Essay 渡瀬マキ エッセイ

2022年2月22日発売。LINDBERGボーカル渡瀬マキによるタイトルそのままなエッセイ。2年前に入手していたのにすっかり感想載せるの忘

4814925034

2019年10月24日、12月16日、2020年2月7日、22日、5月6日、2021年2月22日、12月15日と不定期に電子書籍で発売してきた全7章に渡るエッセイをゴマブックスから1冊の本にまとめたもの。一般的なハードカバーではなく、プリント・オン・デマンド(POD)でAmazonで販売されたもののため、カバーも無い簡易な装丁となっている(サイズは「槇原敬之 歌の履歴書」と同じだがカバー無しの装丁は「別冊カドカワ」などのムック本に近い)。

当初LINDBERG30周年を記念してのものだったが、2018年に渡瀬マキが機能性発声障害になり活動休止となっていた上、ようやく復帰ライブを行おうとしたところで2020年からの世界変異でライブ中止になるなどしたためか、1~3章は2ヶ月おき、4章はわずか2週間、3ヶ月で5章(ライブ中止後)とそこまではそこそこ定期的な発売だったが、6章と7章は9~10ヶ月間隔とかなり間が開いており、当初の予定から内容が変更になり、着地点も変更したものと思われる。

内容はこれまでの人生を振り返ったもの。1章はデビュー前、2章はアイドル時代、3章でLINDBERGデビューとなり3章は1995年までの徳間時代。LINDBERGリスナーとしては興味深い裏話が読めるのはほぼ2章の終わり(アイドル時代末期の路線変更&平川達也との出会いからの最初の1曲「MINE」誕生)からこの3章。ただ最初期の作詞の苦労話が中心で最も成功していた時期の言及はほとんどなく、「GAMBAらなくちゃね」の頃はもう頑張れ系の曲を書くのがしんどかったという、その後の作風の変化からしてまあやっぱりそうですよね…な話になってしまう。

4章では冒頭でテイチクへ移籍するが、LINDBERGの活動で触れられているのは最初の「もっと愛しあいましょ」がヒットした事くらいしかなく、その後は平川達也との結婚や妊娠と子宮がん疑い(最終的に部分切除して悪性では無かったのもあってその後普通に2人目も生まれている)もありバンドの話よりもプライベートな話題中心となり、子育てとの両立が無理だという理由でLINDBERG解散を決断したという話まで突き抜けていってしまう。

実際には「もっと愛しあいましょ」が当たった事からこのコミカル路線に走ったところ1997年頃から人気が壊滅的になり、1997年のツアー最終地は日本武道館だったのがホール公演すら出来なくなってライブハウスクラスになってしまい、2001年にはテイチクからポリドールへ1ショット移籍、2002年最後はインディーズレーベル落ち&全作O社100位圏外になっていた事などそれはそれで解散せざるを得ないような状況だったのではないかと思われる状況については一切触れていない。バンド末期の迷いの話なんかはこんな機会でもない限り触れないだろうし、全く触れなかったという事はもう触れることは無さそうだ。

5章は子育て期間を経ての再始動とLINDBERG2009年1年限定の再結成、そして2014年の永続復活まで、6章は発声障害を患って休止していた時期、7章は世界変異以降から2021年終盤時点での今後の活動の抱負といった感じの内容。

というわけで渡瀬マキ個人のエッセイなので個人的な話の部分が多く、現役時代のLINDBERGの話はかなり少ない。多くの読者が知りたいのはその部分だと思うからちょっと物足りない内容ではある。そもそもにそんなに字が細かくなく文字数も多くないので、LINDBERG以外の部分が多すぎるのではない。渡瀬マキ個人のエッセイとしてはいい内容ではあるんだけど、LINDBERGの部分がとにかく少なすぎるのだ。

LINDBERGはLINDBERGで4人全員が参加した公式記念本でもそのうちやってほしいところではあるが、現状レコード会社無所属状態、散々出ていたテイチクからのベスト盤も見切られたかのように2009年の再結成時を最後に途絶え、2014年再結成後にはMV集DVDこそ出たが即廃盤、レーベルを総括したベスト盤やBOX等の発売すら実現していない。既に男性メンバーが60代半ばに差し掛かっており(しかも最年長が動きの激しいドラマー)なので最後にアルバム1枚出せるかどうかが正直なところだろう(最近のインタビューで一応意欲はある模様)。偉大なる功績をもう少し振り返り記録しておくべきだとも思うんだけど…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました