気を遣っていたのかなんなのかと鈴木の真意を測りかねているのか理解していてあえて曖昧にしているのか、ハッキリとコメントしておらず、鈴木の後年のインタビューでも結局どういうことなのかはどこか曖昧のまま。とりあえず動こうとしない鈴木をその気にさせるために桜井は新曲を聞かせたりして再開を促していたと語っている。とはいっても実際に動き出したのは春頃だったそうなのでリリースやライブの開きほどは止まっていなかったようだ。
初の両A面シングルで2曲とも並列にA面として扱われ2曲ともMVも制作された。両A面効果かここに来て売上が上昇、65万枚を突破し、04年の年間5位となった。
今作のジャケットは帯ありの再生紙+トレイという仕様。さらにエンハンスドCD仕様で2曲のMVを収録。ぼちぼちDVD付が主流になってきている中で珍しい仕様だったが、02~04年はCCCDがあったのでCCCD回避のために今までやった事もないCD-EXTRA、エンハンスドCDを導入するところもある時期ではあった。ただトイズファクトリーはCCCD狂騒の波には乗らない会社だったので関係はないと思われる。
掌
久々に激しい曲。”抱いたはずが突き飛ばして””キスしながら唾を吐いて”などあえて相反するぶち壊すような行為を持ってくるサビが最初は衝撃的だった。今作のメッセージは大サビ部分に込められていて互いに認め合えれば1つにならなくてもいい、という部分でありこれは真理だと思う。”そんな当たり前のこと 何でこんなにも簡単に僕ら 見失ってしまえるんだろう”というのも何度も繰り返されてきた事であり実感のある言葉だ。ただアリーナ級のライブ会場で観客が一体となろうとしている中で1つにならなくていいよと歌われるというのもなかなか複雑なところがあるような…。
黒い液体がドロドロ出てくるMVはちょっと気持ち悪い…。
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
くるみ
DoCoMoのCMソング。当初ノンタイアップで発売された後に起用された。未来をくるみという女性っぽい名前に変換して語り掛けるという希望の歌。30代半ばにしてたどり着いた人生の1つの答えのようでもあり、優しい雰囲気の曲調もあってスーッと聞き手を癒していく。アコーディオンっぽい音色が特にいい雰囲気を出していてポップなアレンジだがこの原曲アレンジにおけるまだポップス職人の名残がある小林武史と数年後の「くるみ-for the Film-幸福な食卓」におけるピアノストリングス一辺倒アレンジャー小林武史の変貌っぷりも聞きどころ。
MVが話題作となった。妻子に置いて行かれ孤独に生きていた初老に差し掛かったおっさんが店先のギターを見てふいに昔の夢を思い出して再度ギターを手に新曲(今作)を書き下ろし、Mr.Childen、Mr.ADLUTSの2つの候補からバンド名をMr.ADULTSに決めてかつての仲間たちに再度バンドをやろうと呼びかける。定食屋のギター、工事現場のドラムは新曲に涙して承諾、八百屋のベースは何故か年の割に幼児を背負っていて妻に反対されてしまう(妻、奇跡の高齢出産過ぎね?)、しかしあきらめきれずに深夜に疾走して3人の元へ向かい最終的に4人が揃って活動を開始。老人ばかりの将棋会(?)でのライブは冷たい反応、妊婦を相手にした音楽と胎教会(?)では穏やかな反応をもらえたが、結婚式場でのライブでの人々の反応は冷たかった。この式場でのライブシーンは大盛況で盛り上がるシーンも一瞬挿入されるが完全に冷めているシーンや全員帰って掃除のおばちゃんが後片付けしているのに演奏を続けているシーンが提示されるなど理想と現実が曖昧になっているが、いずれにせよメンバーが涙するほどの名曲「くるみ」の反応は思わしくなかったという設定だろう。それでも演奏を終えた4人はとても満足げだった。ボーカルのオッサンは改めてバンド名を決めた時の紙を眺めてポイ捨てしていくが…そこに妙に若い雰囲気の桜井が歩いてきて紙を拾うと「Mr.ADULTS Mr.Children」(ADULTSに〇)と書かれていた。消されているMr.Childrenを見て若き桜井は自身のバンド名を決めた…とこの時が1989年 Mr.Children結成前日だった事が判明するという内容。当然フィクションだが、このオチの秀逸さやボーカル役を演じた網野あきら氏の熱唱っぷりが桜井っぽい迫真の表情というのも印象的で名作だった。
