GLAY 30周年シングル回顧7~2020-2024~

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25周年を迎える直前の2020年2月にはあの『REVIEW』の第2弾を銘打った『REVIEWⅡ』を発売。メンバー4人それぞれが自選し、コンセプトや内容も4人それぞれ異なる(TERUとJIROは基本的にオリジナル音源だがTAKUROは新曲と新録音とアンソロジーシリーズ音源の再リマスター&一部再ミックス音源を使用、HISASHIは全曲再録音)という比較的マニアックな4枚組重量ベストアルバムとなった。それでも平時よりは売上が伸び、最近買わなくなったけどまだまだ潜在需要が残っているかのように10万近くまで売上を伸ばした。

しかし直後に自粛世界に突入。海外在住のTAKUROが気軽に帰国できなくなり、リモートでの制作環境を構築。これに伴い活動が途絶える事は無かったが、バンドサウンドではない打ち込みの導入が目立つようになり、実験的な楽曲も増加した。一方でTAKUROが過去の没曲や未完成デモを改めて聞き直して整理したようで、過去の曲を改めて作り直したと明言する曲も増加。2021年の『FREEDOM ONLY』、2024年の『Back To The Pops』共にほとんどがTAKURO曲でTAKUROがメインライターへと完全復活を果たした。

またシングルでは実験的な曲が多めだが、この時期のシングル曲は多くがアルバム未収録となっていて、アルバムは比較的王道のバンドサウンドを主軸にしているため、シングルだけ並べて聞くのとアルバム2作を聞くのではだいぶ印象が異なるのも特徴。特に『Back To The Pops』にかけては電子路線の大量のシングル曲がアルバム未収録となった。既出シングルが多すぎてアルバムがシングルコレクション化してしまう現象が近年の傾向が加速しまくる時代にコンセプトに合わない曲はごっそり未収録にしてしまう英断が下せるのも自主運営ゆえの自由さなのかもしれない。

2024.10~11新規執筆
2023~2024年のシングルはシングル感想で取り上げて日が浅いので軽いリライト程度

I’m loving you(Korean Ver.)/GLAY×PENTAGON

2020年5月1日(配信限定)
作詞:TAKURO,JIN HO,YUTO、作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass&大迫杏子
『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECTに新曲として収録されていた「I’m loving you/GLAY×PENTAGON」の韓国語バージョン。GLAY×PENTAGON名義で今作の配信用ジャケットもそうなっているが、公式ディスコグラフィーでの表記では何故かFeat. PENTAGONに変わっている。単に韓国語で歌い直したというだけでオケは同じと思われる。公式には作詞に参加したジンホ氏のコメントしか載っていないが、クレジットが出る配信サイトでは唯一の日本人メンバーだったユウトの名前も入っている。moraでは何故かジノとウソクとなっているが…もう少し情報はちゃんと出してほしい。なお2023年に韓国グループ特有定型パターンである複数メンバーの事務所との専属契約終了発表を機にグループ活動は行われていないようだ。

アコースティックサウンドを生かした謎のフラメンコ/ラテンフレーバー全開の異色ナンバー。間奏ではPENTAGONメンバーによるクールなラップも飛び出すが、GLAYとしてはかなり異色。K-POPダンスグループとのコラボならなんかもっと典型的な電子音系クールダンスナンバーとロックの融合みたいなのが来ると思ったらどっちもまるでやらなそうな哀愁路線とは…。

特に制作がいつだったかは語られていないが、3月も後半になるにつれて厳しかっただろうし、4月にレコーディングする事は”世界”が許さない状況になっていたし、発表のタイミングからしても世界変異直前の時期…というか日本語バージョンと一緒くらいの勢いでちゃんと対面してこのバージョンも滞りなくレコーディングを済ませていたと思われる。それを緊急事態宣言中に配信した、という事だろう。
★★★☆☆
Korean Ver.アルバム未収録
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(日本語バージョン)

58th G4・2020

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2020年8月12日
前作から1年1ヶ月ぶりで『G4』シリーズの連投は初となった。今作はⅥ(6)に相当するが、前作でセブンイレブンギャグをするためだけ(?)にⅦのナンバリングを使ってしまいこのままカウントを続けるとややこしくなってしまうためかカウントが廃止され、年号(2020)となった。今作では2~4と同様のメンバー1人1曲作曲に戻っているがTAKURO曲「Into the Wild~密~」は初出の新曲ではなく先のベスト盤収録の新曲のリメイクで、さらに続けて同曲のリミックスが3連発されるという内容になっていて初めて全4曲ではなくなった

DVDには「ROCK ACADEMIA」MV、「Into the Wild」No Audience Live director’s cut、GLAY Special Live『2020 DEMOCRACY 25TH INTO THE WILD』から5曲のライブ映像を収録。さらに絵本『家で読もう!! グレイ絵本「4人の勇者と魔法使い」』も付属する。

No Audience Liveだったり、絵本が付属するのも”家で過ごす時間が増えたファンに向け”とされており、自粛下の世相が反映されている。「Into the Wild~密~」以外の新曲3曲も次のアルバムとは方向性が異なるため全てアルバム未収録となっている。今後収録されるタイミングあんの?

