反町隆史 25周年シングル回顧~1997-2000~

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反町隆史 25周年シングル回顧~1997-2000~

ジャニーズジュニアでの活動(この当時は本名の野口隆史名義)を経て1994年頃から現事務所研音に所属して反町隆史としての俳優活動を開始。連ドラへの出演を開始すると1997年冬クールのフジテレビ月9ドラマ『バージンロード』で和久井映見と共に初主演して大ブレイク、1クール開けた夏クールのドラマ『ビーチボーイズ』では竹野内豊とのW主演、主題歌も担当して歌手デビューを果たし、人気は一気に最盛期を迎えた。

1年後の1998年夏クールのドラマ『GTO』が自身最大級のメガヒットとなり、この時期は全盛期だった木村拓哉にも匹敵する勢いを見せていた。しかし99年1月クールの月9ドラマ『Over Time-オーバー・タイム』での主演(江角マキコとの共演)は共に前年ヒーロー(GTOとショムニ)を演じた2人が普通の男女のラブストーリーをやるという普通さが裏目に出て失速傾向に。以降も主演俳優としての人気は継続したものの高い視聴率はあまり出せなくなっていった。主演主題歌パターンも定着せずに結局歌手活動も99年には停滞し、00年を最後に終了してしまう。

結局歌手として残した作品はシングル5作、ミニアルバム扱いマキシ1作、オリジナルアルバム3作、ベスト盤は現役時代に1作、終了後に2作の合計3作。2015年~2022年までは『相棒』に出演していて他作への出演は減っていたが、今後の新たな活動にも期待が高まる。近年は赤ちゃんが泣き止むという「POISON」ネタにも公式に反応を示しているが、歌手活動にもう1度目を向ける事はあるのだろうか。『相棒』で長く共演していた水谷豊も2008年に50代半ばで歌手活動を再開した事があったり、50代を迎えてもう1度という可能性もなくはないと思うが…。

当時の購入状況としては今回取り上げるシングルは全購入(1stだけレンタルのち中古購入)、アルバムはレンタルで聞くという聞き方をしていた。

2012年に旧過去曲回顧での「反町隆史 シングルレビュー」を2022.7全面改訂

1st Forever/反町隆史 with Richie Sambora

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97年7月30日
人気が頂点に達していく中での月9主演主題歌歌手デビューは大きな話題となり、発売前後のスポーツ紙では70万枚突破!とか出荷枚数らしき派手な煽り記事も踊っていた記憶があるが(当時O社の数字とかけ離れたド派手な数字での煽り記事が多かった)、結果的には3週目のKinKi Kids「硝子の少年」、エヴァンゲリオン関連作の「THANATOS -IF I CAN’T BE YOURS-」に続く初登場3位、3週トップ10に残り(3位→9位→8位)、その後も11~20位台にドラマ放送期間チョイ過ぎまでランクインし続け、最終的に50万枚の最大ヒットを記録した。

今作の大ヒットにより年末にはいきなり紅白歌合戦にも出演した。

Forever/反町隆史 with Richie Sambora

作詞:反町隆史、作曲:都志見隆、編曲:武部聡志
竹野内豊とのW主演フジ月9ドラマ『ビーチボーイズ』主題歌。作曲は初期TOKIOのメイン作家だったが路線変更に伴って外れたばかりだった都志見隆。1990年前後、80年代から90年代に突入して全盛期を過ぎていったアイドルへの曲提供が多めで、TOKIOでは急速に変化した90年代に明らかに適応できていない古臭い路線を貫いていたが、恐らくこれが都志見隆の作曲楽曲では中西保志「最後の雨」、織田裕二「歌えなかったラヴ・ソング」、TOKIO「LOVE YOU ONLY」辺りに続く売上だったのではないか。編曲の武部聡志はユーミンのツアーや『LOVE LOVEあいしてる』『FNS歌謡祭』などのフジテレビの生演奏系の歌番組の音楽監督としても有名だが、ドラマ『ビーチボーイズ』音楽担当でもあり、主題歌のアレンジもそのまま担当した形。劇中では武部聡志による反町が参加していないコーラスバージョンの「Forever」などいくつかのアレンジバージョンも使用されていた。

永遠の愛を歌ったラブソングのような内容になっているが情ソングのような言葉も並んでいて広く解釈可能。友情に寄せているのはある程度ドラマの内容を意識したためと思われる。Ah Forever Your Love♪がサビかと思いきや実はその後にもう1段階サビが待っている(変わらずに流れていく♪)という1曲で2度おいしい(?)仕様。低音ボーカルとはよく言われるがサビ部分はそこそこ高めではあり、声も張り上げて歌っているのでけっこう熱い。ドラマと合わせて色褪せない夏の名曲

with Richie Samboraとなっているように当時BON JOVIのギタリストだったRichie Samboraが参加(2010年代前半にツアーに参加しなくなってそのままフェードアウト、脱退扱いとなっている)。サビのバックで激しい英語のシャウトを炸裂させているほかギターでも参加しているとされた。シングル盤にはクレジットが無かったが、1stアルバム『メッセージ』で演奏クレジットが掲載されると実はサンボラはギターソロのみ鳥山雄司がギターとしてクレジットされていたため、聞こえる大半のギターは鳥山雄司だったという事に…。

