中学3年だった2004年夏にソニーのオーディションに合格(事務所はスターダスト)、高校1年生になる新年度のタイミングで土曜6時枠アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』OPタイアップ「僕たちの行方」でデビューし、いきなりの初登場1位という鮮烈なデビューを飾った。1989年(平成元年)4月8日生まれ、平成生まれ初のチャート1位であり、ついに平成の子が活躍する時代に突入するのか…と昭和生まれ勢を遠い目にした。
小柄でな短髪で少年のような風貌、声も少年のような中性的な雰囲気が漂っており、アイドル的な売り出し方ではなく小さなロックシンガー的な売り出し方をしていた。当時の身長147cmからFC名も「H147」、契約切れの22歳時まで年齢とプロフィールは追記し続けていたが身長は147㎝のまま変更が無かったが、高校1年から全く伸びなかったのかは不明である。
鮮烈なアニメタイアップデビューから、2作目は夏休み昼ドラタイアップで2000~2002年Whiteberry、ZONE、YeLLOW Generationに続けとばかりに狙うも失敗、続く3作目は再度土曜6時枠アニメタイアップでトップ10ヒットを放ったため、”土6の女王”なんていう言葉も一時飛び交った。元JUDY AND MARYのTAKUYA全面プロデュース体制で新たなロック路線を目指すも、以降はソニーアニメ典型パターンに陥り、アニメタイアップが無いと全く売れず、あってもトップ20がやっとでじりじり低迷。さらにロック路線を突き詰め、J-POPヒットチャートではなく、玄人音楽ファン向けJ-ROCK方面に進出するもファン層が噛み合わずついに200位圏内ギリギリにまで低迷してしまった。
2012年3月31日ひっそりと事務所スターダストとの契約終了を発表。メジャーの舞台からは去る事となった。
その後は本人SNSが続いていたり、WUJA BIN BINという13人の大所帯グループにボーカルとして参加している様子は伝えられており、WUJA BIN BINは不定期にアルバムリリースやライブ活動も行われているようだが、高橋瞳個人としてのソロ活動は特に行われている様子が無く、WUJA BIN BINも各自の本職のバンドという感じではなくそんなに頻繁に活動しているわけではない。SNSもあまり更新はしていないのでスターダスト&ソニーとの契約終了以降、普段何をしているのかは良く分からない(本業は音楽以外か?)。かつてのアニメタイアップ曲でアニメ関係のイベントに呼ばれるような当時に繋がる活動はしていないため、世間的には消えた人扱いになってしまっているものと思われる。
2025.4~5全面改稿
1st 僕たちの行方
2005年4月13日
作詞:中野雄太+shungo.、作編曲:中野雄太
初回盤はデジパック仕様。後に確立する期間生産限定盤(アニメ盤)と同種のデジパック仕様だがこの当時はまだソニーのアニメ盤フォーマットが確立しておらず、ジャケ写も裏ジャケも本人写真になっていて特典としてガンダム仕様のアナザージャケットやキャラカードが封入されていた。一応プラケース通常盤が存在すると思われるが中古で転がっているのもデジパックばかりで通常盤を見た記憶があまりない。少し遅れて当時使用していたレンタル屋のレンタル落ちで入手したんだけどそのレンタル屋でもデジパック仕様をレンタルに使用していた。
デビュー作でいきなり初登場1位を獲得。初動6万で3週トップ10入り、200位以内14週の累計13万なのでそんなに大きなヒットではないが、一応は2005年の年間チャート75位。単独ソロとしては平成生まれ初の1位!グループからのソロデビューではない純粋な女性ソロデビュー作としても内田有紀以来10年ぶりとなる1位!などいきなり脚光を浴びた。
アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』OP。どちらかというとソニーよりもエイベックスが得意とするようなやたら暴力的で重めのギター、スリリングな弦も入ってリズム隊は打ち込みというデジ系ロックナンバー。1stアルバムは全体的に生バンドサウンドだったのでこの曲だけ少し浮いていた。発売当時は平成生まれがデビューしてくるようになったかぁ…程度でスルーしていたがGWを過ぎたくらいにに急に凄くいい曲なんじゃないか!とドハマリしてレンタル落ち中古品を購入してくるという珍しいハマり方をした。ただその後の2シングルの方が気に入ってしまったのでけっこう早いうちに飽きてしまった。何故急にあんなにハマったのか今や良く分からない。懐かしのヒット曲としての需要もあるとは思うんだけど、やはり本人が表舞台に出てこないと20年経ってかなり忘れられてしまってきている感じもある。
★★★★☆
1stアルバム『sympathy』
2nd evergreen
2005年8月10日
作詞:高橋瞳+田中秀典、作曲:田中秀典、編曲:十川知司
TBS系昼ドラマ『新・キッズ・ウォー』主題歌。2000年Whiteberry「夏祭り」、2001年ZONE「secret base~君がくれたもの~」、2002年YeLLOW Generation「北風と太陽」と夏休み期間に放送されるこの枠の昼ドラ主題歌が連続ヒットした流れはもう廃れつつあったが、この枠最大のヒットになった「secret base~君がくれたもの~」と『キッズ・ウォー』シリーズにあやかりたいという大人の思惑は尚続いていた。キッズ・ウォーシリーズは無理に続けた挙句に『5』で両親を殺す超展開で限界を越えて完全終了したので、この『新・キッズ・ウォー』はキャストを一新した全くの別作品。翌年に『2』が制作されたのでそこまで不評だったわけではないだろうけど、主題歌のヒットには繋がらなかった。1位デビューからまさかの初登場22位と大撃沈になってしまい、アニメでしか売れないソニーアニメ典型パターンがいきなり強烈に炸裂する事態となった。
前作とは打って変わって生のバンドサウンドで全体的にかなりロック色は強いものの明らかに「secret base~君がくれたもの~」を意識したかのようなノスタルジックさを刺激するミディアムロックバラード。曲提供が田中秀典だし、SCANDALの登場がもう数年早かったらSCANDALにこの曲を歌わせてZONEの二匹目のどじょう狙いがもっと露骨に行われていたかもしれない。
キッズ・ウォーシリーズには辟易としていたのでもう見なくなっていたが、曲はこれはいいぞと唯一新品購入したら見事にコケてしまったのが衝撃だった。「夏祭り」「secret base~君がくれたもの~」同様にここからチャートを上がっていくと思ったが29位→46位→41位…と1度上昇するもずるずる下っていってしまった。一応タイアップ効果で緩めのランクダウンではあり、22位からの200位以内10週ランクインは立派だったが、累計3万に届かず。アニメしか売れないソニーアニメ典型パターンはこうしてソニーグループ全体を覆い尽くして深まっていったのだった。
改めて聞いても色褪せてないなぁと感じる普遍的な夏のノスタルジー系名曲。ただ“君がくれた無数の物語”って”君がくれたもの”をやや具体的に表現しただけでいつかまた会えると信じているのも同じ。こっちは具体的な時期には言及せず…と細部の設定は異なるがほとんど詞の世界がシクベりすぎで苦笑いなところはある…(シクベるって何?)。本人作詞に参加してて憧れのままに小学生の時のヒット曲「secret base~君がくれたもの~」の世界観を再現してしまったところもあったのか、ソニーの指示か。MVも北海道の荒野まで行って撮影したというが北海道ってZONEの出身地だし…。どういうわけか2番カットのショートバージョンで6分以上の曲ならまだしも5分20秒弱の曲でわざわざ遠くまでロケしたのに何故フルサイズで制作されなかったのだろうか。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっている。
★★★★★
1stアルバム『sympathy』
3rd 青空のナミダ
2005年11月30日
作詞:高橋瞳+渡辺なつみ、作曲:田中秀典、編曲:安原兵衛
アニメ『BLOOD+』OP。再び土6アニメタイアップで、2度目にして最後のトップ10ヒット(8位)。トップ10は1週のみだったが200位以内12週ランクインで8万枚のヒットとなった。翌年3月の1stアルバムのトップ10ヒットまではかろうじてつなぐことができたものの、1stアルバムが3作のアルバムで唯一のトップ10入り、最後のトップ10ヒットとなった。