ROCK ACADEMIA

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
HISASHIらしいデジロックナンバー。イントロのド派手なシンセ音の絶妙なダサさ加減やこれまで以上に電子音まみれなぶっ飛び具合も実にらしい仕上がり。変なインパクトはあるが、リズムの軽さは気になる。新鋭のバンドがこぞってバンドなのか…?と思うような打ち込みにしか聞こえないような電子サウンド主体になってきていたので時代と言えば時代ではあるが…リモート制作の影響がダイレクトに出過ぎている感じはあった。
★★★☆☆
アルバム未収録

DOPE

作詞:TAKURO&JIRO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
シンプルなロックナンバー。TERUが今作について“JIROは昔から変わらず、メンバーだけで構築できるサウンドが好きなんだなあ”、HISASHIは“ギミックなしのGLAYらしい8ビートのロックンロールが聴ける曲”と語り、TAKUROは“これこそがロックンロール”だと言い、イントロのギターを上げるように進言したら「TAKURO、HISASHI、JIRO、永井さんのドラムの音が同じくらいでいい。この曲はバンドとしての塊を表現したいから。そこにキャッチーな上モノのギターとかはいらないんだ」と言われたと語っていた。JIRO本人はTAKUROから「ビリビリクラッシュメン」みたいな曲、ポップなんだけどマイナー調の曲と言われて作ったと振り返っている。

90年代から自作曲をメンバー抜きで制作する事もあったHISASHIだけでなくTAKUROとTERUも自粛下でのリモート作業化や環境整備の影響で電子音主体でバンドサウンドから逸脱した音作りに傾倒し始めていた中で、これらのメンバーの発言に象徴されるように昔ながらのバンドサウンドで勝負しているのが最早今作の中では大きな個性となっていて、この曲の圧倒的な安心感は確かに必要なものだと思う。正直強いメロディーやインパクトがある曲ではないし、ついにJIROまで電子音に開眼した「THE GHOST」を書いたらTAKUROもJIROが覚醒したとか喜び始めたくらいなので、上記のように褒めつつもJIROもこっち(電子音)へ来いよという思いはあったのかもしれない…。こうして現代のロックバンドは制作集団化していくのだろうか。GLAYの場合、元々TAKUROがロスに住んでいたりと離れた環境で生活していたとはいえ、なんだかんだスタジオに集まって制作をしていたのが、TERUが地元に戻って自宅スタジオでレコーディング始めたり、リモート制作環境へ移行せざるを得なくなったタイミングでバッチリそれに合わせたベストな環境を整えてしまい、無理にスタジオにToshi Nagai含めて集まる必要が無くなった事で一気に電子化が加速した感がある。
★★★☆☆
アルバム未収録

流星のHowl

作詞:TAKURO、作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass&REO
アニメ『ダイヤのA act Ⅱ』OP。アニメ3期の後半として前作「はじまりのうた」から引き継いで使用された。”高校野球や夏の甲子園大会をイメージした明るい曲”だったこれまでとは一線を画す電子ナンバーで歌詞も明るくない。ついに制作サイドに何か今までと違う曲調でと指定されたのかと思いきやTERU個人の心境の変化がでこうなったらしい。改めてアニメを見直したらBGMが意外とドロドロとしたマイナー調の音が多かったり、ストーリーも球児の苦悩も描かれていたただ明るいだけではない事に気づいて敗者をテーマにマイナーかつEDM調の曲でその世界を表現してみようとなったという。歌詞は空を出さないぞと決めていても必ず青空が出てしまうくらいポジティブな性格でなかなかネガティブなことが書けないという理由でTAKUROに依頼された。

この結果、ちょっと新しすぎてついていけないタイプの曲になってしまった。DJ Mass&REOとの共同作業が続いたのも電子化に拍車をかけてしまったが、TERUのここに来ての好奇心・探求心・吸収力がバンドの枠を飛び越えて進化していってしまった感。
★★★☆☆
アルバム未収録

Into the Wild~密~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass&REO
『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECTに収録されていた新曲「Into the Wild」の別アレンジ。オリジナルはGLAY&亀田誠治だったが「流星のHowl」同様にDJ Mass&REOが追加で参加。元々TERUとHISASHIがヴェネツィアで行われるカーニバル「CARNEVALE DI VENEZIA 2020」に出演予定だったのが2020年2月下旬というあのタイミングで2人が現地に着いた途端に中止決定になったため急遽現地から配信ライブを行った際のライブ音源をリミックスしたものとされている。よってTERUとHISASHIしか参加していないと思われるが詳細はあまり語られていない(公式には書いてないし、インタビューでもあまり触れていない)。タイトルは区別のためにサブタイトルをつけることになってTAKUROが今感じる気持ち、そしてこの令和2年の状況を漢字一文字で表すなら何かとHISASHIに聞いたら1分後に返ってきた返事が採用されて「密」となった。まさにあの世相そのままである。

元々近年の電子音傾倒の異色の楽曲だったが、まさに世界が変異したあの時の異様な空気が全開で内にこもったような暗い感じに…。2020年の閉塞自粛感が反映された曲にはなったのかもしれない。
★★★☆☆
アルバム未収録
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(原曲)

Into the Wild(☆Taku Takahashi Remix)
Into the Wild (80KIDZ Remix)
Into the Wild(BUNNY Remix)

