Mr.Children 30周年シングル回顧6+~2015-2020~

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『REFLECTION』でセルフプロデュースに振り切り、小林武史抜きでの活動へと踏み出し、新たな可能性を探求し始めたといえるのがこの時期の特徴。新曲が出ない年も増えたとはいえ、その時々で新たなアレンジャーやプロデュースを迎えるなど比較的各時期ごとにカラーがハッキリしている。

2016年は新曲は無く、2017年はサポートも含めた新バンド「ヒカリノアトリエ」を結成してのライブ中心の活動を行う。作品としては朝ドラタイアップにもなりバンド名そのままでもある『ヒカリノアトリエ』のみとなり、関連ツアーで披露されたヒカリノアトリエとしての新曲は未CD化のままで活動が終わってしまった。

その次の2018年は今度はよりロックバンド色を強調した方向性に振り切り、『重力と呼吸』に至る。シングル「himawari」で弦一徹を招き、この時期になるとレコーディングにサポートキーボードSUUNYではなく、新たに世武裕子を起用し、ストリングスも含めて任せるようになっていた。小林武史を離れた直後は桜井と四家卯大が組む形でストリングスをやっていたがそのままではあまり変わらないと考えたのか、小林武史でもなく四家卯大でもないというストリングスは確かに20年近く経験していなかったわけで新鮮かつ探求し甲斐があったものと思われる。

続く『SOUNDTRACKS』では田原提案による海外レコーディングを決行。現地でSteve Fitzmauriceによるプロデュース、Simon Haleによるストリングスとブラスアレンジ、現地エンジニアによるミックスなど慣れ親しんだサウンドとはまるで違う仕上がりになりこれまで以上の驚きと新鮮さがあったようだ。新コロ騒動により都市封鎖になる寸前に帰国、アルバムは完成した。

ベスト盤の新曲では離れて以来の小林武史、そしてSteve Fitzmaurice、Simon Haleら『SOUNDTRACKS』制作陣という体制の異なる新曲2曲が収録されている。原点と新機軸の両方を打ち出し、50歳を越え30周年を迎えた今、あえて50年を目指す宣言のようなツアータイトル「半世紀へのエントランス」を掲げてこれからも活動は続いていく…。

2022.5~6 新規執筆
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録曲+独自追加で構成。
「2021」は元々無いので2015-2020とした。
NOWに属する新曲2曲は過去曲では無いのでいつかまたの機会に。

From 18thアルバム『REFLECTION』その2

B00UKPVEKA
15年6月4日
ベストアルバムで分断されて収録されたので『2015-2021 & NOW』に収録された2曲と独自追加した1曲はこちらで紹介。

fantasy

Produced by Mr.Children
BMWアクティブ ツアラーCMソング。Dripでは9曲目と地味な配置だがNakedでは1曲目を飾っていてリード曲の1つ。セルフプロデュースだが良く見るとキーボードのサポートとして小林武史が参加。あの小林武史がアレンジに参加せずにただのサポートキーボードとして参加して口を出さずにメンバーの指示通りに演奏するだけで帰っていくなんてことがあるのかは正直分からない。状況がややこしかったためか『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録時は思いっきり小林武史との共同プロデュース扱いに誤表記されてしまっていた。

『REFLECTION』の制作ドキュメントは初回盤DVDにもNHK『SONGS』のSPでも別映像が流されていたがメンバー4人が制作に向き合っている姿を基本としているため小林武史が現場にいた時の映像はカットされていて、今作のレコーディング模様は入っていなかったし、小林武史が『REFLECTION』の制作にどのように関わったのかは分からない。これは小林武史が現場を仕切っている以前のドキュメント映像とは違ってセルフプロデュースである事を強調する狙いもあったと思われるが…。

ロックバンドMr.Childrenが帰ってきたことを感じるバンド色の強いナンバー。歌詞も得意の前向きさを発揮しつつも現実にもがく姿を描くという得意の桜井節が炸裂。今作を最後に『重力と呼吸』時のインタビューでは”リスナーの想像力をあまり信用していないっていうか、もうきっとここまでのことを深く掘り下げて書いても理解しないだろうな、ただ通り過ぎていかれるだろうなっていうのがある”とか今のリスナーは中島みゆきの歌への免疫力が低いだのリスナーのレベルを勝手に低く想定してしまったためか、歌詞の雰囲気を変えてしまったのが残念だがこの曲は発売当時からずっと今を生きる人々のアンセムのような楽曲だと感じている。

前向きな言葉を並べてはいるんだけどこの曲ではそういった前向きな言葉をfantasyだと歌っている。誰もが進化し続けているという前向きな解釈に対しては”そんな願いを 自信を 皮肉を”とチクリ、”ありふれた前向きワードを並べた後の”そんな希望を”に続く言葉は“勘違いを 嘘を”ともっとストレート。しかし否定・批判しているわけではなくそこも受け入れて分かった上で”日常の中のファンタジーを”生きていこうという。これは今まではそこまで踏み込んでこなかったような内容だ。それこそあの人生の酸いも甘いも経験してきたMr.ADULTSの皆さんが歌っていてもおかしくない。気がつけばMr.ChildrenもみんなもMr.ADULTSの世代へと誰もが近づいているのだ。