紅白出演時は反町隆史単独での出演だったが、契約の問題でもあったのか、使用されたオケはRichie Samboraの声を綺麗に消し去ったバージョンだった。これはつまりAh Forever Your Love♪の後のふぉえっばゆーふれぇぇぇぇえぇぇん♪が無いという事であり、その部分は淡々と演奏が流れるのみ。まるで炭酸の抜けたコーラのようであり、これなんか違くね?という感は否めなかった。また演奏終了時には共演した竹野内豊が登場しておめでとうと言った後に握手していたが反町本人は「なんでいるの?」と笑いながら返したまま次の曲へ行ってしまったので余韻も何もなかった記憶が…(しかも竹野内豊は審査員等のゲストではなくこの一瞬のためだけの登場、同じく共演していた広末涼子の時には当然登場もしていない)。
★★★★★
1stアルバム『メッセージ
1stベスト『BEST OF MY TIME』
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST

C/W Forever(U.S.A. Version)/反町隆史 with Richie Sambora

シングルにしか収録されていない別アレンジバージョン。U.S.A. Versionという記載以外の一切の情報が不明で、編曲が武部聡志のままなのかも記載がないため不明。リズムアレンジはほぼそのままだったが全体に演奏が抑えられていてシンセや恐らく鳥山雄司が弾いていたと思われるソロではない部分のギターがあまり聞こえない。その代わりに随所でギターソロのような自由に動き回るギターが追加されている。USAとなっている事からもRichie Samboraのギターをフューチャーしたという事だったんだろうか。

また地味に大きな違いとしては合計3回登場するForever Your Loveが全てForever Your Friendに変更されているように聞こえる。Richie Samboraは元々原曲でもふぉえっばゆーふれぇぇぇぇえぇぇん♪とFriendでコーラス重ねていたっぽいんだけど、このバージョンでは反町のボーカルもラブ♪ではなく明らかにふれぇん♪になっている。歌詞が友情っぽかったのでより友情を強調した&Richie Samboraを前面に出して制作したのがこちらだったが、音数が少なくて地味といえば地味なのでもう少しJ-POPとして派手に変えて、ラブソングにもなるようにLoveに変えたのがオリジナルバージョンとして完成したみたいな感じだったのかもしれない。このバージョンもなかなか抑えたカッコよさがあって好きだ。
★★★★★
このバージョンではアルバム未収録

C/W NO PAIN NO GAIN

作詞:反町隆史、作曲:都志見隆、編曲:中山弘
低音ボーカルを最大限に生かしまくった地を這うようなロックナンバー。イントロからベベベ、ベンベベ、ベンベベベベベベベ…とベースがやたらフューチャーされていて、反町のボーカルも引っ張られて誇張しすぎたのではないかというくらいにこもりまくりな歌唱スタイル。痛み無くして成功は無い、本当に進みたい決めた道ならやるしかない、進むしかないと歌われる力強い応援歌というか鼓舞するような強い言葉が並んでいる。このためメッセージに熱さはあるし、大サビ部分ではけっこう高音を張り上げたりと低い、こもっているだけではない魅力もある。

シングルバージョンは最後のYOU GAINという反町の力強いシャウトと同時に演奏が終わるが、『メッセージ』では表記は無いがその後バンドの演奏が復活してからフェードアウトしていく部分が追加収録されたエンディングロングバージョンとなっている。ベスト盤では『GOLDEN☆BEST』だけアルバムバージョンで残りはシングルバージョンで収録。

8センチシングル3作3曲のC/Wで今作だけカラオケ収録が無かった。これは「Forever(U.S.A. Version)」を収録したため、この後に表題カラオケを収録した時点で20分を越えてしまい収録不可能だったためと思われる。
★★★☆☆
1stアルバム『メッセージ』(アルバムバージョン)
1stベスト『BEST OF MY TIME』
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST』(アルバムバージョン)

NO PAIN NO GAIN
反町隆史

24th Anniversary Maxi Single FOREVER DREAM

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97年12月19日
タイトルにあるように自身の24歳の誕生日を記念して発売されたマキシシングル。リメイク2曲と新曲1曲を収録。24th Anniversary Maxi Singleと明記されているが、何故かチャートではアルバム扱いにされた。リメイク2曲に新曲1曲ならO社のシングル基準となるが、99年に浜崎あゆみが『A』を4曲A面シングルとして扱ってからはこのようなブレは無くなったもののこの頃までは3曲入りでもアルバム扱いに回されることがあって基準が曖昧だった(例えばB’z『BAD COMMUNICATION』が新曲1曲リメイク2曲でアルバム扱い、福山雅治『HELLO』は新曲3曲でシングル扱い)。今作の場合は曲数というよりタイトルが別だったのでアルバムにされたのかもしれない(スピッツ『99ep』もアルバム扱い)。

