WANDS 3期 25周年全曲回顧~1997-2000~
上杉昇、柴崎浩の脱退後、残された木村真也(Keyboard)はWANDSを続ける事にして、新たに和久二郎(Vocal)、杉元一生(Guitar)が加入。3期WANDSとして再始動を果たした。この新生WANDSを3期と銘打った事で公式にWANDSは1期、2期、3期と区分されるようになった。
3期の始動に際してはFCでは当然上杉と柴崎の脱退や3期としての再始動をきちんと報告しており、一般にも3期としてきちんと説明はしていたようだ。実際WANDSに興味が無く『ドラゴンボールGT』の曲としてランクインしてきた『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』を紹介する際に“3期”という言葉やボーカルチェンジでの再始動という説明をしているのを見た記憶があり、WANDSをちゃんと聞く前から3期としてボーカルチェンジで再スタートした事は知っていた(1期と2期の境目とかまだ知らなかったけど)。本気で隠そうとしたり、情報を出さないようにしていたわけではない。
3期始動時にメンバーチェンジを極力隠そうとしていたとする言説は2000年代序盤頃の登録サイト時代のヤフーに掲載されていたファンサイトでの3期への批判、そして当サイト含むそれより下の世代が3期に遅れて接するにあたりそれらの記述を見てそんなことがあったのかと参考にする→『AWAKE』は批判された名盤であるとする下の世代が『AWAKE』をレビューする際にそのことについて触れる…という形でややねじ曲がって拡散されていったというのが実際のところだろう。
とはいえ当時の上杉・柴崎ファンが怒るのも無理はない。
・ジャケットをイラストだけにして新加入なのに一切のメンバー表記をしない
・3人映ってはいるものの逆光を駆使したPV
元よりB社はシングル盤でメンバー表記をしない事が多かった。初期のDEENに至っては4thシングル『永遠をあずけてくれ』で初めてローマ字で4人表記されたが、次に表記された1stアルバム『DEEN』ではギタードラムが別の人に変わっているなんていう有様であった。よってそんなに珍しい事ではなかったが今まで全部メンバー写真のジャケットだったのに新始動で新しい顔を売らなきゃならないのに写真無し、新メンバーが誰なのか表記しないというのが隠そうとしたという解釈に繋がってしまったと思われる。
・即座に『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』を発売
・上杉・柴崎時代のシングル曲の一部にリミックスを施した
・木村作曲だったとはいえ「MILLION MILES AWAY」をいきなり3期でカバー
当時のファンサイトでのB社批判、3期批判への決定打はどちらかというと『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』だったように思う。96年3月に『SINGLES COLLECTION +6』がリリースされていたのにベスト盤を連続で出す意味があまりないし、アルバム初収録となった2期末期の2シングルに勝手にリミックスを施した事と「もっと強く抱きしめたなら」のギターリフを消去した事はその筆頭である。
これらの仕打ちが重なり、ここまでするような会社なら前述のメンバー写真表記なしとか逆光PVにもボーカルチェンジを極力伏せようとした意図があって不思議ではないという考えからそういった隠そうとした説に発展し、ちょうどインターネットが普及し始め、ファンサイト文化が盛り上がり始めていた時期も重なって3期への批判を多くの人が目にすることになった…というのが改めて思う当時の実態である。
一方で3期の残したヒット2曲「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」「明日もし君が壊れても」がいずれも少年少女向けアニメタイアップだった事もあり、主題歌として親しんだ新たな世代も多かった。このため後追いのリスナーはフラットに3期を受け入れることができており、現在のネット上ではわざわざ3期を批判するような声はほとんど見受けられず、むしろ3期が残した『AWAKE』を名盤と評する傾向が年々強まっていった。
とはいえ活動当時の3期メンバーはプレッシャーとの戦いだったようだ。『AWAKE』はやりきったものの最後は売れずに解体を言い渡される形で活動を終了した。
和久二郎はビーイングを離れてソロで音源をネット上で公開していたがCD発売に至ることが無く契約切れになり長らく引退状態にあったが、2012年に本名の松元治郎として復活。同じく本名で活動している安保一生(杉元)の全面バックアップにより自主制作でのCD発売を行った。4年後の2016年には2作目もリリース。本人、安保の曲だけでなく、木村真也、綿貫正顕の提供もあり、当時行う事が出来なかったライブも開催。ライブには綿貫や木村もゲスト参加して3期WANDSメンバーが揃い、思い残していた事を果たしたという事もあったのか以後は再度引退状態にある。2021年には週刊誌のインタビューに登場してWANDS当時を振り返っている。ただし4枚目のシングルが売れなかった直後に解散を言い渡された事になっているが、7ヶ月後に『AWAKE』を発売、『AWAKE』から半年近く経過してから解体を発表したので結果的に4枚目のシングルから1年後の解散発表であり、”直後”ではない。1年前にはもう解散が言い渡された状態での『AWAKE』だったのだろうか。