決意を込めた歌詞にスピード感ある曲調といい、非常に耳に残るヒットチャート系のロックナンバー。前々作とだいぶ質感が異なり、今作は普通のバンドサウンドで制作されていてソニーのアニメタイアップっぽい。今作は直前まで買うか迷い、さらにタイアップ先のアニメも見よう見ようと思いながら結局買わなかった、見なかった(主人公の声優が5年後くらいに一時聞いていた喜多村英梨だったのは知らなかった)が、1stアルバム購入には繋がったという思い出。
MVでは地下に迷い込んだ高橋瞳が、敵に苦戦する「BLOOD+」主人公の元に到着。主人公が落とした刀を拾うと覚醒して、敵を両断。主役の座を奪って地上に戻ると敵による侵略が始まっており…というバトル展開だった。少し前にT.M.Revolutionが似たようなPVを作っていたので少々二番煎じ感も…。
シングルバージョンは全体的に整った感じになっているが、後にTAKUYAプロデュースでリメイクされた際はよりロック色を強めてバンド感が増しており、攻撃的な仕上がりになっている。このリテイクの方が印象はいいが、ボーカルコンディションも荒々しくなっていてそっちは原曲ほどには良くないのが欠点。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっているため、’07 Ver.は聞けない。
★★★★☆
1stアルバム『sympathy』
7thシングル『強くなれ』C/W(’07 Ver.)
4th コミュニケイション
2006年7月12日
作詞:高橋瞳+渡邊亜希子、作編曲:TAKUYA
1stアルバムでも何とかトップ10入りしていたのに、3月発売のアルバムからでも4ヵ月、シングルとしては8ヵ月ぶり。音楽深夜バラエティ「音楽戦士」タイアップという実質無いようなタイアップにより、固定ファンがついていなかった事が露呈する初登場60位→180位→200位圏外で0.2万枚という衝撃的な大コケとなった。
今作から2ndアルバムまで元JUDY AND MARYのTAKUYAがプロデュース。C/Wやアルバムでは楽曲提供に後輩の175Rのshogo.、ガガガSPを招き、演奏陣は曲によって異なるがTAKUYAと同時代に活躍したバンドの元メンバーである五十嵐公太(JUDY AND MARY)、広瀬”HEESEY”洋一(THE YELLOW MONKEY)、人時(黒夢)らが参加していた。
今作ではバンドサウンドの躍動感が増したストイックなロックナンバー。王道の売れ線アニメロックからは少し外れた路線へと移行する。今作もいきなり分かりにくい。なかなかサビに到達しない溜めに溜めまくる構成はこれまで以上に本格ロックという感じがして聞き込むほどにカッコいいのだが、ようやく到達したサビもまくしたてるだけでどっちかというとロック的な魂の叫びみたいな。一気にストイックになり、まあ売れる方向性ではないと思ったけど、一応2シングルヒットしてアルバムもトップ10入りしたのにいきなり60位は衝撃だったなぁ…。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっている。
★★★☆☆
2ndアルバム『Bamboo Collage』
5th コ・モ・レ・ビ
2006年11月1日
作詞:高橋瞳+渡邊亜希子、作編曲:TAKUYA
山田孝之、沢尻エリカ主演映画『手紙』主題歌。兄(玉山鉄二)が殺人犯になってしまったという弟(山田孝之)の苦悩を中心に描いたけっこう暗い内容の映画だったが、映画クライマックスで感動的に挿入歌として使用されていたのは小田和正ソロ版「言葉にできない」(オフコースのセルフカバー)であり、その後にこの曲がエンディング曲としてかかるという扱いだった。前作より少し上の初登場50位→149位→200位圏外で0.3万枚とほぼ同じ推移となった。