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
29thシングルC/W(-for the Film-幸福な食卓)
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』(-for the Film-幸福な食卓)
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 “I ♥ U”~FINAL IN TOKYO DOME~)
From 11thアルバム『シフクノオト』
04年4月7日
2000年以降(『Q』以降)では最大のヒット作となり140万枚を突破。宇多田ヒカルのベスト盤に続く2004年のO社年間2位となった。初めて初回盤DVD付が用意されて制作ドキュメント&インタビューを収録。この初回盤は通常盤と品番が分けられていなかった。
再生紙使用のデジパック仕様で特殊ジャケットの中では比較的しっかりとしていて擦り傷や折れ、ヨレ等が比較的生じにくい耐久性のある作りになっているようだ。
言わせてみてぇもんだ
00年代のアルバムでは最も間口が広くバランスが良いのは『シフクノオト』だったように思うが、そんなアルバムの1曲目は比較的ロックバンド色が強め。この頃はバンド的な部分とピアノストリングスを生かす時は生かすというバランス感覚がまだちゃんとあった。割と一方的な思いを吐き出すような自分勝手なラブソングではあるんだけど、ひねくれた主人公の日常的なぼやきのような内容は社会で生きる人々に広く共感を呼びそうではある。まあ”どっかの天才をひがんで皮肉を吐いてみても何にもなりゃしねぇよ”とかリスナー側は桜井を確かな才ある者として見ているわけだから天才が天才ひがんでも…と思ってしまうところもなくはないが…。でもこの天才、けっこうしれっとこういう庶民的な歌詞をいくつになっても書けてしまうところがなんだかんだ天才だなと思ったりもする。
★★★☆☆
11thアルバム『シフクノオト』
PADDLE
DoCoMoのCMソング。10周年の「Any」以降起用が続いていたDoCoMoのCMタイアップ曲として今作も大量OAされていたのでアルバム発売時の強力なリード曲として機能していたように思う。前向きかつキャッチー&ロックで爽快な王道ミスチル的な内容だが意外と似たような曲が無い。周囲では「タガタメ」より直近のCMで流れまくっていた今作がようやくフルで聞けるという期待感があって発売直後に友人たちとドライブした際にかけたところ大好評。もう1回だもう1回だとリピートしまくったのでなかなか次の曲が聞けなかった思い出がある。
激しく高低するメロディーは忙しなく、何となくキャッチーなのでカラオケで歌おうなどと思って手を出すと自爆するのでしっかり覚えてから挑むべきだろう(経験談)。
これは当然ベスト盤選出必須曲の1つだろうと思っていたら思いっきりスルーされてしまったのは残念。ライブでも全く定着しなかったようで…。
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
タガタメ
曲が出来てからラジオで解禁されたのが03年9月。「HERO」リリース後沈黙していた03年に最初に発表されたのが今作だったが発売が見送られ、11月にリリースされたのは別の新曲「掌/くるみ」となり、04年4月の『シフクノオト』でようやくCD化された。ラジオを聞くファンの間では知られていた曲だったが当時聞いてなくてアルバムで初聞きだった。シンプルなアコースティックギターから入るが、徐々にバンドもストリングスもド派手に盛り上がっていくこの時点で過去最高に壮大な曲。すっかり父親目線になった歌詞にも変化の兆しが見える。
発売時には日清食品カップヌードル “NO BORDER”のCMタイアップとなり、以降DoCoMoの連続タイアップからカップヌードルNO BORDERの連続タイアップになった。NO BORDERを掲げて反戦のメッセージ性の強いコンセプトだったのもあってインパクトは強かった…が、じゃあCM見てカップヌードル食うか!とはならなかったので商品CMとしてはどうだったのか…。
