12th SPY

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12th SPY

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1994年8月25日
ドラマタイアップ効果もあってか、「No.1」に迫る初動24.8万枚を記録して3作目の1位(初登場1位は2度目)を記録。さらに「No.1」を上回る推移で3位→4位→3位と上位で粘り、最終的に86.6万枚の大ヒット。通常時30万程度まで落ち着いてきていた中で、会心の一撃となり、ミリオン2作に続く3番ヒット作となった。

SPY

TBS系ドラマ『男嫌い』主題歌。平均視聴率は15%を割るくらいでヒットしたとは言い難く話題作でも無かったようなので主題歌がけっこう独り歩きしてヒットした感じだったのではないか。

デートが中止になり、ガッカリしていた主人公は街中で偶然彼女を見つけて運命を感じる。別の男と会ってたりして?なんてジョークを考えながら、こっそり彼女を尾行した主人公は当初スパイ気分で楽しんでいて1番は疑う様子なく終了する。2番も途中までは浮かれているのだが、サビ前に彼女は別の男とキスするのを目撃するとシャレになんないよ、と2番サビはそのままな内容。大サビでは恨みごとを述べ始めて”今僕を笑うやつはきっとケガをする”と第三者へ呪いまでかけ始める始末。最後のサビの”信じてる”連呼は本当に信じていた1番のものと言葉は同じだが意味合いが変わっていてほとんどヤケクソ状態。抱きしめた強さが”アザのように残ればいい”と呪う。物凄く悲惨なんだけど悲しいだけじゃないコミカルさもあるし、アレンジ自体も今までありそうでなかったようなまさにスパイな雰囲気が漂うインチキ臭い怪しさが実にグッド。ここで胡弓を入れて怪しさを倍増させているのが凄い。

当時の制作現場では胡弓を入れようとしている槇原を見てプロデューサー木崎氏が「コイツ大丈夫か?」と思ったという逸話も残されているくらいなので全体にノリノリで制作されたと思われる。呪いをかける大サビでは実際に怪しげな雰囲気が5割増しになるなど、歌詞もメロディーもアレンジも一体となった史上最強のスパイソング。それでいてポップソングとして聞いてて爽快な部分もちゃんとある。一旦落ち着いてきたところで新機軸を見せた会心のヒット作といえる。

なお『槇原敬之の本』ではほとんど今作には触れていないが、『歌の履歴書』では先の木崎氏困惑の話に続けて(この話だけならBOXリマスターの冊子でも語っている)、当時あまりにも混沌とした恋愛を経験してしまい、曲でも書かないとやってられねぇ!と思ったのがきっかけとされ、実話だったとしている。途中から面白がって書いたとまでしか本人のコメント引用にはないので“まったくの実話”というのは小貫氏の解釈と思われ、それこそ呪うくだりあたりは”面白がって書いた”ところで全てが実話とも思えないが…。

なお『PHARMACY』でも『SMILING』でも幸せ全開の曲の後にドカンとこの曲が来るという明らかに狙いまくった曲順で何とも言えない気分になる。この辺りも面白がってやっている部分だろう。
★★★★☆
5thアルバム『PHARMACY
1stベスト『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~
4thベスト『SMILING GOLD~THE BEST&BACKING TRACKS~
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』(「THE 10th ANNIVERSARY MEGA-MIX」の1曲)
8thベスト『Completely Recorded
9thベスト『Best LOVE
12thベスト『春うた、夏うた。~どんなときも。
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)
3rd配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2024″TIME TRAVELING TOUR”2nd Season~Yesterday Once More~』(Live)

C/W キミノテノヒラ

花屋に転職した友人を訪ねて再会する友情ソング。主人公は少し落ち込んでいる様子。友人は仕事上掌がひびわれてボロボロになっているんだけどとてもいい表情をしていてその充実ぶりを見た主人公は勇気づけられる。『歌の履歴書』ではカットされているが『槇原敬之の本』によると『SELF PORTRAIT』制作後に槇原は信じていた友人たちに裏切られ酷く傷ついたことがあったそうなので(具体的にどういうことがあったのかの記述はなく、「SPY」の話と同じなのかも不明)、時期的にもこの曲のストーリーも実話ベースの可能性もあるんじゃないかと思う。ただ歌詞は暖かいんだけどメロディーはいつものC/Wバラードといった印象。

長くアルバム未収録だったが『春うた、夏うた。』で救済された曲の1つとなったほか、2024年の”TIME TRAVELING TOUR”で披露された音源が配信されている。
★★★☆☆
12thベスト『春うた、夏うた。~どんなときも。
3rd配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2024″TIME TRAVELING TOUR”2nd Season~Yesterday Once More~』(Live)

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