一応映画にしっかり合わせていった曲で、かなりしっとりしたバラードナンバーになっており、ギターもエレキは使わずアコースティックとなっている。C/Wやアルバムでも見せなかったしっとりとした新たな一面を見せた1曲。最後の間奏→サビの流れを取らずに、2番の後にAメロに戻って終了するので5分に満たず、この手のバラードとしてはコンパクトな仕上がり。単独で聞けばそれなりに名曲でもあったのだが誰もが知るスタンダード名曲「言葉にできない」で映画が盛り上げられた後では正直もう何がかかってもペンペン草も生えないような状態でありどうしようもない。この映画の効果で『自己ベスト』が更に売上を伸ばす事はあっても、今作は映画館出て帰宅する頃にはもう覚えてないだろう。
曲はいいんだけどあまりにしっとり路線変更しすぎて正直ちょっと誰だか分からない。「僕たちの行方」「青空のナミダ」の人の新曲と言われてもピンと来ないところがあり、もう少し本来の自分側(J-POPのロック路線)でも良かったんじゃないかとは思う。「言葉にできない」なしで今作ならそれなりに映画との相乗効果も生まれただろうけど、それ以前に全く毛色の違うシングルを出していいタイミングでは無かったと思う。
アルバムでは流れに合わないためか、ロックサウンドに180度方針転換したアレンジBamboo Ver.にリメイク。ちょっと変えましたレベルではなくまるっきり変更されており、TAKUYA以外の演奏メンバーも一新された。原曲より30秒ほど短くなっている。曲調に合わせて少し元気なボーカルスタイルになっているが、これはこれでシングル聞いた後だと掴み切れてない感じでちょっと合わない感じ。この曲には結局しっとりボーカルがベストだったという事で…まあ今やるべき曲ではなかったのかもしれない。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっているため、シングルバージョンは聞けない。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
2ndアルバム『Bamboo Collage』(Bamboo Ver.)
6th キャンディ・ライン
2007年3月7日
作詞:高橋瞳、作編曲:TAKUYA
アニメ『銀魂』ED。本人が銀魂ファンだったという事で気合が入っていたのか初の本人単独作詞。アニメタイアップに引き戻した事で分かりやすく初登場14位まで大回復、5週ランクインに留まったが累計1.8万枚と前2作の大コケからすればアニメタイアップの強さが爆発した。こんな分かりやすい結果が出るんだからそりゃソニーもアニメタイアップ連発するよな…。
ここにきてようやく元JUDY AND MARYのTAKUYAに期待されるようなアバンギャルドながらもヒット性のあるポップでロックなナンバーが登場。しかもドラムには元JUDY AND MARYの五十嵐公太を起用したことで50%JUDY AND MARYに(今作はベースもTAKUYAなので演奏メンバーがTAKUYAと五十嵐公太の2人バンド編成)。声をひっくり返してシャウトしたりと、けっこうブッ飛んだ感じなので好みは分かれそうだが個人的には久々に1発で引っかかった。TAKUYAプロデュースは結果的に今作がかろうじて及第点といえる売上を残せたのみとなってしまった。4thシングルが今作だったらもう少し継続して人気を得られた気はする。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっているため、銀魂 Ending Mixは聞けない。単にTVサイズに編集したのではなく、ボーカルテイクが違うようで最後のキャンディ・ライン♪の歌い回しの語尾がシングルバージョンとは異なっている。
★★★★☆
C/W(銀魂 Ending Mix)
2ndアルバム『Bamboo Collage』
7th JET BOY JET GIRL
2007年8月1日
作詞:高橋瞳+mavie、作編曲:TAKUYA
3度目となる土6アニメ『地球へ…』OP。“土6の女王”なる冠を携えて満を持しての登板だったが既にこの枠のアニメが何でもヒットするわけでは無くなっており、結局ハガレンとガンダムが物凄い強かったのとその余波があった後はシオシオであった。主題歌ヒット規模も縮小し、何なら前作の『銀魂』含む『NARUTO』『BLEACH』の安定人気のジャンプアニメ群と変わらないかそっちの方がマシかという状況になっていた。初登場33位から4週ランクイン0.7万と早くも1万にも届かなかった。これで”土6の女王”扱いも霧散。以降ソニーからは一気に干され(あきらめ)モードになっていってしまった感がある。
