KinKi Kids シングル回顧1~1997-2000~

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共に姉が事務所に履歴書を送っていた事から1991年5月5日横浜アリーナでの光GENJIのコンサートを見に来るように呼ばれて事務所入りを決めた堂本光一、堂本剛。同じ1979年生まれだが光一が1月1日、剛が4月10日生まれなので学年は光一が1つ上であった。また苗字が同じでも親戚ではなかった。光GENJIやSMAPのバックで踊りながらも、苗字が同じなのでセット売りで当初から2人揃っての活動が多かったという。1992年末にKANZAI BOYA(カンサイボーヤ)と命名されたが、1993年4月に新たにKinKi Kidsと命名される。1994年には日本武道館でファーストコンサートを行い、2人揃ってドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』に出演した。

1995年以降、CDデビューしてないのに出演ドラマ主題歌をソロやKinKi Kidsで連続して担当。さらに1996年には音楽番組『LOVE LOVEあいしてる』も始まり、吉田拓郎や坂崎幸之助始めベテランミュージシャンからギターや曲作りの指導も受け始めてスキルを高めた。CDデビューの期待が高まる中、引っ張りに引っ張り、1997年ついにCDデビューが決定。自社でレコード会社を立ち上げてそこからデビューするという前例のない破格の待遇とプロモーションでの大々的なデビューとなった。1980年に近藤真彦がデビュー作『スニーカーぶる〜す』で達成して以来となる事務所2番目のミリオンヒットを17年ぶりに飛ばして大成功のデビューとなり、数々の記録を打ち立てた。

広く知られたヒット曲が連発されていた文字通りの黄金期。凄い勢いで売れまくっていてドラマにも出まくっていたため、この時期に思い出の多いリスナーもとても多く、サブスク解禁時に公式が公開した関係者によるお気に入りプレイリストでもどうしても初期に集中しがちになるほど。一方で多忙過ぎたためか、特に剛はこの時期の記憶がないというような事は後年よく言っていたりもする。

2000年だと10th『夏の王様/もう君以外愛せない』までで、『The BEST』DISC-1もそこまでなんだけど、1と2は『KinKi Single Selection』シリーズの範囲で区切りとした。なおこの期間はC/Wが4曲しか無いし、どれも覚えてて取り上げられそうな曲達だったんだけど、この後からC/W数増加&全く覚えてないor複数商法取りこぼしによりそもそも初めて聞いた曲もどんどん出てくるので、「愛のかたまり」を例外として全く取り上げられそうにないのでここでも少し言及する程度に留めている。

2010年に『KinKi Kids シングルレビュー~1997-2009~』としてデビュー前4曲~29th『スワンソング』までで公開。
リメイクのため公開終了したもののタイミングを逃し続けたままとなっていたが、サブスク解禁&改名タイミングで2025.7全面リメイク

ひとりじゃない/堂本剛

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作詞:森浩美、作曲:MARK DAVIS、編曲:船山基紀
堂本剛主演、1995年夏クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『金田一少年の事件簿』(第1シーズン)主題歌。4月にSPドラマとして放送された『学園七不思議殺人事件』の時は存在せず、連ドラ版からの起用年末のSP『雪夜叉伝説殺人事件』でも使用され、最終作となった映画『上海魚人伝説』では新規の主題歌は制作されず、今作と2期主題歌「Kissからはじまるミステリー」とのメドレーがエンドロールで使用された。オープニングはインスト曲(「bicycle ride」…と曲名を言われても分からないが下記で聞けば見ていた人は分かる。ついでに「the mysterious mallets」は道枝版リアルタイムの若い人でも聞けば分かる)で一貫してエンディング曲として使用された。2年後1997年の『A album』まで未発売のままだった。

1990年代前半頃からJニーズジュニアとして活動していてそれなりに目立つ扱いを受けていたもののあくまでJニーズファンに知られているレベルだったのが、この1年前の1994年夏クールのドラマ『人間・失格』に2人で出演して重要な役どころを演じた事で一気に知名度を上げていた。『人間・失格』を経て1995年はこのドラマ主演で剛が、そして1996年には光一の主演で双方単独主演を経て『若葉のころ』で再度共演…という流れとなるドラマの大ヒットもあって広く知られた曲となった最初の1曲。エンディングで流れていた際の歌唱映像は当然1コーラスのショートサイズだったが、この映像のフルバージョンが存在していて、主題歌としてはまだ使用されていなかった『学園七不思議殺人事件』のVHS版特典映像として収録された。当時のボーカルテイクでの唯一のフル音源となる。『A album』の音源はデビューに当たってボーカルを再録音しており、まだまだ初々しかったボーカルがだいぶしっかりしたものになっている。

『金田一少年の事件簿』との関連性はほとんどないほのぼのした雰囲気の楽曲だが、事件解決後に金田一がおとぼけかましながら平和的に終わる場面が多いエピローグ部分から使われている事が多かったのでエンディング曲としてはちゃんとハマっていた。金田一と言うと先の「the mysterious mallets」のようないかにもミステリアスなBGMのイメージが強いが、前述のようにOPで使用されていた「bicycle ride」も割と普段はおとぼけな感じの金田一のキャラに合わせたポップな雰囲気だったので、OP/EDは意図的にミステリアスさを排す方向性だったのだろう。本編当時から際立つ歌のうまさと、既に実績ある制作陣によるしっかりした良曲だっただけにエンディングでしか聞けないのがもどかしくて仕方なかった記憶。
★★★★☆
1stアルバム『A album

僕は思う/堂本光一

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作詞:相田毅、作曲:谷本新、編曲:船山基紀
堂本光一主演、1996年冬クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『銀狼怪奇ファイル』エンディング。”金田一少年”と同じ枠で同じパターンで光一のソロも起用された。こちらはOPには近藤真彦「ミッドナイト・シャッフル」が起用されていた。今作は例によって未発売だったが、「ミッドナイト・シャッフル」は80年代末期から低迷して前作では81位0.4万枚まで超低迷していた近藤真彦としては全盛期に及ぶ70万枚突破で自身3番目の破格のヒットとなっていてドラマのイメージも「ミッドナイト・シャッフル」の印象が強かった。当時のドラマ人気は高かったが、VHSのみでDVD化されていないので現在当時の映像を視聴するのはそれなりに困難である。今作も『A album』の音源はデビューに当たって再録音されている。

当時の土曜9時枠は小中学生向けのドラマが続いていてターゲット世代ドンピシャであったため、クラスで金田一~銀狼~透明人間ドラマが流行りまくっていて(後追いで友人の録画ビデオやレンタルで見て首なしライダーとか凄く怖かった記憶)、CD化されていないこの曲も当然認知度は高かった。このドラマに関してはOPで使用されていた「ミッドナイト・シャッフル」の方がメチャメチャカッコよくて当時もシングル買ってもらったりしていたが、エンディングは剛同様にほのぼの路線。剛が上手すぎるのと当時の光一はまだ声が出来上がってなくてかなり素朴な歌唱だが、素朴さを生かした良曲だったとそんな風に僕は思う。

当時何故かクラス(5年の終わり)では“雨上がり 風呂上り 逆上がり~♪”と替え歌されて流行っていたのを記憶している。そんな風に僕は思う
★★★★☆
1stアルバム『A album

FRIENDS

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作詞:森浩美、作曲:羽場仁志、編曲:船山基紀
2人で主演した1996年春クールTBS系ドラマ『若葉のころ』エンディング。2人のソロに続いて満を持しての2人での主演ドラマにKinKi Kids名義での楽曲となり、KinKi Kidsとして一般知名度を得た最古の曲OPはビー・ジーズ「若葉のころ(原題:First of May)」。エンディングで今作が2人がバスケしながら談笑する専用映像と共に毎週使用されていた。

タイトルからして今度こそ青春系のドラマかと思いきや『人間・失格』ほどではないが今作もかなりダークで重い内容のドラマだった。金持ちの光一と貧乏学生の剛が交流を深めていきつつも身分格差で衝突したり悩んだりする…くらいの話だと思うところだが、中盤で暴走した根津甚八演じる剛の父が幼馴染の奥菜恵を襲おうとしたので剛が止めに入るとナイフ持って特攻してきたので揉み合いの末刺してしまう衝撃展開となり、剛が正当防衛だと言い訳しなかったためそのまま少年院送りになり、なんかそのまま少年院編が始まるというダーク展開が中盤で早くも炸裂。少年院では教官(斎藤洋介)の目の敵にされてひどい仕打ちを受けるが持ち前のまっすぐさで教官の心も氷解させて出所。ようやく平穏な日常が戻って来るかと思いきや、剛が少年院にいる間に光一と奥菜恵がデキており、妊娠までしてしまう。裏切りに激怒した剛は闇落ち。さらに医師である光一の父(宅麻伸)が実は剛の本当の父でもあったことが判明したり、一応改心して働いていた根津甚八の元に剛が殴りこんで殴り合いの最中に鉄骨が降ってきて光一が飛び込んで剛を救い、光一と根津甚八が巻き込まれ、根津甚八の方が意識があったが、宅麻伸は意識不明の光一の治療を優先させて根津甚八を死なせてしまうが光一も植物状態になってしまう。宅麻伸も逮捕され、闇落ちから復帰した剛と奥菜恵が植物状態の光一を見守る中、ラストでついに光一の手が動いて…と一応救いはあったもののハードに次ぐハードなドラマだった。

よってエンディング映像のような笑顔でにこやかに2人でバスケに興じるといったような穏やかな時が作中で訪れる事は無いままに激動展開となってしまったが、逆にエンディング映像ではお互いの境遇に何も無ければこんな風にFRIENDSしてたんだろうなぁ…と感じられ余計に切なくなるという効能は存分にあった。曲単独では友情を歌った爽やかなバラードナンバーなんだけど、どこか切なく聞こえてしまうのはドラマの影響だろう。再放送で見た記憶はなく、リアルタイム視聴1回限りだったのに未だにしっかり記憶されている辺り相当衝撃的なドラマだった。
★★★★☆
1stアルバム『A album
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』

Kissからはじまるミステリー

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作詞:松本隆、作編曲:山下達郎
堂本剛主演、1996年夏クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『金田一少年の事件簿』(第2シーズン)主題歌。これに続く翌年末の剛主演版の最終作となった映画『上海魚人伝説』では新規主題歌は制作せず「ひとりじゃない」とメドレーで使用された。光一は出演していないが今回はKinKi Kidsで担当した。エンディングにて専用映像で剛がクールにキメている映像が使用されていたが、当時宣伝特番では別バージョンも撮影していたとして、剛が終始両腕をウキウキさせている謎バージョンが一部だけOAされたのを見た記憶がある。後年山下達郎の証言によればJニー氏からのデビュー曲制作の要請「ジェットコースター・ロマンス」と共に制作していた曲とされる。『A album』の音源はデビューに当たってオケ含めて作り直したものらしい。

山下達郎にしては早口のラップパートみたいなAメロやスピード感のある曲調は珍しい。提供するというのを前提に、さらにJニー氏に単なる提供ではなくミリオン売れる曲というプレッシャーをかけられた事から相当な覚悟で挑んだのではないか…と思ったら自分で歌うつもりの曲だったと言っていて1996年当時の達郎氏、随分挑戦していたんだな…。「ひとりじゃない」とは全く違う曲調だったが今作の方が金田一っぽさはあった。”ミステリー”にも引っかけているし。

ここまでで早くも4曲も未発売のドラマ主題歌が溜まり、ファン以外の間でもCDデビュー待望論がどんどん高まっていったのだった。

山下達郎バージョンは2005年に『SONORITE』で「KISSからはじまるミステリー<feat.RYO(from ケツメイシ)>」として発表された。ラップパートは全てRYOによる新規の歌詞に差し替えられ、歌唱パートも一部を変更している。大人のラブソングにするためとの事だが、歌唱パートで変わったのは“横断歩道を渡る途中”→”夜更けの舗道を渡りながら”“電車に乗る君の背中を”→”車に乗る君の背中を”の2ヶ所程度(電車に乗る君を密かに尾行するのは分かるが、車に乗る君を密かに尾行するには自身も車に乗って追跡する必要があり難易度高くない?)RYOのラップが達郎の声そっくりだったため、”達郎が本格ラップしている!”と話題になったがそれは誤解であり、山下達郎はメロディー部分しか歌唱していない。
★★★★☆
1stアルバム『A album
3rdベスト『39
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』

1st 硝子の少年

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1997年7月21日
作詞:松本隆、作編曲:山下達郎
前述4曲を含んだ『A album』と同時発売1曲+カラオケで500円。初回盤は2作がセットになった仕様で今作もマキシケース(CDは8センチ)で2作を縦に並べた卓上カレンダー付。この初回盤はシングルとアルバムを別々に会計・集計するよう指示されていた事もありシングルとアルバムの売上枚数が当初はほぼ同じで推移、初回盤が売り切れて今作の通常盤(8センチジャケット)と別々に販売されるようになってからはアルバムが100万ちょっとに対して今作は180万枚近くまで売上を伸ばした。最大のヒット作。当時DEENのみが達成していた1stシングル、1stアルバムのミリオンの史上2組目達成者となった(同時発売なので最速達成記録)。当時のJニーズでのミリオンは1980年の近藤真彦『スニーカーぶる〜す』1作のみで、全盛期の光GENJIも当時絶頂期に達していたと思われたSMAPも80万台が限界、90万枚以上に壁があったため偉大なる快挙だった。2007年にCDもマキシ化されて再発された。

松本隆と山下達郎によるデビュー曲候補制作としては既に「Kissからはじまるミステリー」と未発売の「ジェットコースター・ロマンス」が存在し、「ジェットコースター・ロマンス」で決まりかけていたがこれでは要望通りのミリオンには行かないと判断した山下達郎はもう1週間要求して「硝子の少年」を書き下ろしたという。ミリオンをマストとして依頼するならそれこそ単純に当時のミリオンヒットメーカーである小室哲哉に依頼するなら分かるが、山下達郎にミリオンヒットを要求するJニー氏も凄い。一定の固定リスナーとポジションは築いていたとはいえ特に当時既にシングル単位での大きなヒットは無く、「クリスマス・イブ」というミリオンヒットの実績、近藤真彦への過去の提供(「ハイティーン・ブギ」「永遠に秘密さ」)のうち、「ハイティーン・ブギ」が4番ヒットになった事はあっても、いずれも過去の話となっていて、1990年代半ばを過ぎてミリオンヒットするような曲という要求はなかなかできる事ではない。

