25thSg 翼を風に乗せて~fly away~

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25thSg 翼を風に乗せて~fly away~

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2003年4月2日
3月10日のデビュー10周年を迎えてから最初の作品。初のクリップ集VHS/DVD『THE GREATEST CLIPS 1993-1998』(ビーイングから発売)、『THE GREATEST CLIPS 1998-2002』と3作同時発売

当初『Classics Three SAKURA』として一部情報サイトに出回っており、実際2002年12月29日「LIVE JOY-Break6-~Birthday eve~」最終公演渋谷公会堂のMCにてクラシックス第3弾が出る事を告知している映像も残されている。

年明けに予定が変更され通常シングルとなり、公式サイトでは1月31日に正式に発売告知した際に一部で発表されていたClassicsシリーズは制作上の意図で変更になったと注意書きされていた。

初回盤は「10th Anniversary Secret Live Party “SHAKE-HANDS”」応募抽選用ID封入。これは無料招待ではなく4000円の有料公演で5月11日開催、ツアー同様フルバンドを従えたLive Performance、この日の為に制作される秘蔵映像、初めてとなる握手会等デビュー10年の感謝を込めた盛りだくさんの内容とだけ告知されていた。

さらにエンハンスドCD仕様「Birthday eve~誰よりも早い愛の歌~」2002年12月29日渋谷公会堂ライブ映像を収録。この映像は2004年DVD化された

2003年のDEEN作品では一貫してエンハンスドCDが採用された。エンハンスドCDとはCD-EXTRAの英語圏で主に言われていた名称でPCで読み込むと映像や公式サイトへのリンク等のコンテンツを楽しめるというもので、DVD付が一般的になるまでは時々採用されていた。またCCCDとCD-EXTRAが共存できないらしく、CCCD回避目的での使用もあり、この時期比較的多用されていた。なおDEENは1度もCCCDの餌食にならずに2002~2004年のCCCD暗黒期を乗り切っている。

前作をわずかに上回る初動1.3万枚に達し、初登場7位を記録。1997年「君がいない夏」以来となるトップ10ヒットを記録した。しかし集計が200位以内に拡大しても前作を若干下回る累計売上となり、全体のレベルが著しく下がった事による順位のみの上昇だった。

BERGレーベルは既に最初の2年でDEEN以外の所属者がいなくなってしまい、既にDEEN専属レーベル化しており、DEEN自体も『’need love』以降、自社が抱えるスタジオやエンジニアを起用しての制作体制へ移行しており、ビーイング色はほぼ皆無になっており、BERGマークも形骸化してひっそり表記されているだけだった。そのBERGレーベルの表記がされた最後の作品が今作となった。

配信においてはこのBERGマークの有無を区切りとして明確になっていて、BERG移籍以降『手ごたえのない愛』~今作まではDL/ST共に配信されないままとなっている(今作以前は『SINGLES+1』DLのみ配信されている。iTunesでは1st,2ndアルバムもDLのみ配信、2024年3月10日にB-Gram音源のDL/ST配信が開始された)。

翼を風に乗せて~fly away~

作詞:池森秀一、作曲:鈴木寛之、編曲:DEEN
Strings Arrangement:鈴木寛之&時乗浩一郎

C/W共々沼澤尚(Drums)、宮野和也(Bass)、大平勉(Keyboard)がサポート参加。キーボード…あれ?リーダー…?宮野和也は1997年のツアーBreak2以降ライブのサポートメンバーとして2018年日本武道館(田川脱退)までずっと参加していて、『’need love』以降は演奏クレジットにも名前があるものの、曲によって打ち込みだったり他のサポートメンバーだったりでレコーディングでの参加はまだ常連化していなかった。

ロングトーンで歌い上げる春の旅立ち、新生活ソング。ここまでロングトーンでじっくり歌い上げる曲は今まで無かったので意外と新鮮。シングルとしてここまでゆったりしているのはどうだったのかは謎ではあるが、ちょうど大学生になって新生活が始まるタイミングでの発売だったので個人的にタイムリー。当時の大学のキャンバス風景が思い浮かぶ思い出の1曲になった。”いくつかの挫折で夢忘れたdays”という歌い出しも高校3年生が非常につまらない状況で無気力になっていたのでリセットされてここから始まるぞという純粋無邪気な希望に溢れてもいた最後の時期だったのも重なって歌詞がじっくり染み渡ったなぁ…。2003年の春の空を思い出す1曲だ。