またこの直後にこういった社会に対して自分はどういうことができるのか?を考えるような事は“櫻井”としてap bankとかBank Bandで活動するようになったけど、この当時はまだその線引きが無く、今作は桜井和寿ではなくBank Band櫻井和寿的な楽曲でもあると思う。
非常に崇高な曲だが仮タイトルは「パッパラパー」という衝撃的な緩さでもっとのほほんとしたアレンジだったとも語られており、想像がつかなかったが、その元のバージョンに寄せたという別バージョン「タダダキアッテ」が4年後に発表されている(『HANABI』C/W)
★★★★☆
11thアルバム『シフクノオト』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(Mr.Children Stadium Tour 2015 未完)
26th Sign
04年5月26日
『マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-』以来となるC/W2曲収録で、シングルカットなしの新曲3曲収録は初。ドラマタイアップも当たり、初動だけで37万枚を叩き出し、累計で77万枚を突破。00年の「口笛」を上回り、この時点での00年代での最高売上を記録した(次回作が上回ったが4A面で特殊なため、曲名がタイトルに出ているシングルとしては今作が00年以降でNo.1)。200位集計ではあるが46週のロングランとなり、年間チャートでは2位。惜しくも平井堅「瞳をとじて」には及ばなかった。
前作と同じ再生紙+トレイ仕様(帯あり)。
Sign
ドラマ『オレンジデイズ』主題歌。王道なバラード曲。当時はおとなしい曲だなと思ったが、「しるし」以降コバチルが深刻化してから改めて聞きなおしたらまだまだ随分ギターも前で鳴っていたんだなと感じた。曲もドラマももう1つハマり切れなかったんだけどやたら評判が良く、今作はついにレコード大賞まで行ってしまい、賞レースの世界でも再度頂点に返り咲いたが、この曲でかぁ…というのはあった…なぁ…。
『オレンジデイズ』というドラマ、妻夫木聡と聴覚障害のある柴咲コウのラブストーリーが主題ではあったが就活前夜の大学4年生たちの学生生活最後の日々を描いた内容であった。仲間と過ごす大学生活ウェーイな様子をまぶしく描いていたため憧れる高校生以下が多かったようで、1990年前後生まれの当時の中高生以下が何年か後にこぞって「このドラマのような大学生活に憧れていたがいざ大学生になってみたらそうはいかなかった」みたいな事をあちこちで語っていた記憶がある。当時大学2年生だったので既にこのドラマをだいぶ冷めて見ていたというか、既にメールの時代になっていたのにオレンジの会だの交換日記みたいなことしないし、まあ脚本が北川悦吏子なので夢想的というかいかにもな妄想の大学生活だなぁ…というのが正直なところでこのドラマのような大学生活はリア充限定とかそういう次元では無くどこにもないんじゃね?という。むしろリアルだったのは主人公の妻夫木聡が駅のホームで疲れたサラリーマンを見て今はのほほんと大学生活を送っている自分と比較してこれが近い未来の自分なのかと物思いに耽ったり、成宮寛貴が就職なんてしねーよ俺は自由に生きるんだ!みたいな事を言ってもがいていくとかそういう部分の方が印象的だったな。
メインはラブソング的な内容ではあるが、“残された時間が僕らにあるから大切にしなきゃと小さく笑った”っていうフレーズは大学4年のドラマの主人公達にとっては最後の1年で学生生活最後の日々を表現しているようでもあった。リアルタイムで大学2年だった当時もそうか残された自由な時間は少ないんだなと改めて感じて当時から印象的だった。あの日々がどんどん遠くなっていく中であの時の気持ちを思い出すフレーズになったかな。
★★★★☆
12thアルバム『I♥U』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 “I ♥ U”~FINAL IN TOKYO DOME~)
C/W 妄想満月
作曲:桜井和寿・寺岡呼人
「星になれたら」以来の寺岡呼人との共作…となれば「星になれたら」みたいな名曲を期待するところだが、キャッチーさのかけらもない地味極まる1曲。夜の公園で一目惚れした相手に勝手に妄想を膨らませるというストーカーソング(メンバー談)。発売時期もあってこのC/W2曲は梅雨っぽいイメージがある。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』
