14th 太陽のあたる場所

1999年7月14日
作詞:BANANA ICE、作曲:BANANA ICE/笹本安詞、編曲:下町兄弟
Coming Century主演日本テレビ系土9ドラマ『新・俺たちの旅 Ver.1999』主題歌。1975年に中村雅俊、津坂まさあき、田中健の3人を中心にした青春ドラマとして人気を博し、1985年、1995年と10年おきにSPを制作していたドラマ『俺たちの旅』のリメイク版で3人の役をカミセンが演じ、1999年時点での若者視点に書き換えたという内容だった。親世代の古い昭和のドラマを99年仕様にしたもののなんだかダラダラとした雰囲気のドラマでしっくり来なくて初回でリタイアしてしまった。ていうかなんで前年秋クールの『PU-PU-PU-』に続いてカミセン3人はダリー感じのプー太郎の若者イメージだったんだろう(長髪の森田はチャラついたイメージあったけど…)。視聴率も初回16%から一時6%台まで激減したくらいなので評判も微妙だったようだ。結局今作はDVDどころかVHS化される事も無く、半ば封印され、オリジナルの『俺たちの旅』が30年より少し早いタイミングだったが2003年に再度制作された。さらに50周年を迎えた2025年にキャスト陣によるコンサートが開催され、2026年年明けには映画『五十年目の俺たちの旅』が公開されるなど、オリジナル版は半世紀に及び若者が70代半ばになるまで描かれる人気シリーズとなっているので、ますます失敗したリブートみたいな感じに…。
初回盤は中身は8㎝シングルだがマキシシングルケース、レーベル面がメンバー写真のピクチャーレーベル仕様だった。通常盤は従来の短冊8センチジャケットだったがこれが8センチCDでの最終作となった。次の作品はV6ではなく20th Centuryのシングルだったがマキシシングルに切り替わった。鈴木あみ『BE TOGETHER』、浜崎あゆみ『Boys&Girls』のデッドヒート頂上決戦にはついていけずに初登場3位(今作は初動18万近く出したが、鈴木あみは30万を越え、浜崎も25万を越えていた)。累計売上は再度30万枚を突破してそこそこ好調だった。
「BEAT YOUR HEART」以来となるラップメインの構成で、Dragon Ashのブレイクで一気にHIP HOPがアングラからヒットチャートを賑わす流行になっていった時代を反映させ、BANANA ICE=下町兄弟を起用。Aメロのクールなラップを坂本、歌い上げるBメロを井ノ原が担当し、「WAになっておどろう」「over」の系譜に入るようなみんなで肩組んで合唱するようなドキャッチーなサビが来るという構成がいいとこどりすぎて完璧。2番ではAメロラップが井ノ原、Bメロが坂本に入れ替わるが、2人ともクールなラップも歌メロもキマりすぎ。2番の後にはパーティーラップ調のハイテンションなラップでさらにボルテージが上がっていくがこの若さ溢れるラップパートはドラマに主演したカミセン3人が担当しており、ソロでカミセン3人がラップを回し、最後のサビとラップが交互に来るパートではラップをカミセン、歌メロをトニセンが担当し、V6ならではのGENERATION GAPも自然に表現。V6が目一杯詰め込まれたV6オブV6な名曲。個人的に最高傑作。
…しかし結果的に長野だけ全く目立たず1人だけソロが無いというのが残念。というか酷くねーか。ティガでいち早く個人で有名になったはずなのにどうしてこうなった。サビしか歌ってないじゃないかカミセンのハイテンションなラップパートは入る余地ないとして、AメロのラップもBメロも別に長野がやってヘタになる事は無いと思うんだけど、坂本・井ノ原の2人がハマりすぎて録ったけど不採用になってしまったのかなぁ…。2番のラップと歌メロのどっちか、またどっちかを半分に分割でもいいから長野ソロに充ててほしかったというのはある(特にラップパートけっこうな長さなんだから6人もいるグループで1人で全部やる方が珍しく、数人で回してもいいじゃないか…)。この頃はカミセンはドラマでセット売り、坂本・井ノ原はとりあえずシングルで上手なソロパートが聴こえればこの2人…と5人までは自然と顔と名前が一致していくんだけど、ティガを見ていなかったので6人目のメンバーだけいつまでも誰だったっけ?なが…の…?となかなか覚えられなかった。俺たちの長野博と後年称えられる偉大な男もこんな扱いだったらそりゃ中学時代の筆者の印象に残らないって。
1ヶ月後に発売された『LUCKY』には収録されず、その次のアルバム『HAPPY』に収録された。FUNKY!!FREE!!versionは石塚“BERA”伯宏によるリアレンジでファンキーなノリのアレンジにまるっきり変貌しており、Bメロやサビではエレキギターも重く鳴り響くなど、オリジナルからするとかなりファンキーで自由でミクスチャーっぽくもある。なるほど確かにFUNKYでFREEなバージョンといえる。初めてリミックスじゃないちゃんとした別アレンジとして聞けるアルバムバージョンで、これはこれで聞き応えがあって面白い。イントロが短いのもあってオリジナルより30秒近く短い。
解散時の『Very6 BEST』通常盤のみに収録された過去曲のNew Vocal&New ArrangeによるV626 ver.5曲の1曲に選出されて3つ目のアレンジが最後に制作された。こちらはmaeshima soshiによるリアレンジ。キーも下がり音数も少なく恐ろしく落ち着いた仕上がり。パート割はそのままのようだが、すっかり大人になった5人のソロパート(長野…)に重ねた年月を感じる。いやぁあの頃若かったなぁ…と遠い目になる事必定。ていうか何でわざわざこの曲を選んだのか。ゆったり聞こえる割には50秒近く短くなっているが、これは2番の後の繰り返しの1番サビ(この道の先に~)と間奏をすっ飛ばし、2番サビ(どんなに経っても~)から直結でカミセンラップパートに突入するというショートカットが施されているため。
★★★★★
5thアルバム『“HAPPY” Coming Century, 20th Century Forever』(FUNKY!!FREE!!version)
1stベスト『Very best』
3rdベスト『SUPER Very best』
4thベスト『Very6 BEST』
4thベスト『Very6 BEST』通常盤のみ(V626 ver.)
4thベストmu-mo限定予約生産盤『Very6 BEST』あなたのお名前入りスペシャルBOX盤
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