映画の『REFLECTION』の印象から当初は「未完」がアルバムを象徴する1曲だと感じていたが、最終的に最も長く残る人生のテーマソングのようになったのはこの曲であると同時にNaked1曲目という事もあって、帰ってきたMr.Childrenという帰還のイメージも強い1曲になった。
★★★★★
18thアルバム『REFLECTION
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

FIGHT CLUB

Produced by Mr.Children
Naked,Drip共に2曲目。「fantasy」同様にキーボードとして小林武史が表記されているがプロデュースはセルフになっている2曲のうちの1つ。

冒頭の歌詞にあるように1999年のブラッド・ピット主演映画『Fight Club』を見て憧れていた友人がその後も仮想敵を見つけて戦い続けていた姿を振り返る視点で描かれている。“自分は特別だと言い聞かせた”のがラストでは“俺たちはもう特別じゃない”と認め、共に今を生きようと呼びかける。単に丸くなったり若気の至りとして片づけているのではなく、若かったでは片づけたくないとも歌い、大切な宝物だとも歌っている。この年月の積み重ねにグッとくる。

サウンド自体もガツンとしたロックバンド然としていてカッコいい。ギターが曲を引っ張り、覚醒した田原さんが窓際からメインバンドメンバーへと帰還した事も感じられる。ベスト盤収録にまで至る曲かどうかは難しいところだが結果的にはバラードまみれになってしまっただけにこういう曲を選曲しても良かったのではないかと思う。
★★★★☆
18thアルバム『REFLECTION

Starting Over

Produced by Mr.Children、Orchestration Arranged by 桜井和寿&四家卯大
映画『バケモノの子』主題歌。どことなく「足音~Be Strong」に近いものを感じる曲だがこの曲と「足音~Be Strong」の関係性はアルバムのライナー等でも細かく説明されている。元々今作がドラマ『信長協奏曲』の主題歌として、「Everything (It’s you)」や「終わりなき旅」のような曲をというオファーを受けて制作された仮タイトル「ノブナガ」の原型だったがしっくりこなくて結局破棄された。しかし破棄されたメロディーにまだ感じるものがあり作り直して今作になったので双子的な関係にあるという。

『バケモノの子』主題歌だから冒頭の歌詞がモンスターなのかと思うがタイアップ話が来る前、1度破棄したメロディーにこのフレーズが浮かんだ事で作り直していくきっかけになったとされている。タイアップはその後で決まったので偶然との事。何かが終わりまた何かが始まるという終わりと始まりの希望を感じられる1曲。再スタートを切ったバンドの姿とも重なる

これも十分にいい曲なんだけど前述のように双子的な関係にあるためかちょっと印象が被るのもあってもう少し時期が違ったり、別のアルバムに収録されていればもう少し目立つ1曲になっていたかもしれないように感じる。ベスト盤で「足音~Be Strong」と2作に振り分けたのは正解だった。
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

36th ヒカリノアトリエ

B01N97O2M7
17年1月11日
2年2ヶ月ぶりのシングル。前年に開催していたホールツアー『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』ではサポートメンバーも含めた演奏者全員をバンド”ヒカリノアトリエ”として演奏。今作にはバンド”ヒカリノアトリエ”による新曲「ヒカリノアトリエ」とスタジオライブ、ツアーのライブ音源を収録。これに伴い今作は別名義にはせずに一応はMr.ChildrenのCDとしてジャケットには表記してはいるが、Perfomed by Mr.Childrenではなく、Perfomed by ヒカリノアトリエと表記されていてブックレット内の写真にも8人全員が写っている。メンバーは以下。

桜井和寿(Vocal & Guitar)
田原健一(Guitar)
中川敬輔(Bass)
鈴木英哉(Drums)

SUNNY(Keyboards & Back Vocal)
山本拓夫(Saxophone & Flute)
ICCHIE(Trumpet)
小春(チャラン・ポ・ランタン)(Accordion)

この別バンド設定はベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』でも生きており、ベスト盤のクレジットにおいてもPerfomed by ヒカリノアトリエに続けてメンバー8名が記載されている…がよく見ると何故か1人増えており、しれっと西村浩二(Trumpet)が追加されている。ライブには参加していた模様。

続くホールツアー『Mr.Children Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ』もヒカリノアトリエで行われ、ヒカリノアトリエでの新曲「お伽話」「こころ」も発表されていたため、更なるヒカリノアトリエでの活動やアルバム発売があるのかと思われたがなんとそれっきりとなり、ツアー終了を最後にヒカリノアトリエとしての活動は停止した。新曲「お伽話」「こころ」はライブ映像化されたのみでCD化されないままとなっている。

ブックレット一体型の厚紙ケース仕様。C/Wが大量収録されるのは初でほぼミニアルバムといえる内容だがO社の新曲4曲までがシングルという規定により新曲は1曲しか無いので余裕のシングル扱いとなった。

