NHK「夜ドラ」枠の第1弾ドラマ。月~木の22:45~23:00の15分で4月4日~5月12日まで6週24話。1週間で60分なので週1の1時間ドラマ6話分という事になる。
2019年の辻堂ゆめによる小説が原作。
2005年以来となる夜の連ドラシリーズの再開。これに伴い「恋せぬふたり」が放送されていた「よるドラ」枠は消滅した。
第1週 1~4話
高校卒業を3日後に控えた黒川良樹(井上祐貴)は差出人不明の挑戦状を受け取る。そこには水口里紗子誘拐の謎を解けと書かれており、4人に同じ内容が送られてきているらしい。水口(滝沢カレン)は英語教師で良樹は今朝も車で通勤してきて生徒に囲まれている水口を目撃していた。
指定の場所に向かった黒川の元に同級生だがあまり面識のない小松澪(紺野彩夏)、荻生田隼平(西山潤)、幼馴染の高畑あやね(桜田ひより)。これが書かれていた4人らしい。行動を開始した4人の前に無人の水口の車があり、鍵も開いていて免許証もそのままだったので目の前の自宅マンションに向かうが家には入れなかった。すると車を何者かが奪い去っていき、改めて誘拐は本当だというメッセージが届いて物語が始まった。
警察に向かった一行だったが応対してくれた刑事の市原(森田甘路)、梶浦(足立梨花)に監禁動画を見せようと思ったらもう削除されてしまっていたため、ひとまず悪戯じゃないかと言われてしまう。また黒川と警官2人は顔見知りだったようだが理由は明かされず。黒川の判断でとっとと警察からは撤収したが一応警官2人は状況を確認していた。一方で職員室は不穏な空気が漂いまくっていて、体育教師の野上(池内万作)が恐ろしく動揺していて1話で黒川と仲良くしていた教師の伊藤(中尾明慶)や宇部(木村達成)が怪しんでいた。そんな中で校長の柿本(峯村リエ)がこの場にいない水口について現時点で判明している事を説明するが視聴者には何を話したか説明されずに場面がスキップされ、水口については今後口外禁止どころか職員室内で会話に出すことも禁じられてしまう。4人はひとまず話し合いの末に教師に犯人がいるのではないかとにらんで72時間以内に助ける事を決意し学校へ向かう。それより先に市原、梶浦が柿本を訪ねてきていた。
市原、梶浦は校長柿本に小松、荻生田、高畑がどんな生徒なのかを尋ねる(黒川については「もう1人は知っている」ので聞かず誰かも明かさなかった)。これにより改めてミスコン1位の人気女子である小松、サッカー部で人気の荻生田、帰国子女で成績1位2位をキープする高畑と3人とも人気があったり優等生で評価が高い事が明かされたが黒川については不明のまま。その後で市原は水口が誘拐されたという話を告げると柿本は爆笑しながら優等生の3人が嘘をつくなんてと言い放ち職員室にいると大ボラを吹く始末。呼んでこようか?とまでいう柿本の態度に市原はそれはけっこうだとしてとっとと帰ってしまった。学校に戻った4人は高畑が合唱部顧問の宇部に水口がいるかと聞くといると回答されてしまう。しかし伊藤と懇意にしている黒川がLINE経由で聞いたところ学校では口外禁止にされていて話せないと返ってきたため喫茶店で落ち合う事に。外出しようとする伊藤に柿本は水口の件は警察に相談したから心配無用と大ウソを。喫茶店で待っている間に次の動画が配信され、わざとらしく放送中のTVが映り込んだことでリアルタイム映像=誘拐はリアルタイムで進行していると4人は確信。
理事長の小菅(北山宏光)に柿本が報告していた内容からようやく水口が13時から失踪している事が明かされる。柿本は直前に知らない男性を話しているのを目撃した事から男関係でのトラブルと考えていると言い、小菅に一任してくれるよう頼み了承されていた。ただ警察に相談済みと理事長にも嘘を…。