C/W こんな風にひどく蒸し暑い日
「and I close to you」とか初期の頃のC/Wを少し思い出すダンサブルでファンクな曲調。この手の曲調がほとんどないこともあってそこそこ新鮮ではあるが、ビミョーといえばビミョーで特に歌詞がどうもなぁ…。田原はこの曲のエロというか変態(田原談)な世界観にドン引きしてしまい、ギターもほとんど弾いてないと『B-SIDE』の対談で語っていた。そこまで引いていたのか…。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』
ストレンジ カメレオン
04年9月16日
04年9月に発売されたthe pillowsのトリビュート盤『シンクロナイズド・ロッカーズ』に収録されているカバー曲。96年6月のシングルで当時ヒットはしていないがthe pillowsの代表曲として知る人には知られていた(ベスト盤『Fool on the planet』に収録されているのは長いアルバムバージョン)。アルバム『HOME』初回盤のDVDにはライブ映像としてthe pillowsと対バンをした際にこの曲を披露した様子がフルではないが途中から収録されている。ミスチルサイドでの収録はこの映像のみだが、そのライブバージョンはCD版よりテンポが速く、より激しくなっている。このCD版でもこの時期のミスチルにしてはかなりロック色の強いアレンジを施していて原曲よりエネルギッシュに仕上げているのでかなり聞き応えがある。この時期にはかなり存在感を増していた小林武史がほとんど感じられないので最初に聞いた時、トリビュートアルバム参加は小林武史抜きのセルフで挑んだのかと思ったほど。the pillowsの代表曲とされているだけあっていい曲だなぁと思って、the pillowsの原曲を後追いで聞いたらミスチルバージョンの方がロックな印象だったので、ちょっと意外だった。the pillowsのバージョンだとオリジナルより2009年のRock Stock Versionの方がロックな印象。
元々桜井がお気に入りを公言していた事からthe pillowsのボーカル山中さわおの方からリクエストがありカバーする事になったようだが、このお返し的に3年後の2007年にthe pillowsはシングル『スケアクロウ』C/Wで「つよがり」をカバーした。この「つよがり」はロックバラードに生まれ変わっていてthe pillowsバージョンの方が好き。
確か今作を教えてくれたのは大学時代の友人でこの1,2年後くらいだったと思うんだけどそこからベスト盤『Fool on the planet』を聞いて、「つよがり」カバーがあるというのとエイベックス移籍で注目を集めてトップ10ヒットを飛ばすようになっていたのも重なってシングル『スケアクロウ』も聞いてリアルタイムでthe pillowsを追い始めたので色々ときっかけになったカバーだった。
残念ながら配信されていないようで『シンクロナイズド・ロッカーズ』を探してくるしかない模様。
★★★★☆
トリビュート盤『シンクロナイズド・ロッカーズ』
27th 四次元 Four Dimensions
05年6月29日
4曲A面で全てタイアップ付のスペシャルシングル。「ヨーイドン」のみinstrumental(カラオケ)が収録され、「名もなき詩」以来のinstrumental(カラオケ)となり現時点で最後のカラオケ音源となる 。またアルバム『シフクノオト』ではDVD付を初めて行っていたもののシングルには頑なに導入せずにエンハンスドCD仕様で「and I love you」のMVを収録。スリーブケースに厚紙+トレイのCDケースと歌詞ブックレットが別々に収納されている。