ヒカリノアトリエ

NHK朝ドラ『ぺっぴんさん』主題歌。前述のようにバンド”ヒカリノアトリエ”による楽曲。ロック路線から一転してとにかく優しい抑えめのサウンドが特徴。ギターに至ってはコバチルよりも存在感が薄くなってしまった気もするが、ストリングスは入れておらず、ピアノメインでも無いので特定の楽器だけが目立つような編成にはなっていない。バンド”ヒカリノアトリエ”8人で奏でている感も確かにある。そしてミスチルメンバーを中心としつつも別バンド感も強い。前後のツアーをバンド”ヒカリノアトリエ”で行いこれ以外の新曲も用意したのだから、バンド”ヒカリノアトリエ”としてのアルバムとまでは言わずともライブアルバムを兼ねた新曲と織り交ぜてのバンド”ヒカリノアトリエ”名義での作品は残してほしかったなと思う。Mr.Childrenの作品としては浮いた立ち位置になってしまった。

当初地味すぎて全く印象に残らなかったが、何度か聞いていると馴染んできた。Aメロ1は低音ボーカルからスタートしてAメロ2は低音とオクターブ上の高音のWボーカルとなる構成で全体にはキーは低めでサビでもさほど高音に無理がある感じは無いがライブでは早速半音下げで演奏していたようなので、Aメロからオクターブ上の高音を主メロで歌うとなるとちょっときつかったのだろうか。低い方はこれ以上下げると出しにくい気がするが…。

視聴者であれば朝ドラで毎日聞いていれば口ずさめるくらいの人懐っこさは感じられるようになっていったんじゃないかと思うが、朝ドラ見てないライトリスナーだと馴染む前に聞くのを辞めてしまいそうな感じでヒット曲としては正直ほとんど認知されなかったのかなと思う。

『重力と呼吸』は一転してロックバンドとしての側面を強く打ち出すこととなったためヒカリノアトリエである今作は場違いでありアルバム未収録は必然だった。そのままヒカリノアトリエ展開が無かったためアルバム未収録のまま放置され、ベスト盤で初収録となった。
★★★☆☆
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

C/W つよがり(Studio Live)

9thアルバム『Q』収録曲のスタジオライブ音源。「ヒカリノアトリエ」8名だけで演奏している。ピアノとストリングスがメインというコバチルの原型となったのが原曲であったが、今作においてはストリングスはメンバーにいない。アコーディオンの音色がキーボード代わりにもなるし、ストリングス代わりにもなるというところはバンド、特に桜井にとって大きな発見だった模様。大きくイメージが変わってはいないが、アコーディオンの音色により前とは少し違う別バージョンになった。
★★★☆☆

C/W くるみ(Studio Live)

25thシングル両A面曲のスタジオライブ音源。こばみくるみ-for the Film-幸福な食卓」以来2度目のリメイクとなるが元々アコーディオンっぽい音色が響いていたので今回はほぼ原曲に戻したような雰囲気。なのであまり変化が無いが、当時よりマイルドで優しく歌っているのと、一部歌い回しの変更、特に1番最後のフレーズの音程を下げる改変をしたところなど変わった部分もある。
★★★☆☆

C/W CANDY(Studio Live)

12thアルバム『I♥U』収録曲のスタジオライブ音源。またバラード、しかも前2曲ほどの人気曲ではなく地味なのが3連続バラードという配置の悪さもあり、もっと他の曲が良かったなとは思ってしまう。
★★★☆☆

C/W ランニングハイ(虹 Tour 2016.11.7 FUKUI)

27thシングル『四次元 Four Dimensions』収録曲のライブ音源。このバンド編成による影響で原曲よりも随分ポップ寄りな楽曲に変わった印象。
★★★☆☆

C/W PADDLE(虹 Tour 2016.10.14 KUMAMOTO)

11thアルバム『シフクノオト』収録曲のライブ音源。ベスト盤にもスルーされライブでも定着しなかったという曲だがまさかの披露&収録。今作の中では最も田原さんがギターをジャジャーンと弾いていてロック色が強く、観客が随所を合唱してライブらしい盛り上がりが出ているテイク。とはいえ原曲に比べると1人ではギターが足りない感じが…。
★★★★☆

シークレットトラック

7曲目が25周年に引っかけての25秒の無音トラック。8曲目に「Over」(4thアルバム『Atomic Heart』収録曲)の1番弾き語り+曲にまつわるロングMC+2番以降弾き語り。弾き語りなので桜井のみ。参考にしたという「Alone Again (Naturally)」の説明をして織り交ぜて歌唱しているため、そちらの権利表記もされている。
★★★★☆

37th himawari

B0719SKQWM
17年7月26日
半年ぶりのシングル。ヒカリノアトリエ展開は1作限りで終了し、再びMr.Childrenに戻っての新作。C/Wにヒカリノアトリエ名義でのツアー音源が収録されたため、これら3曲はPerfomed by ヒカリノアトリエとされている。

