戦慄!G現る!2017

9月も終わろうというその日、唐突にそれはやってきた。星野源の「Family Song」を聞いて感想を書こうと思っていた何でも無い夜の事だった。ふいに部屋の上部に何かが現れた気配を感じた。

それは”G”だった。

※今回の「戦記」は生々しい戦いが生々しく綴られております。苦手な方は御注意ください。
閲覧注意です。了承された方のみ先へお進みください。
その後気分を害されても責任は負いかねます。

11年6月以来の部屋への来襲

後に過去日記を「G」で検索したところ、「G」では1字だけなので21件もアルファベットのGがヒットしたが程なく前回来襲時の戦記が見つかった。2011年6月である。

部屋以外には何度か出ていたがそれでもここ数年は見かけていなかった。しかし2日前に居間に出て母が決死のNPA(NewsPaperAttack)で仕留めたと聞いたばかりであった。まさかわずか2日で、こっちの部屋に今年2体目のGが来襲するなんて…。

なお前回来襲の翌2012年春にカビにより陥落状態にあったこの部屋は改装されており、改装以来Gは出ていなかった。そればかりかここ数年他の部屋でもGは出ていなかった。このため当時武器とし、さらに6年前でさえ”いつ購入したのか分からない”と記録している噴射型兵器GJP(Goki Jet Pro)もHAE-TATAKIも既にどこに置いてあるのか分からない。というかこの時間、家に1人であり、ヘルプを求める事は出来なかった。

入り口付近からのんびりと奥へ侵入していくG

座っていたPC前にはティッシュとCDしかなかった。CDを武器にした場合、CDが砕け散る事は確実であり、後始末と再購入の手間が増える事になる。そもそも面積の都合上武器として有効性は低い。他にはスピッツの『THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA” 日本武道館』のデラックスエディションや大黒摩季の『Greatest Hits 1991-2016~All Singles +~(BIG盤)』なども座ったまま取れる位置に収納してあった。重量及び面積と取り回しの面では頼もしいものだったが、やはりこれを武器として使うのはどうかと思う。武器として使用して確実にGを殺りにいくなら全力で行くしか無いわけで、外ケースどころか中ケースもベッコベコ確定だし、最悪ディスク割れる。

結果、とりあえずティッシュを10枚以上丸めて手のひらサイズの攻防一体の武器としようとしたが壁の上部にいるGとの距離から狙いを定める事が困難であった。また後で前回の戦記を見たら同じことをやっていた。この時点では忘れていたが、やっている事は変わっていない。むしろ当時は6枚重ねくらいで無謀にも挑んでいき取り逃がすという失態を演じていたが、今回は10枚以上も重ねるチキンっぷりな挙句に失敗を恐れて踏み込まないという体たらくである。改めて振り返るとこれはかなり老いたのではないか。とはいえ当時から部屋が改装されており、2011年とは条件が違う。位置的にもティッシュアタックでは届くかどうか微妙なのだ。老いの言い訳ではない。より冷静な判断をしているのだ。決して老いでは無い。断じて老いではない。

初撃未遂

この項目はTwitterでの先行公開戦記では省略した部分だ。3度に渡る飛行と書いたが、実際に飛んだ描写はこの後のツイートでも最後の1回しか出てこないが、最初の1回がこの時だ。

そうこうしているうちに徐々にGは壁伝いにこちらへ迫ってきた。警戒していないのか動きはスローリーで、椅子の上に乗れば届きそうな位置まで来た。ティッシュを構えて不安定な椅子の上から狙いを定めようとした。

瞬間、Gは羽ばたいた。

椅子から派手に転倒しなかったのは幸運だった。うまく部屋の中央へ着地して振り返るとGは斜めに飛行して部屋の反対側最奥部の最上部(北の最西)の角地帯へ陣取っていた。この位置はかつてカビで部屋が陥落した際に最もカビが深かった地点である。もちろん改装後は綺麗な状態であり、カビは再発していないが…。