伊藤が到着し、事情を説明して先ほどの誘拐動画のスクショも見せた事で伊藤は校長と警察に改めて話すと約束。とりあえず本日は解散となった。幼馴染だったが高畑が海外に行っていた期間が長いため帰国後は疎遠になって居t黒川と高畑は帰り道も一緒で高畑が積極的に話しかけるが黒川はつれない態度。ただ母親が余命間近で入院中である事が判明(父親も既に他界)、その後で連絡先を知らないので家の前で高畑が待っていたので改めて4人でのグループチャットに招待。
しかしラストでは日記に「死ね」と書いていてそれを裁断している小松、「許さない」と書いている高畑…と水口が女子2人に強い恨みを抱かれていた事が判明。さらに眠りっぱなしだった水口が目を覚まして暴れ回っているところで残り62時間(10時間経過)。
という事で実質1話に該当する1週目では人物像もよく分からないままに事件が発生して怪しい挙動を見せる教師陣、謎な動きをする警察、正体不明の犯人、ほぼ初対面状態で表面的には仲良く行動したもののお互いの事をほとんど知らない(幼馴染の2人も長く交流が無く最近の事は知らない)主人公勢4人…とまだまだ見えてこないことだらけ。面白くなるのかどうかもまだ微妙なところか…。
主演勢4人は桜田ひよりしか知らなかったが桜田ひよりが最年少(唯一10代だがそれでも19歳)、紺野彩夏で22歳、男性陣は西山潤23歳、井上祐貴25歳(6月で26)とストレート大卒年齢も越えていて最近は若手イケメン俳優が渋滞しているのか、意外と年齢行っている高校生役が多いな。そしてキスマイ北山が理事長役ってどういう使い方なんだ。校長と20歳以上離れてるぞ。
第2週 5~8話
音楽の宇部(木村達成)、体育の野上(池内万作)をそれぞれ疑い尾行する一行だったがいずれも見張っている目の前で次の監禁動画配信を行っていた。共犯がいればそれでも犯人ではある可能性はあるものの、2人の尾行でほぼ1日を費やしてしまう事に。
その過程でこの高校特有の文化である「告白カード」により、小松が宇部と付き合っていたが宇部が裏切って破局になっていた事、荻生田が野上が顧問になってからサッカー部が強くなったものの荻生田本人はケガでサッカーを辞めていた事、帰国子女の高畑が水口の英語のミスを指摘し続けていたところ何かが起きたらしい事などが明かされていく。いずれも最後まで明かされなかった上に、視聴者にだけ提示されたため、荻生田がサッカー部をケガで辞めていた事を黒川が知った(伊藤(中尾明慶)との会話の中で伊藤は把握していたため)程度で4人の間での情報共有はほぼ無し。加えて高畑の家が借金取りに追われていて東大受験はしていたものの進学できるか危うい事も明かされたがこれも視聴者への提示のみ。
黒川だけはまだ何も明かされていないが入院中の母の血液型が聞いていたものと違う事が発覚して違和感、酔いつぶれた伊藤が封筒に謎の札束を持っている、赤髪の寺木が黒川らの前に現れて不敵な笑みを浮かべるなど不穏なことだらけで来週へ続く。
じわじわ4人の裏の顔を見せつつも事件自体に大きな進展はなしで怪しい事だけ増えていく状態。しかも視聴者にだけ提示された事柄が多く、登場人物内で情報共有されていないのでけっこうのらりくらりな展開になりそうだな…。
「告白カード」とかそんなペラペラ内情を学校への提出物に書くものなのか。今週出てきた3人とも匿名でも特定できそうな個人情報が満載だし…。
あと8話のラストでいつものカフェ「よるイチ」で突如青木隆治が尾崎のモノマネで「15の夜」を弾き語りライブし始めて、今まで一言も無かったマスター(本間朋晃=喉が潰れているので声がガラガラ)が歌いだすというギャグシーンみたいなのが急に始まったのは何だったのか。
第3週 9~12話
9話では伊藤が黒川の帰りを待っていて改めてこの2人の信頼関係の深さを示しながら、「告白カード」により不良だった黒川を伊藤が真摯に向き合って更生させたらしき事が判明。しかし翌日になると伊藤と連絡が取れなくなり、職員室に潜入した際に伊藤が校長に伝えたはずの監禁動画の件がどうも校長に伝わってないらしい事、伊藤の机の上のキーホルダーが水口のものと同じだと判明した事で一気に伊藤に疑惑が。校長は嘘をついているっぽいので信用できない…となるところだったがキーホルダーの件で引っ掛かり、これも監禁動画の紐も駅前のジムのものだと気付いた4人はジムへ。