杉元一生は2002年にデビューしたflow-war(デビュー当時はflower名義)のサポートギタリストとして参加した後、03年後半に正式メンバーとして加入するも04年に解散後は独立。本名の安保一生へと名義変更。デビュー前の95年頃から原盤制作やマネジメントなどビーイングでの制作メソッドを学習、プレイヤー&コンポーザーとしての技術以外の音楽制作全般の知識と経験を積んだ経験が活きてプロデューサーとして多岐に渡って活躍していた模様。実際に松元治郎のCD制作ではAll Songs Arrangement,Guitar,Programing,Recording,Mix,Web Management,Photograph,Video,Jacket Design..と制作の全工程を1人で手掛けていた。
木村真也は作編曲で主に裏方としての活動を継続していた模様。WANDSが長戸大幸によって上原大史をボーカルに迎えて柴崎浩、1期の大島こうすけと3人で4期として再始動するも大島が脱退した際には1期→2期と同じような形で再加入して5期WANDSとなった。5期WANDSが活動を開始した直後に新コロ騒動となり、強いストレスにより思うように活動が出来なくなっていたようで5期においては1度も作詞作曲編曲に関与する事なく、無期限の活動休止となってしまった。5期WANDSでは3期でのトランスフォーム後のグラサン長髪ではなく、2期時代のデカメガネ姿を再現している。
12th 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
97年9月3日
WANDSの再始動や復活を印象付けるようなプロモーションはされたものの、ジャケットにはメンバー表記も写真も一切無し、PVにはメンバーが出ているものの逆光になっていた。メディアでは3期WANDS、ボーカルチェンジは説明しており、3期という単語を使用した事で初めて公式に大島康介在籍時を1期、木村加入後を2期と区分するようにもなった。
PVやアートワークの印象からいつの間にかメンバーチェンジを隠そうとしていたというのが定説になっていたが、WANDSをちゃんと知らなかった当時、一応TVでこの曲を紹介する際に「3期」という単語やメンバーが変わったことを説明しているのをちゃんと聞いた記憶がある。隠そうとはしていなかったが、新メンバーの詳しい詳細はミステリアスにしておこうという程度だったと思われるが、B社特有の露出控え戦略が裏目に出たと言える。
和久の声は上杉よりも高かったが、どこか似通ったところがあったため、『ドラゴンボールGT』と『SLAM DUNK』主題歌は同じWANDSなので同じボーカルだと思っていた同級生も普通にいたので、興味ない人は本当にWANDSという名前と曲くらいしか知らなかったのも確かである。
なおB-Gramに移籍した7th『Jumpin’ Jack Boy』からカラオケ収録が途絶えていたが、3期では表題曲カラオケ収録が復活した。
錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
作詞作曲:小松未歩、編曲:池田大介
アニメ『ドラゴンボールGT』最終ED。7月からOAされ11月の最終回まで使用された。微妙に区切りが悪く超17号を倒して間髪を入れずにDBが邪悪龍になってしまい邪悪龍討伐に悟空とパンが旅立って数話進行してから今作に切り替わった。後ろ姿で佇むGT悟空をバックに歴代の悟空の歩く姿が映し出され、最後は仲間たちの元にGT悟空がたどり着くと大人悟空(超4ではない尻尾ありのノーマル悟空という作中には登場しない姿)になって振り返って終了…と既に最終回が近い事を示唆するような映像になっていた。このバージョンでは少々細部の演奏が異なるほか、Bメロの”地図に無い街へ旅立とう”の歌い回しが異なる、サビの後にギターソロが入ってから”錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう”と繰り返すといったCD版とは異なる構成になっているが音源化されていない。『ドラゴンボールGT』自体はCSでの再放送やDVD発売、各種サブスク動画サイトでの配信が行われているのでエンディングとして直接聞く事は比較的容易である。
売上全盛期の1993年頃のWANDSを彷彿とさせる…と説明されているがさすがにあの頃のオケヒ連発とか1997年にそのままやると既に時代錯誤なくらい移り変わりが早かった事もあってちゃんとアップデートはされている。93年当時のサウンドよりもロック色が強く、時代性の強いキーボードやシンセは控えられているが、2期後期の重さは無くなり、確かにWANDSとして本来目指すべきポップというか単純にヒットシングルとしてのWANDSはこの方向性だよなとは思わせてくれる1曲だ。『at the BEING studio』のライナーでも当時の木村がFCで語った証言としてWANDSはこういうポップな曲をやるべきだと語っていたという木村によるポップなWANDS像を強調する内容になっているが、実際のところ会社の意向が大きかったと思われ、3期WANDSとしては恐らく制限や会社の意向の中で模索しながら新たなWANDSサウンドを目指していく流れだったんじゃないかなと。
当時3期は叩かれたとされていたが、これは数年後にインターネットが普及していった際のアーティストのファンサイト文化の中では上杉・柴崎時代のリアルタイムのファンがメインだったため、3期に否定的な流れになっていた事にも起因しており、当時「GT」を見ていた若い世代には軒並み好評だった。このため3期否定派の個人サイトが廃れて消滅していって以降、後追いで3期WANDSの『AWAKE』を取り上げたレビューには好意的なものが多くなっていった印象があり、現在ではわざわざ3期を否定するような言説はほとんど見かけなくなっている。
