2ndBest Ballads in Blue The greatest hits of DEEN

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2ndBest Ballads in Blue The greatest hits of DEEN

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2001年6月6日
バラードベストアルバム2001年唯一のDEENとしての単独リリースCD。これ以外はソロやコンピ盤参加に留まり、ライブも行われなかった。

ビーイングは関西に拠点を移してGIZA studioに注力、90年代ビーイング勢は活動停滞・解散が相次いでいた。T-BOLAN、ZYYG、BAAD、WANDS、MANISH、PAMELAH…とみんな消えていき、FIELD OF VIEWはthe FIELD OF VIEWに改名してZAINに出戻りしてかろうじて活動を継続していたが翌年解散、ZARDもなんか『時間の翼』が不完全で様子がおかしい(当時体調不良は非公表)…とこんな状況だったので恐らくこの時期が最もファンの間でDEENも解散させられるんじゃないかと恐れられていた時期だったのではないかと思う。いや本当あの状況からよく生き残れたな…。

特設サイトにて指定30曲の中から2曲を選択する形式での投票となり、上位13曲+指定に無いリメイク「瞳そらさないで~Smooth Blue Mix~/featuring Vocal 7th Beat」、新曲「Blue eyes」とイントロダクションを加えた内容。

この特設サイトでは1位予想の順位トップ10に加えて禁断ともいえる30曲の投票結果をなんと最下位まで堂々発表。この後にも何度か投票企画はあったが、順位を全公開したのはこの時のみである。普通は最下位まで公表しな

「風の中に…」「go with you」「Christmas time」などが対象外になっていた一方でさすがにちょっとバラードには聞こえない「銀色の夢~All over the world~」「愛しい人」が指定されていたりと指定30曲のチョイスには若干謎な部分もあった。

特設サイトは遥か昔に消滅してしまっているがかろうじてアーカイブにてギリギリで残骸を確認可能にはなっている。選曲の貴重な参考と書かれているが結果に忠実に1~13位までを収録した事が分かる。

1位 夢であるように
2位 このまま君だけを奪い去りたい
3位 君の心に帰りたい
4位 哀しみの向こう側
5位 日曜日
6位 翼を広げて
7位 少年
8位 いつか僕の腕の中で
9位 JUST ONE
10位 MY LOVE
11位 Teenage dream
12位 蒼い戦士たち
13位 君がいない夏
—————–収録ボーダー——————–
14位 海の見える街~Indigo days~
15位 VOYAGE
16位 思いきり 笑って
17位 愛しい人
18位 永遠をあずけてくれ
19位 銀色の夢~All over the world~
20位 LOVE FOREVER
21位 ありったけの笑顔
22位 素顔で笑っていたい
23位 Long Distance
24位 さよなら
25位 遠い遠い未来へ
26位 もう一度…
27位 ONE DAY
28位 逢いにゆくよ
29位 さよならも言わないで~Rain~
30位 GUILTY~消えることのない罪~

初回盤は透明ブルーのスリーブケース付、メモリアルグリーティングカード付属。初回盤には帯が無いが(封入されているビニールについているシールが帯代わりで宣伝文句等を記載)、通常盤には帯が付属する。

初登場7位を記録し、10万枚を突破するなど前後の作品よりも売上は高く、この時期としてはそこそこ好調な売上を記録。帯のついた通常盤もそこそこ出回った模様。1stアルバムからの連続トップ10入り記録は今作までの6作連続でついに途絶える事となった。

初出となる音源のみピックアップ。

1.Blue eyes~Introduction~

作曲:山根公路、編曲:DEEN
新曲「Blue eyes」のイントロダクション的なインスト(コーラスあり)。不思議と綺麗に「いつか僕の腕の中で~Ballads in Blue style~」に繋がるのが鮮やか。

2011年に『Graduation』初回特典として『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~』が制作された際には今作の構成を踏襲して、Strings StyleのIntroductionを新規制作して冒頭に配置している。
12thアルバム初回特典2ndバラードベスト『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~』(~Strings Style~Introduction)

2.いつか僕の腕の中で~Ballads in Blue style~

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:池田大介
5thシングル『瞳そらさないで』C/Wのリメイク。アレンジャー表記は変わっていないが、当時の池森コメントでは“アレンジを変えてセルフカヴァーし、歌も新たにレコーディング”“リズムパターンを変えた”と説明していた。基本的に歌とドラムが差し替えられているがそれ以外のキーボード、シンセ、アコースティックギターなんかはそのままなんじゃないかと思う。そしてこの差し替えられた部分が原曲と大幅に異なっているのが特徴。けっこうリバーブ気味に派手に鳴っていたドラムパートは2001年当時のR&Bブームに伴うチキチキタカタカしたリズムに差し替えられてまるで別物に。さらにボーカルは”楽曲の持つやわらかい感じをイメージして自宅のスタジオでいい意味でリラックスして歌えた”とコメントしていたように、かなりリラックスして優しく歌い上げており、原曲のように声を張っていない。サビではファルセットを駆使していて、以前とも以後とも異なる2001年限定の過渡期的なボーカルとなっている。

原曲の音の響きは改めて聞くとちょっと時代性が強いので今作は今作で新時代に適応したバージョンとしてこれはこれでありだと思う。R&B風のリズムが意外とマッチしていた。
★★★★☆