公式の扱いもシングルと言っておいて2ndシングルとしてはカウントされておらず、次の『ONE』が2ndとされていた。

限定生産で紙ジャケット仕様。正直作り過ぎて余ったらしく店でいつまでも売られ続けていて限定枚数が完売したとは思えない状況だった。発売当時は24歳記念なので24万枚限定とかいう情報も目にしたがさすがにそんなに刷ってはいないはずだ…。年末の最終週にアルバムチャート初登場10位に滑り込んだが年明けの合算週には35位に急落し、そのまま合計5週で100位圏外となり、売上は6.4万枚。24万枚も作っていたら余ったっていうレベルじゃなくなるぜ…。

Forever(WINTER VERSION)

作詞:反町隆史、作曲:都志見隆、編曲:武部聡志
アコースティック感を強調してさっぱりさせたリメイク。ドラマ劇中でよく使われていたAh Forver Your Love ふ~う~う~う~、ふ~う~う~う~♪というおなじみのコーラスパートから始まるのは編曲がそのまま武部聡志だったため全部自分のアレンジなので取り入れやすかったのかも。全体のこざっぱりした印象が季節が逆になった冬っぽいといえば冬っぽい。Richie Samboraの参加は完全に削除されたが紅白で演奏されたそのまま抜け落ちたバージョンと違って、今作ではRichie Samboraのボーカルが入っていた箇所に冒頭のおなじみのコーラスパートを担当したコーラス陣がコーラスを入れているので物足りない感じは無い。またこのコーラスが冬っぽさを高めている。

改めて名曲だとは思うがあくまでアナザーバージョンであり、原曲と並ぶという感じではない。夏に比べると冬がこざっぱりしたアレンジというのはJ-WALKの「何も言えなくて…夏」と「何も言えなくて(WINTER VERSION)」との関係にも重なる

発表当時は年明け98年正月ドラマとして放映されたSP版に使用されると紹介されていた記憶があるが、SPでは普通にオリジナルが主題歌だった。実際には年末に放送された総集編で中盤のストーリーをダイジェスト的にすっ飛ばした際にBGMとして使用されただけだった。
★★★★☆
3rdベスト『BEST of BEST

メッセージ(SILENT VERSION)

作詞:反町隆史、作曲:都志見隆、編曲:中山弘
1stアルバム『メッセージ』表題曲のリメイク。今作もアレンジャーは変わっていないがドラムが打ち込みっぽくなっており、クレジットではSpirits of Groove:HIDEO YAMAKIとオリジナルでドラムを担当した山木秀夫への敬意を示すような表記がある。

『メッセージ』は前半はゴキゲンなロックナンバーが並ぶが後半は長尺の陶酔系大バラードが続く構成となっていて今作もかなり陶酔系。最後には“おまえは何が欲しい?愛 自由 安らぎ…”台詞を入れてしまうくらいロマンティックにキメまくっている。歌詞の内容はいつも遠くで見守っているのが自分にできるただ一つの事だとする相手へのメッセージになっていてラブソングとは少々様子が異なる。どういうシチュエーションで2人は離れているのか、相手は夢のために遠い場所で頑張っているというようなニュアンスではあるが俺とおまえの関係は直接は描写されていない。この時期の反町隆史は多忙な日々を送っていたわけで、解釈としては本名の自分から”反町隆史”へのメッセージと捉えられなくもない。

バージョン名のサイレントというのはサイレンナイホーリーナイ的なアレで要するにクリスマスが近かったので、鈴の音とか加えたりしてクリスマスっぽくしたという事だろう。ただ元々暗めの曲調だったのがさらに暗くなってしまったところもあり、これは普通にオリジナルバージョンの方が良かった。あまり必要性を感じないクリスマス商戦用アレンジといったところか。
★★★☆☆
このバージョンではアルバム未収録

二人きりの場所

作詞:反町隆史、作曲:都志見隆、編曲:中山弘
3曲の中で唯一の新曲。『メッセージ』の後半用に制作したアウトテイクのようなモヤモヤした音像のミディアム系。今作に関しては明確にラブソングとなっている。『メッセージ』は9曲しかなかったのでこの曲を入れて全10曲にすればフルアルバムとしての体裁は取れたと思うが、あの大バラード続きの後半にさらに足すような曲ではないとも思う。当時まだCDはほとんど持っておらずそんな中で購入した作品だけにそれなりに聞き込みはしたが、そんな想い出補正、初期補正を持ってしても正直あまり好きな曲ではない。この当時じゃなければ聞いても全く覚えてない曲になっていたかも。
★★★☆☆
1stベスト『BEST OF MY TIME』
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999
3rdベスト『BEST of BEST

 

2nd ONE

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98年4月15日
唯一ドラマ映画タイアップが無い状態でリリースされたシングル。LUNA SEAの復活作「STORM」が輝かしく1位を飾る中で初登場8位を記録。トップ10入りギリギリで早くもビミョーな感じだったが、9位に岡本真夜が、5位には知念里奈がいて反町と岡本がチャートを急落していく中で(今作は2週目に31位まで暴落)、この知念里奈「Wing」はロングヒットして代表曲になったので、どこでこんなに差が…と思ったのを記憶している。最終的に『FOREVER DREAM』と同じような売上になったので(6.6万枚)、この人気絶頂期でCDも絶対買うというファンがこのくらいだったのかもしれない。