前作を踏襲した厚紙ケース仕様だが初回盤DVD付でも発売。DVDにはレコーディングドキュメントと25周年記念日の5月10日名古屋公演での「君がいた夏」ライブ映像を収録。DVD盤面(記録面)に特殊加工が施され、ジャケットのひまわりのイラストと目をつぶった桜井の顔が浮かび上がる仕様となっている。

himawari

Orchestration Arranged by 桜井和寿&弦一徹
映画『君の膵臓をたべたい』主題歌。力強いバンドサウンドとストリングスが融合したロックバラード。弦一徹を起用したのはアルバム『BOLERO』以来となり、今作に関しては初回盤DVDでいつもとは違うストリングスの入れ方にしようと弦一徹に説明している様子や、メンバー3人も各々の演奏をどうするかに向き合い、田原さんがしっかり意見してレコーディングに挑んでいく姿も記録されていた。それだけの事はあり、コバチルバラードとは一線を画すロックバンドMr.Childrenの新たなバラードが生まれたといった印象。

タイアップ先の映画が死を扱った内容である事も重なって歌詞もやや重くそんなにお気軽に聞ける感じの曲でもないが、バラード続きの中でも力強く響き渡る傑作だと思う。

『重力と呼吸』収録時はどことなく音の質感や1番サビ終わりの“恋してた”にわずかな余韻がある(シングルは無い)など微妙に変わっているように聞こえ、こっそりアルバムバージョンになっている模様。ベスト盤も恐らくアルバムバージョンと思われる。ただしベスト盤収録時はリマスターで音圧を落としているので同じボリュームで聞くとややおとなしめに聞こえる。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
19thアルバム『重力と呼吸』(表記は無いがアルバムバージョン)
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』(『重力と呼吸』Ver.)

C/W メインストリートに行こう(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)

3rdアルバム『Versus』収録曲。この曲の作曲が桜井と小林武史の共作なので、今作にはこの部分にだけ小林武史の名前が記されている。ブラスが目立っていた曲だけにヒカリノアトリエのメンバーにブラス2名がいるというのはピッタリだったと思う。
★★★☆☆

C/W PIANO MAN(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)

13thアルバム『HOME』収録曲。ジャジーな楽曲でこれも元々ストリングスではなくブラスアレンジを効かせた曲だったので、ヒカリノアトリエの楽器構成がハマっている。なおこの音源には参加していないのでPIANO MAN=小林武史ではない。
★★★☆☆

C/W 跳べ(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)

12thアルバム『『I ♥ U』収録曲。歌詞に突如みのもんたが登場するハイテンションな謎曲…というヘンテコな印象しかなかった。前2曲と違い、元々無かったブラスが入る、サビでとっべぇぇぇぇぇ♪の後に入っていたリリクセーヨリリクセヨというコーラスを誰もやってないのでオリジナルとは印象が違う。今作リリース時はまだレギュラーがあったがその後みのもんたは一気にTVから消えていったのでいつかこの歌詞の「みのもんたって誰?」とか言われるようになるのかもしれない。かつておりも政夫って何?と我々の世代が思ったように…。

ここまでの3曲は表記は無いが、5月12日三重県文化会館でのツアーファイナルのライブ音源と事前に発表されている。
★★★☆☆

C/W 終わりなき旅(2017.4.23 YOKOHAMA)

15thシングル。ONE OK ROCKのツアー「ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR」横浜アリーナ公演にゲスト出演した際のライブ音源。ほぼ原曲通りの演奏だが、今作の発売より前に某ジャムのミスチル特集で普通はこうするのにとギターで実演しながら止まらない歩みを表現するためにギターストロークし続けていると某氏(コードネームみん杉)が自説を展開していたのを見た直後だったので、いや”普通はこうする”方の弾き方に桜井さん変えちゃってるよ…?とかなり複雑な心境になった思い出。
★★★★☆

C/W 忙しい僕ら

編曲:世武裕子
C/Wで唯一の新曲。編曲はバンドではなく世武裕子。2015年のツアーで披露されるもCD化されていなかった未発売曲。寸分の狂いなくピアノストリングスバラード。これに関しては小林武史が参加していた末期とあまり印象は変わらないが別の人と組んでストバラをやったら?という試みの答えの1つとしては興味深い音源ともいえる。しかしパッと聞きいつものピアノストバラすぎてなんとも…。
★★★☆☆

シークレットトラック

前作同様に7曲目は25秒の無音トラックを経て8曲目に収録されたシークレットトラック。収録されているのは「ファスナー」
10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』収録曲。元々スガシカオを意識して書いたという楽曲で、映画DVD『Split The Difference』ではスガシカオと共演したほか、2011年にはスガシカオが自身のアルバム『SugarlessⅡ』でカバー(ゲスト桜井)も行っていた。2017年5月6日さいたまスーパーアリーナでの「スガシカオ 20th Anniversary スガフェス!~20年に一度のミラクルフェス~」での共演ライブ音源のため、スガシカオがメインボーカルとなっているがこっちがオリジナルなんじゃないかと思うほどハマっている。曲終わりのスガシカオのテンションの高さがちょっと面白い。
★★★★☆