しかし小松未歩が歌詞も担当した割には歌詞が意味深で、前作で”どうかもうこれ以上このこめかみを撃ち抜かないで”と上杉が歌っていたのに反応するかのように錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こうとしたり、冒頭のフレーズ“鎖につながれ歩き出す君を 飲み込むくらい多忙な都会は流れてく”にしても辞めていった2人を指しているかのように意味深に思える。小松未歩がそこまで当時のWANDSのゴタゴタを聞かされていたとも思えないので、それとなく意味深になるように誘導されたのか、意味深になるように“○○が書き換えた”が発動した可能性も無くは無いのではないか…。
それにしても聞くたびに再始動、復活を感じさせるのは何故なのだろう。イントロの徐々にやってくる感じとか、その後の派手なアレンジでの演出効果も大きいと思うんだけど、これだと確かにあんな感じの逆光PVにもしたくなるよな。
特に表記されていないが『AWAKE』収録時にミックスし直しているようだ。明らかにギターやドラムが重めになっているので、オリジナルより重厚でロック色が強くなっている。結果的に今作のみ編曲がWANDSではなく、曲調の割に3期の中ではキラキラ感が強かったのでアルバムに合うように変更したような感じ。続けてイヤホンやヘッドフォンで聞けば違いが分かると思う(『at the BEING studio』辺りと比べるとリマスターによる音圧上昇もあってシングルでも音が派手だがそれでも『AWAKE』でのギターのズンズン感とドラムの音色の違いは判別できるくらいには違う)。
3ヶ月後には小松未歩が1stアルバム『謎』でセルフカバー。WANDSとしては5期でセルフカバーしているが、木村は既にレコーディングに参加していなかった。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』(低音やや強め)
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』
18thシングル『カナリア鳴いた頃に』初回盤のみC/W(WANDS第5期ver.)
錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
WANDS
錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
WANDS
C/W Try Again
作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
これまで「MILLION MILES AWAY」を作曲しただけだった木村だが3期ではリーダーとして作詞作曲を積極的に行うようになり才能を発揮した。3期始動へ向けての決意表明にもとれる1曲。ラブソングなのか応援ソングなのかよく分からないが、要するに言いたいのは「Try Again」、もう一度WANDSをやるという強い決意を曲に託したものと思われる。
編曲もWANDS名義になっていて早速の完全自作だが、93年頃のWANDSサウンドとかポップなものをというのを意識しすぎたのか、結果的には3期の中でもかなり浮いた立ち位置で妙に軽く聞こえてしまう打ち込みアレンジに仕上がっている。まだまだ模索状態だったことが伺える。
★★★☆☆
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』
Try Again
WANDS
MILLION MILES AWAY
97年11月6日
作詞:上杉昇、作曲:木村真也、編曲:WANDS
4thアルバム『PIECE OF MY SOUL』収録曲で2期で唯一木村が作曲していた楽曲。恐らくそれを理由に選曲、3期でカバーする事になったと思われる。シングルから2ヶ月後にリリースした『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』の最後に収録された唯一の新録曲。1期2期3期と初めて公式に区分してWANDSをヒストリー的に網羅したベスト盤という触れ込みだったが、再始動直後に上杉・柴崎時代の曲が大半のベスト盤というのがまず1勝手、その上杉・柴崎時代の一部曲にリミックスを施したのが2勝手、「MILLION MILES AWAY」をカバーした事が3勝手…とあまりに勝手に勝手を重ねたために当時のファンの怒りを決定的なものにしてしまった問題作となってしまった。さすがにもう少しやり方ってものがあったのではないかと思うが…。
編曲:WANDSなんだけど葉山たけしによる原曲をベースドラムを打ち込みに差し替えて打ち込みし直しただけに聞こえるようなほぼ同じアレンジ(間奏ギターソロはさすがに違うし、原曲ではその後展開したキーボードソロを何故かカット)、なんかこのコーラス原曲の上杉コーラスそのまま流用してない?というような制作方針も批判の的となってしまった。変えたら変えたで勝手に変えるなとなっていた可能性が高く、またどう考えても比較されていばらの道確定だった3期としての始動にあたっての3人のメンバーの心情にも当時の上杉とはまた違った形で刺さる歌詞だった事は間違いなく、そんなに間違った選択でも無かったとは思う。しかしやはりやり方とタイミングがさぁ…。
このカバーに関しては3期高評価の流れの中でも最もアンタッチャブル案件になったままのようにも思う。ていうかわざわざこのバージョン最高とか原曲越えてるぜ!とかまずもって思わないわけで…。2021年に木村不在ながら5期でセルフカバーし、歴代ボーカリスト3人が歌った唯一の曲となった事で少しは救われたような気がする。
★★★★☆
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』
原曲は4thアルバム『PIECE OF MY SOUL』
19thシングル『YURA YURA』名探偵コナン盤のみC/W(WANDS第5期ver.)