『G4』シリーズは4曲の枠組みは堅持していたが“Ⅶ-ELEVEN-“ギャグとかあったけどあくまで別形態だったし…初めてボーナス扱いで5曲目以降が収録された。

なんとリミキサーを変えた「Into the Wild」リミックス3連発。シングル感想当時も3曲まとめて済ませてしまったが、新たに書く事が無いくらいトラックメイカー系のリミックスが延々続くので正直かなりしんどい。公式に素材音源を出して自由にリミックスしてくれみたいな事もやり出したので本当にトラックメイカー方面に傾倒していったんだなという事が良く分かる動向だった。イントゥーザワー♪を筆頭にヘイナウヘイナウ♪、ドンストッビフォーユーノォウゥ♪といったフレーズを何度も聞かされることになったので、全く好みの曲では無いのにこの時期1番覚えている曲になってしまった。
★★☆☆☆

FRIED GREEN TOMATOES

2021年5月21日(配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
年内アルバム発売を予告してアルバムに向けての5ヶ月連続配信第1弾として配信。わざわざ1曲のためだけに特設サイトまで制作された。結果的に「BAD APPLE」だけがシングルCDになったので別として配信限定となった4曲の中で専用のジャケ写が制作されたのは今作のみ。そのためか4曲の中で公式ディスコグラフィーに掲載されたのも今作だけ。特設サイトのURLが”16th_album”となっている事からも当初アルバムの特設サイトとしてここにどんどん追記していくつもりだったと思われるが、結局そのまま放置された。結果的に特設サイトあるわ、TAKUROの解説コメントあるわ、ディスコグラフィーに唯一掲載されているわとこの曲だけ異常に優遇されていたような形跡が残された。

20年ほど前に原型が存在し、過去3回デモを制作したがお蔵入りしていたという古い曲。『FREEDOM ONLY』の制作過程というより自粛世界の中でTAKUROが過去のストックを掘り起こして改めて整理したようで、これ以降90年代からのお蔵入りデモを発掘して制作する事が増えた。

この時期からTAKUROが完全にメインソングライターとして完全復活した感があるんだけど、このように全盛期に書いたデモを整理して使えそうなものを改めて使う事が増えたからなのか、メインライターを3人に任せている間に復調したのか…。何はともかくあの頃のGLAYが帰ってきたような懐かしさを感じるやっぱりこれがGLAYだなと思える1曲。個人的にはまだその序章に過ぎない1曲だったという印象で5連続の中ではこれでも5番目にはなってしまう。
★★★★☆
16thアルバム『FREEDOM ONLY

青春は残酷だ

2021年6月25日(先行配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
5ヶ月連続配信第2弾。配信前日にシングル『BAD APPLE』、アルバム『FREEDOM ONLY』正式発売を告知。これに伴い、今作はアルバムの枠開放の形で配信され(配信サイトによっては単曲に分けられている)、ジャケットもアルバムと同じものが使用され、公式ニュースで告知をするのみで公式ディスコグラフィーには非掲載となった。

50歳を前にしたメンバーが改めて青春を振り返る眩しさと懐かしさに満ちた楽曲。残酷という言葉も深刻な響きではなく、今思う遠いあの若き日のノスタルジーといった風情なので重くはない。一緒に年を重ねてきたリスナーほどどこか響くところがある1曲になっているのではないだろうか(逆に20代の新規ファンがこの曲にうなずいていたらちょっと老成し過ぎている感も…)。

『FREEDOM ONLY』においては中盤過ぎから「BAD APPLE」に合わせたようにバンド色の薄い「Into the Wild」系の曲が続いた後、終盤にこの曲が来て一気に前半の空気に戻るので一際印象に残る。
★★★★☆
16thアルバム『FREEDOM ONLY

BETTY BLUE

2021年7月30日(先行配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
5ヶ月連続配信第3弾。22日にシングル『BAD APPLE』の特設サイトも公開されて、シングルのプロモーションが始まるような段階でシングルには入らないその先のアルバムからの先行配信として配信されたのでやや影が薄い感じに…。前作同様にアルバムの枠開放の形で配信され(配信サイトによっては単曲に分けられている)、ジャケットもアルバムと同じ、公式ニュースで告知をするのみで公式ディスコグラフィーには非掲載

ゲストボーカルとしてAwesome City ClubのPORINが参加。コーラス参加ではなく、大サビ部分で単独ボーカルを担当。アルバム特典映像にもなった船上ライブ映像でもこの部分で登場して歌唱しているが、それ以外に全く出番がないため、PORINさんこの1ヵ所歌唱のためだけにわざわざ乗船して長い待ち時間(ずっと見学)だったのだろうか…と余計な事が気になってしまった。

イントロのピアノ、ベース、気持ちよく鳴り響くギター、極上のメロディー…と全てが噛み合った名曲。久々に全てにおいてこの曲凄い好きだなぁ…と単純に思った。配信時には聞いていなかったのと、10月6日発売のアルバム1曲目、PORINが歌う部分に”秋の空”という言葉がある事と曲調も相まって暑い空気が消えさった涼し気な風が吹く秋空が浮かぶ1曲として印象付けられた。終わりなき制限が続き2021年秋の空を見上げた時の空気感と共にある1曲。
★★★★★
16thアルバム『FREEDOM ONLY