配信 here comes my love

B08JCG5JWD
18年1月19日
Orchestration Arranged by 桜井和寿&世武裕子
ドラマ『隣の家族は青く見える』主題歌。初回放送翌日に配信された通算では7作目の配信シングルで現行単独配信継続作としては「放たれる」に続く2曲目またストバラとバラード続きな印象は拭えずファン以外には最早区別もインパクトも無かったかもしれないが今作では「忙しい僕ら」で起用した世武裕子を起用森俊之のピアノ、室屋光一郎ストリングスにブラスアレンジも加えるなど演奏者に変化をつけようとはしている。またピアノ始まりで小林武史いなくなってもまたこのパターン?と思わせた直後にガツンとした力強いバンドサウンドが始まり、バンドが前に出ているのも印象的でコバチルバラードとは一線を画す。バラードの中でもバンドの存在感を出しつつそれでもメロディーは最優先するというような試行錯誤が伺える。この演奏のメリハリが無かったら長さもあってけっこう退屈になっていたかもしれない。

個人的にバラード連投するなら最低限このくらいのバリエーションは持たせてほしいところではあるが…しかし何故ドラマ映画サイドはこうもミスチルにバラードばかり要求してくるのか。正直けっこうな悪循環になってしまっていると思う。
★★★☆☆
19thアルバム『重力と呼吸
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

From 19thアルバム『重力と呼吸』

B07G3P28DX
18年10月3日
前作では過渡期でまだ小林武史の参加もあったので完全セルフプロデュースによる小林武史が一切参加していない初のアルバム。力強いロックバンド色が最大の特徴となっている。コンセプトに合わないためか朝ドラ主題歌として使用されていた「ヒカリノアトリエ」は未収録となった。

1種発売でスリーブケースに入ったデジパック仕様。DVD付もなかったが何故かプレイパス経由で期間限定で「here comes my love」「Your Song」「Your Song (Ordinary Story)」「SINGLES」のMVが見れる視聴コードが封入された。何故DVDにしなかったのかは謎。後でMV集として商品化するのを見越して取っておく算段だったのだろうか。

Your Song

アルバム『重力と呼吸』リード曲としてMVも制作されて先行公開されていた。鈴木のカウント、桜井の叫びと力強いバンドサウンドが炸裂するロックバラード。終始中低音で攻めていて全体に重さがあって聞かせる雰囲気。高音で伸ばしていく曲では無いのでパッと聞きはやや地味ではあったが、聞き込める1曲。このアルバムではストリングスアレンジだけでなく、キーボード奏者として一部の曲以外に世武裕子がほぼ全面参加していてこの点でも新たな試みだったといえる。…が、どうもそんなにウケが良かった形跡が無く、やれメロディーが弱いだ言葉が弱いだという声の方が大きかったような…。
★★★★☆
19thアルバム『重力と呼吸
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

海にて、心は裸になりたがる

意外と今まで無かった90年代~00年代の若手ロックバンド(要するにギターがメインで電子音主体になる前のロックバンド)のようなストレートなビートロック系ナンバー。LINDBERGとBUMP OF CHICKENが合わさったようだと桜井がコメントしていたが、まさかこの年にしてこんなやってこなかったような方向性をやってくるとは思わなかった。どうしても近年バラードばかりな印象が強いのでこのガツンとした勢いがたまらない。今どころか全史通してミスチルに望まれている方向性なのかというとどうなのかとは思うが、これはこれで凄く好きだなぁ…。セルフの賜物だろう。あわよくばたまにはリード曲やシングル表題曲としてこういうのを前面に出してほしいところ。

頻繁に出てくるウォーオーの部分を観客が気兼ねなく叫べる日は日本ではいつになるんだろうか。なし崩し的に形骸化していくんだろうな。
★★★★☆
19thアルバム『重力と呼吸
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

SINGLES

B07G3P28DX
18年10月3日
ドラマ『ハゲタカ』主題歌。18年夏クール(7~9月)のドラマだったがここでようやく音源化。冬クールでは「here comes my love」がドラマ放送開始翌0時配信開始だったので今作もそうなると期待して0時を待っていたファンも多かったと思われ、先行シングルも兼ねて配信すれば良かったとも思うがアルバム収録が決定してすぐ間近だった事と配信には消極的だったのもあるのか。躍動するバンドサウンドにはアルバム全体の一貫した力強さを感じるし、それだけでもおつりは来るんだけど、メロディーが個人的にあまり残らず、そんなに印象に残っていない曲の1つではある。さすがにこの時期になってくるとベスト盤選出曲でもちゃんと覚えてない曲も増えてくる。
★★★☆☆
19thアルバム『重力と呼吸
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

皮膚呼吸

2017年7月docomo 25th AnniversaryキャンペーンCMソングに未発表曲DEMOとして提供していた楽曲の完成版。正直そんなCMが流れていたの知らな

