7th 彼女の恋人

1993年4月25日
絶頂期を過ぎて少し落ち着き始めてきた時期で初登場9位と低めの出足から5位→4位と連続上昇して最高4位、累計49.7万枚を記録。プロデューサーの木崎賢治から禁止令を出されていたブラックミュージックのテイストが解禁されて早速取り入れたためこれまでのシングルとは作風が変わったのもあってリスナーの戸惑いが反映されたのかもしれない。
彼女の恋人
曲が書けない、それどころか何も感じないスランプに陥り、知り合いの音楽ライター松野ひと実(のちに『槇原敬之の本』を出版)とお互いの悩みを吐露しあったことで復活して出来たのが「MILK」で、もう寝ようと思ったら次にできた曲が今作とされている。ポップな作風からブラックミュージックのテイストを盛り込んで一気にクールなサウンドに変貌、新たな方向性を示した1作となった。ある程度売上が落ちるのは想定内でそれ以上に違った部分を見せたかったという立ち位置のシングルだろう。
曲自体は彼女の恋人が僕の友達、僕が彼女を好きなことを彼女は知らないという片思いソング。これまでになく少しシリアスな作風で新展開を見せている。今までにないサウンドは新鮮だが、やはりポップな曲に比べるとカウンター的な1曲以上の印象にはならなかったところはあある。ただここでこういう曲を出しておくのは必要なことだったとは思うし、時々こういうのがあるから面白いし、ポップな曲もまた輝く。
ALBUM VERSIONは冒頭で車に乗る歌詞になっているためか車のエンジン音が加えられているほか最終曲「猫がふんじゃった」の編曲を手掛けているMichel Gibbsによるストリングスアレンジが加えられている。00年代以降に思ういわゆるストリングスが曲を覆っているような感じはなく、時々なんか豪勢な感じに聞こえる程度なのでパッと聞きは最初のエンジン音の方が分かりやすいかもしれない。Renewedでも同様にブラック風味を強調しているのでこの曲はもうそういう曲なのだろう。そして後から濃くしている事からもシングルはこれでもかなり薄めた仕上がりだったのかもしれない。
★★★☆☆
4thアルバム『SELF PORTRAIT』(ALBUM VERSION)
1stベスト『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~』
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』(「THE 10th ANNIVERSARY MEGA-MIX」の1曲)
8thベスト『Completely Recorded』
9thベスト『Best LOVE』(Renewed)
13thベスト(販路限定)『SELECTED BEST』(Renewed)
C/W CLASS OF 89
来年結婚する昔の彼女(友人?)と変わらない自分を対比させたゆったりとしたミディアムバラードナンバー。暖かみと少しばかりの切なさはあるものの、歌詞自体には悲しい感じはなくてむしろ主人公は前向きなのが良い。18歳だった4年前を振り返っており、発売年1993年から4年前が1989年。よって”89″はそのまま1989年の事と思われ、実話なのかは分からないが、時系列や感覚的な部分では当時のリアルタイム感がベースにはなっているような気はする。
長年アルバム未収録ですっかり埋もれた楽曲だったようだが、2010年のライブ「cELEBLETION 2010」で突如披露され、ライブCD/DVDとして発売された後に、『春うた、夏うた。~どんなときも。』にてアルバム初収録となった。
★★★☆☆
12thベスト『春うた、夏うた。~どんなときも。』
4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』(Live)
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