伊藤と水口が同じジムで同じマラソン大会に出ていて増田明美の指導を受けていた事も判明。さらに疑惑を深めつつも信じたい黒川だったが、良く考えるといつも家に来るばかりで伊藤の家を知らない。教頭にサプライズで伊藤の家に手紙を出したいと言って教えてもらった伊藤の住所はなんと水口の隣だった。水口の車に残されていたマンションの鍵として入口には使用できるが水口の部屋の鍵としては使用できなかった鍵が伊藤の家の鍵とも判明。潜入して調べるがイマイチ手掛かりがなく…。伊藤が帰宅したのを隠れてやり過ごした黒川と高畑は100万円を取引しようとしてすぐに出ていった伊藤を追いかけるとそこには寺木とその家族もいて修羅場の予感で来週へ続く。
伊藤への疑惑を高めつつ、先週途中までだった「告白カード」の続きも少し明かされる。とはいえ概ね予想がついていた話の延長で、荻生田は野上に見捨てられた、高畑は水口の厳しい採点で成績を落とされた事で狙っていた推薦1枠を水口のお気に入りの生徒に持っていかれた(英語ミスを指摘し続けたのを疎まれたと思われる)事でそれぞれ恨みを抱いている事も正式に判明。またほとんど明かされていなかった黒川が不良だった事も改めてきちんと明かされたが、伊藤の動きはこの後始末的な内容と思われ、これは来週明かされる感じになりそう。
先週の青木隆治が尾崎のモノマネで「15の夜」を弾き語りライブに続いて、今週はジムにいったついでに筋トレさせられる4人だとか、増田明美が本人役で登場したり、刑事パートが先週に続いてクロちゃん(カツラ姿)が出てくる(しかも三つ子設定で来週3人目の登場を示唆…)など、シリアスな展開の中で急に戸惑う不慣れなギャグシーンが挟まってくるのは何なのか。特に刑事とクロちゃんは尺稼ぎコントみたいになっている挙句に、先週も今週も東京に雪が降った日の撮影だったので作中で「なんでここだけ雪が!」とか言っちゃうし(刑事2人は完全別スケジュールで一気に撮影したためと思われ、黒川たちも付近を飛び回っているのに雪なんて降ってないので刑事たちが動き回る時だけ雪が降っていて整合性が取れてない)。
第4週(12~16話)
寺木の妻が伊藤の元教え子で厳しい状況から支援で金を渡そうとしていた事が判明。改めて伊藤が不良だった黒川をその人柄で信頼してもらって改心させていたことが説明され、伊藤自体の疑惑は晴れた。黒川と寺木は元不良仲間だったが、仲間内でクスリの密売をやった者がいてグループ間抗争に発展して寺木も逮捕されて断絶したようだが今回の件で黒川が寺木を疑っていた事から寺木側からの黒川の印象は落ちた上に、妻も出ていってしまい寺木が黒川君なら良かったなんて書置きを残したものだから寺木の恨みは黒川に向かい…(来週案件)。詳細は明かされなかったが寺木逮捕に関しては巻き込みに近く、寺木は実行犯ではないが何とかしようと黒川に協力を依頼するも黒川が裏切って逃走した事で寺木だけ捕まったという者だった事は示唆された。
伊藤は改めて校長へ状況報告。この期に及んで何故か「痴話ゲンカ」という理解でいる校長に新たな監禁動画のコピーを見せた伊藤。すると校長の顔色が変わり素直に警察へGO。さらに警察が防犯カメラの映像を解析したところ、水口の車で逃走した犯人は野上だったと判明。校長…何か知っていそうだったのに…今までの挙動は何だったのか。まあ水口が人格的にかなりの問題教師だったらしい事からして「痴話ゲンカ」認識するくらい男絡みやその他諸問題が多かったんだろうけど…。となるとやはり理事長か。このままキスマイが謎の若理事長役で終わるはずも無