14.日曜日~Ballads in Blue style~

作詞作曲:池森秀一、編曲:池田大介
9thシングル『ひとりじゃない』C/Wのリメイク。今作もアレンジャー表記は変わっていない。池森コメントは“今回のリアレンジでは自然のSEなど入れてみました”くらいしか変更への言及はないが、こちらも同様にドラムパートが軽いチキチキタカタカに差し替えられている。ボーカルも線が細くなり優しい響きを重視しているがこちらでは裏声は使用していない。

「いつか僕の腕の中で」に比べると変貌具合がそこまででもなく、さらにR&B風チキタカリズムがこっちはあまり合っている感じがしなくてこれは明確に原曲の方が良かったかなと思う。
★★★☆☆

15.瞳そらさないで~Smooth Blue Mix~/featuring Vocal 7th Beat

作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:DEEN
5thシングルのリメイク。バラードではないので指定投票対象30曲に当然入っておらず、DEENサイドでチョイスされた特別枠となる。Ballads in Blue style2曲と異なり編曲はDEEN名義に変更され、原曲の要素皆無な全面リメイク。これまたR&Bのビートを導入して全く異なるまったりアレンジに改変した上でアカペラグループVocal 7th Beatを招いてコーラスワークも充実させている(featuring Vocalとして7th Beatを招いたという意味ではなく、Vocal 7th Beatというのがグループ名)。歌詞はフルで掲載されているが、実際にはまったりしているため2番平メロから最後のサビへ吹っ飛ばす2コーラス構成。このため2番サビの“話そらさないで”は1度も登場しない

ここまで大胆に改変されるとこれはこれで天晴というかなんというか。バラードベストの終盤に流れてくる1曲としては適度な刺激もあって面白い1曲だし、原曲や後年頻出した2009アレンジを聞き飽きてちょっと違うバージョンで聞きたい時に聞くとこれがけっこうしっくりくる(Triangle Cover Versionは地味バラード改変過ぎて候補に上がらな)

あまり生演奏で映えるアレンジではない上に、コーラスワークが通常編成でのライブでは再現できないのでライブでこのバージョンを演奏することはほぼない。それでも2002年の和音ツアーではコーラス隊がいたのでコーラスアレンジだけ今作を流用、アレンジはボサノヴァ風という改変バージョンで演奏されたのが最初。2011年のリゾートライブでもこのアレンジを採用、2016年の日本武道館公演Ballad Nightでは日本工学院のボーカル科によるコーラス隊を招いていたのでコーラス含めてこのバージョンで演奏された。
★★★☆☆

16.Blue eyes

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
新曲。DEEN名義の作品に収録された新曲は2001年唯一であった(※当時レコーディングされていた曲(「ANOTHER LIFE」)やコンピ盤参加曲(「Bridge~愛の言葉 愛の力~」)はある)。

このアルバムで新録音された楽曲がどれもR&Bに寄せた改変をしていただけに新曲は完全に当時の流行R&Bに寄せたチキタカR&Bバラード。女性コーラスは障子久美だと明かされているが本人の作品は3月のベスト盤が最後となっていたので引退直前の参加だったっぽい。なんかDEENが平井堅みたいになった…とまず最初に感じたリスナーが多かったのではないか。当時男性R&Bシンガー空白の座をモノにした平井堅がやってそうなR&B系のバラードというのが第一印象でDEENには求めていないというか想定していない楽曲だったので最初は驚いた。裏声連発するし。ただ聞き込んでいるうちにかなりハマってきて最終的にはけっこう好きな曲に。SHUでの活動や池森コメント”この曲は今の自分達にとって、とても自然なスタンスで制作できたし、ラストに聴いてもらうことによって、これからのDEENを感じ取ってもらうことができると思います。今、一番大切な曲です。”から明らかに当時は今後この方向性、R&B路線に踏み切る事を示唆していたので、次のアルバムが全曲チッチキタッタカしてたらさすがになんか違うかなぁ…とも思った。いやマジでこの時期打ち込みがド流行りしてて、the FIELD OF VIEWはバンドサウンドじゃなくなるし、ZARDはGIZAサウンド化するし、B’zやTUBEまでもが打ち込み多用しててとにかく揃いも揃ってドラムパートが軽くなってしまうような時期だったな…。

結局翌年のカバー「見上げてごらん夜の星を」においてもチッチキタッタカリズムを導入していたもののその後は生音重視のAOR路線へと転向し、R&BなDEENがさらに展開する事は無かった。2001年だけやや浮いた方向性での活動になってしまったが、やはり声の変化に伴う対応含めて色々と模索していた段階だったのだろうか。

当時ライブが無かったので、初披露は恐らく2004年の野外ライブ。この模様は映像化、音源化されているもののその後もレアな1曲だったが、『クロール』ではリメイクされるなどメンバーも気にかけてはいたようだ。また2019年の『Ballads in Love』リクエスト結果は正式には公開されていないがゲスト出演したラジオにて「Blue eyes」が1位だったと池森さんが明言しており、かなりの人気曲に成長していたようだ。リメイク以外では20周年2013年のベスト盤『DEENAGE MEMORY』にも唐突に収録しているのでこの時点で人気に気づいていたものと思われる。
★★★★☆
31stシングル『このまま君だけを奪い去りたい/翼を広げて』C/W(Live Take)
11thアルバム『クロール』(Strings Style)
12thアルバム初回特典2ndバラードベスト『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~』(Strings Style)
6thベスト『DEENAGE MEMORY
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト『Ballads in Love The greatest love songs of DEEN』(Ballads in Love Ver.)
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト初回盤DISC-2『Premium Instrumental Album』(featuring 侑音)(Instrumental)

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