Million Miles Away
WANDS
13th Brand New Love
98年2月11日
今作ではジャケットにメンバー3人が登場し、歌詞カードのところにメンバー表記もちゃんとされた。ただし和久はこれ以降サングラス姿でいる写真やPVが多く、素顔を見せることは少なかった。
またデカメガネ姿がトレードマークだった木村は3期になってからも前作のPV、『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』の3期の写真でも2期の時のままのデカメガネ姿だったが、今作でサングラス&長髪という以前の面影が全く無い姿にトランスフォームを遂げた。あまりの変貌っぷりに木村も即刻交代して別のメンバーになったのかと思うほど。
3期始動時の売り方で元WANDSファンの大半が離脱してしまったのか、今作は初登場17位と1st2nd以来のトップ10落ちとなり一気に低迷した。
Brand New Love
作詞:坂井泉水、作曲:綿貫正顕、編曲:WANDS
ZARD坂井泉水が作詞、冒頭のボイスにも参加。さらにアウトロで聞こえるラップは1期メンバーにしてSO-Fiの大島康祐、佐々木美和が担当。SO-Fiは97年3月のアルバムを最後にそのまま自然消滅したため今作時点でも既に最後の作品から1年近く経過していたが、さらに1年後の『AWAKE』のクレジットでもまだfrom SO-Fiと表記され存続扱いになっていた。大島こうすけは今作にラップで参加した事で1期(メンバー)、2期(1期時代の曲ストック)に続けて3期にも参加した事になり、解体時点で全期に関わった唯一のメンバーだったが、その後さらに4期(メンバー)、5期(4期の時に作っていた「真っ赤なLip」作編曲)にも関わったため、1~5期全てに何らかの形で関わった唯一のメンバーへとさらに記録更新を果たした。作曲を担当した綿貫正顕とは当時会う事は無かったらしいが、後々まで縁が深く、和久が松元治郎としてソロで再始動した際には当時未発表になっていた綿貫正顕の作曲作品も使用され、さらにライブではライブ初披露に加えて綿貫もゲスト参加したらしい。
3期は93年頃のポップ路線に回帰する事を目指している…と思っていると予想の圏外でハードかつスリリングな曲調に驚くロックナンバー。基本的にロックバンド的なサウンドだが、DJ的なサウンド(スクラッチやラップ等)がスパイス的に加味されていてけっこう攻めたアレンジになっている。Dragon Ashが大ブレイクしてHIP HOP的なアプローチがヒットの主流になってくるのは1年後くらいなので、98年時点でこういう要素を加えるのはちょっと先を行っていたのかもしれない(大島こうすけのSO-Fiも少し時代とマッチするには先を行きすぎて早すぎた感がある)。
加えて今作では激しいサウンドの中でもギターとピアノの共存が鮮やかにキマっている。2期後半は埋もれるばかりだったキーボード、そして前作でもまだ手探りだった新たなWANDSサウンドだが、一気に3期WANDSの方向性が確立したような、同時にWANDSの魂を継承した別バンドで良かったような気にもなってくる名曲。2期後半を思うとギターとキーボードの共存は実に鮮やか。トランスフォームを遂げてグラサン長髪で激しくキーボードを弾くPVでの木村の姿もプロデューサーSK感が出ていてとてもカッコいい。5期ではデカメガネ姿に戻り、『WANDS Streaming Live~BURN THE SECRET~』では5期でのライブ映像も収録されたが、この曲を演奏するのはデカメガネ姿よりも当時のグラサン長髪スタイルが似合う。PVでしか見れないが、なんかこのPVの木村さんメチャメチャカッコ良くない?
ZARDが99年のアルバム『永遠』でセルフカバーを発表、この際は和久がコーラス参加している。5期では音源化の前に前述の『WANDS Streaming Live~BURN THE SECRET~』特典映像としてライブ映像を収録。その後音源化された際には木村不在でレコーディングされている。結局木村不在の状況で前作と今作を5期でセルフカバーしてしまったのは本当に残念。
★★★★★
5thアルバム『AWAKE』
18thシングル『カナリア鳴いた頃に』通常盤のみC/W(WANDS第5期ver.)
Brand New Love
WANDS
C/W Hurts Good
作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
どっしりした雰囲気の打ち込みバンド風ロックナンバー。「Try Again」が妙に軽かっただけに軌道修正してサウンドを重く仕上げた感じもある。一直線にド派手なのでなんだか突き抜けてしまうところもあるけど、表題曲同様に3期WANDSの方向性が1つ固まったのを感じる1曲。
3期始動後かなりのファン離れ&元ファンによるバッシングはメンバーにも届いていたのか、歌詞は迷いの思いを全面的に吐露したような内容になっているのが印象的。一応前向きに締めてはいるんだけど、“輝いて見えた夢の中は笑えない道化師だった 投げてしまえばどんなに楽だろう”とかいきなり3期の重圧を炸裂させてくるし、“汚れないものがもてはやされていたそんな時代は終り 何がいいのか見えない世の中でどんな歌を歌えばいい?”なんて1993年頃の音楽性はとっくに古く過去のものになってしまった中でWANDSとして何を歌って行けばいいのか模索している心情がそのまま出ているような…。サビでも”孤独の川流れて行こう”とか茨の道でも進んでいくしかねぇ…的な悲壮感が漂っている。割とポップでキャッチーとはかけ離れたところにある内容だが、でも当時の3期の重圧を思うとけっこうドキュメントな1曲でもあると思う。何よりこういう詩曲が書けるなら2期のうちにもっと出していってほしかったというのもある。
★★★☆☆
アルバム未収録
14th 明日もし君が壊れても
98年6月10日
タイアップ効果もあって、「錆びついた~」に続くトップ10復帰を果たして初登場8位、10万枚を越えた3期の代表2曲のうちの1曲。2曲ともアニメタイアップで当時の子供たちに印象を残していたのも3期が後々再評価されていくきっかけになった。
解体前、アルバムも含めて最後のトップ10ヒットとなったため、ヒット曲としてのWANDSの記憶は今作を最後に途切れていて気がついたらいつの間にか解散していたらしい…という認識のリスナーが多いものと思われる。
明日もし君が壊れても
作詞:坂井泉水、作曲:大野愛果、編曲:WANDS
アニメ『遊☆戯☆王』ED。この遊戯王は現在もシリーズで続いている方ではなく、2クールほどで終了したテレ朝版。2クールで終わったので、OPのFIELD OF VIEW「渇いた叫び」と共に最初から最後まで使用され続けた。VHSでは作品化されたが、DVD化されず、再放送もされず…と以降のシリーズとは局も異なり、繋がりが全く無いため半ば黒歴史状態で、正規に後追いで見る手段が実質無いので再放送で後追いファンを生んだ『ドラゴンボールGT』と違ってその後も新たなファン層を生み出すのには繋がっていないと思われる(当時見ていた子供たちが大人になって改めて聞くみたいなところまでで断ち切れているのではないか)。
作詞は前作に続いて坂井泉水。大野愛果の作家デビュー作。今作を皮切りにあちこちに提供するようになり、後期ZARDとGIZA studioの主砲作家となった。後に大野愛果本人が2007年の愛内里菜&三枝夕夏「七つの海を渡る風のように」、2004年の三枝夕夏 IN db「笑顔でいようよ」も同時期に連続して作曲していた事を明かしている。他の2曲は随分眠らせたんだなぁ…。
壮大なロックバラード。シングルとしては「寂しさは秋の色」くらいしかバラードらしいバラードは無かったのでWANDSシングルでバラードはかなり異色だった。和久の高音が冴え渡る圧巻のバラードで、前作でアップナンバーでの最高傑作を作り上げた3期がバラードでも最高傑作を作り上げたような印象。メロディーの強さも相まってサビでの和久の高音ボーカルには何度聞いても圧倒される。カラオケでヘタに手を出すと撃沈する曲の1つ。なお今作のカラオケバージョンではサビ部分でコーラスの川島だりあによるコーラスと言うにはあまりにも単独ボーカルっぽく響き渡るコーラスを聞く事ができる。
ZARDは2001年の『時間の翼』でセルフカバーしたが、前作と違ってこの時はもうWANDS解体後。和久もそのままビーイングを辞めてしまっていたためコーラス参加はしていない。坂井泉水が亡くなった後に『ZARD Request Best~beautiful memory~』収録時にリアレンジされ、『時間の翼』を正式に無かった事にして新たに全曲リアレンジした『時間の翼~30th Anniversary~』でも再度リアレンジされるなどZARDバージョンだけで3アレンジも存在する。5期でも『BURN THE SECRET』でカバー。さすがに3期の高音は無理だろうと思ったら5期ボーカル上原は原曲キー真っ向勝負で歌い上げてみせた。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』
6thアルバム『BURN THE SECRET』(WANDS 第5期 ver.)