アルバム最終曲だがバラードではなくバンド主体のミディアムナンバーで最後まで方向性を統一しているためアルバム全体のロック色が強く印象付けられる。普通以上にはいい曲だが、わざわざベスト盤に収録するほどでは無いように思うが、曲数が少ないからなぁ…。「SINGLES」もこれも演奏はいいんだけど今回聞き返すまでどうにもあまり覚えてなかった。ただ改めて聞いたら当時よりは良さを感じられた。
★★★☆☆
19thアルバム『重力と呼吸
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

38th Birthday/君と重ねたモノローグ

B083NHGLZ1
20年3月4日
2年ぶりの新曲。映画『映画ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌で映画に合わせての発売のつもりだったが新コロ騒動が始まったため映画が延期になってしまい曲だけ先にリリースされた。当初は公開未定、結局8月に公開された。

全面真っ青で何も書かれていない紙ケース仕様。ビニールにタイトルやら社名等の必要事項が表記されたシールが貼ってあるが何故か両面にまたがるように巻き付けてあるため非常に分かりにくく、わざわざ“『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の主題歌です。”と説明書きもされているが、これも両面にまたがるように書かれているため読みにくい。手に取って見ないと何が書いてあるのかもよく分からないようになっているのでとりあえず手に取らせようと試行錯誤した結果こうなったのかは謎。片面に貼れば良かったのを発注ミスしたようにしか思えないが…。

ロンドンレコーディングである事が公表され、『SOUNDTRACKS』へと続いていく制作体制。2曲ともMV制作も無く、TV出演によるプロモーションも無く、肝心の映画も延期となり、固定ファン以外が買う要素が皆無な事実上ノンプロモーションな状況でついに初動どころか累計10万割れを記録。30万以上を叩き出したJO1に大差で及ばずの2度目の初登場2位となった。

なお今作発売間もなく海外に行き来するのも困難な状況となったが、この時期まで海外レコーディングをしていてギリギリでアルバム制作を終了して帰ってきていた事が『SOUNDTRACKS』発売時に語られており、今作発売時には既にアルバムがほぼ完成していたようだ。

Birthday

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale

映画『ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌。ポジティブでアップテンポな楽曲は過去にもあったが海外プロデューサーを招いての制作によりアレンジがかつてない方向性に。ストリングスまで入っているものの音数は非常に少なく抑えたサウンドで展開していく。徐々に盛り上がりを見せていくものの、盛るのではなく引きの計算が緻密に施されたようなアレンジは良く聞くと確かにバンドサウンドもストリングスも1つ1つが聞きとりやすく共存しているのが分かる。ただ期待しているようにはドカンと行かないままに終わっていってしまうので正直かなり物足りなさを感じてしまうところもある。パターンとしては2番になってもう少し本格的にバンドがインして盛り上がっていくものだと思うが“抑えた1番”みたいなアレンジのまま最後まで抑えっぱなしというのは新しい。

率直に音がスカスカといえばスッカスカだ。ドラムがいつもよりも相当軽いのが聴感としては1番スカスカ感に繋がっているが、ギターも結局盛り上がってもほぼテレテレテレテレ鳴っているだけ。『重力と呼吸』の後だけに落差が恐ろしい事になってしまいもう少しドカンと来て欲しかったところはある。

それでもシングル表題曲で久々のアップテンポ。十分に新鮮さもあった。どういうわけかMVすら作らなかったのはどういうことなのか。タイミング的にはまださほど制限なく作れたはずだが…。
★★★★☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

君と重ねたモノローグ

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale

映画『ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌。W主題歌として前例のない謎の扱いでどういう使われ方なのかという答えは公開延期になってしまったので夏まで謎が長引く事となってしまったがどうやら本編で2曲流れてエンディング曲としては今作ではなく「Birthday」だけ流れたそうなので、今作に関してはほぼ挿入歌だった模様。それって『夢幻三剣士』の「世界はグー・チョキ・パー」「夢の人」の関係に近いんじゃ…。ただ今作の方が映画のシナリオを見て最初に書き下ろしたそうなのでより映画に合わせているようだ。

穏やかなバラードだが前述の抑えめサウンドのためあっさりしたまま5分半展開して終了するかと思いきや突如陽気にテンポアップして延々と演奏が続いて徐々にバンドがフェードアウトしてストリングスが残って…と随分と時間をかけてフェードアウトするんだなと思うとまたフェードインしてバンドが戻ってくきてから意外と最後はあっさり演奏終了…とアウトロがダラダラと2分近く展開するため、総尺が7分半を突破。史上最長シングルA面となった。

だいぶ映画に寄り添わせている事もあって普通に聞いてもあまりハマる部分も無く、とりあえず長い。アウトロの謎のテンポアップや変な終わり方も意味深なだけで実は遊んだだけみたいにも思えてくる。ベスト盤未収録になってしまったが長すぎて収録の余地がなくなるのが唯一にして最大の理由か。
★★★☆☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS

配信 turn over?