黒川の自宅にやってきた一行だったが黒川が奨学金をゲットしていたことが判明。これにより奨学金を狙って学年1位を死守していたのに肝心のテストで水口の嫌がらせで点数を落とされてしまい大学進学断念人生絶望が確定していた高畑が取り乱してブチ切れる。改めて水口が英語ミスの指摘を恨んで高畑の点数を落としていた事やとっくに貧乏生活になっていたことが3人の知るところに。黒川が何故水口に選ばれたかは心当たりも無さそうなので黒川は何も知らないのではという小松だったがブチ切れモードの高畑は小松の秘密を指摘。宇部を調べていた時の小松の態度から高畑だけは宇部が付き合っていたのは小松で学校中の噂になっていたJKにつきまとわれた暴露ブログのJKというのも小松だろうと指摘。小松も宇部と付き合っていて捨てられたことや水口に奪われていた事を明かすことに。
女子2人が殺気立つ中で仲裁しようとして飛び火を喰らった荻生田もまた先輩たちの暴行で足を折られた事、出場辞退と暴行事件発覚を恐れた野上と水口がグルでもみ消して荻生田を骨折させた先輩が普通にレギュラー出場していた事などを明かす。
「告白カード」で明かされていなかった3人の終盤部分がこれにてほぼ全部明かされたことになり、さらに視聴者にだけ明示されていたそれぞれの秘密を4人が一挙ほぼ共有する流れとなった。3人が水口を恨んでおり、隠していた思いを告白する事でアイツ死んでもいいんじゃね?モードになる中で黒川だけは水口に恨みが無くさらに母の死期が迫っている事もあって死んでいい人間なんていないと聖人発言。当然3人は響かなかったがこのタイミングで母が倒れたため黒川が一旦病院に向かい、その状況から帰らずに黒川の家で一晩待っていた3人は冷静さを取り戻して改めて水口救出のために動こうと決意。戻ってきた黒川も母の事を打ち明け、4人の中での秘密はほぼ無くなった(ただし血液型から黒川の母が本当の母ではなさそうな事や寺木との過去など完全に明かしていない部分も残っている)。
もう時間も無いので学校のグループラインに監禁動画を上げて全校生徒にも状況を知らせてこっそり動いている犯人を揺さぶろうとする4人。新たな監禁動画の最後に映像がブレて映ったモノを見た黒川は犯人の正体を確信して次回へ続く。
今週はギャグシーンは無く、クロちゃんギャグも伊藤の容疑が晴れた序盤でいつもの店に出てきただけ。刑事勢の無駄捜査コントも無く話が動いていったので唖然とする部分が無く緊迫度も増してきた。
4人が一気に仲間として信頼を深める事になったのは良かったけど、しかし明らかになった秘密が人間不信案件ばかりだな…。この状況でここまで水口を恨みながらも救出にそれなりに乗り気で動いてこれた3人も地味に凄い。恨みと命は別問題だとしても…3人とも割とこの時点での人生の全てに等しいくらいのものを水口に破壊されているわけだしさ…。
第5週(17~20話)
監禁動画のブレで宇部のガラスの靴が映ったため、音楽室(の奥の準備室)が監禁場所で宇部が犯人だと確信した4人。水口は既に寺木に連れ出されており、宇部は何者かに小松との関係をネタに脅迫されていたと証言。逃げ出そうと外に飛び出すもとんでもないタイミングで同じく荻生田の暴行もみ消しの件で犯人に脅されていた野上が水口の車を隠そうと運転していたところに飛び込んで交通事故に遭って病院送りになってしまった。
結局初期に疑った教師2人が犯人に操られて協力させられていた事が判明するも2人とも犯人が誰かは分からない。しかし小松も荻生田も、そして推薦枠問題の高畑と水口の話も誰にも話していなかった事だった。それを書いたのは「告白カード」しかない。理事長室に保管されていた4人の告白カードは理事長の机に別途保管されており、告白カードを読めるのは担任でもなく理事長1人だけという伊藤からの証言で理事長が首謀者だと確定。
「告白カード」って無記名だけど内容が個人的すぎるので誰だか特定できてしまうやつなのかと思ってたら3人の告白カードには思いっきり名前が入っててしかもクラスごとにファイル保管されていたので記名前提だったらしい。荻生田も自ら「ここまで詳しく書いてたら(野上、水口,先輩の)相手の名前書いてなくても誰だか特定できるな」というほどでこれを読んだ理事長は何らかの理念から今回の事件を思いついたらしい。
