1st MUSIC FOR THE PEOPLE

1995年11月1日
作詞:秋元康、作曲:G.S.A.J.Project、編曲:木村貴志
フジテレビ系『バレーボールワールドカップ1995』イメージソング、『第26回春の高校バレー』イメージソング、V6主演フジテレビ系ドラマ『Vの炎』オープニングテーマ。Jニーズによるフジテレビバレーボールタイアップの始まりであり、以降2019年まで新人グループの登竜門的な使い方も兼ねたズブズブの関係が続いた。今作はさらに連動してメンバー主演のバレーボールを題材にしたミニドラマ『Vの炎』OP(バレーボールアトランタオリンピック世界最終予選のPR番組内で10月~11月の1ヶ月に全25回放送)というセルフタイアップもあった。
ジュニアで既に人気の高かった森田剛、三宅健をメインに(岡田准一は同年に事務所に入ったばかりでジュニアでの活動歴もほとんどない14歳のド新人)Coming Centuryを前面に売り出す方針だったようで、ジャケ写での上3人(Coming Century)と下3人が露骨にサイズ感が違う。MVもComing Centuryばかり映るし、C/W「Theme of Coming Century」はタイトル通りそのままComing Century名義の曲だった(D-ESSEX「Tokyo Tokyo」のカバーというなかなかのインパクトナンバーな上、『Very best』で別バージョンに差し替えてTOKYO!TOKYO!の連呼がComing Centuryに変わって『Best of Coming Century~Together~』にもそっちで収録されてNew Vocalと表記されたがニューボーカルなのメンバーの声じゃなくてコーラスの連呼の人の声だけじゃね?的な謎展開でこっちも奥が深い(?))。この時点では年上3人にまだ20th Centuryというグループ名すら無かったという…。当時はシャレになってなかったと思われるが、後年は格好のバラエティトークネタとなり、格差ネタとして語られるようになった。
ド派手なデビューで90年代になってからSMAP、忍者、TOKIOと連続で逃し続けていたデビュー作1位を今度こそ狙いに行ったと思われ初動18.7万枚も叩き出したが初登場3位に終わってしまった。DREAMS COME TRUE『ROMANCE/家へ帰ろ』が26万、globe『SWEET PAIN』が24万出していて及ばなかった…。同じエイベックスでglobeと潰し合ってどうするんだという気もするが、この前後の週は1位2位が軽く20万を越えている状態が数週続いており、前週だったら4位になってしまうし、初動18.7万枚では前後数週間はいつ出しても最高で2位止まりであった(11月後半に2週間強力な新譜が途切れて枯れたので3週後、4週後の2週間だったら一転して余裕で1位は取れた)。Jニー氏が本当に怒ったのかは分からないがSMAP、TOKIOメンバーが後年よく言っていた「デビュー曲で1位取れなくてジャNーさんに怒られた」鉄板トークはV6もその後行う事になったのだった。売上52.8万枚は自身2番ヒットとなる(「愛なんだ」のみ多少上回った)。
エイベックスからデビューさせただけあって当時の最先端サウンドであり、当時上り調子だった新鋭のレコード会社エイベックスが率先して流行らせていたユーロビートを全面導入。G.S.A.J.Projectというのは当時のユーロビートの海外作家4人Giancarlo Pasquini・Sandro Oliva・Alberto Contini・Jennifer Battenの頭文字を取ったものとされている。SMAPも忍者もTOKIOも昭和を引きずって90年代の急速な変化に適応できてないような路線でのデビューを迎えていたが、V6は最初からエイベックス主導の最先端のサウンドが導入されたのが大きな違いだったと思う。その後はJニーズサウンドを確立、ブランド化が進んで、Jニーズのデビューは御用達作家による王道的な方向性か大物提供の話題作が主流となるので、こういうデビュー作はかなり異色かも。しかしTOKIOは10月に「好きさ〜Ticket To Love〜」出したばかりだが同じ時期のシングルとは思えんぞ…
当時聞きに行っていなくても自然と耳に飛び込んでくるくらいのインパクトはあり、サウンド面でも当時は近未来的なイメージがあった。流行りのサウンドだっただけに今となっては時代性も強く、ザ・90年代、ザ・エイベックス、遠い過去のサウンド…みたいな遠~い感じになってしまったが、なんだかんだ後年まで代表曲扱いだったし、今聞いてもいい曲。
V6 Singles non-stop mixを除くとフルサイズのバージョンは全部で3バージョンあり、シングルバージョン、NEW ALBUM MIX、『Very best』(以降)の3バージョンである。『SUPER Very best』『Very6 BEST』は『Very best』バージョンなのでシングルバージョンはアルバム未収録のままとなった。
シングルバージョンではデゲデゲデゲデゲというイントロの電子音が入る前のド頭に”ォォフオォォン!”という何かがやってきた登場音みたいなSEが入っている(MVでもこの音は入っている)。この登場音みたいなSEはNEW ALBUM MIXでも残されているが中央だった定位が右から左へ流れるように変更されている。これ以外にNEW ALBUM MIXではイントロのデゲデゲデゲデゲのところで打ち込みドラムが入ってこなかったり、細部のミックスや2分40秒~のギターソロが異なるという違いがある。
『Very best』バージョンはシングルバージョンに近いが登場音みたいなSEは削除され、ギターソロはNEW ALBUM MIXのものを使用するなどミックスはまた異なっている(あと大幅に音圧アップ)。またシングルとNEW ALBUM MIXは最後の1音がストレートに響いて消えていくが、『Very best』では最後の1音にエコーがかかっているという違いもある。以降この音源で全てのベストアルバムに収録した事からこのバージョンが完成形という事と思われるが、『SUPER Very best』以降は取り違えたまま忘れてしまった可能性もなくはない。なお『Very best』ブックレットにおいては「WAになっておどろう」と「Theme of Coming Century」がシングルとは別バージョンと注意書きがしてあったものの今作には何も書かれていなかった。配信版では前述の2曲はバージョン名が明記されているが今作は相変わらず無表記のままとなっている。しかしちゃんとCDと同じで配信されているのを確認した。
恐らく細部にもっと色々な違いがあると思われるが、分かりやすいのはド頭”ォォフオォォン!”の有無と定位の違い、間奏ギターソロの違い、最後の1音のエコーの有無の違いの3点かなと(NEW ALBUM MIXはデゲデゲデゲデゲのところでドラム入ってこないのが1番分かりやすい)。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
1stアルバム『SINCE 1995~FOREVER』(NEW ALBUM MIX)
1stアルバム『SINCE 1995~FOREVER』(V6 Singles non-stop mix)
1stベスト『Very best』(表記は無いが新ミックス)
3rdベスト『SUPER Very best』(『Very best』収録Ver.)
4thベスト『Very6 BEST』(『Very best』収録Ver.)
4thベストmu-mo限定予約生産盤『Very6 BEST』あなたのお名前入りスペシャルBOX盤(『Very best』収録Ver.)
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