明日もし君が壊れても
WANDS
C/W Soldier
作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
前作C/W「Hurts Good」と似たような感じのアップテンポで重めのロックナンバー。割と直球に葛藤を綴っていた前作に対して今作は一応ラブソングの体裁を取っていて、サビ頭の”世界は変わる…きっと僕らの気持ち次第 やりきれない事ばかりだけど”と前作よりも前向きな言葉が並んでいる。これは一応2人の恋愛模様という体裁にはなっているが、3期WANDSが抱えていた悩みとそれを吹っ切ろうとしている様子が反映されていたように感じられる。タイトルそのままでWANDSの名を背負うB社のSoldier的心境か…。
★★★☆☆
アルバム未収録
15th 「今日、ナニカノハズミデ生きている」
99年3月31日
結果的に3期最後のシングル。前作から9ヵ月ものブランクが生じていた事もあってか一気に初登場32位と超低迷した。後年のインタビューでメンバー3人がこれをシングルで出すのかと疑問だった事を語っており、直後に解散を言い渡されたとしている。ただしここから解散発表まではまだ1年あり、少なくとも「直後」ではないように思うが、次にアルバム出して売れなかったら解散と言われていてもおかしくはないか。
今作のCDトレイの下にはメンバー写真があり、グラサンをしていない素顔の和久二郎を拝むことができる。なお中央後ろに佇むグラサン長髪の木村さんが最早ラスボスのような佇まいになってしまっているのは御愛嬌
「今日、ナニカノハズミデ生きている」
作詞:AZUKI 七、作曲:三好誠、編曲:WANDS
GARNET CROWでのデビューはこの年の12月(インディーズ)だったが、一足先にこの時期に突如として出現してDEEN、FIELD OF VIEWにも作詞していたAZUKI 七、インディーズデビュー直後で半月後のメジャーデビューシングル「Still for your love」がいきなりヒットしたrumania montevideo三好誠が作曲…と期待のド新人作家の組み合わせによる提供。大野愛果を含めてDEEN、FIELD OF VIEWどころか自作している大黒摩季のシングル曲にまで採用させていた時期だけに新人を売り出したい会社側の強い意向があったと思われ、実際に前述のインタビューからしても意見を言える状況で無かったというのも3期WANDSの立場が弱いからとかでなくそりゃそうだったんだろうなと思う。
電子オルガンのようなピ~ロリピ~リピ~ロロロロ♪という強烈な音色とひたすら激しいバンドサウンド、なんだか閉塞感の漂う世紀末感あふれる歌詞やタイトルでやたら重い。木村によるC/Wでは重圧を感じさせる曲もやっていただけにいきなり変貌したとまでは思わないがそれでも闇落ち感あるし、メンバー3人とも“他にいい曲があるのに、なんでこの曲なんだろう”と思ったというのは正しい感覚だったと思う。これはこれでいい曲なんだけどシングル曲としてどう勝算があったのかとは思うし、好条件のタイアップ付けて出してもヒットする未来はちょっと見えない。コナンタイアップとはいえ「Still for your love」をヒットさせているし三好誠にもヒットメイカーとしての力はあったと思うんだけど…どうもこの後もいい曲はあるんだけど微妙な扱いが続いてあまりGIZAで重宝される作家にはなれなかったなぁ…。
ただ一応編曲がWANDS名義なのでこの曲をこんな重いアレンジにしたのはメンバー主導でもあったはず。世紀末という混沌とした世相が反映されたともいえるし、予想以上に3期が叩かれた事でメンバー、スタッフ共に疲弊してブラックモードに突入していたのかもしれないし、様々な時代背景を見て新たな3期ならではのWANDSサウンドを模索した結果でもあったのかもしれない。
『AWAKE』で聞くまでリリースされていた事もおぼろげなくらい印象の無い曲だったが(『CDTV』でやたら低いところに初登場してきたのを見た記憶もあるような無いような…)、なんだかんだ聞いているとクセになってきて、割と好きな1曲になった。案外最も5期でカバーしてもう1度世に問うてほしい1曲だったりもする。当時より今の方が時代にハマるのではないか。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』
今日、ナニカノハズミデ生きている
WANDS
C/W FREEZE
作詞作曲:杉元一生、編曲:WANDS
3期で木村以外のメンバーが作った初の曲。杉元一生はデビュー前の95年頃から作詞作曲編曲だけでなく、CD制作の全工程を学習していたと後に語っており、実際に現在は全工程を自身で行える環境を整えており、松元治郎のソロ作品もボーカル以外の全工程(録音からミックス、マスタリングといったCD全工程だけでなく、CDプレスに向けての諸所の業務も全部杉元が行った)を手掛けた。
そんな杉元の初作品となるが、早くも才能が溢れていて疾走感溢れるギターロックサウンドが展開する超名曲。曲が始まるまでが長い上にダダンダン…ダダンダンダダンダダンダン…とじわじわ鳴り響く音からターミネーターが出てきそうなのと疾走感溢れる曲調は格闘ゲーソングっぽい感じはあるが、実際にPSソフト『Cybernetic EMPIRE』イメージソングというタイアップがあった。発売が夏過ぎだったっぽいので半年くらい遅れてのタイアップだったのかな?イメージソングというかゲームのOPムービーとして収録されていたとかなんとか…。明らかにこっちのがストレートな上に、当たれば長く愛される人気曲になり得るゲームタイアップ話があったならこっちがシングルA面だろうと思うのだが、それ以上に新人作家起用が大前提にあったのか…。
