39thSg 心から君が好き~マリアージュ~

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39thSg 心から君が好き~マリアージュ~

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2012年6月27日
2011年の武道館公演の際に来年(2012年)は武道館公演をお休みして15周年時と同様に20周年に向けて2度目の47都道府県ツアーを行うと発表。2011年の武道館公演の後に『Graduation』が発売されたが、9月には3年連続となったリゾートライブ「Unplugged Summer Live ’11」(翌年「Summer Resort Live ’11」に改称)を行ったため、『Graduation』を引っ提げてのツアー「LIVE JOY-Break16~Graduation Party~」は2011年12月31日~2012年1月28日に開催されてアルバムからかなり遅れてのアルバムツアーとなった。3月にはビルボードでの新シリーズとなるライブ「AOR NIGHT CRUISIN’~1st Groove~」を開催。

ここまでを持ってバンド編成での活動は一旦終了となり、3人だけで制作・ライブを行う「トライアングル・プロジェクト」を掲げての活動を開始した。2007年の47ツアーの経験から3人だけのアルバムを作りたいと池森さんが5年言い続けていてC/Wでは3人編成の曲をいくつか発表していたが、2度目の47ツアーに向けてはこの構想がついに全面実現する事となった。

このシングルは47都道府県ツアーに先駆けてのリリースとなり、これに合わせてサポートを入れずに3人だけで制作したアルバム『マリアージュ』の先行シングルにもなった。また元々酒が飲めなかった池森さんが30代になってワインを嗜むようになりかなりのワイン通となって漫画「神の雫」ファンとなり、その原作者である樹林伸とのコラボも実現。ここから蕎麦森になる直前までは“ワイン通の池森”を前面に出していた。

“DEEN20周年イヤーのスタートを飾る究極のウェディングソング!!!”とも銘打たれていたが、数年前に「Celebrate」があったばかりだったためか、ウェディング色はあまり出していなかった。

初回盤は全9曲のライブCD『DEEN AOR NIGHT CRUISIN’~1st Groove~at Billboard Live OSAKA 2012/3/17』付属。ライブCD付属は初となった。02~04年のAOR路線のアルバム3作を中心にビルボードで開催する『AOR NIGHT CRUISIN’』を新たなライブのシリーズとして立ち上げたものでこの第1回は映像化ではなくライブCD化のみ。

池森ソロコーナーで演奏したチャゲ&飛鳥のカバー「終章」、田川ソロコーナーで演奏したインスト「NIGHT CRUISIN’」はこのライブ盤のみで聞けるレア音源。

「心から君が好き~マリアージュ~」「雨がいつか上がるように」共に「Flower」同様にシングルでは編曲:DEENだが、『マリアージュ』収録時Album Mixでは各作曲者個人名義に変更されている。アレンジは変わっていないのだが…。

心から君が好き~マリアージュ~

作詞:樹林伸・池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
2011年9月に行われたリゾートライブ『DEEN Unplugged Summer Resort Live ’11』にて池森単独作詞の新曲「心から君が好き」として初披露し、当初は冬頃にリリースと発言していた。しかしいつまで経ってもリリースの話が出ないまま年が明けてしまい、12月31日のカウントダウンライブから2012年1月にかけてのツアー『LIVE JOY-Break16 ~Graduation Party~』でも未発売新曲「心から君が好き」として引き続き披露。この後映像化された1月28日公演では「レコード会社とトラブっているわけではありません」と説明しながら演奏開始する模様も収録されている。元の池森オリジナル歌詞による「心から君が好き」はこれが残された唯一の貴重映像となる。

この後に水面下で樹林伸とのコラボ話が進んでいたようで、「心から君が好き」は樹林伸によりサビ頭の”どうしてこんなに君が好きなんだろう”こそ池森オリジナルのままながらもほぼ全面的に書き換えられ、ウェディングソングとなった。また3人だけのコンセプトに沿い、アコースティックアレンジのままバンドアレンジを施さない形で完成となった。2009年の「Celebrate」があったのにまたウェディングソングがシングルになったのは樹林伸がそんな事まで把握していなかったのが原因と思われる。

3人だけではあるが簡易なリズムは入っており、田川さんによるパーカッションがダビングされているようだ。穏やかに歌い上げるバラード…なんだけど正直どうにもかったるい。キザったらしい歌詞も樹林伸の作風でDEENっぽくない印象。

47ツアーはチケット取れず、その後のBEING LEGENDツアーで初めてライブで聞いたんだけど、ライブでの今作のシンプルな迫力は圧巻だった。90年代メドレーの声の調子がイマイチな中で最新曲である今作だけはCD以上の歌唱で聞かせ、思いのほかライブで化ける曲だったんだなと。

Album Mixでは微妙にミックスが変わっているようだが、単純に曲終わりの間に少し差があるようでシングルの方が数秒長い。『DEENAGE MEMORY』は表記は無いがどうもAlbum Mixっぽい。

「心から君が好き」オリジナル池森単独歌詞バージョンはレア音源としてそのうち発表されるかと思いきや全くそんな気配は無いまま30周年ベストも過ぎ去っていった。かなり期間があったのでレコーディングは済ませていたのかと思っていたが、そもそも元の歌詞でレコーディングしてなかったか…?当初の冬発売ならバンドアレンジをするのかどうかの判断もあっただろうし。