ONE

作詞:反町隆史、作曲:氷室京介、編曲:吉田建
’98JAL沖縄キャンペーンCMソング。今作以外に同年の2ndアルバム『HIGH LIFE』収録曲「SINCERELY」も提供しているので同時に2曲もらっていたものと思われる。イントロから転がるようなピアノの音色が美しいピアノロックナンバー。抑えたAメロから高らかにBメロを歌い上げるが、再度Aメロに戻ってしまうというサビ焦らしな構成でAメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロと繰り返してようやくサビ。そこから大サビ→サビと展開していくのでサビまで焦らされるが、爽快なサビで飛び立った後はそのまま上空飛行したまま駆け抜けていくようなイメージ。JAL沖縄CMタイアップだけにサビ頭に“この空の風に乗って”とタイアップ曲としても余念がない。歌声があまり爽やかといえる声ではないとはいえ、全シングルの中でも最も爽やかな1曲だと思う。

当時これもかなり名曲じゃないかと1人で盛り上がっていたのだが、マジで1人で盛り上がっているだけで周囲では誰も聞いていなかったのでけっこう寂しかった(笑)。滅多に曲提供しない氷室京介による曲提供と考えればけっこう凄い事にも思えるが…98年中2当時最新のロックとはGLAYラルクであってベスト盤がミリオンヒットしていたBOOWYや氷室布袋は一昔前の人みたいなイメージだったからなぁ…。ただ氷室氏の提供としては2003年に後にDAIGOとなるDAIGO☆STARDUSTのロック魂に感銘を受けてデビュー曲「MARIA」を担当、自身のシングル「Claudia」と歌詞アレンジ違いで同時発売という話題性も一緒に提供してサポートしてくれるも自身は10位、DAIGO☆STARDUSTは64位と成功とは言い難い結果に終わったりもしていたので、提供としてはこの「ONE」のトップ10入りでも大当たりの部類に入る。最大ダントツの当たりは当然2007年のKAT-TUN「Keep the faith」である。

album mixはあまり大きな違いは無いが若干ロックっぽさが増している印象。

氷室京介は2000年のアルバム『beat haze odyssey』でセルフカバーしており、反町入魂の歌詞を歌う氷室京介が実現。氷室バージョンではギター主体のアレンジでよりロック色が強い。また大サビ部分の歌詞を助詞を変えてニュアンスを若干変更している。

反町隆史の楽曲配信はサブスクは「Forever」「POISON」の2曲のみ、DLでも何故か1st,3rdアルバムはあるのに2ndアルバムだけ外されているのでシングル4作で今作だけ未配信。氷室バージョンしか配信されてない状態である。
★★★★☆
2ndアルバム『HIGH LIFE』(album mix)
1stベスト『BEST OF MY TIME』
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST

C/W BREAKIN’ THROUGH THE NIGHT

作詞:反町隆史、作曲:KOHEY TSUCHIYA、編曲:吉田建
ドラムだけ打ち込みで機械的に派手にドッシンドッシン響いているロックナンバー。冒頭から”まっぴらごめんさ俺はこんなとこで終わるのは 世の中にあやつられたGRAYな人生よ”と低音カッコつけボイスで歌われる反骨精神溢れる始まりで、こんなところで終わらずに今をぶち壊してしたたかに生きてやれ(超訳)と訴えかける力強い応援歌。当時の反町の無敵なカッコよさは2年目も健在である事が良く分かる1曲。
★★★☆☆
2ndアルバム『HIGH LIFE
3rdベスト『BEST of BEST

3rd POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~

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98年7月29日
前作がパッとしなかったように歌手としての固定人気があまりついていなかった状況で今作はドラマの大ヒットもあって前作よりは高い初動を記録するも初登場9位と順位は下げた。しかしそこから11位→11位→10位→13位→12位→14位→18位→17位…とドラマ放送期間に10~20位以内を刻みまくるロングヒットを記録し、27万枚まで伸ばした。ただしその後は24位→40位→43位→100位圏外と超急落。これにより100位以内に12週ランクインしたのにO社誌右側(51位~100位)に1度も掲載されないままに消え去るという珍記録を打ち立てた。

インパクトは残したもののヒット曲としては30万枚以下の数字では足りなかったか、『ビーチボーイズ』で共演して前年共に歌手デビューして共に初出場だった広末涼子と揃って出場できなかった。このため両者をまとめてドラマ印象が強くて歌手としてのイメージが薄いからとする記事が飛び交った。なお『GTO』の1時間前の枠で放送され『GTO』ほどではないがかなりの大ヒットを記録したドラマ『神様、もう少しだけ』主題歌の「I for you」でLUNA SEAは紅白初出場を飾っている(売上は40万台で70万枚の「Storm」ではなかった))。