59th BAD APPLE

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2021年8月18日
アルバムに先駆けての5ヶ月連続配信は5月21日に第1弾「FRIED GREEN TOMATOES」、6月25日に第2弾「青春は残酷だ」を配信したがその前日に今作の発売とアルバム発売が正式発表された。7月30日に第3弾「BETTY BLUE」が配信されたが…この辺りを最後に5ヶ月連続配信の話が曖昧になり、今作とアルバムの宣伝ばかりが続くようになってしまい第4弾が何だったのかちゃんと発表されていない。どうやら「BAD APPLE」単独で連続配信第4弾にも該当した事になったらしく(C/Wはアルバム未収録)、9月24日に「祝祭」を先行配信した際には“先行配信第五弾”とひっそり書かれていた

CDシングルにおいてサブタイトルや表記違いが無い単独曲名タイトルとしては2013年の『JUSTICE [from] GUILTY』『運命論』以来

DVD付にはMV&メイキング、GLAY「FREEDOM TALK」前編、「日比谷音楽祭2021」から3曲のライブ映像を収録。

BAD APPLE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&トオミヨウ&亀田誠治
ここ10数年でどこにでも回り込んでくる引手数多な同業者に大人気のアレンジャーとなったトオミヨウだが、TERUが仕事をしたいとFacebookでDMをして直々に依頼して起用が決定。今作はほぼトオミヨウのアレンジとなっているようだが、亀田誠治が他のアレンジャーを起用しても常にくっついている状態となっており、トオミヨウと亀田誠治がアレンジャーとして一緒に並んでいる世にも珍しいクレジットになった。トオミヨウはリズム隊を中心に基本的に薄味のアレンジをするのが特徴で、これは亀田誠治含む大ストリングスバラード時代の盛り盛りこってりアレンジと真逆のような作風。ミュージシャンがこぞってトオミヨウを求めるようになったのはそういった時代の反動のようにも思えるが、よく言えば繊細だが、しかしリズム隊がお留守になりがち、軽くなりがちで地味に感じられてしまうところもあり、正直そんなに凄いアレンジャーだとも思えなかったりはする。多忙というのもあるので1度きりになったのかもしれないが、他のミュージシャンは1度起用するとその後も連続起用しているので1回ポッキリになったという事はGLAYにとっては新鮮ではあったけど、継続起用するほどではなかったという事なのか。まあバンドよりソロミュージシャンが重宝しがちだしな…。

2020年春以降の変異した世界線が多分に反映されたような深く考えさせられるような1曲。感情は置いて事象として曲を書き上げるという考え方で書かれた曲らしく、とても客観的な視点で当時の現実が描写されているように思う。あまり好みのアレンジではなかったが、時代の記憶と共に言葉が突き刺さる久々に残るシングル曲になった。

この後『FREEDOM ONLY』発売1ヶ月ほど経過した11月にYouTube「THE FIRST TAKE」に初出演しトオミヨウを招いての「Winter,again」を披露、もう1曲に今作が選ばれ、12月にこれらの音源が配信音源化されている。
★★★★☆
16thアルバム『FREEDOM ONLY

C/W SHINING MAN

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&DJ Mass&REO&亀田誠治
当初アルバム収録予定だったがちょっとアルバムとは違うという事で外されたというデジロックナンバー。確かに『FREEDOM ONLY』に入っていても合わない…。Aメロの前のウワウワウワウワはTERU本人がウワウワウワウワ言ったのをエンジニアが絶妙な加工を施して仕上げたものと明かされているが、妙なところに強いこだわりを見せていてちょっとヘンテコな印象でもある。「BAD APPLE」が当時そのままなのに対して鬱屈とした当時の世相を吹っ飛ばすようなヤケクソ気味な勢いはあるのかもしれない。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W シューゲイザー(Gray Crow Mix)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&DJ Mass&REO&亀田誠治
HISASHIが2015年に藍井エイルに提供(11thシングル)した曲のセルフカバー。4月29日のHISASHIプロデュースの配信ライブ「HE ENTERTAINMENT STRIKES BACK RESONANCE vol.3」でのライブ音源。藍井エイルバージョンのアレンジに参加していたDJ Massが引き続き参加している。ライブ音源だが無観客で実質スタジオライブ1発録音みたいな歓声も拍手も何も入ってない音源なのに加えて、さらにこれを差し替えたりなんだり加工して仕上げているので全くライブ音源っぽくは聞こえない。藍井エイルバージョンよりもHISASHIっぽいサイバー感が増しており、TERUが歌う事でGLAYのHISASHI曲以外の何者でもない他者が歌っているのが想像できないくらいGLAYのHISASHI曲になっている印象。
★★★☆☆
スタジオ音源未発表/Gray Crow Mixアルバム未収録

C/W 妄想コレクター(HSMS Reconstruct Ver.)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&DJ Mass&REO&亀田誠治
2014年のアルバム『MUSIC LIFE』収録曲。これも4月29日の「HE ENTERTAINMENT STRIKES BACK RESONANCE vol.3」でのライブ音源とされる。原曲はHISASHI曲の中では割とロックナンバーっぽいアレンジだったが、今作は最後のサビでテンポアップするまではまったりしたアレンジで進行し、バンド色が大幅に排除されて打ち込みデジデジ感の強い仕上がりに。
★★☆☆☆
HSMS Reconstruct Ver.アルバム未収録