確かに苦労しただけあってひと味違う楽曲で独特の哀愁が漂い、アイドルのデビュー曲っぽくはないんだけど長く歌い続けられる曲になったように思う。当時はそのまま新鮮で良かったし、大人になって硝子の少年時代が遠い過去になってもそれはそれで違った味わいが生じるし(歌い方もだいぶ違うし)、先々を見据えて山下達郎、そして松本隆といった当時既にベテランの作家に依頼したJニー氏の慧眼は確かだったのだろう。

山下達郎の歌唱したデモボーカルバージョンは2012年のベスト盤『OPUS ALL TIME BEST 1975-2012』初回盤ボーナスディスクに収録されている。これは当時渡したデモ音源そのものではなく、完成品のカラオケにデモボーカルを乗せてリミックスしたものとされる。
★★★★☆
2ndアルバム『B album
1stベスト『KinKi Single Selection
3rdベスト『39
5thベスト『The BEST
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』

2nd 愛されるより 愛したい

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1997年11月12日
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:岩田雅之
2人が主演した1997年秋クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』主題歌。初回盤はスケジュール帳&オリジナルシール付だったが、12月になって改めてクリスマスカード付でも再出荷(この際にC/W「ひとりぼっちのクリスマス」をメインにしたTV-CMも流した)。2週連続1位→2位→4位と来て再出荷効果で2週連続1位に返り咲き、合計4週1位を記録した。3回目を除く1位になった3週が大瀧詠一「幸せの結末」が2位で年末に一緒に大ヒットしていた印象が強い(同作は木村拓哉主演の月9ドラマ主題歌で4度目の1位の時に2位に浮上してきたのはドラマ最終回効果での浮上だったと思われる)。160万枚を突破する2番ヒットとなった。

千葉の幕原(架空の地域)で大地震が発生したというニュースを聞き、友人を探しに関西方面から現地へ向かったヤマト(堂本光一)と道中で出会ったボランティアのタケル(堂本剛)が現地に到着すると物々しい封鎖体制が敷かれており、実際には成人が死滅するウイルスがまん延して10代だけが生き残った荒廃した“未満都市”と化していた(20歳になった瞬間に死ぬわけではなくまだ19歳で死ぬ者もいれば20歳を越えても生きている者もいて若干の個人差がある設定)。政府による配給はあったが、物資は十分に行き届かず、不良連中による支配で治安は最悪となっていた。ヤマトは持ち前のリーダーシップを発揮し、タケルと共に未満都市での信頼を得ていき秩序を築いていき、対策本部長の柴崎(白竜)との関係も良好なものとなっていった。この街で秩序を築いていく中盤過ぎまでは本当に名作。柴崎が更迭されて一時配給が途絶えて見捨てられたと思ったら一転しての不自然な解放劇に不信を抱いた一行が真実を知って大人たちと戦う事を決意する『ぼくらの七日間戦争』的な展開となる終盤、20年後の再会の約束をして玉砕ではなく生きる道を選んで終結する結末にかけて一気にカラーが変わっていくドラマで当時は笑顔で投降してしまうラストがしっくり来なかったが(子供心としてはもう少し悪徳な政府連中に一矢報いてほしかった)それでも当時物凄くドはまりした名作ドラマだった。20年後には本当に『ぼくらの勇気 未満都市2017』が制作された。

ドラマ主題歌にはデビュー曲候補だった「ジェットコースター・ロマンス」が提案されたが、合わないとしてドラマプロデューサーと光一が反対したとされる。これ以外にも歌詞をドラマに合わせるように意見したという話も当時飛び交っており、実際”ギリギリの大人たちが積み重ねてるすべてのもの 壊さなきゃ新しい明日は来ない”とかデカい扉で封鎖されている設定だったので”扉の向こうに光る空はあるの?”とか明らかにドラマの内容に合わせて書かれている歌詞が散見される。”扉の向こうに光る空はあるの?”の剛のソロパートがメチャメチャカッコよくて当時から好きだったなぁ…。作家陣はJ社伝統の布陣(馬飼野康二は近藤真彦の時代から、森浩美・CHOKKAKU・岩田雅之はSMAP以降)であり、外しようのない安定クオリティだが、不思議と前作からの流れで違和感がなく、最良の2作目であり納得のミリオンヒットだった。C/W「ひとりぼっちのクリスマス」(Sally-Shu=デビュー前cannaの周水の作詞作曲)と合わせて今でも聞くと1997年末の空気を感じる。あと大滝詠一「幸せの結末」もセットなんだよな、1997年末。
★★★★★
2ndアルバム『B album
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

3rd ジェットコースター・ロマンス

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1998年4月22日
作詞:松本隆、作曲:山下達郎、編曲:船山基紀
2人で出演していたANA『’98パラダイス沖縄』キャンペーンCMソング。初回盤は赤、青、緑のKinKi Kidsのロゴ入りのビニールケース入り。90万枚を越えたところで打ち止めとなり、3連続ミリオンは達成できなかった。残り7万枚を積んでミリオンに到達させようというコアファンの間での運動が2016年頃に盛り上がり、“ジェロマミリオン大作戦”と称されて大展開、実際にO社で最高25位まで突如浮上し、4月末まで連続ランクインし、その後も2017、2021、2022年に1,2回浮上しているが93万枚→94.5万枚に少~し伸びただけであった。なおこの際には当時の8センチ盤ではなく2007年マキシ化再発盤が使用されている(別集計だったらどうしてたんだ…)

前述のようにデビュー曲候補として書かれていた曲。松本隆の証言によればその前に「Kissからはじまるミステリー」もあるので、今作が2曲目(「硝子の少年」が3曲目)となる。一方で発売当時の説明では今作制作時に多忙だったのでアレンジは委託し、船山基紀にはアレンジのイメージを示したデモを渡したが全く違う仕上がりになって驚いたと山下達郎が語っていた。デビュー曲候補だった時期はデモのままで、今作発売時に改めてきちんとアレンジする事になったがこの時時間が無かったという事なのだろうか。

前2作とは一転して明るいリゾート感溢れるナンバー。”リゾート”というのがもう泡と消えたバブルの象徴みたいなイメージになってきていて1998年時点でちょっと古くない?というビミョーな感じがして明らかに前2作よりは…う~ん…という感じは最初からあった。十分に大ヒットではあるんだけどどっちかというとちょっとコケちゃったシングルという印象でもあった。当初の山下達郎のこの曲ではミリオンには行かないなという予感は正しかったともいえる。こういう明るいイメージがあんまりなかったのもあるかな。当時は特にC/W「HELLO」の方が何気に凄い名バラードだと思っていた。
★★★☆☆
2ndアルバム『B album
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

4th 全部だきしめて/青の時代

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1998年7月29日
1996年の番組開始当初から毎週使用されていたフジテレビ系『LOVE LOVE あいしてる』テーマ曲のKinKi Kids単独バージョンと剛主演ドラマ主題歌という強力な両A面シングル。初めて本格的なジャケ写違い複数商法も実施され、初回盤は「全部だきしめて」メインの赤、「青の時代」メインの青の2種でミニ写真集付属、そして通常盤の合計3種でジャケットデザインが異なる(曲順変更はなく共通)。2007年マキシ化再発は以降基本的に通常盤ジャケ写のマキシサイズ化となっている。

初動45万から4週連続1位→2位→3位→7位→9位と8週連続トップ10入りで上位に居座り、100位以内26週ランクイン(後年200位拡大後に+3週の合計29週)で3作目となるミリオンを突破したが116.0万枚に留まり、最初の2作には遠く及ばない売上だった。4週連続1位とか推移的には最高ヒットレベルの勢いもあったように見えていたのだが…数字がそこまででもなく、お盆前後で強力な新譜が無かったというのもある(4週目の1位は7万台)。実際4週連続1位の間の3週は前週リリースで初登場1位だったポケットビスケッツ『Power』が2位だった。4週連続1位の間に初登場2位に追いやったのは2週目にTUBE『きっと どこかで』だけというくらいには強力な新譜が出ていなかった。

全部だきしめて

作詞:康珍化、作曲:吉田拓郎、編曲:武部聡志
フジテレビ系『LOVE LOVE あいしてる』テーマ曲。番組オリジナルバージョンはCD化されておらず、1997年11月に番組のバックバンド勢と共にレコーディングした吉田拓郎とLOVE2 ALL STARS名義でリリースされたアルバム『みんな大好き』にはアレンジの異なる吉田拓郎ソロ歌唱バージョン(演奏は番組のベテランミュージシャン勢)で先に収録されていたので、リリースされている音源上は吉田拓郎とLOVE2 ALL STARSのカバー曲という事になる。その後、吉田拓郎サイドでは1998年のアルバム『Hawaiian Rhapsody』でハワイアン風にアレンジした「全部だきしめて〜tropical〜」を収録(これは単独名義)、1999年のベスト盤『THE BEST PENNY LANE』、2024年のベスト盤『Another Side Of Takuro 25』にも何故かtropicalで収録されていてそっちがメインバージョンのような扱い。

番組では基本編成は光一→剛→拓郎の順にソロを取る1番のショートサイズ(Aメロ2をカット)だった。光一の歌い出しから、”だから何も信じられなくなっても~”が剛のソロパートでCDのAメロ2のメロディーで歌い、”きみがいたから勇気をおぼえて~”のBメロは拓郎が歌っていた。CDではAメロ1を光一、Aメロ2を剛、Bメロを2人というパート割に変更。

拓郎バージョンは番組オリジナルとは明確に違うなーという感じだったのでこっちの方が近いけどそれでも当時はこれもまた少し違和感があった。発売時点で2年近く馴染んでいた曲で満を持してのリリースではあったし、すぐに慣れて、今ではこのバージョンがスタンダードに聞こえる。TV出演時は2人が習得したアコースティックギターを演奏しながらパフォーマンスしていたのでアコースティック色をやや強調したアレンジでまとめたっぽいし、長く広く愛されるバージョンとしてはこれが最良のアレンジだったのかもしれない。康珍化の歌詞は相変わらず分かるようでよく分からなかったりするが、ザ・拓郎節なメロディーは本人がヒットチャート上位から遠ざかって久しかった90年代でも十分に通用する事を証明したような会心の1作だったと思う。

当時は後年よりも権利の問題とか色々あったんだと思うんだけど、今作はそういうのを越えて番組の企画シングルとしてLOVE2 ALL STARSと吉田拓郎、KinKi Kids、篠原ともえも参加しての文字通りのオールスターで音源化してほしかったなとも思う。

『C album』では表記はないが微妙に細部のアレンジが変更されたアルバムバージョン。冒頭から主にドラムの音色が異なっている2番突入直前のジャカジャカ鳴るアコースティックギターと一緒にシングルでは無かったドラム音が先行して入ってくる部分は特に分かりやすい変更点。演奏のテイク自体が違うのか追加録音含むミックス変更なのかは不明。『C album』までは演奏クレジットが無く、『KinKi Single Selection』の演奏クレジットでシングルバージョンの演奏クレジットが初公開されただけである。
★★★★☆
3rdアルバム『C album』(表記はないがアルバムバージョン)
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

青の時代

作詞作曲:canna、編曲:新川博
cannaはボーカル谷中たかし、キーボード周水の2人組ユニットで前年結成、1998年インディーズデビューしたばかりのド新人、ソニーからのメジャーデビューは翌1999年だったので今作で最初に名を知られる事となった。既に2ndC/W「ひとりぼっちのクリスマス」の作詞作曲をSally-Shu名義で周水が手掛けていたが、表題曲採用という凄い大抜擢でその後もKinKi Kids側に重宝されたが、canna自体は1999年に4thシングル「風の向くまま」が草彅剛・西村雅彦主演でシリーズ化もされた『TEAM』主題歌になったものの25位止まりでブレイクに至らず、フェードアウトしてしまった。やがて提供はcanna名義ではなく、周水単独名義となり、以降も関与が続くどころか、現在は山下達郎の事務所スマイルカンパニー代表取締役社長、スマイル音楽出版社長、スマイルグループ代表の座に”小杉周水”として就いている。いつの段階で正式に公表したのかは不明だが、山下達郎と厚い信頼関係を築いていた旧知のプロデューサーにして近藤真彦を担当した縁でJニーズに重宝された事でJニーズ関連企業の顧問や社長も兼任していた小杉理宇造が父だったという。継続しての起用やその後の作家としての活躍は実力が評価されてだったとしてもデビュー前時点で(Sally-Shu名義)C/Wに周水1人で提供させてもらってたり、cannaデビュー後とはいえまだ無名のド新人時点で当時のJニーズトップ級のKinKi Kidsのドラマ主題歌A面採用は小杉理宇造の息子(のグループ)だったから積極的にチャンスを回してもらえたんじゃないかというのは否定できない感じはあるよね

堂本剛主演TBS系ドラマ『青の時代』主題歌。ヒロインが奥菜恵で『若葉のころ』では光一に取られた(誤解を招く表現)ので今度こそカップル成立不良少年の剛が熱血な弁護士の上川隆也によって更生していく…という不良少年の青春物語になるかと思われたが、上川隆也には残酷な二重人格が眠っており、残酷な方の二重人格が初恋の人そっくりの奥菜恵に執着して次第に暴走していき、主人格の婚約者である篠原涼子を交通事故に遭わせて昏睡状態に追い込んで奥菜恵に迫っていくというかなり危険度の高い展開となった。上川隆也の残酷人格が主役の剛を食う勢いで暴れ回ったので、終わってみると剛がどんな役だったのかあまり覚えてないっていう…。最初は不良役なのでギラギラしてたのは覚えているんだけど、更生してからの後半はマジであんまり印象に残ってない。主題歌としての今作も不良少年が更生していく”青の時代”っぽい序盤では合っていたんだけど、後半は…二重人格の悪の人格が大暴れする展開では…”青の時代”の一言で受け止めきれないっていうか…うん…。