また続く2ndアルバム『HIGH LIFE』は今作のヒットの勢いが繋がらずにトップ10落ち(15位)となり、歌手活動は早くも停滞した。

ドラマに合わせて反町隆史は髪をバッサリ切って短髪となりけっこう大きくイメチェンしていた(以降現在まで大河ドラマで織田信長を演じた時のように長髪の時もあったが基本的にはこのくらいの短髪がデフォになった)。初回盤に封入されているカレンダーカードでの写真はまだ散髪前で前年までの『ビーチボーイズ』と同じ髪形となっている。

POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~

作詞:反町隆史、作曲:井上慎二郎、編曲:吉田建
ドラマ『GTO』主題歌。最終回で35%を越える空前の大ヒットを記録、共演した松嶋菜々子とはそのまま結婚、教頭が中尾彬だったり、友人役に藤木直人、木村多江、生徒陣からは池内博之、窪塚洋介、小栗旬らがその後も長く一線級で活躍している。何故かその後ブレイクしたのは男ばかりで、生徒役の女性陣はほとんどいなくなってしまったが…。

サブタイトルは”言いたいことも言えないこんな世の中“だが歌詞では”言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON”と歌われており、このフレーズが何よりも強いインパクトを残す。ド直球なフレーズ、誰もが抱える不満をストレートにサビに乗せる痛快さ唐突に繰り出される”POISON”。それまで「POISON」と言えば布袋寅泰だった。90万枚に迫る布袋寅泰の「POISON」の1/3程度の売上である今作だが、あっという間に「POISON」=反町隆史に塗り替わってしまった。今や「POISON」と言えば言いたいことも言えないこんな世の中な方であって、布袋最大のヒット曲を上げる方が少数派だろう。「POISON」で検索しても反町ばかり出てくるどころか反町しか出てこない勢いになっているぜ…。

当時のインタビューでは歌詞は自分で書きたかったので書いたが少し時間が無かったとも語っていた。ストレートな10代へのメッセージソングでもあり、1stアルバムから一貫して歌い続けてきた自分の信じた道を進め!というテーマの集大成ともいえる。

1度聞いただけで忘れられないが、それ以上にイントロのギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンというギターのフレーズが凄い。最初に聞いた時これはダサすぎるのではないか?と考える以前に思考停止になって言葉を失ったが、クセになる音色であり、インパクトが凄すぎる。気がつけばギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンが始まれば鬼塚先生の姿が浮かんでくる重要なフレーズとなった。

あまりにインパクトがありすぎて、ネット上では「ポイズン」が反町自身の事を指すネットスラングと化してしまうなどの弊害も生んだ。「言いたいことが言えない」に類する書き込みがあると、「ポイズン」というレスが複数に渡って返ってくるという現象もお約束となった。ネットを始めるまでまさかこんなネタ扱いされているとは知らず、発売当時中2で純粋にこの曲をカッコいいと思っていたので、ネットを始めた数年後で最初にショックだった事と言えば「反町ポイズン」とか呼ばれていた事というくらい衝撃だった。

後年はネタのされ方に変化が見られるようになり、巷ではある噂が囁かれるようになった。この曲を流すと赤ちゃんが泣き止むという都市伝説である。実際に本当に赤ちゃんが泣き止む映像が出回るなどしていたが、当の反町本人は歌手活動を終えて以降歌手活動に対して沈黙を守っており、この楽曲についても触れる事は無かった。

しかしあまりの反響に遂に事務所公認、反町本人も出演しての検証動画が公開された。

本人も爽やかに語っているが自分の声質が好きではない、竹野内豊の方がいい声だとも語っており、歌手活動をピタリ止めてしまった理由が垣間見えるところもあるが、いつかもう1度歌ってほしいものである。

このように近年は赤ちゃんネタで再度バズっているが、楽曲自体のメッセージは1㎜も揺らいでいない。むしろ当時よりも”言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON”が突き刺さる世の中になっており、“俺は俺をだますことなく生きてゆく”のが実に難しい事を痛感する日々である。”まっすぐ向き合う現実に誇りを持つために戦う事も必要なのさ”とあるように自分なりに戦い続けるのだろう。
★★★★★
2ndアルバム『HIGH LIFE
1stベスト『BEST OF MY TIME』
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST

C/W If you love me,don’t forget me

作詞:反町隆史、作曲:花田裕之、編曲:吉田建
淡々と進行していくミディアムロックナンバー。力強いメッセージソングではなく、今はまだ応えられないがいつか迎えに行くから待っていてほしい(超訳)と歌うラブソング。生き方を歌う曲に比べるとラブソングでは繊細さも見え隠れするような印象もある。「POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~」C/Wなんてどんな曲でも太刀打ちできないとはいえ、曲調が煮え切らないのがなぁ…。渋い魅力はあるので30代40代と続けていけば光るものはあったかも。

この曲に関しては本放送時にどうだったか覚えていないが、夕方の再放送時に演奏部分だけが提供バックで使用されていたのを記憶している。
★★★☆☆
2ndアルバム『HIGH LIFE』(album mix)
3rdベスト『BEST of BEST

 