C/W Angelus(3Xdecade Boost Mix)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&DJ Mass&REO&亀田誠治
1991年のデモテープ『Angelus Bell』収録曲。3月27日の「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK 魁☆照男達(シャイニングメン)」でのライブ音源。デモテープ時代の曲なので元の音源を正規の手段で入手/視聴する事はできない。TAKUROからライブで演奏するのでアレンジを頼まれたが当時の音源が既に手元に無かったので動画サイトで探した音源を元にコード分析したと明かしている。そのライブ音源のままだと打ち込み多めの前2曲に対してドラムが生過ぎて混ざらないんじゃないか?という理由で当初7:3の比率だったドラムとMassの音とのバランスを変えて、RESONANCE vol.3の方向に寄せてもらうように加工したとされる。3Xdecade Boost MixというネーミングはDJ MassによるものでHISASHIも良く分からないと語っており、HISASHIが分からないなら他のメンバーはもっと分からないし、提示されるリスナーが分かるはずもない。

インディーズ時代っぽいロックナンバーだが、当時メンバーが憧れていたBOØWYだとかXだとかの雰囲気を併せ持った感じだろうか。
★★★☆☆
アルバム未収録

祝祭

2021年9月24日(先行配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
5ヶ月連続配信第5弾。シングル『BAD APPLE』のリリース辺りから連続配信は曖昧になっていたが、今作は9月18日に配信を告知した際に”リード曲「祝祭」の先行配信”とタイトルにあるが、告知文の中に“先行配信第五弾”とあるのでどうやら「BAD APPLE」が第4弾扱いだったらしい事が正式に判明。ただし配信当日の告知ではリード曲としか紹介されておらず、第5弾の文字はない。

表面的には平和への思いを歌った壮大なナンバー。ウクライナでの戦争が始まる前の時期で、この後戦争が始まって国内でも反戦・平和を祈る空気が高まった中でリリースされた「Only One,Only You」と違ってあの戦争の影響は受けていない状況で歌詞が書かれている。自粛警察という言葉が生まれるほど混沌としていた2021年、繰り返される緊急事態宣言とそれに似たまん延防止ナントカに人々がウンザリしていた終わりなき自由が制限された状況の中で、どこか自粛か自由かというあの状況下を争いに例えて表現したのではないかと思わせるところもあり、2021年の秋に特別な意味合いを持った曲としてとても響く1曲になった。名曲
★★★★★
16thアルバム『FREEDOM ONLY

Hypersonic

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
From 16thアルバム『FREEDOM ONLY
サビで”小橋の夢”と繰り返され、小橋という男の豪快・破天荒っぷりを歌った謎のロックナンバー。TERUの本名が小橋照彦である事はファンの間では常識で、TERUをそのままネタにしたというTERUの歌であり、100箇所でタダ(無料)のライブをやる事というのは90年代ブレイク直後の頃の実際の発言から来ているとされるがTERU本人は「あれは全部TAKUROが作った話」とコメントしている。“100万を2時間で使い切る”というのが本当なのかは謎だが、なんかやりそうだしそれが許される愛されキャラであるのがうまい感じに出ている1曲だと思う。
★★★★☆

60th Only One,Only You

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2022年9月21日
前作に続く単独タイトルシングル。C/W3曲のうち2曲「GALAXY」は5月25日、「クロムノワール」は6月1日にGLAY App限定先行配信、7月22日、8月26日には一般配信もされ、今作でCD化となった。

これまでDVD付、CDのみの発売だったが今作より新たにBlu-ray付でも発売を開始した。値段はDVD付と同じで、DVD付の発売も継続している。

Blu-ray付、DVD付には「Only One,Only You」Music Video、「祝!GLAYシングル60枚目発売記念「60枚振り返りコメンタリー」」、GLAY LIVE TOUR 2022~We♡Happy Swing~Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.から3曲のライブ映像を収録。加えて「祝!GLAY 60th シングル発売記念「シングル振り返りブックレット」 100P」封入。映像作品サイズ(トールケースサイズ)のスリーブケース&デジパック仕様。

注目すべきは「祝!GLAYシングル60枚目発売記念「60枚振り返りコメンタリー」」で映像ではなくほぼテロップ付ラジオ番組(メンバーの静止画にテロップが出るのみ)だが、歴代シングル表題曲を振り返っていくトーク番組で内容が薄い部分もあるが(後半の『G4』シリーズなど複数A面シングルでは1曲しか触れなかったり…)、興味深い話をたっぷり聞く事ができる。

Only One,Only You

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
TAKUROが今の世の中に対する想いと祈りを込めた、平和に対する強い願いが込められた曲。ウクライナでの戦争、そして終わらない自粛ムーブの果てに思う事…という感じで基本的に反戦の思いを歌いつつもおかしくなっていた世相への皮肉も感じ取れるような…。サビ前の“それでも僕らは息を殺し潜んでる やりたくはないがそれが正しいと教えられた 愛を盾に”って戦地に出向く兵士の思いを代弁しているように見せかけて、あの頃の異常な空気感と綺麗に一致する。そういう意味ではとても身近に感じられる内容ではあった。

ただシングルでの打ち込み路線はさらに進行。新しいと言えば聞こえはいいが、トラックメイカー色の強いバンド感皆無の仕上がりはどうにもしっくりこない。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W GALAXY/GLAY×80KIDZ