印象としては「FRIENDS」に続くドラマ主題歌の名バラード的な印象。当時から凄い名曲がまた来た!と発売を楽しみにしていたが、これを両A面の2曲目にしてしまうのも凄い。単独でもそれなりにヒットしたと思うんだけど、ドバラードを単独A面で4枚目のシングルとしてリリースするのは当時のJ社的にはナシだったのかもしれない(2nd,3rd共にC/Wはドバラードだった)。ソロパートが無く、終始2人で歌っているのは珍しい。
★★★★☆
3rdアルバム『C album
1stベスト『KinKi Single Selection
3rdベスト『39
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection
5thベスト『The BEST

5th Happy Happy Greeting/シンデレラ・クリスマス

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1998年12月9日
2作連続の両A面シングル。100万枚限定生産と銘打たれており最初から限定盤だった。ただ前2作の状況からしてドラマ主題歌でもない曲ではミリオンは難しいのは明白で、限定だと言っておけば売れると安易に考えていたのかは謎。結局初動40万の時点でかなり厳しく、累計60万に終わり、ここまでの最低を大幅更新してしまう事態となった。しかし40万枚も余ったのならもっと不良在庫が転がってそうだがそんなに余っていた記憶もない。100万枚限定生産はホラで実際はそんなに刷っていなかったのでは

2曲とも季節ソングという事もあってか夏発売の『C album』に未収録となったため、ベスト盤がアルバム初収録となった。

6分越え+5分半近いという2曲のためカラオケ2曲をそのまま収録すると8センチCDの容量限界(約20分ちょい)を限界突破してしまうためか、「シンデレラ・クリスマス」のカラオケは2番を丸々カットして5分27秒→3分50秒まで短くして編集。よく見ると表記も”オリジナル・カラオケ”ではなく“エディット・カラオケ”となっていた。2007年マキシ再発盤では表記はオリジナル・カラオケに変わっており、時間の制約が無くなったのでフルサイズ収録されているのかと思いきや、8センチ盤のエディット音源がそのまま収録されている。2007年盤は「シンデレラ・クリスマス(オリジナル・カラオケ)」となっているが誤表記ということになり、3分50秒のエディット・カラオケのままである。

カラオケアルバム『KinKi KaraoKe Single Selection』に収録された「シンデレラ・クリスマス」カラオケ音源はきちんとフルバージョンとなっている。

なおJニーズ社だった頃の公式ではちゃんと”エディット・カラオケ”表記になっていたが、STARTO ENTERTAINMENTでサイトを作り直した際に”オリジナル・カラオケ”に修正されてしまった。レーベルサイドの公式サイトはELOV-Labelに変わった後もデータはそのまま移行させたようで”エディット・カラオケ”となっている。

Happy Happy Greeting

作詞:松本隆、作編曲:山下達郎
パナソニック『デジカム』CMソング。コンサートでは既に披露されていてファンの間では知られていたらしいが、発売後もあまりヒット曲としては認識されていないままと思われる。というのも今作のMVを制作せず、チャート番組では「シンデレラ・クリスマス」が基本的に流れていた。一応CMタイアップがあったのと、クリスマス過ぎのTVではこっちを披露していたとはいえ、小田和正の両A面2曲目「ラブ・ストーリーは突然に」に対する1曲目「Oh! Yeah!」に近い立ち位置にあるのではないか。

年末リリースだったので新年あけましておめでとうソングにように捉えられるところだが、御祝い事全般に対応できるように歌詞が書かれており、New Year、Birthday、Valentine、Weddingが作中で言及されている。結果何にでも適応できるが、どれか1つに適応した場合に他3つの歌詞が無関係となるため結局何にでも適応できなくなった感もある。少なくともバレンタインや結婚ソングとしてはあまり認識されていない感じはある。KinK Kidsとしては光一が元旦生まれなのでNew Year、Birthdayを同時適応可能で一般よりも適応度が高い

全体にあまりキャッチーとは言い難く、ハッピーハッピー言ってる割には淡々としていてあまりハッピー感もない。淡々としたアレンジが延々続くというのが最大のインパクトにして掴みにくい部分でもある。あとデーデッデーデーデーデーデッデーデーデーデー…とイントロから歌い出しまでずっと同じ演奏繰り返しているのでカラオケバージョンを聞くとどこから歌い出すのかさっぱり分からない。
★★★☆☆
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

シンデレラ・クリスマス

作詞:松本隆、作曲:谷本新、編曲:長岡成貢
タイアップは無かったがMVが制作されたのがこっちだけだったので、当初こっちしかチャート番組では流れておらず、このシングル=「シンデレラ・クリスマス」というのが一般的なヒット曲認識だったと思われる。ストレートなクリスマスソングのヒット曲という事もあって、後年も意外と愛されておりTVでは「愛のかたまり」ほどではないが年末特番で披露される機会が多くなっていった。

スッキリとした爽やかなクリスマスソング。過度なクリスマス的なシャンシャン装飾がなく割とスタイリッシュだが、シンデレラとクリスマスの組み合わせや流れるようなメロディーにキラキラ感が強く感じられる。これでアレンジまでもっとシャンシャンシャン鳴らしたりワクワクウキウキ跳ねた感じにしてキラキラさせていたら過剰になっていたかもしれない。結果的にそれがKinKi Kidsっぽいクリスマスソングのようになったように思う。”作曲:谷本新、編曲:長岡成貢”、SMAPで実績のある作家陣による洗練されたオシャレなサウンドも聞き心地が良かった。
★★★★☆
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

6th やめないで,PURE

B0DHXD5JLS
1999年2月24日
作詞:伊達歩、作曲:筒美京平、編曲:WACKY KAKI
ジャケットにも思いっきり”C/W BABY LOVE”と書かれていたのに当初O社では何故か両A面表記にされていた(後に修正)。また“,”(カンマ)であり”、”(句読点)ではないという妙なこだわりも。前作を上回ったものの2作連続60万台となった。この時点でもけっこうなベテランだったのもあるが2020年に筒美京平、2023年に伊達歩(=伊集院静)が亡くなったため、最も早く作詞作曲者が故人となったシングルでもある。

堂本剛主演1999年冬クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『君といた未来のために 〜I’ll be back〜』主題歌。ヒロインは遠藤久美子だったが、遠藤久美子は最後まで主人公が巻き込まれた時の繰り返しは知らず、中盤以降に一緒に時を繰り返す戦友のような存在として仲間由紀恵が出演していた(3番手というか正ヒロインとは別の3番手、ライバル的な役どころが続いていた時期)。放送は1999年になったばかりだったが、主人公の剛が1999年12月31日になると心臓発作で死亡してしまい、4年前の1995年から人生をやり直す事になるというタイムリープモノ。2度目の人生では4年間の未来の知識を生かして成金野郎となるも友人の自殺を止められず未来の知識を先取りした弊害でブームの終了も早まって破産し、全てを失ったところで遠藤久美子に救われたところで再度1999年12月31日に心臓発作で死亡。3度目の人生では2度目の反省を生かして誠実に生きようとするも実は他にも同じ繰り返しをしている者がいた(仲間由紀恵、佐野史郎)事が発覚。2度目での剛の振る舞いを見てどうせループするなら好き放題やってやるぜと覚醒した佐野史郎の暗躍に振り回されるも周囲との関係は全人生の中で最も良好なまま1999年12月31日を迎えて誠実に生きた事で突破できないかと賭けたものの結局心臓発作で死亡。4度目は何をしても2000年を迎えられない事を悟り、佐野史郎に罠を張って早期に逮捕させた後は仲間由紀恵と共に世捨て人となり周囲との関係を断ち切って静かに1999年12月31日を迎えて死亡。そして4度目の人生の際に獄中の佐野史郎が自殺した事で5度目以降は3人の戻ってくる時間軸が1995年起点ではなく各自バラバラとなり、混沌としていく中で、最終的に繰り返しの要因になっていた母の生存を知り手掛かりを求めて調査中に崖から落ちて意識不明のまま5度目は終了、6度目は12月31日の死の瞬間に一瞬だけ戻る形で終了したが(6度目が一瞬過ぎて分かりにくかったので「6度目」が飛ばされて「7度目」になったと勘違いする視聴者が続出)この際に1度目の人生で死んだ場所である映画館に仲間由紀恵、佐野史郎もいた事を目撃、そして7度目の人生まで行っての最終章。ハッピーエンドにはなったんだけど7度目は佐野史郎が最速で1994年には戻ってきていて剛と仲間由紀恵が戻ってくるのは最終年の1999年と非常に遅かったため、5年かけて佐野史郎に剛が洗脳されていて周囲との関係が悪化しているところからやり直すハメになったので、これが最終決定人生で大丈夫なのか(戻ってきた途端に剛の言っている事や行動が180度変わる事になり一応周囲は目を覚ましてくれた!と認識していたが戻ってくる前はアイツは変わり果てちまった…と仲間達に絶望視されていたほどなのでクリーンだった3度目と比較しても人生の黒歴史期間が正史に刻まれる事に…)とはちょっと思った記憶。『未満都市』はDVD化されたけど今作は放置されたままなのが哀しい(ていうか当時の土9ドラマ現状視聴不可作品多すぎィ!)。当時リアルタイム録画していたVHSは倉庫のどこかに眠っているはずだが再生環境がもうないし…。

よほど制作がタイトだったのか、ギリギリまで主題歌情報が出ていなかった。パートの振り分け作業もしないまま主題歌サイズを納品したのかソロパートが無しで終始2人でユニゾンしているなど主題歌としてOAされた音源と発売されたシングル音源にも違いがある。CD版ではAメロにソロパートがある。古き良きという感じが漂うのは大ベテランの筒美大先生の全盛期が昭和だった事からくるレトロさか。悪くはないけど前作同様に前以上のインパクトは残せないような少し難しい時期に突入していた感はあり、当時はあまり好きな曲ではなかった。

前述のようにかなり突貫で制作されたためか、シングルバージョンは実質早々に破棄されていて当時のTV出演から別アレンジで披露。『C album』収録時には表記は無いがアレンジが大幅ブラッシュアップされたアルバムバージョン。打ち込みドラム音のみだったイントロ部分でいきなりギュイーンとエレキギターが響き、全体にエレキギターを追加、リズムトラックも含めて全体に厚みが増し、間奏のアレンジは全く異なるHIP HOPっぽいダンス色の強いアレンジにまるっきり変更が施されている(間奏の尺自体は同じ)。このバージョンは前述のように元々「ミュージックステーション」「CDTV」「うたばん」等のシングル発売後のプロモーション活動で各種歌番組で披露した時には既に使用されていた。シングルバージョンが使用されているMVでは全く踊っていなかったが、TVでは完全なダンスナンバーとしてパフォーマンスしていてアレンジが変更された間奏部分では特に激しいダンスパフォーマンスをしていた。この歌番組仕様のアレンジを半年後の『C album』で音源化したという事だったようだ。当時はこの曲自体にそんなにハマっていなかったのであまり意識してTVで見ていなかったが、当時の熱心なファンはTVとCD音源が違い過ぎて混乱しなかったのだろうか。2023年の生バンドでのYouTube Original Liveでもこの『C album』バージョンを基にしたアレンジで演奏されている。

さらに『KinKi Single Selection』でも表記は無いが、更なる変更が施された。こちらはエレキギターの追加アレンジは『C album』準拠だが、リズムトラックや間奏のアレンジはシングルバージョンのアレンジに戻っているなどシングル(主にリズムトラックや間奏)と『C album』(主に追加されたエレキギター)のアレンジを合体させたようなアレンジ。相対的にエレキギターが『C album』より若干強めに聞こえるか。イントロやアウトロで繰り返されるフレーズの音色はシングルでは完全にシンセの音だが、『C album』『KinKi Single Selection』ではエレキギターでもユニゾンしているっぽい音色になっていて、この音色は『KinKi Single Selection』の方がよりエレキギター強めに聞こえる。

このように1度もバージョン名をつけずに無表記で変更されているので出るたびなんか変わってる!?と不思議な曲だった。シングルバージョンがアルバム収録になったのは2017年の『The BEST』が最初である。改めてシングルバージョンに戻ってみると、ギターの存在感が無いので音がスカスカでシンセが悪目立ちしていて未完成な印象を受けてしまう。ていうかこれシングルバージョンでパフォーマンスした事あるのか…?

そんなわけで複数のバージョンで聞いているうちに馴染んできて最終的にはけっこう好きな曲になっていた。C/W「BABY LOVE」は明るくもオシャレなポップナンバーで当時はそんなでもなかったがこれも後年印象が上がった。

なお『KinKi Single Selection』の2ヶ月後にリリースされたカラオケアルバム『KinKi KaraoKe Single Selection』に収録されている今作のカラオケはベストに収録された最終アレンジバージョンではなく普通にシングルバージョンとなっている。
★★★★☆
3rdアルバム『C album』(表記はないが別アレンジのアルバムバージョン1)
1stベスト『KinKi Single Selection』(表記はないが更に別アレンジのアルバムバージョン2)
5thベスト『The BEST

7th フラワー

B0DK6X2HLJ
1999年5月26日
作詞:HΛL、作曲:HΛL・音妃、編曲:船山基紀、コーラスアレンジ:松下誠
2人が出演したANA「’99パラダイス沖縄」キャンペーンCMソング。初動は36.8万枚と前作を若干上回る程度だったため、そのまま行けば前2作同様に60万台で落ち着くかに思われたが楽曲の親しみやすさが受けてロングヒットを記録。2位→3位→4週連続5位と次から次へと強力な新曲が出てくる時期だったので『全部だきしめて/青の時代』の時のような4週連続1位とかはなく1位は1週のみだったが、同じような推移で100位以内24週(200位以内拡大後に+3週の合計27週)ランクインで、初動からまくりにまくった挙句についに104.6万枚とミリオンセラーにまで到達するという快挙で4作目最後のミリオンヒットとなった。スタッフサイドがもっと明確にミリオンを狙いに行ったこの後の『雨のMelody/to Heart』でも『夏の王様/もう君以外愛せない』も80万台に留まってミリオンが遠かったのを思うと、今作が初動36.8万枚から100万枚まで引っ張れたのは驚異的だ。