03年頃より3曲A面、4曲A面のデラックスシングルだとか両A面を越えるような複数A面シングルで豪華さを醸し出してシングルを何とか売ろうという施策が行われるようになっており、実際に売上が好調である事が多かった事もあって、前2作で売上を伸ばしてきていたミスチルが豪華なシングルで勝負かけたら再度ミリオン達成もあり得るのではないか!?という期待もあった。初動57万枚を記録し、2週目も14万枚を記録して2週連続1位、この時点で70万枚を突破、「Sign」を越えて「光の射す方へ」以降の全てのシングルの売上を越えるのは確実となったものの、トップ10入りは5週に留まり、「終わりなき旅」以来のミリオン突破は微妙な情勢、失速傾向となり最終的に92万枚で打ち止めとなった。日本レコード協会ではミリオン認定されているがアルバム扱いになっている。現事務所社長で当時のマネージャー谷口和弘氏によればメンバーにはミリオン達成と報告されていたらしい。
今作は1500円と当然通常のシングルよりは高めではあったが、同時期にちょうどDef Techが大ブレイク中で『Def Tech』は8曲1500円、『Lokahi Lani』は5曲1050円とインディーズゆえの自由な低価格設定で大ヒットしていたのでDef Techのヒットの波に乗っていたリスナーの間では4曲1500円に割高感が生じてしまったのは否めない。
「ヨーイドン」のみ今作でしか聞く事ができない。
未来
ポカリスエットCMソング。CMでサビだけ聞くとメチャメチャいいんだけどフルで聞くとなんか思ってたのとちょっと違うという「Any」パターンでサビとそれ以外がやや剥離した印象。タイトルは「未来」だが、あの頃思っていた未来は”果てしなく”、現時点で見えるここから先の未来は先が知れていると歌われる。最後はポップミュージックらしく、先の知れた未来を変えていこうと前向きに終わるものの、「Any」と違って現状に満足しておらず、希望の象徴として描かれる事の多い「未来」の二面性を描くなどけっこう深い。
発売当時20歳で当時はまさに果てしなく希望に満ちたものになると子供の頃は漠然と思っていた「未来」が先の知れた…というか迫りくる現実から先の見えない未来に変わっていくような時期だったので1番の歌詞がグッサグサに刺さりまくった。桜井に意図があったとは思えないが当時浸透し始めた“ニート”なる単語、そういった人々の心境そのものでもあったと思うし「Worlds end」なんかも含めてニート的な考え方と接近する歌詞が散見されるような…(音楽誌が書かない某誌でも当時そのような言及があった)。一方2番になると男女の話となり、やはり未来の二面性を描いてはいるものの違う話になってしまうので2番はあまり印象が無い。
MVではポカリのCMに出ていた綾瀬はるか(当時20歳)が高校に通うシーンが延々続くというメンバーが出てこない綾瀬はるかのPV的内容。まだまだ制服姿が似合う頃だったが、何故か横顔や遠巻きの映像ばかりでバッチリと正面向いた顔がなかなか出てこない。しかも迷路のような住宅街を延々歩き続け、あっちへこっちへと曲がりまくり、挙句の果てには男の子に自転車に乗っけてもらいかっとばし、それを降りてようやく周囲に他の生徒も現れるようになるがそれでもまだ歩き続けてようやく学校が見えてくる。当然曲中なので5分程度の内容ではあるんだけどダイジェスト的に描かれている部分もあるし移動の要素が多いのでちょっと…これは…学 校 遠 す ぎ な い か ?
なお綾瀬はるかはポカリのCMタイアップがポルノグラフィティに変わった翌年も2年連続で起用されていた。
★★★★☆
12thアルバム『I♥U』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
and I love you
日清食品カップヌードル “NO BORDER”CMソング。「タガタメ」に続く同コンセプトのCM起用となり、路線も引き続き壮大路線。演奏自体はわりとシンプルでこの壮大さを出すのに安直にストリングスに頼る事をしていないのは珍しい。もう数年後だったらバリバリのコバチルナンバーに仕上げていたに違いなキーが最初から高い上にスケールが妙にでかくて不思議な力強さがあり、とても崇高な感じがする。一気に遠くまで行ってしまった感じがして、こういう境地になってくるとなんだかんだ遠い存在だよなと改めて思う。日常に寄り添ったようなこの次の次のアルバム『HOME』でもどこか馴染めきれなかったのはこういう空気の変化によるものだったのかもしれない。カップヌードルのCMも反戦的な内容からついには宇宙まで行ってしまうなどどこまで遠くに行ってしまうのかって感じだったなぁ…。
★★★☆☆