2022年5月25日(GLAY App限定配信)/7月22日(一般配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治&80KIDZ
最初のGLAY App限定配信の際はデビュー記念日に合わせての配信だった。「Into the Wild(80KIDZ Remix)」を担当していた80KIDZと新曲でのコラボ。80KIDZの要素が強い異色すぎるデジデジアップナンバー。実験のための実験コラボ曲といった装いだがこれのどこに亀田誠治が関わる余地があったのかは謎。リモート中心のこの時期にわざわざ一緒にスタジオ入りしていたのか、リモート会議にしれっと一緒に参加していたのか。きっとどこかに意見を入れてはいるのだろう…。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W クロムノワール

2022年6月1日(GLAY App限定配信)/8月26日(一般配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
テレビ東京系『WBS ワールドビジネスサテライト』テーマ曲。タイアップ的にもそんなに明るい曲とかロック系は求められない感じではあるけど、暗めな歌い上げバラード。イントロのストリングスが演歌・歌謡の世界すぎて驚く。この曲でもまたドラム打ち込みになってしまうなど、全員集合せずにリモート制作された感が凄い。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W WE♡HAPPY SWING (2022.7.31 幕張メッセ)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
7月31日に幕張メッセでファイナルを迎えたファンクラブ「Happy Swing」発足25周年アリーナツアー『GLAY LIVE TOUR 2022~We♡Happy Swing~Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』のために書き下ろしたゴキゲンなロックナンバー。ライブ音源だが当時声出し禁止真っ只中だったので、以前のライブ音源のような大歓声が皆無。よってスタジオでライブっぽく1発録音した音源のようにも聞こえる。また前作のライブ音源加工群とは異なり、ストレートなバンドサウンドをこのシングルで唯一聞く事ができるので安心感はあった。
★★★☆☆
スタジオ音源未発表/アルバム未収録

61st HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-

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2023年2月15日
変則的なタイトル表記の両A面シングル。曲名がサブタイトルで両A面表記になっているが、何故か実際の曲順は逆で「限界突破」→「THE GHOST」の順に収録されている。元々タイアップが同じTERU作の「限界突破」、HISASHI作の「Pianista」との両A面を計画していたが、JIROが制作していた「THE GHOST」のデモを聞いたTAKUROが激押ししたとされ、ツアーコンセプト/タイトル(The Ghost Hunter)にまでなった。このため「THE GHOST」は2023年のGLAYのテーマとしてタイトル表記上は最初に持ってきたという事だと思われる。

HC 2023というのはツアータイトル『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023』の略で、この年はツアーと作品を連動させてepisode 1,2,3と重ねていく手法が取られた。しかし新曲を詰め込み過ぎてシングルの基準4曲をはみ出したため次回作『HC 2023 episode 2 -GHOST TRACK E.P-』はEP、ミニアルバム扱いとなった。発表時はシングル、EP、ミニアルバムと同じページ内で形容が次々に変わり、メンバーはタイトルからしても今作から繋がらないと気持ちが悪いとして『HC 2023 episode 2 -GHOST TRACK E.P-』発売記念動画配信でも62枚目のつもりなどと最後まで抵抗していた。ツアーの最終公演を収録したライブBlu-ray/DVDが『HC episode 3 -GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost Hunter- in Port Messe Nagoya-』とepisode 3扱いとなり、完結。シングルで1、アルバムで2、映像で3と結果的に3媒体での三部作となりなんとなくまとまった感じには収まった。

限界突破

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&YOW-ROW
YOW-ROWがアレンジに参加し、いつもくっついてきた亀田誠治は不参加となった。HISASHIの曲かと思うほど打ち込み全開のデジロック系ナンバー。「BLEESE」以降の爽やかポップ路線から一気に変貌しつつあったTERUの作風だが、バンドの域に留まらない方向に一気に飛び立っていってしまったかのように限界突破してしまった。
★★★☆☆
アルバム未収録

THE GHOST

作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
1人ストレートなバンド路線を堅持していたJIROだが、ついにJIROよお前もか…的な打ち込みナンバー。TAKUROはJIROのこの変化を大絶賛しており、今作がツアータイトルになったり、2曲目なのに並びは今作を先にするなど2023年のメイン曲として押し出していたが…。実際には電子路線に開眼したのではなく、R&Bにドはまりして聞き漁っていたそうでその成果を出したのが今作らしい。JIROの新たなる挑戦としては面白くはあるけど、こぞって電子ナンバー連発はやはり馴染めない。

実は同時期に「シャルロ」も制作しており、どっちがいい?と2曲TAKUROにデモを渡したところTAKUROが「THE GHOST」を絶賛してシングルに決まったとされる。そして今作のような路線の曲も新たに制作していたが今作は越えられないとJIROが判断して提出せず、次のアルバムに向けては改めて聞いた「シャルロ」が良かったので再度提出したところ、TAKUROの中で『Back To The Pops』の方向性が決まったという。もしJIROが今作のような曲を書いてきたらそういうアルバムになっていたとも語っており、”R&B系に寄せるつもりで準備もしていた”とか”もし第二弾が出てきていたら、もっと硬質な、「whodunit」を広げたようなアルバムにしていた”と語っていたので、JIROの提出した曲次第でかなり違う展開になっていたと思われる。結果電子系ナンバーはほぼ未収録の『Back To The Pops』になったのだから、正直危ないところだった。R&Bというか電子系ばかりのアルバムだったらどう頑張っても個人的に無理だったと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