しかし妻に逃げられて自暴自棄になっている寺木は勝手に水口を運び出したらしく、理事長は金で雇った寺木の金額つり上げにも応じてもう1度家族3人でやり直せと説教していたが妻に逃げられたのまで把握しておらず、さらに寺木側は元友人の黒川が離れたのも理事長の差し金(伊藤が理事長の理念に近い事を言っていた)だと知ると理事長に逆に襲い掛かる。
こうして現場には水口のみ残されて水口は救出されたが、黒川の元に寺木から理事長を監禁していると連絡が入り、寺木が残り1時間だと宣告して最終週へ続く。
理事長とマスターが昔同じ族仲間だった事も判明。そして黒川だけ自身の告白カードを隠して3人には知らせず。3人が事件に巻き込まれた各教師との確執がハッキリ判明する中で1人だけ事件との関りも不明扱いとなっていたのは黒川の告白カードにその答えがあるためと思われる。ただ黒川の告白カードには黒川の記名は無かった。この告白カード一応名前を書かないというのもOKらしい。ただクラスごとにファイリングされるくらいみんな記名して告白しているので結局無記名で書いても対象の生徒を絞り込める上に筆跡まで調べれば簡単に分かりそうだ・今回はそういうことではない模様。黒川は母から教師だった父が「告白カード」をやらせていたと聞くと、伊藤に聞いて理事長が36歳だと知り、納得していたので父の教え子が不良時代の理事長だったという可能性が示唆された。
黒川の過去、寺木との関係、母と血が繋がらない謎、黒川関係だけが結局まだ明かされていないので最終週は黒川の謎に迫る展開か。
理事長犯人はまあやはりキスマイが脇役の若手理事長役で終わるわけなかったよなぁ。そして校長がすっかり事件対応に振り回される蚊帳の外な人になってしまった。
第6週(21~24話)
理事長小菅を逆に誘拐して黒川を呼び出した寺木。妻に出て行かれたのが決定打となったが、黒川は妻に呼び出されて1度出ていったけど戻ってきたことを聞かされていた。もう 帰 っ て き た だ と…。書置きとして黒川君なら良かったなどと書いたのも黒川に見せていたが黒川として本当の事は言えないし、どうすんのこれ状態。
案の定寺木はもう捕まるし終わりだモードで黒川と話したかったとして裏切ったと糾弾。まだ明かされていなかった寺木逮捕時に何があったのかの真相が明かされた。それによると所属していた不良グループが大麻密売だのと犯罪方向に舵を切り始めたため、黒川と当時妻が妊娠して出直そうとしていた寺木はこのグループを抜けようと話し合った。なので黒川は警察に密告してグループが摘発されたが何故か寺木は現場にノコノコいたため一緒に逮捕されたという。な ん で お ま え い た ん だ 状態だったことが判明。「俺が悪いっていうのか!」という寺木だがそりゃそうだ。黒川はお前も悪いがちゃんと意思の疎通をしなかった自分も悪いと謝罪。怒りの行き場のなくなった寺木は荒れかけるが、黒川の思いや妻が戻ってきている事を聞いて飛び出していくと出番終了。その後自首して警察にこの場所を知らせていたことが判明した。
残った小菅を解放した黒川は血液型や年齢の問題、亡き父の教育理念と学園の理念の一致から導き出した答え、小菅が本当の父親なのかと迫る。当時不良だった小菅に熱心に寄り添ってくれたのが教師の黒川父で改心した小菅だったが、グループのリーダーの恋人とイケナイ関係になって子供を産ませてしまった(なんで産まれるまでバレなかったのかは不明)。終わりだと怯える小菅はボストンバッグに入れた赤ちゃんを川流しにして殺そうとするが呼び出された黒川父が救出。しかし小菅はそのまま逃げだしてしまったという。再度この街に戻って黒川父への懺悔のために黒川父の理念を体現した学園を設立したという。
黒川父の行方はずっと把握していなかったが黒川が高校3年生の時に小菅と面談した際に父親の話を聞いてその後を知る。おっせぇ…。