4th POISON-movie mix-

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99年12月18日
98年9月の2ndアルバム『HIGH LIFE』を最後に新作リリースが停止、99年3月にはVHSや写真集との限定BOXセットのベスト盤『BEST OF MY TIME』をリリースしたっきり歌手活動は撤退状態になっていたが、99年末映画『GTO』公開に合わせてリメイクバージョンでの久々のシングル発売となった。今回は2曲+カラオケ1曲(「POISON 2000」のカラオケは無し)でマキシシングルだったがシングルとして扱われた。

リメイクであるため実際に本人がどこまで新たに関与しているかは不明(既存音源のボーカルテイクを使い回せば本人不在でも今作は作れてしまうため)。

『踊る大捜査線』の大ヒットで連ドラ初の映画ヒットが期待されるようになっていた中で映画『GTO』はドラマ版視聴率35%の盛り上がりが幻だったかのように初週の興行ランキングでなんとかトップ10入り程度の大コケとなってしまった。

映画がコケてしまった中で一応一直線の急落は避けられ、初登場45位から翌週38位に上昇するも5週で圏外となり、2万台の売上。

ジャケットや歌詞カードで使用されている写真は映画『GTO』用の素材と思われ、さらに元のボーカルにアレンジだけ挿げ替えた可能性も高く、新規に本人が関わっているのかは不明。

歌詞カードのスタッフクレジット部分に映画の主要キャスト3名(反町隆史 藤原紀香 田中麗奈)の名前も表示されているが藤原の名前が藤原紀に誤植されている。

POISON movie mix

作詞:反町隆史、作曲:井上慎二郎、編曲:中山弘
映画『GTO』主題歌。99年6月に『GTOドラマスペシャル』が放送されラストで鬼塚が電話で理事長から何かを告げられ「北海道!?」と叫んだところで終了、そこから北海道の高校に限定赴任した設定での映画『GTO』へと一応繋げた。しかしこの映画版ではドラマ版の関西テレビの制作陣が参加しておらず、フジテレビ主体で新たな監督や制作陣による制作となり、反町隆史以外は全キャスト、スタッフ一新となった。松嶋菜々子も出演しておらず、劇中の台詞でいくつか連ドラ時代の要素を盛り込んだのみで繋がりは希薄。『GTOドラマスペシャル』では松嶋菜々子演じる冬月の父親(北村総一朗)が登場し、北海道から様子を見に来た設定で最後に鬼塚を認めて「北海道で待ってる」と鬼塚と冬月2人での里帰りに含みを持たせたのに何の意味も無かった。

また同時期に小説版『GTO Live in 北海道』が原作として発表されていたが、登場人物の名前と一部設定を使用したのみでストーリーは全面的に別物であった。鬼塚先生を凶悪犯と勘違いして追いかける邪魔なだけの記者役に藤原紀香(本筋に全く関係ない動きしかしないが最初と最後で彼女の目線で夏の出来事を振り返る視点で構成)、メイン生徒役として田中麗奈、笠原秀幸、超脇役の生徒で妻夫木聡や忍成修吾が出ていたりと相変わらず男子生徒のブレイク率が高め。笠原秀幸は当時16歳の現役高校生だったが、2013年の『BAD BOYS J』に高校生不良役で出てきた時はまだ高校生役やってて驚いたし、2017年の『斉木楠雄のΨ難』でも灰呂杵志役でネタ的とはいえまだ高校生やっていたり、元AKB48、元NGT48北原里英と2021年に結婚を発表したりと、主演級ではないんだけど出演作は多くてあちこちで見かける。田中麗奈が「なっちゃん」CMでブレイクしてアイドル的人気があったのも今作までだった。今作以降連ドラには出ずに映画俳優になってしまったので、再度出演作が当たるまでは数年のブランクが生じた。

アレンジャーを吉田健から中山弘に変更したリアレンジバージョン。前述のように映画はコケたが狙いとしては『踊る大捜査線』に続けといった装いで『踊る大捜査線』も同様に織田裕二による主演主題歌パターン、映画では「Love Somebody(CINEMA version)」としてリメイクしていた。今作の場合明確にリアレンジされていてミックス違いというレベルでは無いのにmovie versionではなくmixになっているという事はボーカルは原曲を使い回しているのだろうか…。

イントロ部分のみ原曲とほぼ同じでファーーー…カラカッッカカラカラカーカカッ…カラカッッカカラカラカーカカッ…ギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンと始まるがそのままドンドンドンドン…とドラムが入ってくる原曲とは異なりいきなりズドドドドドドドッ!と激しいドラム連打から原曲よりもワイルドさを増した演奏が繰り広げられる。スクリーンに耐えうるスケールに迫力を拡大させたような感じでメチャメチャカッコいい演奏になっていて実際この映画2回も見に行ったが、劇場で聞いた時の迫力は桁違いだった。

激しいアレンジで一気に2番まで駆け抜けると一旦演奏が終了。”汚い嘘や言葉で操られたくない POISON”以降はバンド演奏オフの反町の単独熱唱から始まり、そこに生徒を思わせる大合唱が被さり、徐々にバンド演奏も戻ってくるがアレンジがロックバラード調に変わり、そのまま原曲より多くサビを大合唱するという構成。原曲の正統進化系ロックナンバーから一転してポイ、まさかの合唱曲になってしまったズン

この生徒を思わせる大コーラス、生徒である事は間違いないのだが、映画に出ていた出演者一同ではなく、a male&female,mixed chorus:Students of NIPPON ENGINEERING COLLEGEと表記されており、当時の日本工学院の生徒が参加している模様。クレジットが謎にmixed chorusとなっている事からやはり反町のボーカルは原曲のままでコーラスをミックスで足したという意味合い?