海峡の街にて

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
電子路線まみれになる中で安定の王道GLAYナンバー。2018年に「The Light of my life」としてライブで演奏していたが未発表のまま放置されていた曲を改題して音源化したものとされる。昔懐かしフォーク風味なメロディーラインも心地よく、このシングルの中では最も印象に残る。

次のアルバムが『Back To The Pops』で方向性が決まった事で、表題2曲ではなくこの曲だけがアルバム収録を果たすという大逆転となった。
★★★★☆
17thアルバム『Back To The Pops』

GONE WITH THE WIND (Gen 3)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
5thシングル両A面曲のリメイク。Gen3となっているのは1994年3月にコンピ盤『an Optic』に収録されたのが最初のバージョン、5thシングルが2バージョン目、そして今作が3バージョン目だから。他のメンバーはそうでもなかったようだが、HISASHIが佐久間正英と制作した5thシングル両A面バージョンのこの曲に昔から不満があったらしく、HISASHIの強い希望でリメイクが決まったとされる。新しいアレンジを作るというより、『an Optic』の最初のバージョンを今の演奏で再現するといった装いで、佐久間版への不満がよっぽどだったんだなと思わせるような”元の形に戻す”ような印象の仕上がり。
★★★☆☆
Gen 3アルバム未収録

Buddy

From 2ndミニアルバム『HC 2023 episode 2-GHOST TRACK E.P-
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』に続くEPシングルとして発売しようとしたHC 2023 episode 2-GHOST TRACK E.P-だったが曲を詰め込み過ぎたためシングルと認められず各種チャートでアルバム扱いとなってしまい、特設サイトの文章からもシングルの文字を抹消。メンバーは発売記念配信でも「気持ち的には62枚目のシングルのような気もするんですけどぉ…」「(61枚目から)続かないと気持ちが悪い」などと未練を残すような発言もしていたが、正式にMINI ALBUM扱いとなり、翌2024年のシングル『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』が62枚目扱いとなった。

既出シングルから収録曲が厳選された次のアルバム『Back To The Pops』には全7曲の中から今作しか収録されなかったが、そもそも『HC 2023』シリーズ2作から今作と「海峡の街にて」の2曲しか収録されなかった。リモート環境をフル活用した打ち込み中心のナンバーが非常に多く、『Back To The Pops』のテーマに沿わなかったという事だろう。

とはいえ、今作確かに久々にロックバンドしているGLAYを1曲目として聞ける曲ではあるが…肝心のサビメロが…2009年のB’z「MY LONELY TOWN」ほぼそのままなので引用感が強すぎる。「MY LONELY TOWN」名曲だっただけに今作もいいサビメロではあるんだけど気になってしまう部分ではある。それ以外は割と別の曲だし、トータルでは久々にバンド路線の表題曲でメインライターTAKUROへの安心感が改めて高まる。
★★★☆☆
17thアルバム『Back To The Pops』

62nd whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)-/シェア

2024年5月29日
『HC 2023 episode 2-GHOST TRACK E.P-』はEP/ミニアルバム扱いになってしまっても62枚目のつもり…とお気持ち表明していたメンバーだったが、今作が正式に62枚目のシングルとして扱われた。

GLAY EXPO limited editionは『Road to 「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025」』Blu-ray付、グッズ「GLAY EXPO ナップサック」付属。
CD+DVD盤は『Road to 「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025」』DVD付。
CD Only盤はCDのみ。

whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)-

作詞:TAKURO&JAY of ENHYPEN、作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
韓国人5人と日本人1人の6人組で2020年に韓国、2021年に日本デビューしたENHYPENのメンバーJAYをボーカルに招いてのコラボ作。JAYは韓国人メンバー5人の中では唯一アメリカ出身(ハーフではなく両親ともに韓国人で9歳頃に韓国へ移住したが韓国とアメリカの二重国籍とされる)で英語が得意だが、日本語もやたらと得意で日本での活動では他のメンバーがカタコトの中で唯一の日本人メンバーと共に流暢な日本語コメントをする場面が多かったとかで実際GLAYメンバーとも普通に会話している様子がMVメイキング映像でも伺える。

作詞はTAKUROとJAYの連名でデモの際に自分の好きな言語で歌っていいからそれで歌詞を書くようにお願いしたら日本語を選択したので驚いたとTAKUROは語っている。打ち込み主体っぽいデジタルナンバーだが亀田誠治が何でもやれてしまうためか、今回共同アレンジャーはそのまま亀田誠治。この手の作風ならトラックメイカー系のアレンジャーが入りそうなもんだし、2020年のPENTAGONとコラボした「I’m loving you」は編曲がGLAY&亀田誠治&DJ Mass&大迫杏子だったのに…。

JAYにとっては初のソロ活動で歌唱力を買われての起用のはずが冒頭から加工ボイスで始まり、しかもTERUまで合わせて加工ボイスになっていてサウンドもGLAYっぽくないので最初聞いた時マジで誰の曲なのかすら分からなかったTERUの声が聞こえないとファンにすら言われてしまうほど電子加工してしまう必然性が感じられず、しかも30周年を迎えた直後の記念作みたいなシングルがこれって…。コラボも今やるのかよというのは置いておいても。もっとちゃんとJAY氏の歌声を聞かせてほしかったとは思う。