C/Wのまま埋もれさせたくなかったのか3期が主導した最後のベスト盤『BEST OF WANDS HISTORY』ではA面を差し置いて今作を収録した事からも思い入れの強さが伺える。
★★★★★
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
Freeze
WANDS
アルバム『AWAKE』
99年10月27日
3期唯一のオリジナルアルバム。『「今日、ナニカノハズミデ生きている」』から7ヵ月ものブランクで3期での初アルバム、トップ10ヒットシングル2曲が収録されていたのでそれなりに宣伝すればそれなりには売れたと思われるがさほどプロモーションもされずにけっこうひっそり発売されたため、初登場18位と低迷。今作の不振が決定打となったか、半年近い沈黙の末に00年3月になって解体を発表した。
当時はろくに売れず、00年代前半頃のレビューサイトでもそもそもWANDS扱ってても今作はスルーというものが多かったが、当サイト始め下の世代が後追いで聞いて評判が良く、徐々に隠れ名盤と評する傾向が見えるようになっていった。
一時期はB社側も半ば黒歴史扱いだったのか、生産を止めてしまったのか2010年前後に廃盤高騰した時期もあったが、松元治郎が活動した時期辺りから流通が再開されたようで現在も安定供給されている上に、あまり出回っていないためか、これ以前のベスト盤よりも中古相場は高値をキープしていて一定の貫禄を保ち続けている。
WANDSとしては通算5thアルバムとなるが、発売から解体以降まではしばらくは『SINGLES COLLECTION +6』を5th扱いしていたため今作の公式ナンバリングは6thだった。5期始動の際にリニューアルされた公式サイトで正式にカウントが変更され、5thアルバムとなった。
AWAKE
作詞:木村真也、作曲:杉元一生、編曲:WANDS
アルバム表題曲。当時一部ファンの間でタイアップが物議を醸した。ミズノINTERNATIONALのCMタイアップだったんだけど、99年1月には上杉昇、柴崎浩によるal.ni.coの3rdシングル『カナリア』がこのミズノINTERNATIONALのCMタイアップを取っていたためである。al.ni.coにとっては初にして唯一のタイアップを何故に同じ年の後半には3期WANDSが獲得していたのか。偶然にしては出来過ぎで、わざと同じタイアップを狙っていったのではないかと憶測を呼んだという事らしい。確かにここまで露骨に同じタイアップに上書きされるとこのままタイアップまでも奪い去りたいような感じはしてくるな…。
シングルで割と重めの曲が続いていたが、初心に戻って3期が目指したポップとロックの融合が結実したようなデジロック風のナンバー。歌詞は目覚める事を決意するまでの思いが語られているが、散々色々言っておいて最後までベッドの中から抜け出せないままで終わるというダメさ加減、これでは締めのBut,I must awakeがちょっと疑わしいところまで含めてなんだか人間味溢れていていい。
表題曲にして3期の到達点はこの曲だと思うし、あまりに早い終了ではあったけどWANDSとしてやり切ったというのも納得できるだけの1曲。もう少し音が重くてもよかったかなとは思うが色々と試行錯誤した結果こうなったようだ。
『AWAKE』では1曲目だが、『BEST OF WANDS HISTORY』、VHS/DVD『BEST OF WANDS VIDEO HISTORY』ではWANDSを締めくくる楽曲としてエンディングに収録されている。先に聞いたのが解体時だったと思うので締めくくりの印象も強い。
★★★★★
5thアルバム『AWAKE』
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
Awake
WANDS
雲が流れる方へ
作詞:杉元一生、作曲:杉元一生・木村真也、編曲:WANDS
比較的穏やかに歌われるミディアムナンバー。WANDSでこういう落ち着いた雰囲気って案外あまりなかったように思う。歌詞が当時流行っていた“本当の自分”とか“自分探し”そのままな内容で10代の頃は特に歌詞が最も刺さる1曲だったのを思い出す(今作発売当時は中3だが当時は聞いてなくて高校生になってから聞いた)。自分が誰なのか意味もなく知りたくないっていうのはあの時期を抜けて確かに思う事だったよなと改めて思う。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』
雲が流れる方へ
WANDS
With you~living in my heart~
作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
アルバムの演奏クレジットが一括なのでどの曲で誰が参加しているのか正確には分からないが今作は普通にストレートに生バンドで演奏されているものと思われる。サビ頭が全部“君がいれば生きてゆくのはたやすいことだろう”なのでこのフレーズがまず印象に残るが、よく見ると冒頭から“冷たい寝顔に花を添えながら”とあり、随所で振り返り視点、君が既にいない事を示しており、故人を思っている曲、胸の中で君は生きていて君と共に生きようとしている曲だという事が分かる。当初あまり意識してなくてただ単にストレートなロックサウンドがカッコいいなと思っていただけだったが、けっこう重かった。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』
With You – Living In My Heart
WANDS
SILENCE
作詞:和久二郎、作曲:木村真也、編曲:WANDS
ボーカル和久二郎による作詞はアルバム曲で登場する4曲のみ。タイトル通りにサイレンスなアレンジで軽い打ち込みを中心にサビも無く淡々と進行。中間部のみ派手に盛り上がるが明確なサビが無いまま終了していく。アルバムならではの役割を果たしている1曲といった印象。