この直下にはCDラックがあり、これまた位置関係からティッシュアタックが微妙に届かない。先ほど同様に椅子に乗れば接近できるが、逆に接近しすぎてしまう。しかも体制的にこの位置へ攻撃するにはスウィングの自由が効かず、ただただGが至近距離に見えて不気味、攻撃への動作も制限されるというもので外す危険性が高い。ていうか接近が怖い。なんか触覚とかウネウネしてるし、足もウネウネ動いてるし、これ以上近づけない。この状況で椅子の上に立ち上がった瞬間に特攻されたらひっくり返って頭を打って討ち死にするかもしれない。

居間とGルームの無為な往復

HAE-TATAKIがあれば…。

そうHAE-TATAKIならこの位置でも届くのである。やはり少しリスクはあるが。

当初出現時点では部屋の入口の上の壁にいたのでその下を通ることに抵抗があったが、現在Gがいる最奥地点はどこへ移動しても白い壁が続いているので見失うリスクが低い。このため、居間へHAE-TATAKIやGジェットを探しに向かう事にした

しかし先に書いたように数年Gが出ていないという事はそれらもどこへ置いたか不明な状況だった。こっちは2日前にGが出たという地点だ。武器を探していたら第3のGに遭遇なんて事になったら明日最終殲滅兵器バルさんを購入して帰ってくるまで部屋どころか家自体を放棄しなくてはいけなくなり、今夜は満喫行きが決定してしまう。

こういった理由及び対戦中のGをあまり長い時間放置して見失う可能性も考慮し、短い時間で何度か居間⇔部屋を往復して確認を繰り返した。しかし対G兵器を見つける事は出来なかった。

新たな武器と決断と

この間に2度目のGの飛翔があった。しかしこれは最奥(北の最西)からその横(最北の西)へ移動しただけの軽い飛翔であった(入口の壁は最南の東)。とはいえ不気味なものは不気味だ。

も う 直 接 殺 る し か な い … 

最早選択肢はこれしか無かった。新たな武器として雑誌「TV LIFE」の古い号がまだおいてあるのを発見。24時間テレビの時のやつだ。亀梨小山櫻井が微笑んでいる。この微笑む亀梨小山櫻井でGを叩いた…なんて書いたらファンに怒られるんじゃないかなどとこの時考えたわけではないが、なんかやはり人の顔が出ている面でGを叩くのは本能的に回避したのか、ごく普通に裏面の広告をアタックポイントとして折りたたんで装備した。

これで射程距離が伸びた。これなら上部にいるGを確実に叩ける。しかし届くようにはなったが部屋の最奥・最上部はフルパワーで叩くにはやはりまだ少し位置が高い。万が一仕留め損ね、地上へ落下して逃げ回り、物陰にでも隠れられたら終わりだ。確かそんな記憶が微かにあった(前述の2011年に実際あった事を後で確認)。

下した判断は確実に仕留められる位置に移動するまで待つ。万が一外した場合、明日万全の対G兵器を取り揃えてセッティングするまでマイルームを放棄しなくてはならない。他の部屋も怖いので満喫行きか。マジで今夜満喫行きか。この対G戦記は計3回の連載と化し、屈辱敗走満喫潜伏篇対G兵器フル投入部屋奪還作戦篇…と続いてしまうのか。外すわけにはいかない。臨戦態勢で構え続け、気が付けばかなりの時間が経過している。無理な態勢でも行くべきなのか。焦りと恐怖が全身を支配する。

そう、Gの存在を確認してから10分以上が経過していたらしい。

というのも、かけたままになっていた「Family Song」(1曲目)は気が付けば「KIDS(House Ver.)」(4曲目)が終わろうとしている。星野源の声が聞こえているうちにGを叩きたいが確実ではない状況から踏み出せない。しかしその瞬間…

G は 翔 ん だ ! 

