2009年1月31日公開。3部作の2作目。1作目から5ヶ月で公開された。
前作で描かれた2000年12月31日の「血のおおみそか」から15年後の2015年。前作の出来事は丸々”オッチョが角田に聞かせた話”でもあった。海ほたる刑務所に収監されていたオッチョ(豊川悦司)はスプーンで壁を掘り続けて向かいの角田(森山未來)の牢屋へと移動。角田の牢屋は配管の都合上、脱出に最も適しているとされ、角田も同行。2人で泳いで脱出する事に成功する。
一方で高校生になっていたカンナ(平愛梨)はテロリストケンジ一派を教える歴史教育に反発しながらも不思議なカリスマ性で長年敵対していた中国マフィアとタイマフィアを停戦させたり、前作で最速で”ともだち”の正体を掴むも知りすぎて殺されてしまったチョーさん(竜雷太)の孫である蝶野(藤木直人)と知り合うなどしていた。生き延びた仲間達とも合流しながら、ともだちランドのバーチャルランドでまだ知られていない当時の真実の一部に触れたり、サダキヨ(ユースケ・サンタマリア)が前作から2年後(2002年)に病死間近で真実に迫ろうとしていたモンちゃん(宇梶剛士)を殺害した事を悔いていてカンナとクラスメイトの響子(木南晴夏)を助けて盛大に散ったり、ヤマネ(小日向文世)が”ともだち”の協力者の1人でウイルス開発者、カンナの母キリコ(黒木瞳)がワクチン開発者の同僚同士だった事が発覚したりと色々あったものの大きく事態は進展せず…。最後はヤマネの銃撃で”ともだち”が暗殺されるという「しんよげんのしょ」になぞった事件が発生。ヤマネは即用済みで消され、葬儀の場で”ともだち”が復活して英雄になるという飛んだ茶番でどうしようもない事態に陥って最終章へ続く。
詰め込んではいるし、明らかになる部分も多いんだけどテンポの良かった前作に比べるとどうでもいい話も多くて(マフィア同士のくだりとか蝶野との交流とか)ややもどかしいまま終わる3部作の真ん中の宿命のような中途半端さはやはり否めない。かといって最終的には割とみんな必要な存在として最終章で役目を果たすのでおざなりにもできなかったりはする。次回作も見るのを前提とすれば中間部分として必要な1作ではある。
残念なのは第3章公開前にTVで1度だけ放送された際の「もうひとつの第2章」で新たに加えられたマルオ自爆未遂、カンナが響子と共にカジノで勝負して着流しの男(平田満)と出会いこれをきっかけにタイマフィアが本格的な協力者になる…というエピソードが商品化されず(DVD/Blu-rayの特典映像にも完全未収録)、視聴手段も残されていない事。
この「もうひとつの第2章」はサダキヨやニューハーフ2人のエピソードは全カットだったらしいので「もうひとつの第2章」をフルで映像化すればいいというものでもないが、未公開シーンを商品化しないまま1度TVでやっただけで幻にしてしまうってどうしてそうなった…。
平愛梨はここまで知名度もあまり上がらず出演作がないわけではないが脇役ばかりで引退覚悟でカンナ役を射止め、原作のビジュアルも再現、最高のはまり役として奮闘して一躍知名度を上げた。ただはまり役過ぎて逆に他で使いにくかったのかこの後ももう1つブレイクしきれないままだった。2016年の長友佑都とのアモーレ結婚でアモーレした時が最も話題になったアモーレで以降はほぼ産休が明ける暇のない連続出産アモーレに突入しているのでやはり役者としては今作が代表作か。木南晴夏も原作そっくりと評判でオーバーなリアクション演技も秀逸で存在感を見せ、こちらは以降の躍進にしっかり繋がった感がある。
★★★★☆
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