この後の2作は先にマキシ化されていたため、2007年12月26日の一斉マキシ化再発は1stから今作までが対象だった。

親しみやすく覚えやすく平和的かつ前向きに背中を押してくれるポジティブ一直線で華やかな王道アイドルポップナンバー。KinKi Kidsとしてはやや異色な明るさと陽の空気全開っぷりに正直当時は戸惑ったんだけど、ドラマタイアップでもなく、楽曲の親しみやすさがじわじわと広がってまさかミリオンまで引っ張ってしまうとは思っていなかったので驚いた。確かにメロディーがひたすら気持ちよく覚えやすくみんなで歌いたくなるような1曲ではあったが…。同世代以上よりも少し年下の世代でこの曲を好きだとか、前後のシングルはまだ幼過ぎてリアルタイムではあんまり覚えてないけどこの曲は知ってたみたいな声が多いような印象もあるので子供ウケが凄く良かったのかなとも思う。けっこう幼稚園とか小学校の運動会とかのBGMに使われたとか踊った/歌ったとかも多かったのではないか。

Bメロのメロディーの一部が最後のサビ前だけ少し異なる(“穴でも”の部分)ので、カラオケで歌われる際にちゃんと覚えているかうろ覚えかが判別できたな…という謎の思い出もある。前作のC/W「BABY LOVE」もそうだったけど今作のC/W「元気がくたくた」はSMAP感があり(90年代SMAPと作家が共通していたのも大きい)、せいぜい『B album』『C album』辺りまででしか聞けない初期限定の方向性という感じがする。
★★★★☆
3rdアルバム『C album
1stベスト『KinKi Single Selection
3rdベスト『39
5thベスト『The BEST
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』

8th 雨のMelody/to Heart

B0DK6VM99R
1999年10月6日
両A面シングル。堂本剛主演TBS系ドラマ『to Heart〜恋して死にたい〜』主題歌だった「to Heart」は『全部だきしめて/青の時代』をなぞって2曲目に回し、1曲目にはノンタイアップの「雨のMelody」を配置、初回盤は「雨のMelody」メインジャケ写と「to Heart」メインジャケ写の2種を用意、通常盤はマキシケース仕様(中身は8センチ)という仕様だった。初動47万枚で『全部だきしめて/青の時代』以降の初動を上回ったため、ミリオンが期待されるも伸び悩んで85万枚に留まった。8センチ時代のシングルの中では最も早く2002年2月20日に単独でマキシ化された。

雨のMelody

作詞:康珍化、作曲:武藤敏史,坂井秀陽、編曲:有賀啓雄
当時今作は聞かずに「to Heart」が良かったので初めてシングルを買ってきたんだけど、聞いてみたらこっちの方にドはまりしてしまった。哀愁全開でスピード感がありつつもレトロな雰囲気も漂う。“雨はギターの涙と叫び”という歌詞もよく見るとかなり意味不明なんだけど語感とメロディーのハマり具合がなんだか無性にカッコよく感じた。中学生心をくすぐりまくる1曲だったのかもしれない。いやしかし改めて歌詞を見ると本当に意味不明だな、なんだギターの涙って。叫んだり痛んだり迷ったりってなんだよそれ。当初「雨」が「ギターの涙」と(共に)叫んだり痛んだり迷ったりしていると思ってたんだけど、「雨」=「ギターの涙と叫び/痛み/迷い」っていうなんかそれっぽい比喩っぽいな。『GOLDFINGER ’99』とか『パピヨン〜papillon〜』とかトリッキーな歌詞も多く手掛けている人だしな。作曲で最初に名前が出ている坂井秀陽というのは他で名前を見た事が無く良く分からない。武藤敏史は元ザ・リガニーズのメンバーで2021年に亡くなっているっぽいし、有賀啓雄も2023年に病没しているので今作も少なくとも半分故人なのか…。

『39』投票で大ヒット期シングルがほとんど淘汰された中で堂々8位、『39 Very much』でも残っており、後年のカッコいいスタイリッシュなKinKi Kidsにも通じる作風のためか長年コアファンにも評価される1曲となった。
★★★★☆
1stベスト『KinKi Single Selection
3rdベスト『39
14thアルバム『M album』side Memories(リメイク)
5thベスト『The BEST
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』

to Heart

作詞:久保田洋司・E.komatsu、作曲:宮崎歩、編曲:CHOKKAKU
堂本剛主演1999年夏クールTBS系ドラマ『to Heart〜恋して死にたい〜』主題歌。今作の発売は10月になってからだったので放送中は未発売で9月17日の最終回から半月程度経過してからの発売となった。1997年のアダルトゲーム『To Heart』とは無関係。同じTBS夏クールのドラマ『P.S. 元気です、俊平』には堂本光一が主演しており、そちらの主題歌はHysteric Blue「なぜ…」だった。同じ局で同じクールだったため、互いの役名で互いのドラマに1シーンだけゲスト出演するという試みがされた。

『若葉のころ』『青の時代』に続く小松江里子脚本のTBS金曜9時枠のドラマだったので、恋愛ドラマに見せかけてまた何か起こるんじゃないか…と不安を抱いた視聴者もいたかもしれないが、前2作とは一転して今回は悲劇の連鎖や衝撃展開ナシのドストレートな純愛ラブストーリー。剛はボクサーを目指す花屋店員という役回りで、『P.S. 元気です、俊平』にゲスト出演した際は花を届けに来る店員役で出ていたのを記憶している。当初から剛はずっと婚約者のいる店長(原沙知絵)にずっと片想いしていて、偶然出会った深田恭子が一方的に剛にベタ惚れしてその気の無い剛に好き好きオーラ全開で迫りまくり、次第に…という内容だった気がするが正直あまり覚えてない。深田恭子の好き好きモードが若干ストーカーじみていてかわいい事はカワイイんだけど少々引き気味になってしまい、最後がどうなったのかハッピーエンドだったのは覚えているがボクサーのドラマ定番の網膜剥離展開からどうなったのかなど細かい記憶がほとんどない…。

今作はE.komatsu名義で脚本の小松江里子が自ら歌詞にも関与。歌われている内容もそのまま片想いの熱い思いだが、ドラマの内容的には剛サイドではなく、明らかにヒロイン(深田恭子)側の心情のようでもあった。ただ最終的に両想いになった段階での主人公(剛)の熱い想いという受け取り方もできなくもない。そういう意味では放送中ではなく、ドラマ完結後にリリースされた事で意味が広がったともいえる。系譜としては「FRIENDS」「青の時代」に続くバラードとなるが、今回はサビになるとロックバラード風に盛り上がる熱量の高い構成が新鮮だった。
★★★★☆
1stベスト『KinKi Single Selection
3rdベスト『39
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection
5thベスト『The BEST

9th 好きになってく 愛してく/KinKiのやる気まんまんソング

B0DK6Y83MK
2000年3月8日
両A面シングル。最後の8センチCD。前作に続いて初回盤は「好きになってく 愛してく」仕様のKinKi Kids写真ジャケット、「KinKiのやる気まんまんソング」仕様のちびまる子ちゃんのキャラ仕様にイラスト化されてちびまる子ちゃんのキャラと一緒に描かれたイラストジャケットの2種、通常盤はマキシケース仕様(中身は8センチ)という仕様。前作のマキシ化再発から2年ほど遅れた2004年1月20日に単独マキシ化再発された。