B08H8DNJMR
20年9月16日
Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
半年ぶりの新曲。3ヶ月後に『SOUNDTRACKS』に収録されてCD化。

ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』主題歌。新コロ騒動により春ドラ枠の『私の家政夫ナギサさん』が放送延期からそのまま夏ドラ枠にスライドし、今作は本来は秋ドラ枠にずれ込む見込みだったが撮影途中の7月に三浦春馬が自殺、3話までしか制作できず、4話を最終回として三浦春馬不在のまま帰ってくるのを待つストーリー展開に書き換えて完結させたため、全8話が全4話となり9~10月に放送、10月~12月で秋クールドラマを放送してズレていた放送枠は元に戻った。

前作と同じ海外制作。初期を思わせる軽快ポップなラブソングを最新の制作体制でやってみたというハイブリッド感のある楽曲。いわゆるサビどこ系楽曲でもあり、一応のサビもそんなにガツンとしていないでさらっと流れていく。こういう曲を配信でもシングルで出してきたのは意外でてっきり「SINGLES」パターンにするのかと思ったが、さすがにシングルがバラードばかりなのは気にしていてバラードではない軽快な曲というのが決め手だったのかも。メロディーがいいというより雰囲気がポップでいいといった感じ。映画ドラマ系タイアップでバラードを要求されないというのも珍しくなってきただけにドラマ自体があのような事態になってしまったのは残念だ。ドラマでかかっている曲は物凄く軽快なのに三浦春馬がもういないのかと思うとマジで悲しくなってくるという不思議な感情を味わったのがドラマでの印象。

なおパーカッションがかなり印象的でJENによるパーカッションが…とかうっかりレビューしそうになるが、『SOUNDTRACKS』のクレジットによればパーカッションは現地ミュージシャンによる演奏で鈴木はパーカッションを叩いていない。

ベスト盤収録を外されてしまったが、バラード1曲外してこの曲を入れるだけでもだいぶ変わったと思う。
★★★☆☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS

From 20thアルバム『SOUNDTRACKS』

B08K933NB3
20年12月2日
田原さんの発案によりロンドンRAK StudiosとロサンゼルスSunset Soundでの海外レコーディングを決行、現地のSteve Fitzmaurice、そしてミスチルと近年関係が深いKen Masuiとの3者共同プロデュース、管弦編曲は全てSimon Hale、録音ミックスはSteve Fitzmaurice、マスタリングはRandy Merillが担当し、全て初関与となる現地スタッフで制作された。

ブックレットに1曲ごとにメンバー含めた演奏クレジットがあり、この仕様は初。いつもは一括クレジットでメンバー4人のクレジットは含んでいなかったが今作はメンバーもクレジットされているため、メンバーがその曲で何を演奏していて何を演奏していないのかがハッキリ分かるようになっている。桜井と田原、アコースティックギターとエレキギター、特に桜井のギター参加状況がこの表記方法だと詳細に分かるようになっていた。

初回盤には「”MINE” LIVE & Documentary of SOUNDTRACKS」と「Documentary film」MVを収録した初回盤AがDVD付、初回盤BがBlu-ray付。Blu-ray付属は初。またLIVE & DocumentaryとなっているがLIVEに該当する楽曲は実際にはスタジオライブですらない4人の演奏シーンのみで構成したMVのような映像になっていた。

DANCING SHOES

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale
Horns Arranged by Simon Hale

アルバム1曲目を飾り、「Brand new planet」「Documentary film」「others」と共に初回盤Blu-ray/DVD収録の“MINE”のライブ映像(実質ミュージックビデオで明らかにライブ音源ではない)にも選出されていたが、4曲の中で唯一ベスト盤には収録されなかった。ミディアム~バラード被りしまくる「others」を外してこの曲を入れた方がベスト盤の流れも良かったように思うが…。

海外レコーディング、新たな環境での今までとは全く異なる新たなMr.Childrenの音像を示すという意味でも攻めの姿勢の1曲といえる。ややダークな感じの曲調でイメージ的には『SENSE』の「I」を彷彿とさせるアルバムオープニングだ。結局バラードばかりという印象にはなりがちな中で少なくともそういったイメージからは確実にはみ出している曲だけにアルバム1曲目としてもいい役割を果たしていた。まあまず思ったのはシングルに続いて音が細いというかドラムが異様に細くね?という事ではあったんだけど…。それでも新しい何かが始まる予感漂う1曲目ではあった。ここからの「Brand new planet」の流れが本当にいい。
★★★★☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS

Brand new planet

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale

ドラマ『姉ちゃんの恋人』主題歌。秋クールのドラマでドラマ放送開始日に『SOUNDTRACKS』初回盤収録の今作の映像(実質演奏シーンのみのMV)を先行公開していたが、配信シングルや先行配信の形での音源のみでの配信はしていなかった。

ピアノストリングスがメインでサビは壮大に広がっていくが、サイモンアレンジによりこのアルバム特有の抑えた新鮮サウンド。良く聞けば新鮮ではあるが、さらっと聞いて引っ掛かりのある曲か、いつものミスチルと何か違うかというといつもより薄味だと答えるリスナーが多くはなりそうではある。1曲ではいいんだけど、特にリード曲「Documentary film」と正直けっこう印象被りしてしまっていてなんだか同じようなアレンジが連発されるアルバムという印象にはなってしまっていた。いくら抑えたとはいえやはりこのアルバム、ストリングスアレンジをやりすぎたのでは。