12thアルバム『I♥U』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
ランニングハイ
映画『フライ,ダディ,フライ』主題歌。堤真一が娘の星井七瀬を暴行した不良と戦うために岡田准一の特訓を受けて奮起するというオッサン奮起モノ(?)のがむしゃらな映画の雰囲気とはあっているのだが、映画が終わってクレジットが流れる黒バックになってようやくかかるという使われ方で映画を見てもそこまで印象には残らなかった。映画自体もメインキャラのどの立場も遠かったせいかイマイチ入り込めなかった。
サビでのムチャするなよ的な音の跳ね上がり具合といいやたらとテンションの高い曲でロック色は強いが…ちょっと上モノの装飾音(バンド以外の音)を重ねすぎている印象も。「旅人」みたいなシンプルなロックの方が勢いが出たのでは?とも思うがヤケクソ気味の勢いはこのこねくりまわしたような上モノアレンジの賜物でもあるか。
★★★☆☆
12thアルバム『I♥U』
3rdべスト『Mr.Children 2001-2005
ヨーイドン
フジ系『ポンキッキーズ』エンディングテーマ、派生番組の『ガチャガチャポン!』オープニングテーマ曲。70年代以降に幼児期~小学校低学年を過ごした人々であれば番組自体は懐かしいと思われる。ただ90年代前半に『ひらけ!ポンキッキ』から『ポンキッキーズ』に大幅変更されたので、思い浮かべる内容はだいぶ異なってくると思われるがガチャピン、ムックは普遍だろう。個人的には『ひらけ!ポンキッキ』末期の世代に当たり、小学生の真ん中頃に『ポンキッキーズ』へ移行、『めざましテレビ』が始まって1度夕方送りになったが、半年ほどで朝8時に戻ってきたので中2の頃までは『めざましテレビ』で占いを見る→『ポンキッキーズ』が始まり、8時8分になると謎のはっちじぃ!はっちじぃ!はっちじぃ!はっちじぃ!はっぷん!というサイケな感じの8時8分を知らせるコールが毎回入り、それを見届けて学校へ行く…みたいな。『とくダネ!』が始まって再度夕方送りになり、小倉さんのOPトークを見てから学校へ出かけていくのに移行してしまったので学生時代の朝は結局トータルで『とくダネ!』の方が長くなり、『ポンキッキーズ』はというといつしか夕方からも追放され、土曜早朝送りになって『ポンキッキーズ21』になったらしいことは把握していたが、今作の頃にはもうどこでやっているのかも分からなくなっていた。
今作は『ポンキッキーズ』に戻った時の1年間のエンディングとして起用された。月曜夕方の派生番組『ガチャガチャポン!』ではオープニングとして並行して起用されたが、両番組共に1年間で放送を終了。『ポンキッキ』に戻って関東では金曜夕方、各地でバッラバラの放送時間となってさらに1年続いた後についに地上波での放送を終了、また『ポンキッキーズ』に戻ってBS送りになって細々継続していたが2018年3月でついにシリーズ終焉となった。現在は後継の『ガチャムク』となり、ガチャピンとムックを前面に出した番組として続いているようだ。
というわけでそろそろ新たな世代には長く子供の頃の共通ワードであった「ポンキッキ」「ポンキッキーズ」が通じなくなっている(見てない・知らない)頃合いと思われるが、今作起用時点でもだいぶマイナー番組化しつつあって、果たして子供の頃に最初に聞いたミスチルの曲が「ヨーイドン」でしたなんて事例はどれくらいあるのか(普通に親がミスチル聞いてましたの方が多いだろうし)。
かなりほのぼのとした曲調になっていて子供向けの優しい雰囲気。大人からの子供たちへのメッセージソングとなっているが、”大人になっていくよ”と恐らく子供が聞いてもなんだか良く分からないが、実際に成長していくにつれてそういう事だったのかと実感するようなそんな効果を狙ったような歌詞だと思う。どういうわけか「名もなき詩」以来のカラオケバージョンがこの曲にだけついているが、子供たちが歌うには難しすぎるし、誰得だったのかと思う。
コンセプトが明確過ぎてアルバムには浮くという事なのか、この曲だけオリジナルアルバム収録を外されるばかりか、C/Wではないので『B-SIDE』にもスルーされ、『Mr.Children 2001-2005
★★★☆☆
アルバム未収録
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