いずれにせよパワーアップ原曲POISONと合唱POISONを1曲で2度楽しめる仕様。

あとこのバージョンでも赤ちゃんが泣き止むのか検証してほしい。「POISON 2000」だとアレンジ変わりすぎててたぶん無理そうなのは分かるんだけど、このバージョンだとどうなんだろう。原曲のあのリズムじゃないとダメなのかどうか。
★★★★★
2ndベスト『BEST OF MY TIME~1999

C/W POISON 2000

作詞:反町隆史、作曲:井上慎二郎、編曲:中山弘
同じく中山弘によるリアレンジ。ピアノ&シンセの五十嵐宏治以外の演奏陣がご丁寧に一新されており(movie mixでは是永巧一がギターで中山弘はアレンジのみで演奏していなかったが2000では中山弘がギターも演奏)、生バンド+リミックスのようなゴチャゴチャした打ち込みが混在したようなやたらとガッシャガッシャした別アレンジ。ここまでこねくり回すとさすがにあのギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョ~~ンギョンギョギョギョギョ~~ンも埋もれまくっておりなんとなくそれっぽい演奏も入って入るがほとんど聞こえない。イントロもアウトロも妙に長く、感覚的にはリミックスバージョンに近いようなリアレンジであると同時に、実に世紀末らしい混沌としたアレンジだなと。99年末、ミレニアム直前のあの混沌とした空気は確かに反映されているように思う。

マキシシングルになり収録時間には多大な余裕があったにもかかわらず何故か今作のカラオケは収録されなかった。むしろ演奏がメインみたいなアレンジなのでいっそボーカル抜きでも聞いてみたいのだが…。『BEST of BEST』でmovie mixを差し置いて謎にアルバム初収録を果たした。
★★★☆☆
3rdベスト『BEST of BEST

5th Free

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00年11月1日
「POISON-movie mix-」はリメイク、99年はベスト盤のみだったため2年ぶりの歌手復帰作にして結果的に最終シングル初登場35位から2週で100位圏外、ギリで1万枚を越えた程度で『POISON-movie mix-』も下回ってしまった。この直後の3rdアルバム『SOUL』は初登場100位、当時の集計基準ギリギリとなり、歌手活動撤退の英断と相成った。

今作では表記が「Free」「Black and White」で歌詞カード、帯の曲目、帯の背文字(「Free」のみ)で全て統一されている。「Piece of “SOUL”」のみ『SOUL』なので3rdアルバム『SOUL』は最初から大文字表記だった。しかし『SOUL』収録時は全タイトルが大文字表記で統一され「FREE」「BLACK AND WHITE」となった。単に『SOUL』では全大文字統一しただけかと思いきや、後のベスト盤『BEST of BEST』『GOLDEN☆BEST』共に「FREE」「BLACK AND WHITE」で統一されている(「Forever」や「If you love me,don’t forget me」はそのままの表記なので、ベスト2作は全大文字統一ではない)。どうやらベスト収録の際はシングル盤を参照せずに『SOUL』基準へと変わってしまったようだ。

続く3rdアルバム『SOUL』が最終作となり、翌年にかけてのツアーを最後に2度と音楽活動は行われていない。

Free

作詞作曲:反町隆史、編曲:中山弘
唐沢寿明とのW主演ドラマ『ラブコンプレックス』主題歌。硬直したドラマの常識に新風を吹き込みたいという意欲でかなり斬新な演出手法が取られたドラマとなり、場面ごとに副題が表示されたり、設定自体も実験的だった。1話ド頭でビルの最上階から飛び降りて死ぬ反町という謎映像が映し出された後に物語が開始。とある企業で反町と唐沢が秘書室に配属され、7人の女性秘書(木村佳乃、りょう、小雪、西田尚美、伊東美咲、一戸奈未、高橋ひとみ)の中から横領犯を探し出せと命じられるところから物語がスタート。前置きは普通の企業ミステリーコメディのようだったが、7人の秘書は全員男嫌いのクセモノ揃い、かつそれぞれ裏の顔(コンプレックス)を持っていた。上司として反町をリードする唐沢も当初は有能そうだったが実際には飄々とした愉快な態度で振舞い、全く本心が見えず何が本当で何が嘘なのかも分からないアバウトな人間だった。そして反町自身も母親からの執着のような過剰な干渉に苦しめられていた。と、登場人物全員が裏の側面を持っていてそれがあぶりだされて行って混沌としまくるわ、前述の特殊演出のせいで終始シュールで意味不明になるわ、しまいには唐沢が徐々に人の内面に平気で踏み込み抉り出すような事をしだして狂気に染まっていき、反町も不信感を覚えだす。最終回とその前の回では悪サンタと化して人の精神世界に入り込み、軽部アナウンサーの精神世界に入り込んで軽部アナを苦しめ始める始末(軽部アナが本人役でゲスト出演という一応ギャグシーン)。唐沢の狂気を止める決意をした反町は直接対決を挑み、最終回終盤では反町と唐沢が誰もいない社内で生々しい殴り合いを繰り広げるというバイオレンス映像が長々と展開。これ決着つかないだろ…と思っていたらなんと本気で唐沢を締め上げて絞殺してしまう反町。しかし意識を失ったかに見えた瞬間突如目を見開いた唐沢の目の色は変な色に染まっていて(緑色とかだったような記憶が…)、突如反町にキス。一体何を見せられているんだと思ったら、唐沢は動かなくなっていた。そして駆け付けた木村佳乃が見たのは唐沢の緑の目が反町に移行している姿だった。悪魔のようなナニカが唐沢に憑依しており、それが自身に憑依した事を悟った反町は迷わずにそのまま窓へと飛び込み…1話冒頭の反町転落シーンに繋がってTHE END。主演2人が死亡、木村佳乃がバサッとコートを羽織って去っていく姿で締めだったように記憶しているが謎な演出が多すぎて変に印象には残っているが面白いドラマではなかった…。ただ場面ごとの副題というアイデアは月9ドラマ『アンティーク』でも使用され、そちらでは今作よりはこなれた感じの演出になっていたように思う。