PVは母が亡くなって父と2人暮らししているが父との関係がうまく行っていない小学生くらいの少女がある日亡くなった母に似た女性を追いかけるもその人には幸せそうな家族がいて落ち込み、落ち込んでいたところに着ぐるみに励まされ父が迎えに来て2人で帰る…という大まかなストーリーが展開。堀田陽子「サクラの小さな冒険」という原作クレジットもあるんだけど現在全く検索に引っかからない状態となっていて詳細不明。ただ当時は公式にも概ねそのような内容のストーリーだと説明されていた。しかし何故か雑誌「CD HITS!」のPV紹介コーナーでは「離婚した母親を捜しに出るが母親にはすでに別の家族がいた」ので落ち込んだという解説になっていた。なんか本来よりヘビーに解釈されてるじゃないか…。父親役は小市慢太郎が演じている。近年は白髪の渋い存在感だが当時はまだ30代前半で若い。ちょうど連ドラに出始めの頃で発売当時は知らないおじさんだったが(当時は偽・平田満かと思っ)、例によってDEENと関わると売れる法則が発動、まもなく名脇役としてドラマや映画であちこちで見かける存在となり、PVのお父さんめっちゃ名脇役になってる!と後で驚いた。少女役は居城エリカ、居城コスモと何故か同じ苗字が2人クレジットされているのだが居城エリカは南青山少女歌劇団のNansho Kidsに所属していた子役だったようだ(BON-BON BLANCOのボーカル以外のメンバーがこのNansho Kidsから選抜されていた)。居城コスモというのは誰だか分からないが3番手という事は母親に似た人役?居城エリカの母親が特別出演していたのか?4番手の向井一洋はその夫役と思われる。また直下に向井一洋の名前はBMGファンハウススタッフとしてもクレジットされているのでスタッフがチョイ役出演していたという事らしい。

なおPV収録時に完全版の表記があるが、完全ではないバージョンがどういうものだったのかは良く分からない、エンディングクレジット映像があるのでそれが無い曲部分だけのものが完全ではないバージョンだったという事だろうか。このエンディングでストリングスによるインストVer.が流れているがCD化されておらず、『Classics Three SAKURA』用に準備していたお蔵入りインストだったとか?

シングル盤は配信されていないが、『UTOPIA』収録なのは別音源のAl Schmitt MIXであるため、Al Schmitt MIXだけ配信されているという特異な1曲となっている(BERG以前のオリジナル音源が収録されているベスト盤の場合は新曲や以降のみの曲での部分配信もされずに一括で未配信)。
★★★★☆
6thアルバム『UTOPIA』(Al Schmitt MIX)
5thベスト『PERFECT SINGLES+
12thアルバム初回特典2ndバラードベスト『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~』(Al Schmitt MIX)
6thベスト『DEENAGE MEMORY
16thアルバム『バタフライ』初回盤B特典CD『DEEN AOR NIGHT CRUISIN’~3rd Groove~』(2016.3.4 Billboard Live TOKYO)
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

C/W 桜の下で逢いましょう

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
Strings Arrangement:山根公路

ブラス、ストリングスを交えた卒業ソング。明るくポップで華やかな印象だが、演奏が上質でゴージャス。カラオケバージョンでオケだけ聞いても聞き応えがある。次回作以降のC/Wは実験色が強くなるが、今作はポップ色を前面に出した柔らかい質感でクール方面には行っていないのでAOR路線の中では歌詞やメロディーも含めてで聞きやすい1曲だと思う。隠れ名曲。

夏と冬が出ていて最も選曲しやすそうな春・旅立ち・卒業系の企画ベストがまだ出ていないが、あれば選曲されるのは確実だろう。
★★★★☆
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~

コメント

  1. MLO_nad より:

    アルバムはiTunesだとDEEN、I wishの2作が配信されてました(少年も確かI wishの方に入ってた)。

  2. まつもto より:

    B’zは配信されてるけどDEENはビーイング時代の曲サブスク未解禁っていう、、

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