1st 寂しさは秋の色
91年12月4日
デビュー作。シングル発売(デビュー)に先駆けて「寂しさは秋の色」は11月にドラマのサントラ盤『HOTEL WOMAN Original Soundtrack』に収録されていたので厳密にはシングルカット。この『ホテルウーマン』とか『ウーマンドリーム』はビーイングが主題歌として1曲、挿入歌としてデビュー前の新人含む自社アーティストを大量起用、それらをまとめてサウンドトラックとしてアルバムを出す(実際にはドラマの劇中インストじゃなくて歌入りのコンピ盤になる)というやり方をしていた。
初登場66位から64位→63位と刻む推移を見せて100位以内に7週ランクインして3万枚のヒットを記録。東芝EMIからのデビューだったが、93年末に自社B-Gramへ移籍した事に伴い94年にB-Gramから再発されたためシングル盤はTODT品番とBGDH品番の2種存在する。次回作もそうだが初期の8センチシングルは下半分のトレイを切り離して折り畳むことでさらに半分のサイズにできるというのをアピール・推奨しており、これに伴ってジャケットの中央付近にご丁寧に折り畳み線が用意されていた。この風習は程なくして廃れて推奨されなくなったので、EMI盤とB-Gram再発盤には品番やレコード会社表記の違い以外に折り畳み線の有無という違いもある。
寂しさは秋の色
作詞:上杉昇、作曲:栗林誠一郎、編曲:明石昌夫
フジテレビのドラマ『ホテルウーマン』挿入歌。11月21日にサントラ盤『HOTEL WOMAN Original Soundtrack』に先駆けて収録されたものから間奏のギターソロを変更している。
12月になってから秋の曲を出すのは遅すぎるが、当初はここでデビューさせるつもりは無かったのだろうか。晩秋っぽさはあるので9月とかではまだ聞く気にならなかったりはするが…12月は遅すぎる。長戸大幸プロデューサーが上杉に何度も歌いなおしをさせたというエピソードも伝えられており、レコーディングはかなり苦労した模様。
デビュー曲にしては哀愁漂いまくりだが、栗林誠一郎×明石昌夫なのでブレイク期のヒット曲と並んでも違和感がない。ただ1期の大島スパコンサウンドの中ではただただ異色であり、デビュー前の準備期間で既にオリジナル曲を書き溜めていたのにいざデビュー曲が自分の曲ではなかった大島は怒っていたと後に上杉が著書で述懐している。
何気にシングルバージョンでのベスト盤収録は『SINGLES COLLECTION +6』のみなのでリマスターは96年のものが最新となり、シングルでは最古。
『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』ではリミックスを施され、ギターが派手に聞こえるサウンドになっている。ドラムの音色が変わっているほか、楽器の場所も変わっていてエレキギターが随分と右寄りに移動してオリジナルよりもガッツリ持ち上げられて目立って聞こえるのが派手に聞こえる原因だろうか。全体になんか変な改変をした印象が強いこのベストのリミックスの中では1番まともな変更だと思う。何気にクリップ集DVDに収録されているのもこのリミックスバージョンに差し替えられている。
LIVE ACOUSTIC Versionは文字通りにアコースティックでのライブ音源でバンドサウンドではない。ライブではCDと異なるやや雑な歌い方をする事も多かったが、アコースティックバラードなので丁寧に歌いあげている印象。
大事なデビュー曲という事もあってか上杉昇がソロで06年にリリースしたカバーアルバム『SPOILS』では「Same Side」(表記は「SAME SIDE」)と共にセルフカバーされているがこれもアコースティックスタイルとなっている。
★★★★☆
サントラ盤『HOTEL WOMAN Original Soundtrack』(ギターソロが異なる)
1stアルバム『WANDS』
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6』
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』(リミックス)
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』(LIVE ACOUSTIC Version)
上杉昇 カバーアルバム『SPOILS』(ソロでセルフカバー)
寂しさは秋の色
WANDS
寂しさは秋の色
WANDS
1997/11/06 ¥255
寂しさは秋の色 (Live Accoustic Version)
WANDS
2002/08/25 ¥255
寂しさは秋の色
上杉昇
2006/12/06 ¥204
C/W STRAY CAT
作詞:上杉昇、作曲:小澤正澄、編曲:明石昌夫
95年にPAMELAHとしてデビューし、ZARD「愛が見えない」や今世紀になってからもSKE48「アイシテラブル!」を大ヒットさせた小澤正澄の作曲家デビュー作。アップテンポでダンサブルな雰囲気もあり、この時期特有のフィンフィン連呼(オーケストラヒット連発)には時代を感じる。ただ同時期のT-BOLANに比べるとフィンフィンは控えめで差別化していたのかもしれない。
比較的今作の方が1期WANDSの大島スパコンサウンドの方向性に近いが…まさかC/Wまで大島曲が採用されないとはデビューに向けて書き溜めていたのにそれは確かに怒るわ…。しかも割と近い路線なのに他の新人作家の曲持ってこられてC/Wこれで行くからとか言われたらたまらんわな。
そのようにメインライターなのに出番が無かった大島だけでなく、デビューが決まったものの自身が志向するロックとはかけ離れた方向性でデビューすることになった上杉もこの状況に思うところがあったのか、目を引くのはその歌詞の内容。“抑えつけられてたら夢も見れない”とか“自暴自棄でも 今 歌い続けるよ”とかいきなりやらされている事とやりたいことがかけ離れている事を訴えかけているかのような内容。脱退直前の時期にこの歌詞が書かれたなら大いに納得だが、1作目からこの歌詞が出てきてしかも採用してしまうプロデューサーも凄い…。
後半サビの歌詞表記が若干間違っているのは誤植か。
★★★☆☆
アルバム未収録
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