タイトル通り、ジェット機のようなイメージの曲。どちらかというと飛び立っていくのではなく滑走準備~助走が始まって飛び立つまでくらいのノリ。なんだろう、飛び立つ前に終わってしまうような感じで凄く物足りなさが残ってしまう。ドゥルドゥルふかしているだけで本格加速しない…みたいな。当時からずっと何かもう少し足りないという”足りない”印象が何故か凄く強くて、”何かが足りない曲ランキング”とかあったら必ず選ぶと思う。
高橋瞳のApple Musicでの配信はシングル盤に抜けが多く、2ndと4th~8th(『Bamboo Collage』の全シングル)が未配信となっているため、「地球へ・・・」Opening Mixは聞けない。
★★★☆☆
C/W(「地球へ・・・」Opening Mix)
2ndアルバム『Bamboo Collage』
8th 強くなれ
2007年9月12日
作詞:TAKUYA+高橋瞳+mavie、作編曲:TAKUYA
柳楽優弥、石原さとみ主演映画『包帯クラブ』主題歌。傷そのものではなく傷ついた箇所に包帯を巻いていくという奇行を繰り返す若者たちの姿を描いたかなり分かりにくくクセのありすぎる一風変わった青春映画で独特の世界観に共感するのが凄く難しい内容だった。映画『誰も知らない』の鮮烈なデビューから4年、映画4作目だった柳楽優弥、第1次主演連発期だった石原さとみという当時旬だった2人を揃えても興行1.5億円で超コケしてしまったとされている。例によってエンディング黒バックでかかっても印象が薄い上に、タイトルからは強気なアップナンバーを予想するが、1回聞いただけでは耳に残らない超シンプルなバラードだった事もあり最早無風状態の初登場68位→142位→200位圏外で0.2万枚と最低売上を更新した。
ドォン…ドコォン…ドォン…ドコォン…とゆっくり刻まれるドラムが印象的なアコースティックナンバーだが、こういうのは1番だけで2番以降は普通にバンドインしそうなものだが、まさかのドォン…ドコォン…ドォン…ドコォン…のまま曲が終わる。マジか。斬新すぎる。現役高校生代表の同世代応援歌というのがキャッチコピーで、映画の少し冷めた石原さとみのキャラクターにもハマってはいたが…シングルでこれはキツイって。もう少し色々アレンジしても良かったんじゃないだろうか。ていうかそもそもアルバム先行シングルとして切る曲じゃない。今作まで3作連続で50%JUDY AND MARY(ギターTAKUYA、ドラム五十嵐公太)だったが、さすがにドォン…ドコォン…が延々続くだけでは(もう少し細かく刻む音も入っているけど)誰が叩いても…とは思ってしまう。
★★☆☆☆
2ndアルバム『Bamboo Collage』
9th あたしの街、明日の街
2008年6月8日
作詞:高橋瞳、作編曲:平出悟
アニメ『図書館戦争』OP。もうすっかりヒットから遠ざかってしまいアニメでもどうにもならなくなっていたがこれでも若干のタイアップ効果はあったのか初登場43位→100位と2週目もギリトップ100に残り、145位→198位と粘る推移で0.4万枚と通常の2週ランクイン時の2倍売れた。『Bamboo Collage』を最後にTAKUYAプロデュースを離れてUVERworldにも関わっていた平出悟がC/W含めて全面的に作編曲を担当しする新体制での1曲となった。しかし2008年唯一のリリースとなり、単発での制作となったためか、アルバム未収録のままとなった。
タイアップに合わせるよりも高校卒業して地元仙台から東京で音楽活動1本でやっていく事になった本人の決意が歌われているかのような1曲。シングルとしては2作目の単独作詞。ミディアムながらストレートなロックナンバーで、パッと聞きは地味でメロディーが残りにくく、当時の印象もあまり良くなかったが、抑えた平メロから感情剥き出しのサビの盛り上がりは秀逸でかなり聞き込める。ただ初期のアニソンロック、TAKUYA時代のクセのあるロック、そしてこの後の個性派ロックミュージシャンと共にやりたい放題の末期のロック路線のどれにも属さない単発の1作という印象。これだけでは相性が良かったのかどうかも分からず、もう少し続けてみてほしかった。