★★★☆☆
5thアルバム『AWAKE』
Silence
WANDS
BLACK or WHITE
作詞:杉元一生、作曲:木村真也、編曲:WANDS
打ち込みっぽいちょっとダンサブルなリズムに乗せたロックナンバー。答えが見えずに自分自身に迷っているようないわゆるモラトリアム的な心情を綴った歌詞は同じ杉元一生の作詞による「雲が流れる方へ」にも通じるところがある。本人が当時そういう気質があったのか、たまたまそういうテーマを歌詞にしやすかったのかは分からないが3人の歌詞の中では1番共感できるなと思ったのを記憶している。
★★★☆☆
5thアルバム『AWAKE』
Black or White
WANDS
Time washed away
作詞:和久二郎、作曲:木村真也、編曲:WANDS
キーボードで静かに始まり、リズムも入ってストリングスも交えて穏やかに優雅に聞かせる小曲。歌詞が2行ずつの3ブロックしかないため歌は1分20秒程度でもう歌いきってしまい、残り1分は長いアウトロ演奏。耳休め(?)的な1曲といったところか。
★★★☆☆
5thアルバム『AWAKE』
Time Washed Away
WANDS
Still in love
作詞:木村真也、作曲:杉元一生・木村真也、編曲:WANDS
相手が心変わりして別の相手を好きになって友人となるもあきらめきれない心情を歌ったロックナンバー。これも恐らくドラムが生と思われる。歌詞は苦しいが曲とメロディーは結構好き。ラストフレーズが“君を奪い去りたい”なのは特に意図は無いだろうきっとないだろう。
★★★☆☆
5thアルバム『AWAKE』
Still In Love
WANDS
Please tell me Jesus
作詞:和久二郎、作曲:宇徳敬子、編曲:WANDS
彼女と友人の関係を知ってしまった男の心情をひたすらまくしたてまくるという3期で最もハイテンションなロックナンバー。和久の作詞は何故かサビが無かったり、3ブロックしかなかったり、2番が無かったりと、変則的な曲ばかりで、平メロサビがあって1番2番があって間奏があって最後にサビというオーソドックスな曲構成なのは今作だけ(今作は今作でBメロが無くてAメロから一気にサビに飛ぶけど)。このため他の3曲は歌詞自体が少なめなんだけど、今作は逆に字余りにひたすら並びたてるというやけくそ気味な作風で異彩を放っている。しかもこんな激しい曲で作曲が宇徳敬子というのも驚き。これは元々バラードだったのをアレンジで改変したらしいが、デモ段階のまま宇徳敬子が自分で作詞して自分で歌う曲にしていたら全く違う印象の曲になっていたっぽい。
ボーカルが作詞した曲としては今作が最も代表曲という意味合いなのかは分からないが、『BEST OF WANDS HISTORY』に選曲された。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
Please Tell Me Jesus
WANDS
Where there’s a will…
作詞:和久二郎、作曲:木村真也、編曲:WANDS
アルバムを締めくくるしっとりピアノバラード。1番はピアノとボーカルのみで進行し、間奏からストリングスとアコースティックギターも鳴り始めるがそれ以上盛り上がる事は無くBメロとサビで終わるこれまた短めの構成。別れを歌った内容で後ろ向きでは無いんだけど結果的に3期WANDSの最終曲となってあまりに静かに綺麗に消え去っていくような雰囲気がどうにも切ない。静かに歌い上げる和久のボーカルの魅力はシングルでは見せていなかったとはいえ「Time washed away」もある事だし、もう1曲ロックナンバーが聞きたかったところではある。
★★★☆☆
5thアルバム『AWAKE』
コメント
初めまして、当時のWANDSを視聴していたものです。ブログ主の方より少し年上でしょうか。
この部分ですが、最初は全くメンバー名を出していません。
当方、ビーイングの発行していた、J-ROCK MAGAZINEやWHAT’S INを所持していましたが、雑誌広告もジャケット同様の龍にタイトルとWANDSと発売日だけでした。
PVも3種類あり、最初はジャケットにもある龍のCGを使っただけのものが使用されました。
これは独立系の地方テレビ局で流れていた、ビーイング提供の番組J-ROCK ARTIST BEST 50でも使用されており、映像を持っております。
続いて、顔の見えないシルエットだけのものが主流になり、最終的にメンバー名が印字されたものは11月6日発売のWANDS BESTが発売されるまでに差し替えられました。
これは11月6日に各媒体の広告で脱退が発表されたからです。私はWhat’s Inでそれを知り、即日ファンクラブの入会手続きをした経緯があります。
ということで、主題歌起用から、発売当初はメンバーチェンジを隠していたというのは間違っていませんよ。
何度かブログ拝見させていただいてます。
WANDSの曲の評価はとても共感できるものが多く、ほとんど同じ感想を持っているので、驚いている所です。私の指摘した部分以外は正しいと思います。
こちらもあくまで私見ですので、参考程度かと思いますが、よろしくお願いします。
ORICONが発行していたORICONウィークTheICHIBANでは、新譜紹介のコーナーで錆びついた〜のシングル解説文にガッツリとメンバーチェンジしたことが明記されていて、衝撃を受けたことをはっきりと記憶しています。
たしかにビーイング側が積極的に情報発信してはいませんでしたので、それを隠していたという見方もできなくはないですが、メンバーチェンジの情報がまったく世に出ていなかったわけではなく、私の印象もブログ主様の見解に近いです。