この光景は実際のこの時にBGMになっていた星野源ではなく、Base Ball Bearの「PERFECT BLUE」の最後のサビだけ高音になっての”君は翔んだ!”のあの勢い、あれが最もこの瞬間を表現していると思う。

クライマックス

本日3度目となる飛翔形態を披露したGはこれまでで最長の距離を飛翔した。部屋の最北の西の壁からもう少し南へ進んだ地点から当初出現した最南の東までほぼ斜めに部屋を横断したのである。飛翔形態で

逃げ惑う人間(私)地獄絵図である。一体何をやっているんだろうか。段々情けなさによる自身への怒りと3度に渡る飛翔と部屋の壁をほぼ1周しやがったGへの怒りが込み上げてきた。もう少し若い頃なら迷わずこの状態の自身をこう表現しただろう。超サイヤ状態、と。

Gは最初の出現位置よりわずかにの位置へ張り付いた。この位置なら最大出力のTV LIFE SMASHが無理なく届く

殺れる。今が最良のチャンスだ。

数十秒前に逃げ惑っていた人間(私)はついに防御から攻撃へと転じ、一気に踏み込んだ

渾身のTV LIFE SMASHを繰り出したのである。

一撃粉砕

目論み通り、態勢に無理が無く、120%の力でGへと狙いを定める事が出来た。

亀梨小山櫻井が微笑むTV LIFE…の裏面広告部をアタックポイントにして繰り出した渾身のスマッシュは中学時代バドミントン部所属の記憶を呼び起こし、当時を彷彿とさせる威力でGを直撃・粉砕した。足が1本落下し、G本体も即死状態で落下した。(自主規制)完全なる一撃必殺である。ずっと握りしめていたティッシュでさらにグルグルに封印、念入りに握りつぶしまくった。

我ながら見事なまでのクリーンヒットだった。位置的に右手でスマッシュを叩き出すのに最適なポジションだったのが勝因だ。これ以前のどの位置でもこうは行かなかっただろう。3度の飛翔や10分以上に渡る一進一退の恐怖の時間を過ごすこととなったが、最大のチャンスを待ち続けただけの戦果は得られたと思う。さらに先日食べた崎陽軒の弁当が入っていたビニール袋で厳重な封印を施してゴミ箱へイン。

過去最長、史上初の飛翔形態の目撃(しかも3度)という史上最大の対G戦は最終的にはこちら側の完全勝利で幕を閉じた。今年どころかここ数年で1番の集中力を発揮した。先ほど老いたと書いたがこれは逆に何か眠っていたものが目覚め研ぎ澄まされた事で逆に少し若返ったのではないか。

しかしいくつかの問題が…

懸念材料はGを数年見ていないのに2日前にも居間に唐突に出たという事実である。怖すぎる。翌日GJPや黒くて丸いキャップ型のトラップを買ってこようと決意するも、この後はチキンハートGが遺した恐怖の幻影との戦いだった。

対G戦後あるあるとされる

・イヤホン(黒)をGに錯覚
・USBケーブル(黒)をGに錯覚
・コンセント(黒)をGに錯覚
・微かな音をGに錯覚

これらの症状に悩まされたのである。ノイローゼだ。

また対戦時、無音が耐えられなかったのと消す動作に思考が及ばなかったため、ずっと「Family Song」のシングルがかかっていた事で、このシングル「Family Song」が対G戦BGMとして記憶に焼き付いてしまった気がする。どうしよう。

あとさっき書いたように「PERFECT BLUE」の最後のサビとGの最後の飛翔も妙に勢いがシンクロしてしまってこれから聞くたびに思い出しそうである。どうしよう。

祝福のG?

最初に紹介した2011年6月の戦記「戦慄!G現る!」によるとこの部屋での対G戦は02年→11年→17年(←New)という事になるらしい。サイトに戦記を残しておくとこのような際の情報分析(?)に実に便利である。

この02年、11年、17年というのをサイトのトピックに置き換えると…

サイト開設元年(02年)
Zenryaku Radio元年(11年)
サイト15周年(17年)

…まさか…Gなりの祝福として出現していたのだろうか…?

そんなものはいらん。

新たなるカテゴリ「戦記」に2ページ目が無いことを祈りながら戦記を終えたい。

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