なお今作は47都道府県ツアーのテーマ曲ではないが…25周年、30周年武道館では歴代47ツアーテーマ曲メドレー(?)のような枠でいずれも今作が演奏されており、いつの間にか47ツアーの曲だった事になってしまった。
★★★☆☆
13thアルバム『マリアージュ』(Album Mix)
6thベスト『DEENAGE MEMORY』(Album Mix)
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト『Ballads in Love The greatest love songs of DEEN』(Ballads in Love Ver.)
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト初回盤DISC-2『Premium Instrumental Album』(featuring 浜崎香帆)(Instrumental)

C/W 雨がいつか上がるように

作詞:樹林伸、作曲:山根公路、編曲:DEEN
樹林伸に完全に作詞を任せた曲。このためか今までにない世界観で、今作は他の樹林伸作詞にあるような特有のキザさはないが、引きこもりの人への脱引きこもり啓発ソングみたいな、さあこの部屋から出ていこうという内容の歌詞になっているのがかなり異色。最初ちょっと驚いて何か落ち込むことがあって一時的にこもっているところから外の空気を浴びにいこうくらいの内容だと思ったんだけど、歌詞を見れば見るほど特に直近で何かあっての一時的なものではなく、完全に長期間引きこもっている人向けだこれ。正論しか言ってないけど、正直そんなことは分かっているよというような内容なので当事者には耳の痛い説法にしか聞こえなそうではある。

一方でサビのメロディーがかなり強く、この時期の山根さんのメロディーでも一つ突き抜けたような強いメロディーだと思う。実際『Another Side Memories~Precious Best Ⅱ~』リリース時の店舗特典ライナーでは「自分の作曲の中でも結構自信作であります」と明言している。にも関わらずイベントで1回やっただけでライブで演奏してないのでマニアックナイトでやりたいともコメントしていた。脱引きこもり啓発ソングになってしまったのと3人だけアコースティックと色々縛りのある楽曲になってしまったのが残念。これでも十分に名曲だが、王道バラードでバンドで制作するタイミングまで取っておいてほしかった。

なお2016年時点でライブでやっていないと発言していたが、2014年の武道館ライブのバラードメドレーの中でバンドアレンジで一部のみ演奏されていた。その時こんなバラードの名曲あったっけ?となって改めてサビのメロディーの強さに気づいた。マニアックナイトでは第3弾で希望通りフルサイズで本編最後に演奏された。これバンドバージョンでリメイクしてほしい

自信作ゆえなのかサビメロの一部が「未来のmemories」や「離さない君を、離れない僕は。」で使い回されているような…?
★★★★☆
13thアルバム『マリアージュ』(Album Mix)
2ndC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best Ⅱ~

C/W Hello

作詞:池森秀一、作曲:池森秀一・山根公路、編曲:DEEN
『マリアージュ』では全く作曲していないのでDEEN名義で池森さんが作曲に参加した最終曲。ここで作曲に参加していたので『マリアージュ』はたまたまなのかと思っていたら…次のアルバムもその次も無い…。残り1曲は2017年ソロ名義での「Lip」での共作のみ(他のソロ曲は全部くどうたけしにお任せ)。「永遠の明日」の頃は3人がテイルズ用のデモを用意した中で池森さんの曲が採用されていたし、『Diamonds』『DEEN NEXT STAGE』『Graduation』など3人割と均等に曲が採用されたアルバムもあって3人が曲を持ち寄っていたはずだったが、『Graduation』から一転してここまで急に作曲しなくなれば、制作現場でもなんか池森急に曲持ってこなくなったけど最近どうした?って当然なるだろうからもう作曲は2人に任せる、作詞に専念するという話し合い(宣言?)くらいはさすがにしてそうだけど、理由は全く分からない。率直にとても残念。単純に作者が1人減れば幅が狭くなったのは確かだと思う。歌詞もネタ切れになってきて負担になってきたので歌詞だけに集中させてくれ的な?2人になって以降の山根編曲撤退・作曲専念(+コーラスアレンジ)といい、負担が大きくなってくるとどれか1つだけに集中させる方針っぽいしなぁ…。

今作こそが2012年の47都道府県ツアーのテーマ曲として制作され、歌詞も47ツアーを意識した内容となっている。比較的あっさりした軽快なアコースティックナンバーで1番+間奏+ラストサビ編成。平メロが1回しか出てこないがそのうちBメロ部分を田川→山根の順番にソロ歌唱している3人ボーカル曲。今作はバラードではなく軽快とはいえ、ちょっとあっさりしすぎていて引っ掛かりが薄いのは否めない。

またこの後も含めて4回行われた47都道府県ツアーでテーマソング的に使用した他の曲は全てシングルCD表題曲になった中で今作だけC/W。このせいで当時の47ツアー以外ではかなり扱いが悪い。実際に『DEEN JAPAN ROAD 47~絆~』では1曲目に収録されていてテーマ曲らしい貫禄を見せていたのだが…。

20周年の武道館では15周年時の「Smile Blue」のように今作が演奏されることは無く、2日目のアコースティックコーナーで「心から君が好き~マリアージュ~」が披露されたのみ。25周年の武道館では47ツアーを振り返る演出があり、2007年「Smile Blue」と2017年「君へのパレード♪」が披露されたが、何故か2012年のテーマ曲である今作はスルーして「心から君が好き~マリアージュ~」が披露されてしまう始末。30周年も同様で2007年「Smile Blue」と2017年「君へのパレード♪」と共にメドレーされたのは今作ではなく「心から君が好き~マリアージュ~」であった。

そんなわけで「心から君が好き~マリアージュ~」にすっかり取って代わられてしまった感がある。まあ田川さんのソロパートがあるので2度と演奏されない可能性が高いけどさ…(「NEXT STAGE」「キズナ」といった3人ボーカル曲も封印状態)。
★★★☆☆
2ndC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best Ⅱ~

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