小菅が逃げ出した直後に赤ちゃんを抱えた黒川父が交通事故死していた事、黒川が自身の子供だった事を初めて知った理事長は苦悩。自首もしたそうだが信じてもらえなかった。そんな中で3人の告白カードを見て理想郷を汚す教師3人と被害者3人、そして父は自殺したと聞かされていたので父を恨んでいた黒川に黒川父の理念のすばらしさを教えるための事件を思いつき、逮捕されることで償おうとしていたという。
というわけで黒川が隠した告白カードは黒川のものではなく、小菅が高校時代に書いたものの出せずにいたものだった。不良になった事などの文面から黒川の告白カードだと思わせるミスリードだったか。
激しいやり取りの中で黒川父を侮辱するのは許さん、何人も救ってきた素晴らしい教師だと主張するクレイジーな様子の小菅。父がそんな素晴らしい教師だったらそんな素晴らしい教え子がこんなことをするはずがないと真っ当すぎる理論をぶつける黒川。最終的には小菅の心が折れ、どうすればいいと崩れ落ちてしまい、黒川が死んで償えと迫るが駆け付けていた3人や伊藤のおかげで踏みとどまって小菅は満足げに逮捕されて行った。小菅は居場所として学校を作ろうとしていたが伊藤によれば居場所は場所ではなく友人であり、今黒川と3人がいるここが居場所だと。
回想シーンでわずかに黒川母に土下座している小菅というカットが出てきたが、最近まで知らなかったのでつい先日母親には謝罪しに行っていたらしい。後日母が黒川に語ったところでは夫の交通事故死の知らせで駆け付けた病院で当然自分の子供だと思われてしまったのと実際に目にして育てる決意をしたということらしい。そのまま出生届出して自分の子にしてしまったという事なんだろうか。周辺や親族には100%バレそうだけど…。
無事に卒業式を終えてそれぞれの道へと分かれていく4人。また恋愛する、またサッカーするぞと前向きな小松と荻生田は完全に晴れ渡った感じで終わり、黒川も一応片付いたと言えるが、高畑の家の借金崩壊問題と進学できない問題は何1つ解決していない。高畑の未来は大丈夫なんだろうか。復帰した水口は階段の上で高畑の姿を見つけると深々とお辞儀はして謝意は示していたが…あんたそれだけかよ…。意識不明で運ばれた宇部、宇部をひいてしまった野上なんてそれっきり出番がなくどうなってしまったのか。宇部生きてんの?一応校長が記者会見の準備を、と伊藤に話しているラストシーンもあったので世間は大騒ぎ、しかし卒業式は何とか行えた(水口も復帰できた)という事なんだろう。
全部終わっての感想
メインの事件とメインキャスト勢の問題と友情はあらかた綺麗に決着がついた。それなりに緊迫した展開で次々と真相を明らかにしながらも抱えていた秘密を告白する事で友情を築いていく4人の関係も良かった。ただ前述のように高畑だけ今後が心配なのと、問題教師勢の処分(水口・野上)と安否(宇部)が不明なままなのはちょっと気になった。滝沢カレンが演じているだけに水口にほとんど台詞らしい台詞を伴う演技が無く、回想シーンばかりで直接喋っている様子があまりないままにどや顔目線を送ってくる姑息な奴というイメージだけ固めていく構成もあって最後あんなお辞儀だけで終わられてもな…。
月~木の15分構成はいいのか悪いのか、結局毎日見るのではなく週末に1時間ドラマとしてまとめて見るという形だったので割とスムーズに見れたけど毎日だったらちょっときついというか、朝ドラのように1日見逃したり流し見でもなんとなくついていける内容ではなく、見逃すと途端についていける気がしなくなるような話だったからなぁ…。
原作小説との違いメモ
辻堂ゆめの原作もざっと読んでみたので主な違いをメモっておく。
全体に原作の方が要素が少なく、ドラマは色々展開を追加して構成している。大枠の各自のエピソードは原作に沿っている。
・寺木は出てこない。黒川の不良時代の話は完全に過去になっていて、大麻逮捕エピソードは出てくるが、不良仲間を抜けた後に捕まった連中が黒川を道連れにしようと名前を出したので無実の黒川も捕まりそうになったが伊藤の尽力で逮捕されずに済んだという過去の話になっている。