という事で特殊なドラマだったため、今回はあまりドラマを意識したような主題歌にはなっていない。実際当時もインタビューでそのような発言をしていてドラマとはあまり関係なくある程度自由に作ったような事を語っていた。今作のポイントは初作曲。これまで作詞のみだったのが、シンガーソングライターへと踏み出した点だった。ただ続く3rdアルバム『SOUL』でシンガーソングライター反町隆史が利けるのかと思いきや、後にも先にも作曲は今作1曲ポッキリであった。

自由をテーマに、何故自由を求めるのかを問いかける激しいロックナンバー。1stアルバムに参加し、2ndで離れた後に前作で復帰した中山弘だが、これまで以上に激しいロックサウンドに振り切っていて演奏がかなりド派手。負けないようにボーカルも激しくシャウト気味になっていて、これまでとはかなり発声が変わっている。元々こもりがちだったのを叫ぶような激しさによりさらに発音は不明瞭になり、加えてこもっているので声の響きはボエ~ボエ~と表現するのが的確なような歌い方になってしまった。ボエ~って『ドラえもん』のジャイアンの歌唱シーンのイメージだが、リアルボエ~ってこんな感じなんじゃないのかなと。音痴ではないんだけど音の響きがボエ~っていうのは3rdアルバム『SOUL』を聞くとマジでボエ~ボエ~なんだよな…。

ただボエ~でも歌詞もメロディーもカッコいいし、演奏もカッコいい。曲自体としては正直売れる気はしないけどけっこう当時から好きな1曲
★★★★☆
3rdアルバム『SOUL
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST

FREE
反町隆史

C/W Black and White

作詞:反町隆史、作曲:柴崎浩、編曲:中山弘
1998~1999年にかけて活動していたが1stツアーを最後に沈黙が続いていた当時al.ni.coの柴崎浩(元WANDS)が作曲。1年半近く何の動きも無い中でこれが初の曲提供となり、アルバム『SOUL』でも3曲を提供。al.ni.coはこの翌年に正式に解散を発表しているが既に活動継続は不可能な状態になっていたようで、柴崎浩にとっては再スタートのきっかけのような曲提供でもあったのかもしれない。

ただメロディーの印象よりも激しすぎるアレンジとこもり&激しい発声によるボエ~ル(エ~ボエ~ボーカ)によりかなりカオスな事になってしまっていて、結果的にメロディーがあまり残ってこない。アルバム曲「TOWARD THE WIND」の方がまだ柴崎浩のメロディーメイカーぶりを発揮されているように思う。
★★★☆☆
3rdアルバム『SOUL
3rdベスト『BEST of BEST
4thベスト『GOLDEN☆BEST

BLACK AND WHITE
反町隆史

C/W Piece of “SOUL”

3曲目に「Free(Original Backing Track)」つまりカラオケを経て(「Black and White」のカラオケは無し)、4曲目に収録された来るアルバム『SOUL』をピッタリ3分に編集したダイジェストメドレー。ただでさえ爆音ロックアレンジでガシャガシャとした音像なのにアルバムの断片集という演出意図でさらに音質をざらつかせているため、かなり音がヤバい事になってしまっていて、これぞ真のジャイアンリサイタルメドレーのようなボエ~ボエ~っぷりに…。いやこれ逆プロモーションになっちゃってるでしょ。もっと普通にダイジェストしてればけっこうメロディーはいいアルバムだったんだからさ…(クレジットを見れば分かるように実績のあるシンガーソングライター勢を揃え、演奏陣も一中スタジオミュージシャン揃いの力作である)。
★★☆☆☆
3rdアルバム『SOUL』のダイジェストメドレー

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