初動36万で以前の累計60万台コースだったが、累計52.6万枚となりこの時点での最低を更新。

好きになってく 愛してく

作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:武部聡志
フジテレビ系バラエティ『LOVE LOVE あいしてる』新テーマソング。早くから番組内で吉田拓郎やTHE ALFEE坂崎幸之助らの指導でギターと曲作りの指南を受けていた2人は『B album』『C album』で自身のソロ曲を自ら作詞作曲していた。今回は「全部だきしめて」に代わる新番組テーマ曲を2人で共作するという企画で制作され、アイドルとしては前代未聞の自作曲シングル表題曲が実現した(バンド形態のTHE GOOD-BYE、男闘呼組が既にやっているのでJニーズ社史上初の自作シングルというわけではないが楽器を持っていないダンスグループでは初で、アイドルの自作曲1位獲得はJニーズに限らず史上初だったはず)。番組では春頃にはもう剛の歌詞がほぼほぼ仕上がっていたが光一の作曲が難航し、合宿企画などを経て、1999年10月頃に初OA、その後歌詞の一部変更やBメロ(番組では拓郎歌唱部分)をまるっきり作り直す等ブラッシュアップして初披露から半年近く経過してのCD化となった。

シングル版のプロデュースは吉田拓郎が担当しており、終盤のカマカマカマー♪のコーラスなど分かりやすく拓郎節で存在感を発揮している。作詞を剛、作曲を光一というのは拓郎の指名によるもの。後にシンガーソングライターとして日常的に曲を書くようになったのは剛の方で光一は舞台SHOCK中心となって以降は必要があれば曲も書くがシンガーソングライターとしての継続的なソロ活動はやらなかった。しかしKinKi Kidsにおいては作詞を剛、作曲を光一での共作というのが黄金パターンになった。

「全部だきしめて」に代わる新テーマ曲になった…はずだったが、気がついたら「全部だきしめて」に戻っていたような。この頃になると番組の存在がやや空気化してきてほとんど見る事はなくなってきていたのでどうなっていたのか把握してないんだけど、少なくとも最終回とか復活特番とかでは「全部だきしめて」だったしな…。

基本は「全部だきしめて」同様に番組ではAメロの長さがCDの半分で光一の歌い出しから剛がAメロ後半のメロディーで前半の歌詞を歌唱、Bメロ拓郎という踏襲した構成を意識して仕上げたようだったが(CDでは2番の部分)、CDと同じ構成で1番を歌った後に番組タイトルが出てそのまま2番を(Aメロ半分)歌うというパターン(拓郎のソロ歌唱無しで終始KinKi Kidsだけでメイン歌唱)もあり、CD発売が近づいて以降はこれが基本になったっぽい。また”重ねました”の部分が当初は“重ねていた”になっていたり、さらに最初期は拓郎のBメロが”臆病な風が吹く毎日だから”となっていて完成形とは全く違う言葉数が遥かに少なくメロディーもほぼ別物だったりもした(このパートを篠原ともえ他コーラス女性陣が歌う事も)。基本構成は同じでアレンジのバリエーションや篠原ソロがあるバージョン等をやっていた「全部だきしめて」と違って、そもそも平メロが2種類あったり、割とコロコロ構成を変えていたから定着しきれなかったのでは…。

CDでの完成形はイントロから前半はやや叫ぶように歌う平メロからサビに行き、2番は別の平メロが展開するという1番と2番の平メロが全く異なるメロディーという変わった構成。番組バージョンのアレンジで2人が練習していたエレキギターのイントロは一切使用されなかっ2番のBメロのみ間奏明けにもう1回出てくるが最後のサビは謎に4回もやるのでえ?まだサビやんの?と聞くたびに思ってしまうところがある。そんなにサビが強くないので4度も繰り返されるとちょっと飽きちゃうんだよな。

メンバー自作は人気曲が多い傾向にあるが、それは「愛のかたまり」以降の同系統の作風に限るというのがあるようで今作に関しては『39』投票でも公開39位までに入らず、『39 Very much』でも同様でファン選曲/メンバー選曲いずれもかすりもしないという不人気曲になってしまった。この頃とは決定的にファン層が違うというのもあると思うんだけど、まあこの時点で最低売上でもあったし、悪くはないけどまあ普通、好きな曲をあげていく時には積極的に選びに行くほどじゃないくらいな認識が多かったのかな…。

個人的には当時確か友人がカラオケでいち早く歌ったのを聞いて初めて冒頭の平メロを聞いてあれちょっと思ってたのと違って攻めてるじゃん…と思ってそのまま遅れて購入。なので3週目とか4週目とか5週目辺りの売上に貢献するという珍しい買い方をした。前作はそんなに遅れて買えば初回盤2種は売り切れていたんだけど、今作は余裕で初回盤(KinKiジャケ)買えたのでこりゃ今回売れてないんだなと思った。
★★★☆☆
1stベスト『KinKi Single Selection
5thベスト『The BEST

KinKiのやる気まんまんソング

作詞:さくらももこ、作曲:飯田建彦、編曲:長岡成貢
アニメ『ちびまる子ちゃん』OP。アニメは1990年~1992年までで一旦終了して『ツヨシしっかりしなさい』を放送、1995年から再開して現在に至っている。有名な「おどるポンポコリン」は初代エンディングで、初代OPは「ゆめいっぱい」。1995年の再開後のOPは新たなオリジナル曲で2作繋いだ後にManaKana&泉谷しげるの「おどるポンポコリン」カバーになり、続けて今作が起用された。1月~10月まで使用され、その後は長年に渡ってオリジナルのB.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」に戻り、2010年以降はカバー版が数年おきに交代する形で使用されているので、ポンポコリン以外の新規のオリジナル曲でのOPが制作されたのは今作が最後である(エンディングは今でも新規の曲が制作されて時々交換している)。

サビのメロディーはポップで明るいノリで覚えやすいがそれ以外はラップ調で構成されている異色楽曲。それもかなり奇天烈でぶっ飛んだ歌詞になっており、なるほどこれは確かに「おどるポンポコリン」の作詞者が書いた歌詞だと妙に納得できてしまう。ラップと言ってもカッコいいものではなく、2人とも通常時より遥かにテンションをあげてハイになった状態(やる気まんまん)でのアイドルラップになっていて当時聞いてもいや~この曲2人ともマジ頑張ってんなぁ…やる気まんまんソ~ング♪伊達じゃないわぁ…と若干遠い目になってしまうほど。

どういう経緯で突然『ちびまる子ちゃん』主題歌なんてやる事になったのかはかなり謎。当時のKinKi Kidsは各自の主演ドラマと冠バラエティ、CM出演が立て込んでいたのでアニメタイアップを受けるメリットってほとんどなかったようには思う。ただJニーズとしては同枠『ツヨシしっかりしなさい』の最終OPがTOKIO「LOVE YOU ONLY」だったという繋がりはあった。

長い歴史の中でのほんのわずかな期間しか使用されていない上、直後の『KinKi Single Selection』にスルーされてしまい長年アルバム未収録のまま放置され、2017年『The BEST』でようやくアルバム初収録となった。なお堂島孝平は毎回ライブのセットリストの話し合いの際にこの曲を久々にやってほしいと意見しているが毎回外されていると証言している。
★★★☆☆
5thベスト『The BEST

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