14th ラック
2003年12月3日
作詞:新藤晴一、作曲:Tama、編曲:ak.homma,ポルノグラフィティ
翌日12月4日から始まるツアー「6thライヴサーキット “74ers”」の“プレカット・シングル”という謎の形容で発売されたレーベルゲートCD2+DVD(デジパック仕様)の限定盤シングル。通常盤が存在しない。通常盤が無いのでレーベルゲートCD2撤退後の正規CDでの再発がされず、ポルノグラフィティ全CD作品で唯一コピーコントロール盤(レーベルゲートCD2+DVD)のみでしか存在しない作品となった(C/W2曲は通常CD化されずじまい)。C/W「Theme of “74ers”」「Anotherday for “74ers”」共にツアーを意識したインスト曲だが、「Anotherday for “74ers”」の方には英語詞が少しだけあるので厳密にはインストではない。
DVDには「Planning Document of “74ers”」(インタビューやレコーディング、過去ツアー映像ダイジェストなど)を収録していたようだが、レンタル版では抜かれていた(レンタル用が制作されるのではなく単に店側がレンタル禁止のDVDを抜いた状態で出していたような記憶)。前作の5週目8位にランクインしている週が隙間週で強敵がおらず初動5.9万枚で「アゲハ蝶」以来4作目(初登場では3作目)となる初登場1位を記録。2週目も3位に残り、2週連続で2作同時トップ10入りを達成し、3週目も10位に残っていたが年末年始にかけては品薄になったのか一挙急落して8週ランクイン累計10万割れとなった。
この後「音のない森」以降のシングルを含めたオリジナルアルバム制作に至らず2003年7月の初のベスト盤『PORNO GRAFFITTI BEST RED’S』『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE’S』を最後にTamaが脱退したため、3人時代の最終シングルとなってしまい、ベストに収録された2曲の新曲はTama作では無かったため、今作が正真正銘Tamaのポルノグラフィティでの最終作曲作となってしまった。
数少ない1位獲得作だが、前述のようにラッキー1位であり、ヒット曲としてはあまり認識されていないと思われるマニアックなロックナンバー。2作王道ヒットチューンを出した後にこういうガツンとした曲を持ってくるのは面白かったし、これがやれていたのはこの2003年だけだったと思う。Luckかと思いきやLackで欠落感を連呼するロックナンバーがTamaの最終楽曲になってしまったわけだけど、最後のつもりで用意したわけではなかったと思われ、5月にはレコーディングを終えてタイミングを見ていたとされる(ボーカルは10月に再録)。まあ今作があったのに見送られて昭仁曲の「音のない森」が先にシングルになったのでメインライターとされていたはずのTamaとしては思うところはあったのかもしれないし、『ポルノグラフィティ全書』のコメントで晴一が“「ビタースイート」やこれやこういう曲ばかりやるバンドになりたかったな”と意味深な一言コメントを寄せているところも含めて色々気になるところではある。1人のミュージシャンとして大きな岐路だったのは確かだろう。
毎回これだとさすがに人気はもっと低迷してしまったとは思うが、2003年のあらゆる面を見せてくるスタイルは2003年だけのものだったし、そういうバランス感覚で3人で進んでいく未来は全く違ったものになっていたかもしれない。
★★★★☆
1stベスト『PORNO GRAFFITTI BEST RED’S』
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary”ALL TIME SINGLES”』
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~』
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