そんなわけで馴染むのに1年以上かかって当時はそこそこ以上の印象まで何度聞いても持っていけなかったが、久々に聞いたら改めて歌詞がいいなというところからようやく名曲に思えるようになり、「Documentary film」との区別もつくようになっていた。寝かす時間も大事だ。

宇宙規模だったり生命の終わりまで行ってしまう壮大な歌詞だが、宇宙規模で考えた時にふと今悩んでいる事が凄く小さな些細な事に思えて少し気が楽になる事がある。この曲はまさにそんな気分にさせてくれるような1曲だと思う。もう50歳を越えた彼らがそれでもなお”今なら遅くはない”と歌う。きっといつだってわずかでも未来が先にあるならば遅い事は無いんだろう。

音だけ聞いていると分からないがサビで出てくる“消えかけのかのうせい”は可能性ではなく“可能星”と表記されている。“消えかけの可能星を見つけに行こう”とか”新しい「欲しい」までもうすぐ”も欲しいが星にかかっていてなんだかとてもロマンティックだ。かつこんな時代にブックレットをしっかり見ないと分からない漢字変更を仕掛けるところもなんだかいいよね。
★★★★★
20thアルバム『SOUNDTRACKS
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

Documentary film

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale

実質的なアルバムリード曲。「DANCING SHOES」「Brand new planet」「others」と同じ実質演奏シーンのみのMVも制作されているが、正式なMV(南琴奈、南出凌嘉が主演していてメンバーは出ていない)も別途収録された唯一の楽曲。

ピアノストリングスがメインでしっとりピアノバラードで展開して早急にバンドがインするとサビにかけて壮大に広がっていく…と慣れてくるとだいぶ違うが当初「Brand new planet」とほとんど同じような印象だっや。今作がアルバムでは筆頭のリード曲という感じではあるけど…。残り時間を考えるような老いの描写もアルバムの特徴の1つとしてある。

2020年NHK紅白歌合戦に「GIFT」での2008年以来の出演となりこの曲を単曲フル披露した。今最も届けたい歌として現状へのメッセージも込めて披露する形を取ってはいたものの、ミスチルクラスの超大物が出てくれるとなればNHKも過去のヒット曲もやってくれとは言えなかったと思われ、あからさまな超特別待遇、出たばかりの新作アルバムプロモーションの一環という状態であった。ファンではない多くの視聴者は知らない曲だったと思うし、知っている過去のヒット曲に及ぶ印象も感じる事は難しかったというのが実際のところだろう。企画枠とはいえユーミンや玉置浩二が過去のヒット曲を歌い、その他常連勢も過去曲が多めで、東京事変でさえも新曲だけでなく昔の曲もメドレーでやっただけに、悪目立ちしてしまった。せめてもう少し発売から時間が経っていれば良かったけど出たばかりでファンの間でもまだ定着しておらず2020年の曲認識がほとんどない中での紅白歌唱は早かったのが正直なところだろう。結局その後この曲が代表曲的ポジションを獲得するならまだしも世間的にはさっぱりでファンだけが名曲って言っている状態に変わりがなかった事もあって、ちょっと悪手だったかなと。

紅白時点では正直名曲…なのか…?くらいの感じでまだ馴染んでいなかったので特別扱いのように歌う事に違和感があった。結果的にかなり遠回りになったが「Brand new planet」同様に少し時間を置いてやはり名曲だったという印象になった。
★★★★☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

others

Produced by Mr.Children,Steve Fitzmaurice for 365 Artists &Ken Masui
Strings Arranged by Simon Hale
Horns Arranged by Simon Hale

キリンビール「麒麟特製ストロング」CMとして4月より使用されていてこの最初のCMは中村アン出演だったが、20年8月に内村光良出演の「麒麟特製レモンサワー」、21年9月には続く内村光良出演の「麒麟特製辛口こだわりサワー」と継続使用され続け、2022年になっても引き続き使用され続けるなど息の長い起用だった。しかし2022年4月からの「麒麟特製レモンサワー」新CMには何故か08年のNHKオリンピックテーマ曲だった「GIFT」が起用された(歌いだし部分だけなので実質桜井と小林ピアノしか流れてないんですけどォォォ…)

落ち着いた大人のバラード。派手に主張して盛り上がるコバチルやJ-POP的なストバラではないサイスト(Simon Haleのストリングスアレンジ)の効果が存分に出ている…とはいえまったりバラードには違いなく、ギターなんかはどうしても窓際になってしまうピアノバラードではある。C/Wやアルバムに入っていれば隠れた良曲(過去の曲だと作風としては似ていないが存在感は「Heavenky Kiss」辺りの感じ)といったところか。ベスト盤選出は長期のCM起用ゆえとは思うが、過去4作のベストと比べると作品数の少なさからくる層の薄さが目立ってしまう上にバラードまみれな印象に拍車をかける。
★★★☆☆
20thアルバム『SOUNDTRACKS
6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW

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