・明らかに尺稼ぎだった刑事2人のドタバタや喫茶店マスターなど本筋に関与しない人物やエピソードは当然原作にはない。
・伊藤が今年赴任したばかりの新人教師。
・「告白カード」含めて理不尽かつ真面目過ぎる小菅理事長は生徒には嫌われている。「告白カード」は毎回お題が変わり、深刻な悩みを書くと呼び出されるし、適当過ぎても呼び出されるのでいかに文字数を稼ぎつつ無難な内容にまとめるかが重要だという面倒な代物扱いされていて最早「小論文カード」という揶揄も。
・伊藤と水口が隣人、同じスポーツクラブ等の設定は無い。水口は若手だがその勤務態度から職員室内では嫌われており、初めて自分より下の新人である伊藤が入ってきたので伊藤に嫌がらせをしていた。ただし気になった子に意地悪する子供みたいなレベルなので伊藤自身はあまり気にしていない。
・小松、荻生田の過去話に水口が絡まない。小松の後に水口と付き合っていたらしいという話は出るが小松に勝ち誇ったような態度を取って小松が恨む描写は無い。荻生田の暴行事件をもみ消したのは野上と家庭科教師の2人で水口はサッカー部を担当していないので関わっていない。
・寺木を始めドラマ版で盛られたエピソードが無いので監禁動画のブレで宇部の音楽室だと疑った後はそのまま水口救出。その場で宇部が逮捕されて行く中で、黒川が小松、荻生田、高畑が何か隠していると疑い3人に過去をまとめて一気に告白させ、その話を「告白カード」に書いていた事に気づき、そうなると小菅理事長しかいないと結論に達し、近くで聞いていた小菅が自分が犯人だと名乗り出てきて延々と警察に連行される前に4人に動機を説明する…と一気に真相展開する。
・推薦枠を黒川がゲットして高畑に申し訳ないと感じるのもこの全真相判明のタイミングになっているのでそのことを卒業式の日まで言う事ができない。卒業式の日に初めて学年2位だった奴ではなく黒川が推薦枠をゲットしていたことを黒川に聞かされた高畑だったが、相手が黒川だったなら嬉しい!と黒川が拍子抜けするほど純粋に喜んでくれる。この時点で高畑はもう前を向いていてバイトして浪人して医学部を目指すと明るく宣言する。
・黒川は不良を辞めた後に元々の頭の良さから学年2位に匹敵するまでに学力を上げていた。水口が黒川をひいきして推薦を取らせたのは黒川の推測だと元不良が猛烈な勢いで成績向上していたのでその下克上っぷりをゲーム感覚で面白がって見ていたからではないかと説明。
・一方で黒川は血液型問題を不思議に思った程度でこの時点で小菅が父親だとは思ってもおらず小菅に言われて初めて知る(小菅もヒントは出していたけどまだそこには気づいていなかったのかという態度)。
・小菅が相手の女性に生まれた直後の赤ちゃんを押し付けられ、黒川先生に助けを求め、赤ちゃんを見せる前にとりあえず酒飲みにつき合わせた事などドラマより詳細に説明。さらに黒川母は流産した直後で親族にも流産したと言えずにいる時期だった。へその緒もついたままの生まれたばかりの状態だったのでその場では自宅で出産したばかりで出生届も出していないと説明し、流産した際に処置した病院と妊娠初期に通っていた病院が別だったため、妊娠証明関係の書類を問題なく揃える事が出来て黒川を実子として出生届を出すことに成功していた。
・黒川母は小菅とは会っていないが亡き夫と高校の理念が同じだったことから独自に調べて概ね真相には気づいていた。
・全体にみんなあまり怒らず激しい感情のやり取りは無い。高畑の推薦枠の件もそうだが、小菅も黒川もドラマのように激しくやり合わず冷静に話し合う。
肝心な部分である黒川誕生時の謎、高畑の進路がドラマよりもしっかり描かれていたのは良かった。ていうかドラマ用に散々要素を足しまくっておいてなんでこの2点が説明不足になってしまったんだ。
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