JAY氏はギターを多数所有しているエピソードも伝えられており普段のダンスナンバーとは異なるロック方面にも関心があるのは確かと思われ、あちらさんに合わせに行かずとも30年培ってきた王道の生音ロックバンドの演奏でJAY氏の普段とは違う新たな一面を引き出すくらいの気概でも良かったのではないか。イントロのテッテッテッテテッテッテレレ♪の方が耳に残るんだよなぁ…。

6月8,9日にベルーナドームで開催された『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME』はファン投票で過去のライブからリバイバルして欲しいツアー/ライブを募集して1位になったのが1999年の通称”20万人ライブ”となり、基本セットリストは当時のままとなったが9日公演のアンコールにはJAYがゲスト出演して今作を生披露した。この模様が『Back To The Pops』DVDに特典として先行収録されたが、このライブの際はわざわざ生で歌唱した音源をその場で加工ボイス変換するとか、音源垂れ流し(禁術口パク)ではなく、普通に生歌唱同士のコラボとなっているが、どう考えてもそっちの方がカッコいい。スタジオ音源のロボトミー感はマジで残念。
★★★☆☆
17thアルバム『Back To The Pops』

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作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
今まであまり無かったようなAOR、シティポップのようなオシャレ風味なアレンジになっている異色楽曲。TAKUROが密かにずっとやりたかったシティポップ路線をTAKUROと亀田誠治主導で作って提示したところメンバーはみんなすんなり演奏してくれたという。やや印象には残りにくいが、王道ではない、しかし電子路線でもないこういう新しさなら十分にありだと思う。
★★★☆☆
17thアルバム『Back To The Pops』

SOUL LOVE(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』in SAPPORO DOME)
HOWEVER(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』in SAPPORO DOME)
彼女の“Modern・・・”(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』in SAPPORO DOME)
誘惑(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』in SAPPORO DOME)

2024年1~2月に開催されていたQUEEN+ADAM LAMBERTの日本ツアー2024年2月10日札幌ドーム公演にゲストとしてGLAYが出演、実質的に前座としてQUEEN+ADAM LAMBERTの前に1時間弱のライブを行い8曲を演奏。事前にヒット曲だけやると宣言していた通りに2000年までのヒット曲のみ8曲を演奏。

1.グロリアス
2.SOUL LOVE
3.サバイバル
4.HOWEVER
5.Winter,again
6.Missing You
7.彼女の”Modern・・・”
8.誘惑

この8曲の中から4曲のライブ音源が収録されている。今作の発売時期を考えたのか冬シングルが外されて、最大の代表曲扱いとなっている「HOWEVER」、2枚同時発売シングル「誘惑」「SOUL LOVE」、そして発売25周年が近く同じく25周年を迎える20万人ライブ時の最新シングルであった「サバイバル」…ではなく、鉄板のロックナンバー「彼女の“Modern・・・”」の4曲をチョイス。う~ん、「サバイバル」「Missing You」のライブ音源は聞きたかったなぁ…。

全盛期のヒットシングルが並ぶとやはり最新作が霞んでしまうのは否めない。特に今作のような今までにない方向性の新曲を並べたシングルで過去ヒット曲のライブ音源収録をやるとどうしても昔の方が良かったと思ってしまいがちだが、そうなるのを分かっていて潔くこの音源を並べたのは最大限のファンサービスといえるのかも。

当時と全く同じではないが、TERUはまだまだ原曲キーを維持できていてこれは十分に驚異的だ。
★★★★☆

会心ノ一撃

2024年7月31日(配信)
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&YOW-ROW
アニメ『グレンダイザーU』OP。HISASHI曲。HISASHIらしいデジタルサイバー感溢れるデジロックナンバー。ほぼHISASHIとYOW-ROWだけで打ち込みで制作したとされる。勢いはあるんだけどまあザ・電子路線って感じでHISASHI曲ならしょうがないかという気もする。他の3人までこういう音になってしまうとちょっと無いなと思ってしまうんだけど…。アルバムではいいアクセントになっていた。

『Back To The Pops』収録バージョンでは“王様だれだ?”の部分の音声が差し替えになっており、YouTuberの人の声(デモを作る時に入れていたコムドットとばんばんざいがコラボしたときの音声を許諾を得て正式に使用)になっているという。
★★★☆☆
配信ミックスアルバム未収録
17thアルバム『Back To The Pops』(ミックス変更)

BRIGHTEN UP

2024年9月18日(配信)
アルバム『Back To The Pops』からの先行配信。配信サイトによっては単曲枠ではなく、既出のシングルと共に『Back To The Pops』の枠開放の形で配信されていた。随分前から次のアルバムは王道のロックアルバムになるとインタビューで語っていたものの、電子路線のシングルばかり連投されていてどうなっているのかと思ったが、今作は予告に沿ったようなストレートな昔ながらのロックナンバー。前作以降の既出の曲の中ではアルバム収録予定の「海峡の街にて」と並んで安心できる1曲だ。

イントロは近年の電子サウンド路線の影響が残ってんな…と思ったんだけど、インタビューでは80年代のシンセ、イメージはもう完全にUP-BEAT、結局は佐久間正英のサウンドであるような旨が語られている。
★★★☆☆
17thアルバム『Back To The Pops』

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