★★★☆☆
アルバム未収録
10th ウォーアイニー
/高橋瞳×BEAT CRUSADERS
2009年9月9日
作詞:高橋瞳、作編曲:BEAT CRUSADERS
アニメ『銀魂』ED。前作から1年以上リリースが無く、干されたといっていい状況の中で起死回生2度目の「銀魂」タイアップで、分かりやすく14位まで食い込んだ。最後のヒット作。作詞は本人だが、BEAT CRUSADERSとのコラボで、演奏だけでなくコーラスとしてビークルメンバーも参加し、名義も“高橋瞳×BEAT CRUSADERS”となっていて、BEAT CRUSADERS側のディスコグラフィーにも掲載されている。BEAT CRUSADERSは今作時点で実は活動末期だった。2008年のアルバムを最後に新作が途絶えており、今作は2月のベストアルバム以来のリリースで今作の2週間後には1年8ヶ月ぶりのシングル『LET IT GO』をリリースしたが結果的にこれが最後となり、2010年6月に9月で解散すると電撃発表した。
TAKUYAとは異なるかなりクセ強なロックナンバー。何故か歌詞のひらがな部分が全てカタカナ表記(漢字とカタカナ)。これによる字面の宇宙人感、カタコト感はあるがタイトル以外に中国語の要素はない。Bメロの後半の()のコーラス部分とサビ終わりに登場する歌詞の英語表記の部分は全てBEAT CRUSADERS側が担当している。
特にヒダカトオルには気に入られたようでBEAT CRUSADERS解散後の3rdアルバム制作時は単独名義で再度提供してもらっている。個人的にはヒダカトオルはGOING UNDER GROUNDやボーカル松本のソロに参加した際も思いっきり作風が変わってしまったので意外とクセが強すぎて相手を染めすぎてしまう印象がある。銀魂効果で売れたものの、これだと次に繋がる事はないかなと正直思った。時間が経ってみると、それなりにキャッチーではあるし、一応この後の3シングルよりはヒットソングらしさはあるか。
★★★☆☆
C/W(アニメ「銀魂」ver.)
3rdアルバム『PICORINPIN』
11th 恋するピエロッティ
2010年7月21日
作詞:HitomiHitomitti、作曲:ROLLY、編曲:ROLLY/長谷川智樹
いよいよ本格的に路線変更。容姿もやさぐれ気味に変貌して個性派ロックミュージシャン路線を爆走していくスタイルへと変わり、作詞もHitomiHitomittiという謎な名義に変更。アニメタイアップ無しでついに100位圏外(121位)となってしまった。
突如キュキュンキュン♪と叫びだすぶっ飛んだグラムロック。ROLLY氏のギターコーラスと長谷川智樹のプログラミングしかない2人オケ制作のバンド風打ち込みサウンド。本人がかわいらしい声出してキュンキュン言ってる声よりオッサンのキュンキュンの声の方がデカいイントロからインパクトが凄い。イェイ!じゃないんだよオッサンェ…。完全に違う方向に向かってしまい、え?壊れた?と唖然とするしか無く怪曲にしか聞こえなかったが、ソニーの宣伝文句は“プロデューサーに日本のグラムロック界帝王ROLLY寺西氏を招いた大胆なロックサウンド!!10代~20代には新鮮に、30代~40代にはどこか懐かしく聴こえる、“リバイブル”の定義を音に介した作品”となっていて懐古的な方向性を狙ったものだったらしい。大胆な方向に振り切った自覚はさすがにあった模様。80年代再評価的な流れに至るには10年近く早かったのでは…。長らく苦手な曲だったが、久々に聞いたら1周回って案外悪くはないと思えた。売れはしないだろうけど…。
ラストではオッサンの声はなく、ひたすら本人によるキュンキュン言っている萌えボイスと全開でフェイクしまくるロック姉ちゃんっぷりが同時並行するカオスな空間となる。シングルではそのままフェードアウトした後に再び戻ってくる構成だったが、修学旅行Ver.ではフェードアウトしたまま戻ってこずに曲が終わるのでかなり短くなっている。何が修学旅行なのかは不明。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
3rdアルバム『PICORINPIN』(修学旅行Ver.)
12th MUSIC
2011年2月23日
作詞:HitomiHitomitti、作編曲:Koji Nakamura
ついに初登場200位と公開範囲ギリギリのランクインとなり、圏外まったなしになってしまった。元SUPERCAR、iLLのKoji Nakamura提供曲。
元SUPERCAR、iLLというのをかなり前面に押し出しており、”iLLらしさが漂う心地よいロックサウンド”とか”高橋瞳のファンだけでなく、SUPERCARやiLLファンも楽しめる”とか宣伝文でやたら提供者のカラーそのままだから提供者のファンの人聞いてくれ(超訳)とアピールしまくっていた。
個性派だった前作から一転してかなりシンプルなロックナンバー。特徴が無いのが特徴とでも形容すべきか、とにかく淡々としていて、AメロとBメロしかないサビどこ編成。A→B→B→BとAメロすら最初だけで後はBメロを繰り返すだけで終わってしまい、3分ちょっとしかない。実質1ハーフTVサイズのような構成。個性的な曲群についていけなくなりかけていたが、今作はクセが無くストレートなので地味ではあるが飽きずに聞けるストレートなバンドと一体となったロックナンバーでけっこうハマった。メロディーより繰り返されるギターリフの方が残りやすいかも。
★★★★☆
3rdアルバム『PICORINPIN』
13th プールサイド
/高橋瞳”Hello”H ZETT M
2011年7月27日
作詞:HitomiHitomitti/H ZETT M&micci、作編曲:H ZETT M
前2作は単独名義にしていてコラボ感がイマイチ伝わらなかったためか、”高橋瞳×BEAT CRUSADERS”に続いてコラボ名義を前面に打ち出してのシングルとなった。前作が200位だったのでこの流れだと圏外確実だったがまさかの2作連続200位という珍記録を打ち立てた結果的にラストシングル。H ZETT Mというのはキーボディストで初期の東京事変メンバーH是都Mだったこともあり、PE’Zのヒイズミマサユ機でもあった。名義を都度使い分けていたため、今作でも“高橋瞳が感銘を受けていたPE’Zのキーボーディストであり、東京事変でも活躍したヒイズミマサユ機氏にプロデュースを依頼した所、正体不明の“鍵盤の魔術師”H ZETT M を紹介され制作に突入”という設定での説明文に文字数を費やしていた。
前作が不振すぎてついに近所のレンタル屋で入荷が見送られてしまい、今作のみシングル盤を手に取らずアルバムで聞くことになった。ピアニストH ZETT Mの色が全開のピアノがはじけまくるロックナンバーでとにかく演奏が早いがメロディーは案外そうでもなくサビなんかは比較的ゆったりしている。若干メロディーの印象が置いていかれている感じで、忙しない演奏の方が耳に残る。
この当時まだロキノン系とかフェス系のミュージシャンと、アニメでヒットしてきたJ-POPど真ん中の高橋瞳のリスナーには大きな壁があり、ていうかビークルはヒットしてたから分かってもSUPERCAR、iLL、H ZETT Mは知らなかったというファンが多かったと思われる。相手リスナーにとってもなんかアニソンシンガーとコラボしたらしいけど興味ないわと見向きしない感じで双方が分断された状態になっていて全く噛み合わなかったのではないかと思う。続ければオンリーワンの境地に至れたかもしれないけど…。
★★★★☆
3rdアルバム『PICORINPIN』
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